射精責任

2024年06月07日 13時11分46秒 | 社会・文化・政治・経済

“望まない妊娠のすべての原因が男性にある”

こんな言葉から始まる書籍「射精責任」が7月に販売され、大きな反響を呼んでいます。ネット上では共感や批判などさまざまな意見が書き込まれ、刊行記念イベントは異例のにぎわいに。

この書籍に、なぜいま大きな関心が集まっているのでしょうか。
授業でこの本を使う大学も現れています。学生たちはどのようなことを感じたのでしょうか。
(首都圏局/ディレクター 田中かな)

望まない妊娠の原因は男性にある?

「射精責任」を執筆したのは、アメリカの人気ブロガー、ガブリエル・ブレアさんです。これまでに、「ニューヨーク・タイムズ紙」のベストセラーに選ばれる本を執筆するなど、アメリカのオピニオンリーダーとして活動してきました。

「射精責任」では、望まない妊娠の原因は男性にあること、また男性にとって望まない妊娠を避けるのは難しくないことを主張し、軽妙な文体で議論を展開しています。

ガブリエル・ブレア「射精責任」より

セックスをするから望まない妊娠をするのではありません。望まない妊娠は、男性が無責任に射精をした場合にのみ起きるのです。

彼とパートナーが妊娠を望んでいないというのに、男性が精子を女性のヴァギナに放出した場合にのみ、起きる。これに対する予防は、男性にとって難しくありません。
(ガブリエル・ブレア「射精責任」より)

望まない妊娠の原因が男性にある理由については、さまざまなデータを用いて次のように語りました。

・女性の排卵時期は予測が難しい。排卵はコントロールできないが、射精は、頻度や、誰かの体内に残すかどうかをコントロールできる。

・女性用避妊具は手に入れにくく、副作用があるものもある。一方で男性用避妊具(コンドーム)はドラッグストアやコンビニで24時間、365日購入が可能で値段も安い。

・男女間には力の差がある。女性が、避妊を行わない無防備なセックスを断ったりすると、男性が暴力あるいは怒りで対応することがある。

無責任な射精による望まない妊娠によって、女性は「中絶するのか」などの大きな決断を迫られるだけでなく、出産で命を落とすこともあるとつづります。

精子は危険な体液だと考えるべきでしょう。女性に痛みを与え、生涯続く混乱を招き、死をもたらすことさえあります。精子は人間を作り出すことができます。精子は人間を殺すことができます。(中略)

男性は、おもちゃではなく、実際に危険な武器を持ち歩いているようなものです。彼らが精子をどのようにして扱うのかで、命が左右されるのです。
(ガブリエル・ブレア「射精責任」より)

そして、リスクを避けるために、男性が責任を持ってセックスのたびにコンドームをすること、コンドームをするのが嫌であれば避妊手術(パイプカット)を受けることを、ブレアさんは求めています。

「射精責任」に日本でも大きな反響

この本が7月に日本で発売されると、SNSでは共感や批判などさまざまな意見が書き込まれ、大きな話題となりました。

都内の書店では、刊行記念イベントを開催するという告知をしたところ、オンラインを含めて400人以上の申し込みがありました。スタッフの河合麻衣さんによると、こうしたイベントでは異例の多さだといいます。

 

イベントスタッフ 河合麻衣さん
「申し込みの勢いがすごかったです。本の注目度も高く、これほどすごいスピードで売れ続けるのは珍しいことです。本当にうねりを感じています」

この書籍が注目されるのは、日本社会が、中絶や望まない妊娠を女性だけの問題としてきたことが背景にあると、本の解説を担当する専門家は指摘します。

去年、日本の中絶件数は12万件以上。一日におよそ340件近く中絶手術が行われていることになります。さらに望まない妊娠によって生まれた赤ちゃんを女性が遺棄し、逮捕される事件もあとをたちません。

 

