15日(土)。わが家に来てから今日で2834日目を迎え、2021年1月の米連邦議会議事堂襲撃事件を調査している米議会下院の特別委員会は13日、トランプ前大統領が事件に大きく関与したとして、証人として召喚することを全会一致で可決したが、トランプ氏がこの決定に強く反発することは必至で、召喚にも応じないとみられる というニュースを見て感想を述べるモコタロです
ロシアに恥知らずプーチンあり アメリカに破廉恥トランプあり 共通点は無法者!
昨日の夕食は、前日余ったピザと娘が作ってくれたウニのスパゲティにしました スパゲッティはスライスチーズを乗せて混ぜて食べるとすごく美味しいです
昨日、すみだトリフォニーホールで新日本フィル「第10回すみだクラシックへの扉」公演を聴きました プログラムは①モーツアルト「フルートとハープのための協奏曲 ハ長調 K.299」、ベートーヴェン「ピアノ協奏曲第4番 ト長調 作品58」、ブラームス「交響曲第2番 ニ長調 作品73」です 演奏は①のフルート独奏=上野星矢、ハープ独奏=山宮るり子、②のピアノ独奏=田部京子、指揮=上岡敏之です
本公演は当初、ラルス・フォークトのピアノと指揮で演奏されるはずでしたが、同氏の急逝により急きょ出演者が変更になったものです
あらためて紹介するまでもありませんが、上岡敏之は新日本フィル第4代音楽監督で、現在、コペンハーゲン・フィル首席指揮者、ザールブリュッケン音楽大学指揮科正教授を務めています。新日本フィルの音楽監督時代は、コロナ禍の影響でドイツから帰国出来ず、思うように国内での指揮活動が出来なかったため、今回は約2年半ぶりの新日本フィルへの登場となります
オケは左から第1ヴァイオリン、第2ヴァイオリン、チェロ、ヴィオラ、その後ろにコントラバスといういつもの新日本フィルの並び。コンマスは崔文洙です 第2ヴァイオリンのトップには首席の佐々木絵理子と並んで、元「クァルテット・エクセルシオ」第2ヴァイオン奏者・山田百子がスタンバイします ちなみに山田百子の前任者は遠藤香奈子(都響第2ヴァイオリン首席)で、後任は北見春菜です ついでに、新日本フィルのヴィオラ首席・中恵菜は「カルテット・アマービレ」のメンバーです
1曲目はモーツアルト「フルートとハープのための協奏曲 ハ長調 K.299」です この曲はウォルフガング・アマデウス・モーツァルト(1756ー1791)が1778年にフランスのアマチュア音楽家ド・ギーヌ伯爵と彼の娘のために作曲した作品です 第1楽章「アレグロ」、第2楽章「アンダンティーノ」、第3楽章「ロンド:アレグロ」の3楽章から成ります
フルート独奏の上野星矢は19歳の時、世界的フルート奏者の登竜門である「第8回ジャン=ピエール・ランパル国際フルートコンクール」で優勝 パリ国立高等音楽院第一過程、ミュンヘン国立音楽大学大学院修了。現在、世界を舞台に活躍しています ハープ独奏の山宮るり子はハンブルク国立音楽演劇大学・大学院で研鑽を積む。ミュンヘン国際音楽コンクール・ハープ部門第2位、リリー・ラスキーヌ国際ハープコンクールで優勝を果たしています
上岡の指揮で第1楽章が管弦楽によって開始されます そして”お待たせしました”とばかりにフルートとハープが入ってきます 天翔けるフルートを美しいハープが支えます 何と軽やかで流麗な演奏だろうか 2つの独奏楽器が絡み合うカデンツァは華麗にして優雅です 第2楽章は天国的な音楽です。天使のハープが優しく会場を満たします 第3楽章はモーツアルトらしい愉悦感に満ちた演奏で、2つの独奏楽器を上岡 ✕ 新日本フィルが緻密なアンサンブルでしっかりと支えました
2曲目はベートーヴェン「ピアノ協奏曲第4番 ト長調 作品58」です この曲はルートヴィヒ・ヴァン・ベートーヴェン(1770ー1827)が1805年から翌06年にかけて作曲、1807年にアン・デア・ウィーン劇場で公開初演されました 第1楽章「アレグロ・モデラート」、第2楽章「アンダンテ・コン・モト」、第3楽章「ロンド:ヴィヴァーチェ」の3楽章から成ります
