人生の目的は音楽だ!toraのブログ

クラシック・コンサートを聴いた感想、映画を観た感想、お薦め本等について毎日、その翌日朝に書き綴っています。

セバスティアン・ヴァイグレ ✕ ダニエル・ロザコヴィッチ ✕ 読売日響でベートーヴェン「ヴァイオリン協奏曲」、R.シュトラウス:交響詩「ツァラトゥストラはかく語り」他を聴く

2024年01月17日 00時12分01秒 | 日記

17日(水)。わが家に来てから今日で3290日目を迎え、米大統領選の共和党指名候補争いは15日夜、初戦となるアイオワ州の党員集会が行われ、ドナルド・トランプ前大統領(77)が勝利を確実にした  というニュースを見て感想を述べるモコタロです

 

     

     共和党員には良心の持ち主はいないのか! 犯罪容疑者を再び大統領にするつもりか

 

         

 

昨日、夕食に「鶏肉の山賊焼き」と「モヤシの味噌汁」を作りました 山賊焼きはちょっと焦げてしまい、いかにも山賊のようになってしまいましたが、とても美味しかったです

 

     

 

         

 

昨夜、サントリーホールで読売日響「第634回定期演奏会」を聴きました プログラムは①ワーグナー:歌劇「リエンツィ」序曲、②ベートーヴェン「ヴァイオリン協奏曲 ニ長調 作品61」、③R.シュトラウス:交響詩「ツァラトゥストラはかく語り 作品30」です 演奏は②のヴァイオリン独奏=ダニエル・ロザコヴィッチ、指揮=セバスティアン・ヴァイグレです

 

     

 

オケは14型で、左から第1ヴァイオリン、第2ヴァイオリン、チェロ、ヴィオラ、その後ろにコントラバスといういつもの読響の並び コンマスは林悠介、隣は元神奈川フィル・コンマスの﨑谷直人が客演しています

1曲目はワーグナー:歌劇「リエンツィ」序曲です このオペラはリヒャルト・ワーグナー(1813-1883)が1838年から40年にかけて作曲、1842年10月20日にドレスデンで初演された全5幕から成る歌劇です 物語は「ローマ教皇の公証人であったリエンツィは、一度は民衆の支持を得て貴族派を押さえて護民官の地位に就くが、やがて貴族の策謀と民衆の裏切りによって滅びる」という内容です

ヴァイグレの指揮で演奏に入ります 冒頭のトランペットをはじめホルン、トロンボーンといった金管楽器が大活躍し、オペラ指揮者ヴァイグレの本領発揮といったドラマティックな演奏を繰り広げました 全体的に重心の低いドイツ的な演奏だったと思います

2曲目はベートーヴェン「ヴァイオリン協奏曲 ニ長調 作品61」です この曲はルートヴィヒ・ヴァン・ベートーヴェン(1770-1827)が1806年に作曲、同年12月23日にアン・デア・ウィーン劇場で初演されました 第1楽章「アレグロ・マ・ノン・トロッポ」、第2楽章「ラルゲット」、第3楽章「ロンド:アレグロ」の3楽章から成ります

ヴァイオリン独奏のダニエル・ロザコヴィッチは2001年ストックホルム生まれの弱冠23歳 8歳で協奏曲デビューを飾り、15歳で名門ドイツ・グラモフォンと専属契約を結び脚光を浴びました 著名な指揮者と共に世界各国のオーケストラと共演を重ねています

ティンパニの4連打で第1楽章が開始されますが、この曲はオーケストラによる序奏部が長く、独奏ヴァイオリンはなかなか登場しません 極めて古典的です。その序奏部では、オーボエの金子亜未が素晴らしい演奏を展開しました ロザコヴィッチの独奏ヴァイオリンがおもむろに入ってきますが、彼は終始、弱音重視とでもいうべき演奏を繰り広げます 果たして2階席最後方まで音が届いているのか、と心配になるほどナーヴァスな音です そして遅いテンポで丁寧に音を紡ぎ出していきます 終結部の手前では演奏が止まるかと思うほどテンポが落ちました 第2楽章に入ってからも、ロザコヴィッチはゆったりしたテンポで一音一音を慈しむように演奏し、弱音による研ぎ澄まされた美音が会場を満たしました 第3楽章に入ると一転、美音はそのままで軽快な演奏が展開し、終盤のカデンツァでは”繊細さ”とは対極にある”情熱的な”演奏を繰り広げました

満場の拍手とブラボーにロザコヴィッチはアンコールに、J.Sバッハの「無伴奏ヴァイオリン・ソナタ第1番 ト短調」の第1楽章「アダージョ」を重音技法を駆使して”弱音”によりしみじみと演奏、聴衆を黙らせました 彼のポリシーは一貫しているようです

 

     

 

プログラム後半はR.シュトラウス:交響詩「ツァラトゥストラはかく語り 作品30」です この曲はリヒャルト・シュトラウス(1864-1949)がフリードリヒ・ニーチェの思想書「ツァラトゥストラはかく語りき」に啓発され、1895年から96年にかけて同名のタイトルにより作曲、1896年11月27日にフランクフルト・アム・マインで初演されました 第1部「導入」、第2部「世界の背後を説く人々について」、第3部「大いなる憧れについて」、第4部「喜びと情熱について」、第5部「墓場の歌」、第6部「学問について」、第7部「病の癒えつつある者」、第8部「舞踏の歌」、第9部「夜をさすらう者の歌」の9部から構成されています 第2部から第8部まではニーチェの著作から採った言葉をタイトルとして付しています

弦は16型に拡大し、フルオーケストラ態勢を敷きます ステージ下手にはハープが2台、2階正面のパイプオルガンにも奏者がスタンバイします

ヴァイグレの指揮で第1部が、パイプオルガンの低音に乗せて、トランペットがドソドの音型を演奏して開始されます 私はこの冒頭を聴くと、スタンリー・キューブリック監督による不朽の名作「2001年宇宙の旅」(1968年)を思い出します あの映画では、人工知能「ハル」と人間との争いが出てきますが、現在まさにそういう時代を迎えています

こういう大管弦楽を駆使したスケールの大きな作品は、読響のゴージャスなサウンドが最適です 何よりもトランペット、ホルン、トロンボーン、テューバといった金管楽器の演奏が素晴らしい そして木管楽器がよく歌い、打楽器群がここぞというところで活躍し、弦楽器が渾身の演奏を展開します 林コンマスのヴァイオリン独奏、ソロ・チェロ遠藤真理の独奏も冴えていました 全体的に重厚感のある宇宙的な広がりを感じさせる堂々たる演奏でした

 

     

コメント
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