岡山大学 齋藤圭介准教授(ジェンダー研究が専門)
「皆さん、うすうす気づいていたはずなんですよ。望まない妊娠をさせた男はどこに行ったんですか?とか、女性が避妊してほしいと言っても、してくれない男性がいるとか。

これまでは中絶の議論に男性がいなかった。そこに男性がいるべきであるということに焦点を当てたのが、この本の一番の売りですね」

男性の責任 どうとらえる

 

都内の書店で8月に開かれた刊行記念イベントでは、翻訳を行った村井理子さんとフリーライターの武田砂鉄さんが、男性の責任や、これから起こすべき行動について意見を交わしました。

 

武田さん

この本で何度も繰り返されていますけど、男性は24時間、精子を出すことができる。自分の意志で出すことができる。これは当然のことなんですけれど、その自覚がないことによっていろんなことが起きてしまっている。

村井さん

女性は、妊娠してしまったら本当に大変なことで、とんでもない大きな決断が必要になります。そのことについて、もう少し男性が歩み寄って理解してくれると、望まない妊娠は減るのかなと思います。

 

この本で解説を書かれている齋藤さんは、本書を読む男性はそもそも意識が高いだろうし、そのような男性には本書のメッセージは届きやすいと。

では本書を手に取ることがない男性に、メッセージを届けるためにはどうしたらよいのかという課題が残ると。どうしたらいいんでしょうね。本書を手に取ることのない男性は。

 

やっぱり男性同士で話をするのがいいんですかね。女性から読んでと言われて、素直に読む人だったらもう読んでいるかもしれないし。
女性から言われると、素直になれない男性もいると思います。

「批判的な視点が変わった」「共感できない、だけど揺さぶられる」

本の解説を担当した齋藤さんは、教べんをとる岡山大学で、この本を題材に性について考える授業を始めました。

 

学生たちは本を読み、日本の性教育の現状などを調査して発表。これまで話しづらかった性の話についても、意見を交わしました。

本の表紙を見たときは、タイトルのインパクトが強くて人前で読むのが恥ずかしいなと思いました。本の内容は、女性は妊娠から逃げられないなど、当たり前なことも多く書かれていました。

当たり前なことが本になっているのは、男性と女性それぞれがセックスについてふだんから話すことが少ないからだと思いました。

今まで私は、中絶をした女性を批判的に思っていたことに気づかされました。

知り合いで「中絶した」という女性がいて、彼女に対して批判的な視線を向けてしまったんです。でも妊娠させてしまった男性のことをあまり批判的に思っていなかった、その存在に気づいていなかったなと。

女性を妊娠させても、男性にはリスクがないと本に書いてあったんですけど、そんなわけはないと思いました。僕が、もし女性を妊娠させたら大学やめなくちゃいけなくなるだろうし、めちゃくちゃ親に怒られるだろうし。

この本は共感できない部分が多かったのですが、でも、それもいいなと思いました。本を読んだときに感情が大きく揺さぶられると、話題を呼ぶと思うんですよ。

男性、女性に関わらず、いろんな人にこの本を読んでもらえたら、新しい教育とかにつながるのかなと思いました。

齋藤准教授

この本に答えが書いてあるわけじゃなくて、あくまで私たちが、性や中絶というものを考えるときに、議論を進めていくステップに使うべき本なんだなと、私も思いますね。そういう意味で、本に対する批判的な意見というのはすごく大事ですね。

 

この本を読み射精責任について考えることは、女性だけでなく男性にも、多くのメリットをもたらしてくれると齋藤さんは考えています。

岡山大学 齋藤圭介准教授
「生殖というものに男性はいままで深く関わってきませんでした。それはメリットでもあり、デメリットでもあると思います。

子ども好きの男性は多いですよね。この本を読むと、男性が『自分も生殖の当事者なんだ、生殖に関わるべき存在なんだ』と認めてもらったと感じる効果があると思います。

また実践的なメリットとしては、目の前のセックスのパートナーといい関係を、男性の方から築けるきっかけになります」

書籍では最後に、望まない妊娠を防ぐため実際の行動に移すことを呼びかけています。

今いる場所から始めるのです。男性は、責任ある射精をすることを誓い、すべての男性が責任ある射精をする行動様式を作り上げるのです。(中略)

