人生の目的は音楽だ!toraのブログ

クラシック・コンサートを聴いた感想、映画を観た感想、お薦め本等について毎日、その翌日朝に書き綴っています。

東川篤哉著「谷根千ミステリ散歩 中途半端な逆さま問題」を読む ~ イワシ料理専門の居酒屋「鰯の吾郎」の兄妹と開運グッズ店の怪しい店主が繰り広げるユーモア・ミステリ

2024年01月03日 06時35分19秒 | 日記

3日(水)。時の経つのは速いもので、今年も残すところ あと363日になってしまいました 昨日、娘が仕事のため、息子と二人で埼玉県S市の実家に年始参りに行ってきました。満17歳の飼い猫「ミラ」が鼻の癌?で瀕死の状態にあり、妹夫婦が看病疲れになっていて心配です 幸いミラは自分の足で何とか歩けるので、後は食べてくれれば体力を回復してくれると思います

ということで、わが家に来てから今日で3276日目を迎え、ロシアのプーチン大統領は12月31日夜、年末恒例の国民に向けた新年の演説を行い、「私たちは多くのことを成し遂げた」と2023年を振り返り、「国益や自由、自分達の価値観を断固として守った」と強調し、「私たちは一つの国家であり、一つの大きな家族だ」と呼びかけた  というニュースを見て感想を述べるモコタロです

 

     

     ウクライナを「一つの国家」に強引に取り込むのが「自分達の価値観」ということ

 

         

 

昨日の夕食は息子が「カリフラワーとレンコンの煮物」と「湯豆腐(舞茸、人参入り)」を作ってくれました 煮物は下ごしらえがきちんとしてあるので、味が浸み込んで美味しかったです 湯豆腐は見た目は普通の湯豆腐ですが、コンブとシイタケでじっくりと出汁を取ってあり、豆腐も2種類を用意したので、とても美味しくて温まりました

 

     

     

 

         

 

東川篤哉著「谷根千ミステリ散歩   中途半端な逆さま問題」(角川文庫)を読み終わりました 東川篤哉(ひがしがわ とくや)は1968年広島県生まれ。岡山大学法学部卒業後、2002年に光文社カッパ・ノベルスの新人発掘プロジェクト「KAPPA  ONE」で「密室の鍵貸します」が有栖川有栖氏に推薦されデビュー 2011年には「謎解きはディナーのあとで」が第8回本屋大賞に輝き、大ヒットシリーズとなる。「烏賊川市」シリーズなど著書多数

 

     

 

本書は2020年10月に角川書店から刊行された単行本を文庫化したものです タイトルにある「谷根千」とは文京区から台東区一帯の 谷中・根津・千駄木の周辺を指す言葉です 語り手の岩篠つみれは、谷中の町外れにあるイワシ料理専門の居酒屋「鰯の吾郎」の元店主の娘で、近所の大学に通う大学生です 亡くなった店主に代わり店を継いだのが、つみれの兄・岩篠なめ郎です。名前からして「鰯のつみれ」と「鰯のなめろう」と読めるところがユーモア作家・東川篤哉らしいネーミングです つみれはある出来事がきっかけで、谷根千の裏通りで開運グッズを売る「怪運堂」の店主・竹田津勇作と知り合いになります 作務衣姿に丸眼鏡をかけた大昔の喜劇俳優を思わせるこの男こそ、つみれの近辺で起こった不可解な謎を解いてみせる名探偵なのです

本書は次の4話から成る連作短編集です

第1話「足を踏まれた男」

第2話「中途半端な逆さま問題」

第3話「風呂場で死んだ男」

第4話「夏のコソ泥にご用心」

第1話「足を踏まれた男」は、先輩からの頼まれ事をきっかけに竹田津と出会ったつみれが、石材店から何も盗まずに逃げた泥棒の謎に挑むミステリーです 靴にヒントがあるとは思いもしませんでした

第2話「中途半端な逆さま問題」は、つみれの友人の祖母が旅行から帰宅すると、家中の家具やインテリアが何故か逆さまの状態になっていたという謎に挑むミステリーです 家庭用金庫を逆さまにしたことがバレないように他の物も逆さまにしたという面倒くさい細工をした犯人ですが、いったい何故そんな面倒なことをやったのか?という謎解きで、種明かしされるとそういうことか、と納得します

第3話「風呂場で死んだ男」は、「鰯の吾郎」に名刺入れの忘れ物をした客の家をつみれが訪ねると、そこには浴槽に上半身を突っ込んで2本の脚を立たせた男性の死体があったという謎に挑むミステリーです 死体の様子は横溝正史「犬神家の一族」に出てくる死体のパロディであることは誰でも分かりますが、それでは何故そんな変な格好で死ななければならなかったのかが解き明かされます

第4話「夏のコソ泥にご用心」は、つみれの友人宅に押し入ったコソ泥の犯人を見つけ出すミステリです 女性の羞恥心が犯人のアリバイに影響を与えたとは意外でした

東川篤哉のミステリが独特なのは、登場人物の可笑しな掛け合いにあります つみれと兄・なめろう、そして武田津の3人のやり取り(ボケとツッコミ)が思わず吹き出してしまうギャグに満ちています これは実際に読んで楽しむ以外にありません 気軽に読めるミステリとしてお薦めします

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