ピアノ独奏の田部京子は17歳で日本音楽コンクール優勝。ベルリン芸術大学で研鑽を積み、ミュンヘン国際音楽コンクールなどで受賞多数 現在、桐朋学園大学院大学教授も務めています
第1楽章冒頭は田部のピアノ独奏で入ります。独奏ピアノから開始される手法は当時としては画期的でした そしてオーケストラの演奏が続き、再びピアノが加わり内面的な対話が展開します 田部のピアノが何と美しいことか 一音一音の粒立ちが綺麗で明快です 比較的長めのカデンツァは鮮やかでした 第2楽章は冒頭、オーケストラと独奏ピアノとの対話が聴かれますが、この音楽を聴くたびに私は次のような対話を思い浮かべてしまいます
若者A(オケ):仕事のノルマが厳しくて疲れたよ
若者B(ピアノ):大変だねぇ
若者A(オケ):忙しい割には給料が安いし、やんなっちゃうよ
若者B(ピアノ):日本の企業は従業員の給料を抑えて内部留保に回しているからね
若者A(オケ):おまけに値上げラッシュで生活がますます苦しくなってきたよ
若者B(ピアノ):いっそのこと消費税率を大幅に下げてくれれば助かるけどね
演奏に戻ります 第2楽章のラストから第3楽章冒頭に移るところで聴かれた、研ぎ澄まされた弱音による静謐な音楽づくりは上岡の真骨頂です 第3楽章は一転、溌溂とした独奏ピアノとオケとの丁々発止のやり取りが素晴らしく、力強く輝かしいフィナーレを飾りました
プログラム後半はブラームス「交響曲第2番 ニ長調 作品73」です この曲はヨハネス・ブラームス(1833ー1897)が1877年に風光明媚なペルチャハで作曲、同年12月30日にハンス・リヒター指揮ウィーン・フィルにより初演されました 第1楽章「アレグロ・ノン・トロッポ」、第2楽章「アダージョ・ノン・トロッポ ~ リステッソ・テンポ、マ・グラツィオーソ」、第3楽章「アレグレット・グラツィオーソ ~ プレスト・マ・ノン・アッサイ」、第4楽章「アレグロ・スピリート」の4楽章から成ります
上岡の指揮で第1楽章が開始されます 冒頭は「レ・ド#・レ」という「谷型音形」(事前に開催された小室敬幸氏の「ワンコイン講座」では「刺繍音形」と呼んでいた)が現れますが、これが展開部や、他の楽章でも執拗に繰り返されます 上岡はかなりゆったりしたテンポで開始しますが、その後一気に加速していき、長い旋律の流麗な音楽が展開します 第2楽章では、野津雄太のフルート、岡北斗のオーボエが素晴らしい演奏を繰り広げていました 実質的なスケルツォの第3楽章を経て、第4楽章は第1楽章冒頭に現れた「谷型音形」が繰り返し登場し、音楽が前へ前へと進められます 全体を通して、上岡は各セクションへの明確な指示により風通しの良い流麗な音楽づくりに徹していました
満場の拍手にカーテンコールが繰り返されました 今回の代役がなければ、上岡氏の新日本フィルへの復帰はもっと遅くなっていたことでしょう コロナ禍の影響で長期間にわたり新日本フィルを指揮することが出来ず、音楽監督としての責務を十分に果たせなかったことによる双方の”わだかまり”が、この公演のリハーサルと本番をきっかけに解消すると信じます
終演後、来年3月25日(土)午後2時からトリフォニーホールで開催される「新日本フィル創立50周年記念特別演奏会 ~ 上岡敏之指揮によるブルックナー『交響曲第8番』」のチケットの先行予約を済ませました 1階センターブロックやや後方の通路側席を確保しました
終演後、コンマスの崔氏が一礼しオケが解散したタイミングでロビーに出たのですが、ロビーの臨時受付カウンターにはすでに長蛇の列が出来ており、2階の階段の上まで続いていました 帰り際にパトロネージュ部の登原さんに「今日は大変な騒ぎだね」と声をかけると、「明日はもっと大変だと思います」と答えていました。上岡人気、恐るべし