徹底的な性教育を求める必要があります。男女の生殖機能の違いと、望まない妊娠をどう防ぐのかを学ぶことができる、明確な記述を含むカリキュラムが必要です。精子が妊娠の原因になることを明確に示し、責任ある射精を明確に期待するカリキュラムが必要です。コンドームを効果的に使用し、コンドームを使用したセックスが快楽を減らすという考えを変える必要があります。
(ガブリエル・ブレア「射精責任」より)

  • 2023年11月15日 NHK

「射精責任」が話題 望まない妊娠の原因は男性に?

授業で使う大学も

“望まない妊娠のすべての原因が男性にある”

こんな言葉から始まる書籍「射精責任」が7月に販売され、大きな反響を呼んでいます。ネット上では共感や批判などさまざまな意見が書き込まれ、刊行記念イベントは異例のにぎわいに。

この書籍に、なぜいま大きな関心が集まっているのでしょうか。
授業でこの本を使う大学も現れています。学生たちはどのようなことを感じたのでしょうか。
(首都圏局/ディレクター 田中かな)

望まない妊娠の原因は男性にある?

「射精責任」を執筆したのは、アメリカの人気ブロガー、ガブリエル・ブレアさんです。これまでに、「ニューヨーク・タイムズ紙」のベストセラーに選ばれる本を執筆するなど、アメリカのオピニオンリーダーとして活動してきました。

「射精責任」では、望まない妊娠の原因は男性にあること、また男性にとって望まない妊娠を避けるのは難しくないことを主張し、軽妙な文体で議論を展開しています。

ガブリエル・ブレア「射精責任」より

セックスをするから望まない妊娠をするのではありません。望まない妊娠は、男性が無責任に射精をした場合にのみ起きるのです。

彼とパートナーが妊娠を望んでいないというのに、男性が精子を女性のヴァギナに放出した場合にのみ、起きる。これに対する予防は、男性にとって難しくありません。
(ガブリエル・ブレア「射精責任」より)

望まない妊娠の原因が男性にある理由については、さまざまなデータを用いて次のように語りました。

・女性の排卵時期は予測が難しい。排卵はコントロールできないが、射精は、頻度や、誰かの体内に残すかどうかをコントロールできる。

・女性用避妊具は手に入れにくく、副作用があるものもある。一方で男性用避妊具(コンドーム)はドラッグストアやコンビニで24時間、365日購入が可能で値段も安い。

・男女間には力の差がある。女性が、避妊を行わない無防備なセックスを断ったりすると、男性が暴力あるいは怒りで対応することがある。

無責任な射精による望まない妊娠によって、女性は「中絶するのか」などの大きな決断を迫られるだけでなく、出産で命を落とすこともあるとつづります。

精子は危険な体液だと考えるべきでしょう。女性に痛みを与え、生涯続く混乱を招き、死をもたらすことさえあります。精子は人間を作り出すことができます。精子は人間を殺すことができます。(中略)

男性は、おもちゃではなく、実際に危険な武器を持ち歩いているようなものです。彼らが精子をどのようにして扱うのかで、命が左右されるのです。
(ガブリエル・ブレア「射精責任」より)

そして、リスクを避けるために、男性が責任を持ってセックスのたびにコンドームをすること、コンドームをするのが嫌であれば避妊手術(パイプカット)を受けることを、ブレアさんは求めています。

「射精責任」に日本でも大きな反響

この本が7月に日本で発売されると、SNSでは共感や批判などさまざまな意見が書き込まれ、大きな話題となりました。

都内の書店では、刊行記念イベントを開催するという告知をしたところ、オンラインを含めて400人以上の申し込みがありました。スタッフの河合麻衣さんによると、こうしたイベントでは異例の多さだといいます。

