20日(土)。わが家に来てから今日で3293日目を迎え、自民党の派閥パーティー収入不記載事件を受け、党内最大勢力の安倍派(清和政策研究会)は19日、派閥を解散することを決めた というニュースを見て感想を述べるモコタロです
何年後かには再び派閥が復活するね 過去の歴史が証明してる 自民党解散しかない
昨日、夕食に隔週金曜のローテにより「鶏の唐揚げ」を作りました 今回も外カリカリ内ジューシーに美味しく揚がりました
昨日、シネリーブル池袋でマドレーヌ・ギャビン監督による2023年製作アメリカ映画「ビヨンド・ユートピア 脱北」(115分)を観ました
これまで1000人以上の脱北者を支援してきた韓国のキム・ソンウン牧師は、幼児2人と80代の老婆を含む5人のロ一家の脱北を手助けすることになる キム牧師による指揮のもと、各地に身を潜める50人以上のブローカーが連携し、中国、ベトナム、ラオス、タイを経由して亡命先の韓国を目指す 移動距離1万2000キロメートルにもおよぶ決死の脱出劇をカメラが追い、家族へのインタビューによって北朝鮮の金正恩政権の欺瞞性を暴く
撮影は制作陣のほか、撮影隊が同行できない行程は地下ネットワークの人々のケータイで撮った動画などでつないでいます 氏名等の詳細は関係者の身の安全のため伏せられています なぜタイを経由して1万2000キロもの距離を移動しなければ韓国に入国できないのかと言えば、①南北間の国境の北側には無数の地雷が埋められていること、②中国、ベトナム、ラオスは本国送還される恐れがあるからです
脱北後、比較的安全な場所まで逃避してきた”隠れ家”で、「北朝鮮の現状や金正恩をどう思うか」について家族へのインタビューが行われますが、それぞれの年齢によって答えが微妙に異なるのが興味深いところです 80代の老婆は「金正恩将軍様は国を正しい方向に導いてくださる。『今は苦しい時だが我慢してほしい』とおっしゃっているが、私たちの努力が足りないのだろうか」と答えます。その後、娘に「本当のことを正直に話してもいいのよ」と説得されると、「私たちは学校で、金正恩将軍様が一番正しく、アメリカは悪だと教えられてきました」と事情を語りますが、密告を怖れてか 言葉を慎重に選んでいる様子が窺えます 娘夫婦は揃って「私たちは金正恩のために虫けらのように働かされてきました 自由のないこんな国では とても生きていけません」と怒りをあらわにします 一方、幼い娘は「金正恩将軍様は世界で一番偉大な人です」と学校で習った通りのことを無邪気に語ります これらの発言によってはっきりするのは、北朝鮮では、幼児から老人まで「金正恩が世界で一番優れた指導者であり、今は生活が苦しいが、我慢して働けばいずれ豊かな生活を送ることが出来る」と”洗脳”されている、ということです しかし、金正恩の目的は『金王朝の安定と存続』であり、国民の生活などは二の次、三の次であることは明らかです
映画は、ロ一家とほぼ同時にキム牧師に助けを求めてきた一人の女性にも密着取材しています ソヨンは息子と母親を北朝鮮に残して脱北し、息子だけでも脱北させようとキム牧師に頼み込みます。そしてブローカーを通じて息子の北朝鮮での様子をケータイで教えてもらいます それによると、17歳の息子が母に会いたくて中国へ越境したが、中国の仲介ブローカーに裏切られ、本国に送還されたという。北朝鮮のブローカーによると、彼は拷問を受け、強制収容所に送られることになったといいます 彼女はインタビューで「母と子が会うことさえ出来ない。何も悪いことはしていないのに。悪いのは国なのに。なぜ息子がひどい目に遭わなくてはならないのでしょうか」と訴えますが、息子は戻ってきません
テロップに「北朝鮮には政治犯の強制収容所が2カ所ある」と出ますが、ナレーションは「北朝鮮そのものが強制収容所のようなものです」と語ります
また、この映画では、2つの家族の物語の合間に、脱北して韓国で生活する若い女性が北朝鮮での生活実態を赤裸々に語っていますが、予想通りというか悲惨な実情が語られています
まず、「各家庭では金日成、金正日、金正恩らの写真を家の目立つところに掲示しなければならない 常に綺麗にしておかないと、抜き打ち検査が入り、白い手袋で写真を拭い埃が付いているかどうかチェックする」「学校では金正恩と北朝鮮が一番正しく、アメリカは悪だと教えられた」「毎日のようにマスゲームの練習をやらされた」「人糞は農業の重要な肥料として引き取られていき、少ないと罰が科せられるので、近所から買ったりした」ーと語っていました。自然に優しいリサイクルと言えば聞こえは良いですが、50年前の日本か と思いました こんな国に生まれたら、生まれた時点で人生が終わったようなものだと思います 自分と自分の家族だけが裕福に暮らし、一族が将来にわたって存続していくために、国民を洗脳してコマのように働かせ、ミサイル開発に大金を使う一方で、国民に貧しい生活で我慢することを強いる体制など受け入れられる訳がない
ところで、1月12日付 朝日新聞夕刊に、この映画を製作したマドレーヌ・ギャビン監督のインタビューが載っていました 彼女は次のように語っています
「どちらも先の予想が全くつかないまま撮影を始めた 一方は、次の瞬間に死が待っているかもしれない激動の旅。もう一方は、厚い壁の向こうから届く知らせを待つしかない静かな絶望。全く違うビジュアルで、こんなコントラストになるとは驚きでした (ロ一家の脱北劇については)危険覚悟で同行しました 何十年も世界から無視されてきた北の人々の苦しみを伝えるには、そのくらいしなくては、との思いでした」
映画を観終わって思うのは、「これまで、これほど北朝鮮家族の脱北の実態に迫ったドキュメンタリーはなかったのではないか 一人でも多くの人に観てほしい」ということです
都内では「シネリーブル池袋」のほか、「TOHOシネマズ シャンテ」でも上映されています