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人生の目的は音楽だ!toraのブログ

クラシック・コンサートを聴いた感想、映画を観た感想、お薦め本等について毎日、その翌日朝に書き綴っています。

東京藝大「クラーラ・シューマン生誕200年に寄せて」の第3回「オルガンが奏でる愛と告別の調べ~クラーラとローベルト、ブラームスらの書簡と共に」を聴く / ヴァイオリンと画家

2019年10月21日 07時18分19秒 | 日記

21日(月)。わが家に来てから今日で1848日目を迎え、英国議会下院は19日、英国が欧州連合(EU)から離脱する案件を定めた協定案について 採決の先送りを決めたことにより、EUに対して離脱期限の延長を要請することを法的に義務付けられことになるが、ジョンソン首相は「延期の交渉はしない」と述べ、10月末の離脱にこだわる姿勢を変えていない というニュースを見て感想を述べるモコタロです

 

     

            ジョンソン首相は行政府が立法府より上にあるという考えのようだが どうだろう?

 

         

 

昨日の日経朝刊「The STYLE / Art」面は「ヴァイオリンの神秘(下) 時代を熱狂させた悪魔の超絶技巧」のタイトルのもと、アングルによる「パガニーニの肖像」やドラクロワの「ヴァイオリンを弾くパガニーニ」の絵を紹介しています 記事の中のコラム「KEYWORD」で「f字孔」が解説されていました。超訳すると

「音を楽器の外に響かせるための『字孔』は、ヴァイオリンのシンボルでもある ドラクロワよりも早い時期に、イタリアに旅してパガニーニの肖像画を描いたドミニク・アングルは、ドラクロワと同じくヴァイオリンを弾く画家。パガニーニと一緒に弾いたこともあるというから、ヴァイオリンに関しても相当な腕達者だったのだろう 長年多くのヴァイオリンを扱ってきた楽器商の神田侑晃氏は『ストラディヴァリウスを弾くと、その楽器固有の音が出る。グァルネリからは、奏者の音が出る』『ストラディヴァリウスとグァルネリでは字孔の大きさが微妙に違い、音の特性に影響している』と言う

この記事を読んで初めて知ったのは、ドラクロワもアングルも絵画の才能だけでなく、ヴァイオリンを弾く才能も持っていたということ そして、同じ名器でもストラディヴァリウスとグァルネリとでは音の特性が違うということです 問題は聴く側のわれわれにそれを聴き分けられる能力があるかどうかです

 

         

 

昨日、上野の東京藝大奏楽堂で東京藝大「クラーラ・シューマン生誕200年に寄せて」プロジェクトの第3回「オルガンが奏でる愛と告別の調べ~クラーラとローベルト、ブラームスらの書簡と共に」を聴きました

プログラムと演奏者は次のとおりです

①ローベルト・シューマン「ペダル・フリューゲルのための4つのスケッチ」より第2曲「速すぎず、とてもはっきりと」(オルガン:近藤岳)

②クラーラ・シューマン「3つの前奏曲とフーガ」より第2曲 変ロ長調(オルガン:廣江理枝)

ローベルト・シューマン「ペダル・フリューゲルのためのカノン形式のエチュード」より第1曲 ハ長調、第5曲 ロ短調(オルガン:徳岡めぐみ)

④クラーラ・シューマン「3つの前奏曲とフーガ」より第3曲ニ短調(オルガン:近藤岳)

⑤ローベルト・シューマン「バッハの名による6つのフーガ」より第6曲「中庸に、少しずつ速くなって」(オルガン:廣江理枝)

⑥同「森の情景」より第7曲「予言の鳥」(オルガン:近藤岳)

⑦ブラームス「フーガ 変イ短調」(オルガン:廣江理枝)

   《 休 憩 》

⑧同「前奏曲とフーガ ト短調」(オルガン:近藤岳)

⑨クラーラ・シューマン「3つの前奏曲とフーガ」より第1曲 ト短調(オルガン:廣江理枝)

Th.キルヒナー「オルガンのための13の小品集」より第2曲「前奏曲」、第12曲「叙情的一葉」(オルガン:徳岡めぐみ)

ブラームス「4つの厳粛な歌」より第3曲「おお死よ、お前はなんと苦痛なのか」(オルガン:同)

同「11のコラール前奏曲」より第10曲「わが心の切なる思い」、第11曲「おお世よ、われ汝を去らねばならない」(バリトン:萩原潤、オルガン:徳岡めぐみ)

ローベルト・シューマン:オラトリオ「楽園とぺーリ」より第17曲「さあ安らかに眠れ、豊かな香りを夢見て」(ソプラノ:平松英子、バリトン:萩原潤、オルガン:廣江理枝)

プログラムの前半はクラーラとローベルトの結婚から始まり ローベルトの死までが、後半ではキルヒナーとの淡い恋、ブラームスによる死の予兆と告別が、彼らのオルガン曲と声楽曲を通して描かれます

なお手紙や書簡の朗読は川中子みのり(東京藝大大学院修士課程3年在籍)、瀬戸口 郁(文学座・俳優)です


     


全席自由です。1階17列25番、右ブロック左通路側を押さえました

2階正面のオルガン席で3人のオルガニスト(廣江理枝、徳岡めぐみ、近藤岳)が交代して演奏し、1階のステージにシューマン夫妻やブラームスの手紙や書簡を朗読する2人のナレーター(川中子みのり、瀬戸口 郁)がスタンバイします

全体の流れとしては、最初にナレーターにスポットライトが当てられ、手紙・書簡を読み上げ、次いでオルガニストにスポットライトが当てられて演奏を始める 演奏が終わるとオルガニストが交代し、次の手紙・書簡が読み上げられ、演奏を始める・・・という形で進行していきます この間、1階正面の巨大スクリーンには演奏曲名とオルガニスト名、そしてクラーラやローベルト、ブラームスの顔写真や楽譜などが映し出されます これら一連の流れの中で 会場からの拍手はありません この演出は演奏者と聴衆の集中力を維持する上でとても有効だったと思います


     

 

この企画の主人公クラーラ・シューマン(1819-1896)は、1828年に9歳でデビューし、1891年3月に71歳で公の舞台から降りました その間、1300回を超えるコンサートで活動し、1878年から1892年まで音楽院え後進の育成に当たっています まさに当時のスーパーレディでした

この日の一連のオルガン曲を聴いて思ったのは、当たり前のことですが、バッハのオルガン曲とはまったく別物だということです 簡単に言えば、バッハのオルガン曲が「キリスト教という宗教」と切り離せないのに対し、シューマン夫妻やブラームスのオルガン曲は必ずしもそうではなく、強いて言えば「芸術としての作品」だと思われることです バッハ・コレギウム・ジャパンのコンサートの時にバッハのオルガン曲を聴くと、必ずと言ってよいほど「俄かクリスチャン」になったように感じますが、この日演奏されたロマン派のオルガン曲を聴いてもそういう気持ちにはなりませんでした

オルガニストは3人とも素晴らしい演奏でしたし、ナレーターの2人も声に演技力があり申し分ありませんでした 何より全体の企画・演出が優れていると思いました


     

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「がんばろう日本!スーパーオーケストラ」のチケットを取る ~ ムソルグスキー「展覧会の絵」他 / 奥田英朗著「ヴァラエティ」を読む ~ 7つの短編小説と2つの対談