 

イベントスタッフ 河合麻衣さん
「申し込みの勢いがすごかったです。本の注目度も高く、これほどすごいスピードで売れ続けるのは珍しいことです。本当にうねりを感じています」

この書籍が注目されるのは、日本社会が、中絶や望まない妊娠を女性だけの問題としてきたことが背景にあると、本の解説を担当する専門家は指摘します。

去年、日本の中絶件数は12万件以上。一日におよそ340件近く中絶手術が行われていることになります。さらに望まない妊娠によって生まれた赤ちゃんを女性が遺棄し、逮捕される事件もあとをたちません。

 

岡山大学 齋藤圭介准教授(ジェンダー研究が専門)
「皆さん、うすうす気づいていたはずなんですよ。望まない妊娠をさせた男はどこに行ったんですか?とか、女性が避妊してほしいと言っても、してくれない男性がいるとか。

これまでは中絶の議論に男性がいなかった。そこに男性がいるべきであるということに焦点を当てたのが、この本の一番の売りですね」

男性の責任 どうとらえる

 

都内の書店で8月に開かれた刊行記念イベントでは、翻訳を行った村井理子さんとフリーライターの武田砂鉄さんが、男性の責任や、これから起こすべき行動について意見を交わしました。

 

武田さん

この本で何度も繰り返されていますけど、男性は24時間、精子を出すことができる。自分の意志で出すことができる。これは当然のことなんですけれど、その自覚がないことによっていろんなことが起きてしまっている。

村井さん

女性は、妊娠してしまったら本当に大変なことで、とんでもない大きな決断が必要になります。そのことについて、もう少し男性が歩み寄って理解してくれると、望まない妊娠は減るのかなと思います。

 

この本で解説を書かれている齋藤さんは、本書を読む男性はそもそも意識が高いだろうし、そのような男性には本書のメッセージは届きやすいと。

では本書を手に取ることがない男性に、メッセージを届けるためにはどうしたらよいのかという課題が残ると。どうしたらいいんでしょうね。本書を手に取ることのない男性は。

 

やっぱり男性同士で話をするのがいいんですかね。女性から読んでと言われて、素直に読む人だったらもう読んでいるかもしれないし。
女性から言われると、素直になれない男性もいると思います。

「批判的な視点が変わった」「共感できない、だけど揺さぶられる」

本の解説を担当した齋藤さんは、教べんをとる岡山大学で、この本を題材に性について考える授業を始めました。

学生たちは本を読み、日本の性教育の現状などを調査して発表。これまで話しづらかった性の話についても、意見を交わしました。

女子学生

本の表紙を見たときは、タイトルのインパクトが強くて人前で読むのが恥ずかしいなと思いました。本の内容は、女性は妊娠から逃げられないなど、当たり前なことも多く書かれていました。

当たり前なことが本になっているのは、男性と女性それぞれがセックスについてふだんから話すことが少ないからだと思いました。

女子学生

今まで私は、中絶をした女性を批判的に思っていたことに気づかされました。

知り合いで「中絶した」という女性がいて、彼女に対して批判的な視線を向けてしまったんです。でも妊娠させてしまった男性のことをあまり批判的に思っていなかった、その存在に気づいていなかったなと。

男子学生

女性を妊娠させても、男性にはリスクがないと本に書いてあったんですけど、そんなわけはないと思いました。僕が、もし女性を妊娠させたら大学やめなくちゃいけなくなるだろうし、めちゃくちゃ親に怒られるだろうし。

