人生の目的は音楽だ!toraのブログ

クラシック・コンサートを聴いた感想、映画を観た感想、お薦め本等について毎日、その翌日朝に書き綴っています。

「井上道義ファイナル・コンサート」はこれだ! / 中山七里著「銀齢探偵社 静おばあちゃんと要介護探偵 2」を読む / 「女性ならではの感性とは?」 ~ 朝日新聞の記事から

2024年01月13日 06時49分06秒 | 日記

13日(土)。サントリーホールの公式サイトに「2024~25 サントリーホール主催公演」が発表されました それによると、12月30日(月)に「第54回サントリー音楽賞受賞記念コンサート」が開かれ、2022年度の受賞者・井上道義が指揮を執ります プログラムや出演オーケストラなどの詳細は不明ですが、チケットは8月発売となっています 井上道義は今年12月末日をもって指揮者を引退すると表明していることから、この公演が実質的な「ファイナル・コンサート」になると思われます 今後の情報公開が待たれます

話は変わりますが、昨日の日経夕刊 文化面にクラシックのコンサート評が載っていました 取り上げられているのは昨年12月17日に開かれたファビオ・ルイージ指揮NHK交響楽団によるマーラー「交響曲第8番”一千人の交響曲”」です 音楽評論家のE氏の執筆によるものですが、内容はともかく、実際に聴いた私からみれば「何を今さら」という感じです コンサート評は毎日掲載されているわけではなく1週間に1回程度であることは承知していますが、新聞は週刊誌や月刊誌ではないのですから、公演から26日も経って掲載することに何の意味があるのか、あまりにも遅すぎるのではないか、と疑問に思います 当ブログでも書きましたが、日経は昨年12月9日に「音楽回顧 2023」を、同28日に「今年の収穫 音楽」を掲載して、それぞれ1年間のクラシック・コンサートを振り返っています それだけに、新年を迎え12日も経った今「何を今さら」という感を強くします X や Facebook で個人が情報発信できる時代に、タイミングを逸した音楽評論家の書く新聞のコンサート評にどれほどの意味があるのだろうか

ということで、わが家に来てから今日で3286日目を迎え、ウクライナのコスチン検事総長は11日、ロシアが今月2日に北東部ハリコフ中心部への攻撃で北朝鮮製ミサイルを使った「最初の証拠」を受け取ったと現地メディアに語った  というニュースを見て感想を述べるモコタロです

 

     

     北朝鮮に頼るロシアが大国だって? 笑わせてくれる 虚栄心の塊 プーチン・ロシア

   

         

 

昨日の夕食は「博多豚骨鍋」にしました 材料は、豚バラ肉、白菜、ニラ、モヤシ、シメジ、長ネギ、豆腐です 鍋と言えば日本酒の熱燗です 熱燗を飲むと眠くなって本が読めなくなるって数日前に書きましたね

 

      

      

      

 

         

 

昨日の朝日朝刊「オピニオン&フォーラム」のページは、「女性ならではの感性?」というテーマを取り上げていました リード記事は「『女性ならではの感性を発揮していただく』。昨秋、岸田文雄首相が女性閣僚起用に際して語った言葉に、批判が集まった いったいどんな感性? そこから透けて見えるものとは」と謳っています 武蔵野市議会議員の西園寺みきこさん、お茶の水女子大学特任教授の佐々木成江さん、作家の松田青子さんの3人がインタビューに答え、それぞれの持論を展開しています    このうち、松田青子さんは、「女が死ぬ」「おばちゃんたちのいるところ」を読んだこのがあるので親近感を覚えました

彼女は本紙インタビューの中で、「『女が死ぬ』の中の『男性ならではの感性』というエッセイを書いたのは、女性が言われがちな言説をすべて男性に言い換えてみたら、そのおかしさが伝わるのでは。そう思って書いた作品でした」と語っています 「岸田首相が使った『女性ならではの感性』は、『女性も個人であり、それぞれ違う』という単純な事実すら、理解せずに使っているのではないかと思いました」と述べ、「『感性』とは本来、『炭鉱のカナリア』のように、見過ごされている問題や違和感に光を当てることができる力です。感じとる力や繊細さは、もっと大切にされるべきではないでしょうか」と語っています