2019年10月20日 07時26分52秒 | 日記

20日(日)。昨日午後3時から西武線所沢駅近くのT庵で埼玉県立T高校3年2組のクラス会が開かれ、出席しました 2000年以降では2000年8月、2007年11月、2011年5月、2014年11月に次ぐ5回目の開催で、前回から5年ぶりの開催になります    この間、担任のY先生が2016年7月に亡くなられたので、初めての恩師なきクラス会となりました

出席者は私のほかOT君、SY君、TT君、TK君、MM君、そして幹事のMM君の7人でした 回を重ねるごとに参加者が減っていくのと、前回に続いて女性陣の参加がなかったのが残念でした 後者は幹事のせいではなく、親の介護等 家庭の事情があるためだと思います   一人一人近況報告をしましたが、共通の話題は健康問題でした。私のように、コンサートや映画に毎日出歩いているクラスメイトはいないようでした   私のすぐ前に座ったMM君は会社務めのあと地元・所沢でロック酒場「ひょっとこ」を開いてビートルズを流しているのですが、地域開発の関係で立ち退きとなり11月に場所を移して新規開店するとのことでした   是非お祝いに駆け付けようと思っています  ちなみに同店で働いているアルバイトの女性は「カメラを止めるな」で監督助手スタッフの吉野美紀を演じたYさんとのことで、びっくりしました そのMM君が自分で作った高校時代のアルバムを持参してくれて、仲間内で回し読みして話題になりました  その中の1枚の写真を見て誰彼となく口にしたのは「JAPACON」でした   当時は「ベトナム戦争」が行われており、北ベトナムが「南ベトナム民族解放戦線=べトコン」を結成してアメリカに対し徹底抗戦している時期でした 秋の「文化祭」で仮装行列をすることになり、3年2組は私の提案でベトコンに対抗して「日本民族解放戦線=JAPACON(ジャパコン)」を結成することになったのです もちろん仮装行列のための刹那的な”お遊び”でした 私はヘルメットに角棒という全学連スタイルでしたが、クラスメイトは男子も女子も各自好きなような仮装や化粧をして「JAPACON」の横断幕や「ベトナム戦争反対!」のプラカードを掲げて校庭を練り歩きました 当時の政治情勢から「生徒たちはあの恰好で校舎を荒らし回るのではないか」と担任のY先生には相当心配をかけたようです その後、私は生徒会役員でありながら、高校の敷地内で反戦ビラを配って生活指導教員に補導されましたが、今となっては「JAPACON」とともに良き思い出です

2次会にはOT君、SY君、MM君、TT君と私の5人が残り、近くのバルBで呑みました 幹事のMM君をはじめ参加の皆さんお疲れさまでした 次はいつになるのか分かりませんが、少なくともこの日参加した7人は来てほしいと思います

ということで、わが家に来てから今日で1847日目を迎え、2020年東京五輪のマラソンと競歩を札幌市で開く可能性が出ていることについて、東京都の小池知事は18日、定例の記者会見で「都に協議もなく提案が突如なされたことについて疑問を感じざるを得ない」「これまでも準備を重ねてきた。東京でという気持ちは変わりがない」「涼しいところでというのなら、北方領土でやったらどうか」と語った というニュースを見て感想を述べるモコタロです

 

     

      そもそもアメリカの放送局の都合で酷暑の真夏に開催すること自体が間違ってる

     

         

 

来年3月2日(月)午後7時からサントリーホールで開かれる「がんばろう日本!スーパーオーケストラ」のチケットを取りました プログラムは①ブルッフ「スコットランド幻想曲」、②ラヴェル「左手のための協奏曲」、③ムソルグスキー:組曲「展覧会の絵」です 演奏は①のヴァイオリン独奏=辻彩奈、②のピアノ独奏=實川風、管弦楽=がんばろう日本!スーパーオーケストラ、指揮=山下一史です このコンサートには毎年通っていますが、全国から終結したプロ集団(コンマス=読響・小森谷巧)による演奏は感動ものです


     

 

         

 

奥田英朗著「ヴァラエティ」(講談社文庫)を読み終わりました 奥田英朗は1959年岐阜県生まれ。プランナー、コピーライター、構成作家を経て1997年に「ウランバーナの森」でデビュー 第2作「最悪」がベストセラーとなり、続く「邪魔」が大藪春彦賞を受賞。2004年に「空中ブランコ」で直木賞、2007年に「家日和」で柴田錬三郎賞、2009年に「オリンピックの身代金」で吉川英治文学賞を受賞しています

 

     

 

この本は、奥田英朗氏が2004年から2012年にかけて雑誌や新聞に発表した短編小説を集め2016年に単行本として刊行したものを文庫化したものです 「おれは社長だ!」「毎度おおきに」「ドライブ・イン・サマー」「クロアチア VS 日本」「住み込み可」「セブンティーン」「夏のアルバム」の7つの短編小説と、「『笑いの達人』楽屋ばなし」「総ての人が”人生の主役”になれるわけではない」の2つの対談が収められています 雑多な話の集合体なので「バラエティ」というタイトルが付けられました

「おれは社長だ!」は、準大手広告代理店に勤める38歳の中井和宏が会社を辞めて独立し、事務所を構え、社員を雇って、これから本格的に業務を軌道に乗せて行こうという話。

「毎度おおきに」は、中井が取引企業との交渉を通じて、いかに中小企業の経営が厳しいか、どうすれば世知辛い世の中を巧く泳いでいけるかを学習していくという話。

「ドライブ・イン・サマー」は、若い夫婦の車が環状八号線の渋滞に巻き込まれているとき、ヒッチハイクをする若い男、幼稚園児2人、ツアーバスに乗り遅れた老婆が次々と乗り込んできて収拾がつかなくなるという話。

「クロアチア VS 日本」は、お店のテレビでサッカー・ワールド・カップの試合をビールを飲みながら観て、勝手なことをしゃべっている話。

「住み込み可」は、熱海の食事処「御厨屋」で働く今日子はボス格の寿子から毎日のように小言を言われ続けていたが、ただじっと耐えていた。実は彼女には他人には言えない秘密があった、という話。

「セブンティーン」は、17歳の娘がクリスマス・イヴの晩に友だちの家に泊まりに行くと言い出した。母親としてどうすべきか と悩んでいると、その友達の母親から電話がかかってきた。さてどう対応したものか、と悩む話。

「夏のアルバム」は、小学2年生の西田雅夫が初めて自転車に乗れるようになった時の話です

 「『笑いの達人』楽屋ばなし」は奥田英朗とイッセー尾形の対談です

「総ての人が”人生の主役”になれるわけではない」は奥田英朗と山田太一の対談です

どれも面白いのですが、個人的に一番面白かったのは「ドライブ・イン・サマー」です 中村徳夫と妻・弘子の乗る車が環状八号線の渋滞に巻き込まれているとき、運転している妻がヒッチハイクをする若い男を車に乗せるが、この男が無礼で徳夫は憤慨する すると、今度は後ろの車からぶつけられ、車のクーラーが効かないから子供だけでも乗せてくれと頼まれ 幼稚園児2人が乗り込んでくる そうかと思うと、今度はツアーバスに乗り遅れたという老婆が助けを求めて乗り込んでくる こうして狭い車内がギュウギュウ詰めになっていく中、後ろの車が急に割り込んできて、ヒッチハイカーの若者が文句を言いに出ていくが、相手に殴られて戻ってきて、徳夫に「相手が二人だから応援を頼む」と助けを求めてくる・・・・こうして、悪いことが次々と重なってバッドからワースに、ワースからワーストに追い込まれていく さて、最後に徳夫はどうなるのでしょうか・・・・というクライム・エンターテインメントです 「邪魔」だったか「最悪」だったか、ラストがこんな感じだったような気がします