この本は共感できない部分が多かったのですが、でも、それもいいなと思いました。本を読んだときに感情が大きく揺さぶられると、話題を呼ぶと思うんですよ。

男性、女性に関わらず、いろんな人にこの本を読んでもらえたら、新しい教育とかにつながるのかなと思いました。

齋藤准教授

この本に答えが書いてあるわけじゃなくて、あくまで私たちが、性や中絶というものを考えるときに、議論を進めていくステップに使うべき本なんだなと、私も思いますね。そういう意味で、本に対する批判的な意見というのはすごく大事ですね。

 

この本を読み射精責任について考えることは、女性だけでなく男性にも、多くのメリットをもたらしてくれると齋藤さんは考えています。

岡山大学 齋藤圭介准教授
「生殖というものに男性はいままで深く関わってきませんでした。それはメリットでもあり、デメリットでもあると思います。

子ども好きの男性は多いですよね。この本を読むと、男性が『自分も生殖の当事者なんだ、生殖に関わるべき存在なんだ』と認めてもらったと感じる効果があると思います。

また実践的なメリットとしては、目の前のセックスのパートナーといい関係を、男性の方から築けるきっかけになります」

書籍では最後に、望まない妊娠を防ぐため実際の行動に移すことを呼びかけています。

今いる場所から始めるのです。男性は、責任ある射精をすることを誓い、すべての男性が責任ある射精をする行動様式を作り上げるのです。(中略)

徹底的な性教育を求める必要があります。男女の生殖機能の違いと、望まない妊娠をどう防ぐのかを学ぶことができる、明確な記述を含むカリキュラムが必要です。精子が妊娠の原因になることを明確に示し、責任ある射精を明確に期待するカリキュラムが必要です。コンドームを効果的に使用し、コンドームを使用したセックスが快楽を減らすという考えを変える必要があります。
(ガブリエル・ブレア「射精責任」より)


米国の核兵器とその影響

2024年06月07日 12時52分37秒 | 社会・文化・政治・経済

米国の核兵器は、ベルギー、オランダ、ドイツ、イタリア、トルコにも配備されている。

英国の首都ロンドンから約100㌔北東のあるレイクンヒース基地にも米国の核兵器が再び配備。

1956年のには、訓練中の米軍機が、核兵器を保管する倉庫に墜落し、この事故で4人の米兵が死亡した。

事故により核爆弾が一個も爆発していたら、「イングランド東部の一部は砂漠になっていた可能性もあった」。

これは奇跡とされた。

1961年にも自己が起きたが、核爆弾は無事であった。

現在、核兵器を持っている主な国は、米露英仏中である。

人類の命運のために、核戦争だけは、避けなければならない。

 

 


映画ライダース・オブ・ジャスティス

2024年06月07日 06時36分39秒 | その気になる言葉
 

ライダーズ・オブ・ジャスティス

 

主演を務めるのは“北欧の至宝”と称され、『ファンタスティック・ビースト』『インディ・ジョーンズ』シリーズ最新作への出演も決定し、ハリウッドの第一線で活躍する国際派俳優のマッツ・ミケルセン。

本作で5度目のタッグを組む盟友アナス・トマス・イェンセン監督の下、復讐の炎を燃やす軍人に扮し、ハードなアクションや重厚な演技を披露している。さらに、『特捜部Q』シリーズのニコライ・リー・コース、『セレブレーション』のラース・ブリグマン、『アダムズ・アップル』のニコラス・ブロらデンマークが誇る名優たちが集結した。

本国では公開されるや大絶賛で迎えられ、第93回アカデミー賞®国際長編映画賞を受賞した同じくマッツ主演作『アナザーラウンド』を超える2020年NO.1のオープニング成績を記録したほか、第37回ロバート賞(デンマーク・アカデミー賞)で最多15ノミネートを果たし、主演女優賞、助演男優賞、作曲賞、視覚効果賞の4冠に輝いた。