まったく同感です。最近、政治の分野に限らず、言葉が軽くなってきていると思います

松田青子さんの「女が死ぬ」(53篇から成る短編集)については、読後感想を2022年3月21日付ブログに書きましたので、興味のある方はご覧ください

 

     

     

    

         

 

中山七里著「銀齢探偵社 静おばあちゃんと要介護探偵2」(文春文庫)を読み終わりました    中山七里は1961年岐阜県生まれ。会社員の傍ら、2009年「さよならドビュッシー」で第8回「このミステリーがすごい!」大賞を受賞し、翌年デビュー     その後「中山七里は七人いる」と言われるほど次々とベストセラー・ミステリーを発表し、話題を呼んでいる

toraブログでは、文庫化された中山七里の作品はすべてご紹介しています

 

     

 

本書は「銀齢探偵社 静おばあちゃんと要介護探偵」の続編に当たる5編の連作短編集です

日本で20番目の女性裁判官で東京高裁の元判事・高遠寺静(80歳)は法科大学に招かれ名古屋に滞在するが、そこでトンデモナイ地元の有名人と知り合います それが不動産会社の社長にして商工会議所の会頭、町内会の会長などの要職を兼任する経済界の重鎮、”要介護探偵”の異名を持つ香月玄太郎(70歳)でした 静は、車椅子生活を送りながらも頑固で横柄な玄太郎に振り回されることになります

第1話「もの言えぬ証人」は、静が健康診断のため練馬の病院を訪ねると、大腸がんの疑いのため名医を頼って名古屋からこの病院に来たという玄太郎と再会します その病院で2人が、大腸がんの名医による医療過誤疑惑騒動に巻き込まれるというストーリーです

第2話「僕は忘れない」は、手術を無事に終了した玄太郎のもとに、見舞いに訪れた日建連会長が、建物の構造計算書偽造問題について相談を持ち掛けるところからストーリーが展開します 建設会社の社長か一級建築士のどちらかが嘘をついていることが疑われますが、一級建築士が歩道橋から転落死する事故(事件)が発生します 果たして真犯人は誰か・・・静と玄太郎の推理により意外な真犯人が浮かび上がります

第3話「鉄の柩」は、高齢者の自動車暴走事故が取り上げられています 運転していたのは元警察官だっただけにストーリーは複雑に展開します

第4話「葬儀を終えて」は、同僚判事の葬儀に参列した静が、祖父の死を嘆く少女の訴えに疑問を抱き、火葬を延期させて司法解剖に持っていき、真実の追及をするというストーリーです

第5話「復讐の女神」は、静は娘夫婦が交通事故で亡くなったため、孫娘と暮らすため司法研修所を退職しますが、かつての同僚が宿舎の近くで殺されるという事件が起こります 静は冷徹な推理によって犯人を割り出します

中山七里のミステリーの特徴は、時事問題をテーマに据えていることです 第1話では「医療過誤問題」、第2話では「建築偽造問題」、第3話では「高齢者による自動車暴走事故」、第4話・第5話では「詐欺」が取り上げられています

ところで、第3話「鉄の柩」では他の中山七里作品で主役を張る岬洋介が登場します ここでは静が司法修習生として「特筆すべき存在」として目をかけている人物として登場しています 彼は結局、司法の道を止めて音楽の道を歩むことになります この第3話では静が岬に次のように語るシーンがあります

「歳をとるというのは、あなたが考えている以上に惨めで恐ろしいものなのよ 昨日できたことが今日できなくなる。今日できたことが明日にはできなくなるかもしれない 大袈裟な言い方だけど、絶望と恐怖がじわじわと日常生活の中に忍び寄ってくる。まだ若いあなたには分からないでしょうね

これは著者の独白であるとともに、多くの読者を代弁した言葉であるように思います

コメント
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