人と人との微妙な関係を絶妙な筆致で描いていく奥田氏の文章力が光っています 文句なく面白いエンタメ小説としてお薦めします

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平野啓一郎著「マチネの終わりに」を読む / 髙木凛々子ヴァイオリン・リサイタルのチケットを取る / 東京交響楽団から公演中止に伴う払い戻しの案内届く

2019年10月19日 07時23分31秒 | 日記

19日(土)。昨日はパソコンが壊れたのかと思い 焦りまくりました   午前中に整骨院で腱鞘炎の手当てをしてもらい、家に帰ってパソコンのスイッチを入れてみたら、インターネットが使えません   そんなはずはない、と電源を一旦落としてスイッチを入れ直したり いろいろ試してみたのですが、ダメでした スマホもWi-Fiの関係でネットが使用できません。今使用しているパソコンはちょうど4年前の8月に購入したものですが、メーカーの保守保証が1年前に切れ、セキュリティーも期限切れになっているので、いよいよ買い替えなければならないか、と一時は覚悟を決めました その後、少し冷静になって考えて、マンションの管理組合から「停電のお知らせ」が届いていたけど、今日だったかも、と思い出しました 文書を見ると「10月18日(金)10時~16時 電気設備等改修工事 1階管理室、共用電灯盤内改修工事」とあり、住戸内は停電せずエレベーターも使用できるが、テレビは見られない と注意が書かれていました インターネットについては触れられていませんでしたが、テレビと同様の扱いのようでした。仕方がないので、16時まで待ってから、パソコンのインターネットをクリックしたのですが、やはり繋がりません 1階の管理事務所に詰めていた工事関係者に訊ねてみたら、電気設備の工事はすべて異状なく完了していると言われてしまいました ラチが明かないので、もう一度部屋に戻って、すべてのパソコン機材の電源やコードを抜いて、最初から組み立て直してスイッチを入れると、やっと繋がりました 朝 何の問題もなく繋がっていたインターネットが 午後に繋がらなくなったことは、どう考えても納得できません わがパソコンは満4年にして寿命を迎えたのだろうか あと1年は だましだまし使おうと思っています。何とか耐えてくれよ、と祈るばかりです

ということで、わが家に来てから今日で1846日目を迎え、ホワイトハウスは17日、トランプ大統領が、2020年の主要7か国首脳会議(G7サミット)を南部フロリダ州マイアミの自身のゴルフリゾート施設で開催することに決めたと発表した  というニュースを見て感想を述べるモコタロです

 

     

      G7サミットの時に大統領でいればの話 ウクライナ・ゲートで失脚するんじゃね?

     

         

 

昨日、夕食に「鶏の唐揚げ」と「シメジとキャベツとハムのプチ鍋」を作りました 唐揚げはもう”お手の物”です。今回も美味しく出来ました

 

     

 

         

 

東京交響楽団から「10月12日 第674回定期演奏会 公演中止に伴う払い戻しのご案内」が10月プログラムと共に届きました これは台風19号の影響で当日サントリーホールで開く予定だった定期公演が中止になったことから、払い戻しをすることになったものです 必要事項を記入した「払い戻し請求書」と当日のチケットを同封して簡易書留で東響に送付しました 自然災害とはいえ、主催者側にとっては大きな痛手だと思います

 

     

 

         

 

来年2月7日(金)午前11時から東京文化会館小ホールで開かれる「髙木凛々子ヴァイオリン・リサイタル」のチケットを取りました    これは東京音楽コンクール入賞者によるコンサート「上野deクラシック」の一環として開かれる公演です プログラムは①ヤナーチェク「ヴァイオリン・ソナタ」、②ラヴェル「ツィガーヌ」です   髙木凛々子さんはこのコンクール第16回弦楽部門第2位及び聴衆賞、バルトーク国際コンクール第2位入賞の実力者です ピアノ伴奏は東京音楽コンクール第3回ピアノ部門第3位入賞の日下知奈さんです

 

    

 

         

 

平野啓一郎著「マチネの終わりに」(文春文庫)を読み終わりました 平野啓一郎は1975年愛知県生まれ。北九州市出身。1999年に京都大学法学部在学中に投稿した「日蝕」により第120回芥川賞を受賞しています


     

 

時は2006年。38歳・独身の蒔野聰史は、若くしてクラシック・ギターの第一人者として活躍している天才ギタリスト ある日、コンサート後の友人との食事会で、フランスの通信社に所属してジャーナリストとして活躍している小峰洋子と出逢う 彼女はフランスの著名な映画監督、イェルコ・ソリッチを父親に持ち、自身はフランス人と日本人のハーフの40歳だった 出逢った時からお互いに惹かれ合う蒔野と洋子だったが、実は洋子にはリチャードというアメリカ人の婚約者がいた 一方、蒔野には、仕事上、彼に献身的に尽くす早苗という女性がいた 東京、ニューヨーク、パリ、バグダッドを舞台に、アラフォー二人のすれ違いの恋の物語が繰り広げられていく

平野啓一郎氏は、ショパンとジョルジュ・サンドをテーマに書いた超大作「葬送」を読んでも分かるように、相当なクラシック通です この小説の主人公がクラシック・ギタリストであることから、ギターに関する人名や曲名を中心にクラシック音楽がそこかしこに現れます

その中で特に印象に残ったのは、蒔野から不信感を抱かせる内容のメールを受信した洋子が、ある音楽を聴く次のシーンです

「洋子は、音楽に、自分に代わって時間を費やしてもらいたくて、iPodをスピーカーに繋いでアルバムを漁った いつの間にか、蒔野のレコードばかりになっていた中から、彼とは無縁の曲を探して、アンナ・モッフォが歌うラフマニノフのヴォカリーズを再生した 去年、彼女が亡くなったのを機に、またしばらく、この美貌のソプラノ歌手のレコードをよく聴いていた 良い選択のような気がした。意味のある歌詞にはとても耐えられなかった。けれども、楽器だけでなく、今は人間の声に寄り添っていてほしかった

上の文章に出てくるアンナ・モッフォ(1932年6月27日?~2006年3月10日)は、アメリカ出身のソプラノ歌手・女優で、おもに1960年代に美声と美貌を売りものにして欧米で活躍しました

セルゲイ・ラフマニノフ(1873‐1943)の「ヴォカリーズ 作品34‐14」は、1915年に作曲・出版されたピアノ伴奏付きの歌詞のない歌曲です

この場面における洋子の「意味のある歌詞にはとても耐えられなかった。けれども、楽器だけでなく、今は人間の声に寄り添っていてほしかった」という心情を考えると、この選曲は最適だと思います 数多くソプラノ歌手がいる中で、なぜアンナ・モッフォなのか?といえば、筆者が書いているように「去年、彼女が亡くなったのを機に、またしばらく~聴いていた」からでしょうし、実際に平野氏も日常の中で聴いていたのでしょう

二人の物語は、早苗の取ったある行動によって大きく運命を変えていきます もし早苗があの行動を取らなかったら二人は結ばれていたでしょう しかし、それで平野啓一郎の小説は成り立つだろうか

