人生の目的は音楽だ!toraのブログ

クラシック・コンサートを聴いた感想、映画を観た感想、お薦め本等について毎日、その翌日朝に書き綴っています。

セバスティアン・ヴァイグレ ✕ 藤田真央 ✕ 読売日響でブラームス「ピアノ協奏曲第2番」、シューマン「交響曲第1番」を聴く

2024年01月11日 00時05分24秒 | 日記

11日(木)。わが家に来てから今日で3284日目を迎え、中国共産党で汚職摘発を担う中央規律検査委員会の全体会議が8~10日、北京で開かれ、習近平総書記(国家主席)は演説で、自身が進めてきた反腐敗闘争について「情勢は依然として深刻で複雑だ」と述べ、さらに取り締まりを強化する姿勢を強調した  というニュースを見て感想を述べるモコタロです

 

     

     日本ではパー券をめぐる裏金問題だ 強権主義も資本主義もお金の問題が尽きないね

 

         

 

昨日、夕食に「カレイの煮つけ」「生野菜とアボカドのサラダ」「インゲンの胡麻和え」「ブナピーの味噌汁」を作りました カレイは帰省中の息子が煮汁を作っておいてくれたのを使いました。とても美味しかったです

 

     

 

         

 

昨夜、サントリーホールで読売日響「第669回 名曲シリーズ」を聴きました プログラムは①ブラームス「ピアノ協奏曲第2番 変ロ長調 作品83」、②シューマン「交響曲第1番 変ロ長調 作品38 ”春”」です 演奏は①のピアノ独奏=藤田真央、指揮=常任指揮者セバスティアン・ヴァイグレです

 

     

 

会場は藤田真央人気のためか、結構埋まっています TV収録用か、ステージ上には収音マイクが林立し、ピアノの鍵盤にもカメラが向けられています

オケは12型で、左から第1ヴァイオリン、第2ヴァイオリン、チェロ、ヴィオラ、その後ろにコントラバスという いつもの読響の並び    コンマスは長原幸太、隣は1月1日付でコンマスとして入団した戸原直です 彼は2017年から23年まで藝大フィルハーモニア管弦楽団のコンマスを務めていました

1曲目はブラームス「ピアノ協奏曲第2番 変ロ長調 作品83」です この曲はヨハネス・ブラームス(1833-1897)が1878年から81年にかけて作曲、1881年11月9日にブタペストで初演されました 第1楽章「アレグロ・ノン・トロッポ」、第2楽章「アレグロ・アパッショナート」、第3楽章「アンダンテ」、第4楽章「アレグレット・グラツィオ―ソ」の4楽章から成ります

ピアノ独奏の藤田真央は1998年東京生まれの弱冠26歳。2017年のクララ・ハスキル国際コンクールで優勝、2019年のチャイコフスキー国際コンクールで第2位入賞を果たし、世界から注目を集めています 2022年には「モーツアルト:ピアノ・ソナタ全曲集」をリリースしました

拍手の中、ソリストと指揮者が登場しますが、藤田は猫背でひょうひょうとした雰囲気をまとっており、私はなぜか”脱力系落語家”と言われた故・柳家喜多八師匠を思い出しました ところが、ヴァイグレの指揮で第1楽章が日橋辰朗のホルンで幕を開け、ピアノ・ソロが入ってくる段になると彼は豹変し、何かに憑りつかれたように演奏に没頭します その時、私は「なるほど、これが噂の藤田真央か」と思いました プロ野球のバッターは、構えている時は肩の力を抜き、球を打つ瞬間に力を入れて振り抜くと言われますが、藤田の打鍵はまさにそのように感じます 両手が鍵盤の上にある時の集中力と、演奏しない時に両腕をだらんとさせて脱力している時のリラックスが対照的です これほど、ピアノを弾いている時と弾いていない時の姿勢に落差があるピアニストはこれまで見たことがありません 白眉は第3楽章「アンダンテ」でした ソロ・チェロの遠藤真理の独奏により甘美でロマンティックなメロディーが奏でられますが、この演奏が素晴らしかった また、荒木奏美のオーボエがピアノ独奏に華を添えます 第4楽章はスキップするような軽快な音楽で始まりますが、ピアノとオケとが混然一体となったシンフォニックな演奏により堂々たるフィナーレを迎えました

満場の拍手とブラボーが飛び交う中、カーテンコールが繰り返されますが、藤田がヴァイグレに何やら耳打ちしています 私には藤田が「ピアノの蓋が視界を遮って、第3楽章で素晴らしいチェロを演奏した遠藤真理さんの姿がお客さんに見えないので、彼女をステージ中央に呼びたい」と語っているように思えました その通りだったのか、ヴァイグレは彼女を指揮台の近くに呼び、3人でカーテンコールに応えました 真理さんは演奏家冥利に尽きたのではないだろうか

鳴りやまない拍手に藤田は、アンコールにブラームス「8つの小品作品76」から第2曲「カプリッチョ」を鮮やかに演奏、再び満場の拍手に包まれました

 

     

 

プログラム後半はシューマン「交響曲第1番 変ロ長調 作品38 ”春”」です この曲はロベルト・シューマン(1810-1856)が1841年に作曲、同年3月31日にライプツィヒで初演されました 第1楽章「アンダンテ・ポーコ・マエストーソ~アレグロ・モルト・ヴィヴァーチェ」、第2楽章「ラルゲット」、第3楽章「スケルツォ:モルト・ヴィヴァーチェ」、第4楽章「アレグロ・アニマート・エ・グラツィオーソ」の4楽章から成ります 本作はアドルフ・ベットガーの詩句にインスピレーションを受けており、自筆譜には各楽章に「春の始まり」「夕べ」「楽しい遊び」「たけなわの春」という標題が添えられていたといいます

第1楽章はトランペットとホルンによる荘重なファンファーレで開始されますが、この演奏が素晴らしい オーボエ、フルート、ファゴットなどの木管楽器がよく歌います そして、ティンパニの強打が曲にアクセントを付けます 第2楽章では弦楽セクションのアンサンブルが美しい 第3楽章では中館壮志のクラリネットが冴えています 第4楽章では、管楽器群の咆哮と弦楽器群の渾身の演奏が相まって、ドイツ的な重量感溢れる演奏が展開し輝かしいフィナーレを迎えました

読響のサウンドは相変わらずゴージャスだなぁ、と思ったコンサートでした

コメント
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