この小説は映画化され、11月から公開されるそうです 多分、私も観に行くと思います。どんな音楽が使われているかを確認するために

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「第17回東京音楽コンクール優勝者コンサート」のチケットを取る / ピーター・ファレリー監督「グリーンブック」を観る ~ ギンレイホール

2019年10月18日 07時13分38秒 | 日記

18日(金)。soprano-motokoさんのアドヴァイスを受けて、パソコン入力時に腕の負担を軽減する「リストレスト」(770円)を購入しました 腱鞘炎を治すためにはパソコンを打つこと自体を止めるのが一番なのですが、そうもいかないので手段を選ぶことにしました 実際に使ってみたら極めて腕が楽で快適です 調子に乗って打ち過ぎないようにするのが課題です motokoさん、ありがとうございました

     

     

 

ということで、わが家に来てから今日で1845日目を迎え、米ホワイトハウスで開いたシリア情勢に関する会合でトランプ大統領が野党・民主党のペロシ下院議長に「あなたは三流政治家だ」と激高する場面があった というニュースを見てペロシ議長の心情を代弁するモコタロです

 

     

      自分が三流政治家だったら  あんたは四流政治屋じゃないか  弾劾は時間の問題!

     

         

 

昨日、夕食に「ちぎり厚揚げと豚バラの和風炒め」と「炊き込みご飯」を作りました 「炊き込みご飯」は市販のものですが、簡単で美味しいので助かります

 

     

 

         

 

来年1月13日(月・祝)午後3時から東京文化会館大ホールで開かれる「第17回東京音楽コンクール優勝者コンサート」のチケットを取りました プログラムと演奏者は①ロドリーゴ「パストラル協奏曲」(フルート:瀧本美里)、②ヴェルディ「仮面舞踏会」より「永久に君を失えば」ほか(テノール:工藤和真)、③ベートーヴェン「ピアノ協奏曲第4番」(ピアノ:秋山沙穂)です 3人のうちこれまで聴いたことのあるのは、秋山沙穂さんだけです 藝大モーニング・コンサートでプロコフィエフ「ピアノ協奏曲第2番」を鮮やかに演奏しました ベートーヴェンの第4番が楽しみです

 

     

 

         

 

昨日、神楽坂のギンレイホールでピーター・ファレリー監督による2018年アメリカ映画「グリーン・ブック」(130分)を観ました

時は1962年。ニューヨークの一流ナイトクラブ「コパカバーナ」で用心棒を務めるイタリア系アメリカ人、トニー・リップ(ヴィゴ・モーテンセン)は、ガサツな性格で無学だが、腕っぷしの強さとハッタリで家族や周囲に頼りにされていた ある日トニーは、天才黒人ピアニスト、ドクター・シャーリー(マハーシャラ・アリ)にコンサートツアーの運転手としてスカウトされる 「黒人用旅行ガイドブック=グリーンブック」を頼りに人種差別の色濃い南部へのツアーに出発する   各地で待っていたのはピアニストとしてのシャーリーを歓迎する一方で、黒人としてのシャーリーを差別するブルジョワ白人たちだった


     


「グリーン・ブック」とは、1936年から1966年までヴィクター・H・グリーンにより毎年出版された、黒人が利用可能な施設を記した旅行ガイドブックのことです ジム・クロウ法(1876年から1964年までアメリカに存在した、人種差別を含む法律)の適用が群や州によって異なる南部で特に重宝されました

この映画は事実に基づいて作られていますが、人種差別が激しいアメリカ社会で、あえて差別が厳しい南部へのコンサートツアーを敢行したシャーリーは勇気があるし、黒人に金で雇われる道を選んだトニーも素晴らしいと思います

シャーリーはピアニストとしてジャズのトリオを組んでいますが、幼少の頃はクラシックを学んでいました コンサートツアーの最後のステージを目前にして、食事を取ろうとレストランに入ったシャーリーは、黒人は白人と同じ場所では食事が取れないとして入場を断わられます それまで我慢を重ねてきたのがここで一気に爆発し、コンサートをドタキャンします そして、トニーと一緒に入った黒人向けバーで「カティサーク」を飲みます そこに1台のピアノがあるのを見つけたトニーに促され、シャーリーは静かにピアノを弾き始めます 間もなくその曲は息もつかせない激しい音楽に変貌します。それはショパン「12のエチュード作品25-11”木枯らし”」でした それは彼のやり場のない怒りの発露のように聴こえました

旅先から妻へ送るトニーの手紙があまりにも幼稚なので、シャーリーはロマンティックな文章にするようアドヴァイスし、その手紙は妻のもとに届けられますが、彼女は素直に喜ぶとともに、夫がそんなロマンティストではないことが分かっているようです そんなところが可笑しい 二人はツアーを通して、ぶつかり合いながらも、お互いに理解し合い、尊厳を尊重する姿を見ると、爽快な気持ちになります いい映画を観ました

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小泉和裕 ✕ 東京都交響楽団でブルックナー「交響曲第7番」、ワーグナー「ジークフリート牧歌」を聴く ~ 終演後、小泉氏の誕生日を祝うバースディーソングの演奏も

2019年10月17日 07時22分12秒 | 日記

17日(木)。わが家に来てから今日で1844日目を迎え、2020年の米大統領選に向けて野党の民主党は15日、候補者による4回目のテレビ討論を開いたが、「弾劾に動く以外に選択肢はない」「誰もが法に従わなくてはいけない」と弾劾の必要性で歩調を合わせた というニュースを見て感想を述べるモコタロです

 

     

      今回はウォーレン上院議員あたりに一本化した方がいいように思うんだけどなあ

 

         

 

昨日、夕食に「卵とトマトの炒め物」を作りました できるだけ力を入れないで済むレシピを選んでいます

 

     

 

         

 

昨夕、サントリーホールで東京都交響楽団の第889回定期演奏会(Bシリーズ)を聴きました プログラムは①ワーグナー「ジークフリート牧歌」、②ブルックナー「交響曲 第7番 ホ長調 WAB107」(ノヴァーク版)です 指揮はこの日 70回目の誕生日を迎えた小泉和裕です

 

     

 

 オケは左から第1ヴァイオリン、第2ヴァイオリン、チェロ、ヴィオラ、その後ろにコントラバスといういつもの都響の並びです 弦楽器を見渡すと、コンマスは四方恭子、隣に矢部達哉、右に双紙正哉、遠藤香奈子、田中雅弘、古川展生、鈴木学、店村眞積、そしてコントラバスに池松宏という、いわば首席クラスが総動員という布陣で、この日70歳となる終身名誉指揮者・小泉和裕氏を迎える「小泉シフト」といった態勢です

1曲目はワーグナー「ジークフリート牧歌」です この曲はリヒャルト・ワーグナー(1813-1883)が、長男ジークフリートが生まれた翌年の1870年12月25日の妻コジマの誕生日のために作曲した作品です

ワーグナーの協力者だった指揮者ハンス・リヒターが、チューリヒ・トーンハレ管弦楽団の楽員に秘密裏に声をかけ、当日の早朝、スイスのトリープシェンにあるワーグナーの自宅の階段に演奏者15名がスタンバイし、ワーグナーの指揮で「サプライズ」演奏をしたのです したがって、これが初演です さぞかしコジマは驚いたことでしょう

ワーグナー、おぬしも悪よのう ハンス・フォン・ビューローの奧さんだったコジマを略奪して、誕生祝にライブ演奏を贈るなんて

この曲では特にオーボエとフルートが素晴らしい演奏を展開していました


     


プログラム後半はブルックナー「交響曲 第7番 ホ長調 WAB107」(ノヴァーク版)です この曲はアントン・ブルックナー(1824-1896)が1881年から1883年にかけて作曲、ライプツィヒでアルトゥール・二キシュの指揮により初演され、バイエルン国王ルートヴィヒ2世に献呈されました 第1楽章「アレグロ・モデラート」、第2楽章「アダージョ~モルト・レント・エ・マエストーソ」、第3楽章「スケルツォ:ヴィヴァーチェ」、第4楽章「フィナーレ:アレグロ・マ・ノン・トロッポ」の4楽章から成ります

この曲の2楽章を作曲中の1883年2月13日、尊敬していたワーグナーが死去したことにショックを受け、ブルックナーはこの楽章にワーグナー・チューバを採用したうえ、追悼のコーダを書き加えたことは、あまりにも有名です

小泉氏の指揮で第1楽章が悠然としたテンポで開始されます 彼の指揮姿を見ていて「まったく変わらないなあ」と思いました 小泉氏の指揮の大きな特徴は、まったく足を動かさないことです まるで足が指揮台に根を張ったかのように固定して、上半身だけで指揮をします こういう指揮をする人は世界中でただ一人だと思います 小泉氏は1973年カラヤン国際指揮者コンクールで優勝していますが、彼の指揮スタイルは若き日に師事したベルベルト・フォン・カラヤンの影響を受けているのではないか、と密かに思っています

第2楽章は厚みのある弦楽合奏が見事です そして、ワーグナー・チューバとチューバによる渋い演奏が冴えていました 第3楽章のスケルツォは都響の機動力が発揮されました 第4楽章は軽快に開始され、フィナーレはオケの総動員により音の大伽藍が築き上げられ、あたかも小泉氏の70回目の誕生日を祝うがごとき渾身の演奏が展開されました

カーテンコールが繰り返され、小泉氏がコンマスの四方さんから を受け取ると、オケが「ハーピーバースディーソング」を演奏し、会場は祝祭的な雰囲気に包まれました 小泉氏は正面に、P席に、頭を垂れ、拍手とブラボーに応えました

この日の演奏は、指揮台に根を降ろしたかのような小泉氏による確固たる指揮のもと、都響は地に足の着いた渾身の演奏を展開しました

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テミルカーノフ ✕ チェクナヴォリアン ✕ 読売日響でシベリウス「ヴァイオリン協奏曲」、チャイコフスキー「交響曲第5番」を聴く ~ 読響第626回名曲シリーズ

2019年10月16日 07時18分43秒 | 日記

16日(水)。行きつけの整骨院で「右手の腱鞘炎がなかなか治らないのは右手を使っているから。痩せたいと言いながらたくさん食べているようなもの。右手を使わないように」と厳命されてしまいました ブログは書くし、料理も作るのでそうもいかないのですが・・・最小限に止めようと思います

ということで、わが家に来てから今日で1843日目を迎え、ノーベル経済学賞が 貧困を個人や小さな集団が抱える問題の積み重なりととらえ直し、どう対処したら効果的に解消に導けるかを実験的手法で検証したとしてアメリカの大学教授3人に贈られた というニュースを見て感想を述べるモコタロです

 

     

      経済学は 今回の受賞のように 世界が抱える問題の解決に実際に役立つべきもの

    

         

 

昨日は、料理するのにあまり力のいらない「鶏のトマト煮」を作りました 久しぶりに作りましたが、娘の大好物です

 

     

 

         

 

昨夕、サントリーホールで読売日響第626回名曲シリーズを聴きました プログラムは①シベリウス「ヴァイオリン協奏曲 ニ短調 作品47」、チャイコフスキー「交響曲 第5番 ホ短調 作品64」です 演奏は①のヴァイオリン独奏=エマニュエル・チェクナヴォリアン、指揮=ユーリ・テミルカーノフです

指揮のテミルカーノフは巨匠エフゲニー・ムラヴィンスキーの後を継ぎ、1988年から現在に至るまでサンクトペテルブルク・フィル(旧レニングラード・フィル)の芸術監督・首席指揮者を務めています。読響とは2000年の初登場以来、共演を重ねており、2015年から名誉指揮者の任にあります


     


オケは左から第1ヴァイオリン、第2ヴァイオリン、チェロ、ヴィオラ、その後ろにコントラバスといういつもの読響の並び コンマスは日下紗矢子さん。隣には長原幸太氏がスタンバイしています テミルカーノフへの敬意を感じさせる布陣です

1曲目はシベリウス「ヴァイオリン協奏曲 ニ短調 作品47」です この曲はヤン・シベリウス(1865-1957)が1903年に作曲、その後1905年に改訂した作品です

第1楽章「アレグロ・モデラート」、第2楽章「アダージョ・ディ・モルト」、第3楽章「アレグロ・マ・ノン・タント」の3楽章から成ります

ヴァイオリン独奏のエマニュエル・チェクナヴォリアンは1995年ウィーン生まれ。シベリウス国際コンクール第2位に輝いて脚光を浴びました

演奏を聴く限り、完璧なテクニックを背景に雄弁に語ります。とくに高音部がとても美しく響きます

アンコールはどんな技巧的な曲を演奏するのかと思いきや、「浜辺の歌」をさらっと弾きました 日本の聴衆へのサービスでしょう。よろしいんじゃないでしょうか


     

       コーヒーが400円から500円へ値上がり サントリーホールよ  お前もか!


プログラム後半は、チャイコフスキー「交響曲 第5番 ホ短調 作品64」です この曲はビョートル・イリイチ・チャイコフスキー(1840-1893)が1888年に作曲した作品です

第1楽章「アンダンテ~アレグロ・コン・アニマ」、第2楽章「アンダンテ・カンタービレ・コン・アルク―ナ・リチェンツァ」、第3楽章「ワルツ:アレグロ・モデラート」、第4楽章「フィナーレ:アンダンテ・マエストーソ~アレグロ・ヴィヴァーチェ~モルト・ヴィヴァーチェ~モデラート・アッサイ・エ・モルト・マエストーソ~プレスト」の4楽章から成ります

この曲の大きな特徴は、第1楽章の冒頭でクラリネットによって暗く演奏される「運命のモチーフ」が、第4楽章に入ると、まるで勝利のテーマのように明るく響き渡ることです いま、暗い気持ちでいる人はチャイコフスキーの「第5番」を聴くと良いでしょう チャイコフスキーは、第1楽章ではあなたの悲しみに寄り添い、第2楽章では過去の想いに耽り、第3楽章ではわずかな光を見い出し、第4楽章では明るい未来を展望します

この日、テミルカーノフは第1楽章と第2楽章、第3楽章と第4楽章をほとんど間を置かずに演奏しました つまり 彼は前半の「暗」から後半の「明」への転換を、第2楽章と第3楽章の「間」で表しました

個々の演奏では、オーボエ首席(契約団員)の金子亜未、ホルン首席の日橋辰朗をはじめとする管楽器群がいつものように冴えていましたが、今回は弦楽器群の厚みのある熱い演奏が強く印象に残りました オケ総動員による怒涛のフィナーレは今年81歳とは思えないテミルカーノフの両手によって導かれました 巨匠というのは彼のような指揮者のことを言うのでしょう

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東京藝大「フランス室内楽の名曲を探して ~ 名手ドンスク・カンと日本の仲間たち」を聴く:ショーソン「ヴァイオリン、ピアノと弦楽四重奏のためのコンセール 作品21」他

2019年10月15日 07時18分20秒 | 日記

15日(火)。わが家に来てから今日で1842日目を迎え、本人や家族をめぐる数々の疑惑で韓国の国論を2分していたチョ・グク法相が電撃辞任した というニュースを見て感想を述べるモコタロです

 

     

       文大統領の支持率が就任以来最低を記録しているらしい 過ちて改めざるの結果だ

     

         

 

昨日は、腱鞘炎も治らないし、急に冬のように寒くなったので、夕食は「白みそ肉鍋」にしました 食材は豚バラ肉、キャベツ、もやし、玉ねぎ、水菜、長ネギで、スープは市販のものです。〆はうどんでした。寒い夜は鍋が一番ですね あっ、お酒は焼酎のお湯割りです

 

     

     

 

         

 

昨日、東京藝大奏楽堂で「フランス室内楽の名曲を探して~名手ドンスク・カンと日本の仲間たち」を聴きました   プログラムは①ミヨー「2つのヴァイオリンのための二重奏曲 作品258」、②ロパルツ「チェロとピアノのためのソナタ 第1番 ト短調」、③ショーソン「ピアノ、ヴァイオリン、弦楽四重奏のためのコンセール ニ長調 作品21」です

 

     

 

全席自由です。1階10列24番、センターブロック右通路側を押さえました 会場は6割弱くらいの入りでしょうか

1曲目はミヨー「2つのヴァイオリンのための二重奏曲 作品258」です この曲はダリウス・ミヨー(1892-1974)が1945年に作曲した作品です 第1楽章「陽気に」、第2楽章「ロマンス」、第3楽章「ジーグ」の3楽章から成ります 演奏はヴァイオリン=ドンスク・カン、漆原朝子です

ミヨーらしいエスプリの効いた曲想でした

2曲目はロパルツ「チェロとピアノのためのソナタ 第1番 ト短調」です この曲はジョセフ・ギィ・ロパルツ(1864‐1955)が1904年に作曲した作品です 第1楽章「アレグロ・モデラート」、第2楽章「クアジ・レント」、第3楽章「アレグロ」の3楽章から成ります 演奏はチェロ=中木健二、ピアノ=津田裕也です

初めて聴く作曲家の作品とあって、聴いていて把握しがたいものがありましたが、チェロがよく歌っていました


     


プログラム後半はショーソン「ピアノ、ヴァイオリン、弦楽四重奏のためのコンセール ニ長調 作品21」です この曲はエルネスト・ショーソン(1855-1899)が1891年に作曲し、1892年3月4日にイザイ他の演奏により初演され、イザイに献呈されました この曲は何度か生演奏を聴いて、すっかり気に入ってCDまで購入した作品です


     


この曲は第1楽章「活発に」、第2楽章「速くなく:シチリアーノ」、第3楽章「荘重に」、第4楽章「とても活気づいて」の4楽章から成ります

演奏はピアノ=坂井千春、独奏ヴァイオリン=ドンスク・カン、弦楽四重奏のヴァイオリン=玉井菜摘、野口千代光、ヴィオラ=川崎和憲、チェロ=河野文昭です

曲の冒頭、ピアノによって力強く奏でられる3音が曲全体を支配します 弦楽四重奏によって繰り返された後、独奏ヴァイオリンが入ってきますが、韓国出身のドンスク・カンは身体を大きく揺らし、感情表現豊かに情熱的な演奏を展開します 韓国のヴァイオリニストはこういうスタイルの人が多いように思います 私が好きなのは第2楽章です。「シチリアーノ」の表示がありますが、ちょっぴりメランコリックな曲想が何とも言えない魅力です 全体を通して坂井千春さんの節度があるピアノ演奏が印象に残りました

ところで、プログラム冊子に掲載の成田麗奈さんの「プログラム・ノート」によると、ショーソンやロパルツなどが活躍していた頃のパリ国立音楽院の作曲家教授は、「マノン」「ウェルテル」などのオペラ作曲家として名高いジュール・マスネ(1842‐1912)でしたが、学生たちはマスネ教授ではなくセザール・フランク(1822-1890)のもとに集まったそうです ヴァンサン・ダンディやギョーム・ルク―らを含めて、彼らは「フランク楽派」と呼ばれました

学生たちにとって、フランクの方が作曲についてフランクに相談が出来たのでしょう それを横目で見ていたマスネは「ウェルテル」のように悩んだと想像できマスネ

この日のコンサートのタイトル「名手ドンスク・カンと日本の仲間たち」にあるように、芸術の世界では日韓交流はしっかりと進められています さて、政財界はどうなっているのかな  安倍さん、どうよ


     

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新交響楽団第247回演奏会を聴く ~ ドヴォルザーク「連作交響詩~水の精、真昼の魔女、金の紡ぎ車、野鳩、英雄の歌」:ストーリー・テラーとしてのドヴォルザークを再認識

2019年10月14日 07時50分24秒 | 日記

14日(月)。昨日は私の誕生日でした 品川の親戚からお祝いに焼酎の3本セットをいただきました 左の「れんと」をよく見ると「音響熟成 奄美黒糖焼酎」と書かれています 何の説明もありませんが、樽の中で熟成させる段階でクラシック音楽を流しているのだと思います 果たして味はモーツアルトか? ヴィヴァルディか? 飲むのが楽しみです

 

     

 

     

 

ということで、わが家に来てから今日で1841日目を迎え、日本海の日本の排他的経済水域(EEZ)で7日にあった水産庁の漁業取締船と北朝鮮漁船の衝突事故をめぐり、北朝鮮外務省の報道官は12日、漁船を沈没させた日本政府に賠償と再発防止策を強く求めた というニュースを見て感想を述べるモコタロです

 

     

                日本の領海で急旋回して衝突させたのはどこの国の船? 賠償と再発防止を求める

 

         

 

昨日、池袋の東京芸術劇場コンサートホールで新交響楽団第247回演奏会を聴きました 午後2時開演の予定でしたが、台風19号による影響で午後5時開演に変更となりました 私は新響のホームページで知りましたが、知らないまま2時に来た人もいたのではないでしょうか

プログラムはドヴォルザークの連作交響詩 ~「水の精」、「真昼の魔女」、「金の紡ぎ車」、「野鳩」、そして「英雄の歌」です 指揮は寺岡清高です

 

     

 

自席は1階H列11番、左ブロック右から2つ目です 会場はいつもより少ない客入りだと思われます。台風の影響があるのでしょうか

オケは左から第1ヴァイオリン、第2ヴァイオリン、チェロ、ヴィオラ、その後ろにコントラバスという いつもの新響の編成。コンマスは内田智子さんです

交響詩「水の精」「真昼の魔女」「金の紡ぎ車」「野鳩」は、アントニン・ドヴォルザーク(1841-1904)がナショナル音楽院の院長を務めていたニューヨークからプラハに戻った翌年の1896年に、また「英雄の歌」は1897年に作曲しました 最初の4曲はチェコの作家・民俗学者エルベンの詩集「花束」を題材にして作曲されました

「水の精」は、水の精と結婚した娘が水の世界に棲んでいたが、実家になかなか戻らないので、水の精は怒って自分たちの子どもを殺す、という話

「真昼の魔女」は、母親が「悪いことをすると魔女が来るよ!」と子どもを叱るので、悪口を言われた魔女が復讐のために子どもを殺す、という話

「金の紡ぎ車」は、王に見染められた美しい娘を、継母が自分の娘を嫁がせようとして殺すが、魔法使いが生き返らせる。金の紡ぎ車がその経緯を王に話すと 継母と実娘は死刑になる、という話

「野鳩」は、夫を殺して若い男と再婚した妻が亡夫の墓を参ると、傍らの樫の木で亡夫の生まれ変わりの鳩が鳴き、良心の呵責で妻は自殺する、という話

どの詩でも人が死んでいます エルベンという人はよほど人を殺すのが好きだったようです それをわざわざ題材に選んで音楽を付けるドヴォルザークもドヴォルザークです

ところで、プログラム冊子には上記のエルベンの4つの詩の全文が掲載されていますが、非常に素晴らしい配慮だと思います 交響詩の場合、詩や物語の内容を把握した上で聴くと、音楽が理解し易くなります 今回上記の交響詩をまとめて聴くのは初めてでしたが、本当に役立ちました 新響のプログラムはいつも内容が充実していて感心していますが、今回は特にホームラン級だと思います

前半に「水の精」「真昼の魔女」「金の紡ぎ車」の3曲を、後半に「野鳩」と「英雄の歌」を演奏しましたが、前半で印象に残ったのは、「真昼の魔女」で、ベートーヴェンの「運命交響曲」の「ジャジャジャジャーン」のテーマが出てきたこと、「金の紡ぎ車」でコンマス・内田智子さんのヴァイオリン・ソロとホルンと木管楽器群の演奏が素晴らしかったことです


     


コンマスが堀内真美さんに変わります。後半の1曲目「野鳩」は、作品としては4曲の中で一番素晴らしいと思いました 新響の演奏はドラマティックでストーリーをよく語っていました ストーリー・テラーとしてのドヴォルザークを再認識した演奏でした

「英雄の歌」は4部構成から成りますが、意志と自信を持った若き日の英雄が、困難に遭って悲観し失望するが、それらに打ち勝って最後は勝利を収める、というストーリーです 作曲の時期などからドヴォルザーク自身の生涯を描いているとも思われますが、決め手がないようです 構想段階で「英雄の生涯」と題されたそうですが、実際に演奏を聴くと、リヒャルト・シュトラウスの「英雄の生涯」の誇大妄想的な派手な音楽ではなく、じっくりと地に足が付いた英雄像が描かれています 新響は弦楽器群の渾身の演奏をはじめ堂々たる演奏を展開しました  

ところで、コンサートのチラシの裏に次のような解説がありました

「初演はマーラーが指揮し、ブラームスの追悼演奏会としてブラームスの交響曲第2番とともに演奏されました ブラームスはドヴォルザークの才能を見い出して世に出るきっかけを作り、渡米中の楽譜の校訂を引き受けるほど親しくしていました マーラーは曲を気に入り、その後もドヴォルザークの良き友人であり支援者だったということです

ブラームスとドヴォルザークの関係についてはあまりにも有名なので知っていましたが、ドヴォルザークとマーラーは作風がまったく異なるので、2人には接点がないと思っていただけに、新鮮に感じました グスタフ・マーラー(1860-1911)はオーストリア帝国ボヘミア・イーグラウ(現・チェコのイフラヴァ)近郊のカリシュト生まれなので、北ボヘミア出身のドヴォルザークに”同郷のよしみ”的な親近感を抱いていたのかも知れない、と思いました

次回は来年1月19日(日)です 飯守泰次郎氏がチャイコフスキー、ハイドン、モーツアルトを振ります これも聴き逃せないですね

 

     

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バッハ・コレギウム・ジャパン2020-2021シーズン会員継続へ / インキネン ✕ 日本フィルのドヴォルザーク「交響曲第8番」他のチケットを入手 / 新日本フィル会員継続特典CD

2019年10月13日 07時57分49秒 | 日記

13日(日)。昨日は午後1時半からの東京藝大「クラーラ・シューマン生誕200年に寄せて」企画の第2回「ある『家族の絵』~クラーラとローベルトの合唱曲を中心に」と、午後6時からの「東京交響楽団第674回定期演奏会」が台風19号の影響で中止となり、スケジュールが空いてしまいました 仕方ないので家でコンサートの予習CDを聴きながら本を読んで過ごしました

昨夜は、午後9時前後に激しい風雨が窓を叩きつけていましたが、印象としては台風15号の時ほどではなかったように思います 皆さんのところはいかがでしたでしょうか? 被害が少ないことを祈るばかりです

ということで、わが家に来てから今日で1840日目を迎え、トランプ米大統領がウクライナ政府にバイデン前副大統領の調査を働きかけた問題をめぐり、マリー・ヨバノビッチ元駐ウクライナ大使が11日に議会証言に応じたが、トランプ氏の信頼を失ったという理由で任期終了前に突然召還を告げられた と述べたというニュースを見て感想を述べるモコタロです

 

     

      トランプ大統領の弾劾裁判に向けて 民主党に有利な材料が次々と出てくるなあ

 

         

 

バッハ・コレギウム・ジャパンから「2020-2021シーズン 会員継続案内」が届きました 2020年はBCJが結成30周年を迎える節目の年ということで、年5回のラインアップはバッハの「三大宗教曲」を中心に大曲揃いになっています ラインアップは次のとおりです

①4月10日(金)18時30分開演。東京オペラシティ。バッハ「マタイ受難曲」。指揮:鈴木雅明

②5月24日(日)15時開演。東京オペラシティ。バッハ「マニフィカトBWV243a 」他。指揮:鈴木優人

③9月20日(日)15時開演。東京オペラシティ。バッハ「ロ短調ミサ曲」。指揮:鈴木優人

④11月28日(土)15時開演。東京オペラシティ。ベートーヴェン「運命」「ハ長調ミサ曲」。指揮:鈴木雅明

⑤2月19日(金)19時開演。サントリーホール。バッハ「ヨハネ受難曲」。指揮:鈴木雅明

さて、問題はチケット代です 2020年度の定期会員券(全5回)は次のとおりです

S:45,000円(@9,000円)、A:37,500円(@7,500円)、B:30,000円(@6,000円)、C:22,000円(@4,400円)

また、各1回券はS:11,000円、A:9,000円、B:7,000円、C:5,000円となっています

現在私はB会員ですが、このラインアップからして継続しかないと思います さっそく現在の席で継続を希望する旨、返信ハガキを出しておきました

 

         

 

11日の新日本フィルのコンサートの際、定期会員向けの継続特典CDをいただいてきました 収録のR.シュトラウス「オーボエ協奏曲」の冒頭一部分が欠落し音声が途切れていたとのことで、1か月遅れての提供となりました

収録曲は①リヒャルト・シュトラウス「オーボエ協奏曲ニ長調」(オーボエ:古部賢一)、②ソリスト・アンコール:R.シュトラウス「カプリッチョ」より六重奏、③ブラームス「ヴィオラ・ソナタ第1番ヘ短調(管弦楽編曲:ルチアーノ・ベリオ)」(ヴィオラ:篠崎友美)、①②の指揮:上岡敏之です

 

     

     

 

         

 

10月27日(日)午後2時半からサントリーホールで開かれる日本フィル「第382回名曲コンサート」のチケットを入手しました プログラムは①ベートーヴェン「交響曲第1番ハ長調」、②同「ピアノ協奏曲第1番長調」、③ドヴォルザーク「交響曲第8番ト長調」です ②のピアノ独奏はアレクセイ・ヴォロディン、指揮は首席指揮者・ピエタリ・インキネンです

これは11日の新日本フィルのコンサートの時に、ルビー・シリーズ会員で旧知のS氏から、チケットを買ったが当日他公演とダブってしまったので都合がつけばどうか、と声がかかったものです 同氏からの買い取り依頼は2度目ですが、ちょうど日程が空いており、インキネンの指揮だったら良さそうだと思い、さらに、今後こちらからお願いすることもあるかも知れないのでお引き受けすることにしました

 

     

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上岡敏之 ✕ 新日本フィルでシューベルト「交響曲第2番、第3番」、バルトーク「管弦楽のための協奏曲」を聴く~ルビー・シリーズ第26回演奏会

2019年10月12日 07時18分05秒 | 日記

12日(土)。わが家に来てから今日で1839日目を迎え、神戸市立東須磨小学校で20代の男性教諭が、30~40代の教諭4人から激辛カレーを食べさせられたり「ボケ」「カス」といった暴言を浴びせられていた というニュースを見て感想を述べるモコタロです

 

     

     どこの親がこんな小学校に自分の子供を預けたいと思うか!  校長は何をやってる

 

         

 

昨日、夕食に「牛バラカルビとニンニクの芽の炒め物」と「トマトのマリネ」を作りました 右手の腱鞘炎が完治していないので、どうしても簡単に出来る料理にしがちです

 

     

 

         

 

昨日、すみだトリフォニーホールで新日本フィルのルビー(アフタヌーン・コンサート・シリーズ)第26回演奏会を聴きました プログラムは①シューベルト「交響曲 第2番 変ロ長調 D125」、②同「交響曲 第3番 ニ長調 D200」、③バルトーク「管弦楽のための協奏曲 Sz116」です 指揮は新日本フィル音楽監督・上岡敏之です

本公演に先立って、同日午前11時から、小室敬幸氏によるルビーシリーズのレクチャーがありました   私が参加するのは今回が2回目ですが、分かり易い解説で、なるほど、と頷くことが多々あります

 

     

 

オケは左から第1ヴァイオリン、第2ヴァイオリン、チェロ、ヴィオラ、その後ろにコントラバスという いつもの新日本フィルの編成。コンマスはチェ・ムンス氏です いつものように第2ヴァイオリンの松崎千鶴さんを確認。篠原和英氏は降り番のようです 井上典子さんが抜けたヴィオラ首席の席には、オケや室内楽などで活躍中の安達真理さんがスタンバイします

1曲目はシューベルト「交響曲 第2番 変ロ長調 D125」です この曲はフランツ・シューベルト(1797-1828)が1814年末から翌15年3月にかけて作曲した作品です つまり作曲者が18歳の時の作品です。第1楽章「ラルゴ~アレグロ・ヴィヴァーチェ」、第2楽章「アンダンテ」、第3楽章「アレグロ・ヴィヴァーチェ」、第4楽章「プレスト」の4楽章から成ります

上岡敏之氏が指揮台に上がり、さっそく第1楽章に入ります 冒頭の序奏部は、レクチャーで小室氏が指摘したように、モーツアルト「交響曲第39番K.543」の第1楽章に似ています オケの響きを聴いて、「あっ、軽いな」と思いました 18歳のシューベルトの作品の演奏にはこの軽さ(軽やかさ)が似合っていると思いました 全体を通して、上岡 ✕ 新日本フィルはこの「軽やかさ」を貫き通しました

2曲目はシューベルト「交響曲 第3番 ニ長調 D200」です この曲は1815年5月から7月にかけて作曲されました 第1楽章「アダージョ・マエストーソ~アレグロ・コン・ブリオ」、第2楽章「アレグレット」、第3楽章「メヌエット:ヴィヴァーチェ」、第4楽章「プレスト・ヴィヴァーチェ」の4楽章から成ります

この曲でも随所にモーツアルトやハイドンら先輩作曲家の影響を感じさせますが、シューベルト特有の推進力に満ちた音楽は魅力的です クラリネット首席・重松希巳江、オーボエ首席・古部賢一、ファゴット首席・河村幹子の演奏が冴えていました とくに第3楽章におけるオーボエとファゴットによるアンサンブルは聴きごたえがありました

シューベルトは結局31歳の若さで天に召されたわけですが、交響曲に関して言えば、ただの1曲も生前に演奏されたという証拠はありません もし1曲も音として聴いていないとすれば、作曲家としてこれほど寂しいことはないでしょう

 

     


プログラム後半はバルトーク「管弦楽のための協奏曲 Sz116」です この曲はベラ・バルトーク(1881-1945)が、ボストン交響楽団常任指揮者を務めていたセルゲイ・クーセヴィツキ-の委嘱により、1943年にニューヨーク郊外の療養所で作曲した作品です 第1楽章「序章」、第2楽章「対の遊び」、第3楽章「エレジー」、第4楽章「中断された間奏曲」、第5楽章「フィナーレ」の5楽章から成ります 事前レクチャーによると、この曲は当初 4楽章形式の交響曲だったのが、ラジオでショスタコーヴィチ「交響曲7番”レニングラード”」のアメリカ初演を聴いて、ショスタコーヴィチを揶揄してやろうと考え、第4楽章「中断された間奏曲」を付け加え、この曲のパロディーを曲の中に盛り込み、全5楽章の作品として完成させたそうです

上岡氏のタクトで「序章」が開始されますが、極めてゆったりしたテンポで進められます しかし、途中から急激にアレグロの嵐に突入します この箇所に限らず、上岡氏の音楽作りは急・緩の切り替えが鮮やかで、切れ味鋭い日本刀のようです 第2楽章「対の遊び」は面白い楽曲です ファゴットがペアで演奏し、次にオーボエがペアで、次いでクラリネットが・・・という具合に、管楽器がメロディーを受け継いでいきます この木管のリレーが素晴らしかった 第4楽章では、レクチャーでも指摘された通り、ショスタコーヴィチ「交響曲7番”レニングラード”」の主題をパロディー化して演奏される箇所が、馬のいななきのようで笑ってしまいます 第5楽章は疾走感が堪りません

この曲では、新日本フィルの弦楽アンサンブルの素晴らしさに加え、管楽器のメンバーの名人芸を楽しむことができました

なお、本日午後2時から開催予定の「ルビー・シリーズ」第2日目の公演は、台風19号の影響により中止となりました 第1日目が聴けてラッキーだったと言うべきでしょう

ついでに言うと、本日午後6時からサントリーホールで開かれる予定だった東京交響楽団の第674回定期演奏会も中止になりました 東響のツイッターで知ったのですが、夜9時過ぎに東響事務局から自宅に電話があり正式に通知を受けました ブラームスの「ピアノ協奏 曲1番 ニ短調」を楽しみにしていたのに残念です 台風19号はあちこちに迷惑をばら撒いていますね

 

     

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