解説

「アナザーラウンド」のマッツ・ミケルセンが主演を務め、列車事故で失った妻の復讐に燃える軍人の姿を描いたアクション。

「アダムズ・アップル」をはじめ、数多くの作品でミケルセンとタッグを組むアナス・トーマス・イェンセン監督がメガホンをとった。アフガニスタンでの任務に就いていた軍人のマークスは、妻が列車事故で亡くなったという報せを受け、悲しみに暮れる娘の元に帰国する。

そんなマークスのもとに数学者のオットーが訪ねてくる。

妻と同じ列車に乗っていたというオットーは、事故は「ライダーズ・オブ・ジャスティス」という犯罪組織が、殺人事件の重要証人を暗殺するために計画された事件だとマークスに告げる。

怒りに打ち震えるマークスは妻の無念を晴らすため、オットーらの協力を得て復讐に身を投じてゆくが事態は思わぬ方向に…。

2020年製作/116分/PG12/デンマーク・スウェーデン・フィランド合作
原題:Retfaerdighedens ryttere
配給:クロックワークス
劇場公開日:2022年1月21日

マークス・ハンセン役

1965年11月22日デンマーク・コペンハーゲン出身。幼い頃から体操選手として訓練を受け、のちにスウェーデンのバレエアカデミーでダンスを学ぶ。その後演技に興味を持ち、国立演劇学校へ入学。31歳の時にニコラス・ウィンディング・レフン監督のデビュー作『プッシャー』(96)で長編映画デビューを果たす。その後レフン監督作『プッシャー2』(04)、『ヴァルハラ・ライジング』(09)に出演。母国デンマーク以外では『007/カジノ・ロワイヤル』(06)、『ドクター・ストレンジ』(16)、『ローグ・ワン/スター・ウォーズ・ストーリー』(16)等でハリウッドでの功績を残している。アカデミー賞外国語映画賞にノミネートされた『アフター・ウェディング』(06)ほか数々の作品で卓越した演技を見せ、2011年に世界の映画への貢献を讃えられヨーロッパ映画賞を受賞。さらに翌年トマス・ヴィンターベア監督作『偽りなき者』(12)でカンヌ国際映画祭最優秀男優賞を受賞。2016年にはカンヌ国際映画祭の審査員を務めた。2020年にもトマス・ヴィンターベアとタッグを組み、カンヌ国際映画祭でオフィシャルセレクションに選ばれ、アカデミー賞国際長編映画賞を受賞した『アナザーラウンド』に出演した。その他の主な出演作品は『ザ・ドア 交差する世界』(09)、『タイタンの戦い』(10)、『三銃士/王妃の首飾りとダ・ヴィンチの飛行船』(11)、『ロイヤル・アフェア 愛と欲望の王宮』(12)、『悪党に粛清を』(15)、『ドクター・ストレンジ』(16)、『永遠の門 ゴッホの見た未来』(18)、『カオス・ウォーキング』(21)など。最新作は『ファンタスティック・ビーストとダンブルドアの秘密』(22)、『インディ・ジョーンズ5』(22)など話題作への出演が絶えない。

ニコライ・リー・コース

オットー・ホフマン役

1973年5月22日デンマーク・レズオウア出身。1991年にソーレン・クラグ=ヤコブセン監督の映画『Drengene fra Sankt Petri(原題)』で長編映画デビューを飾り、ロバート賞とボディル賞の最優秀助演男優賞を受賞。デンマーク国立舞台芸術学校を卒業した1998年に、ラース・フォン・トリアー監督のドグマ作品『イディオッツ』に出演し、再びボディル賞の最優秀助演男優賞を受賞。その後、スサンネ・ビア監督作『しあわせな孤独』(02)でロバート賞とボディル賞の最優秀助演男優賞を受賞、マーチン・サントフリート監督作『Dirch(原題)』(11)でロバート賞とボディル賞の最優秀主演男優賞を受賞した。デンマークで最も成功している人気俳優の一人。その他の主な出演作品は『ある愛の風景』(04)、『天使と悪魔』(09)、『特捜部Q』シリーズ(13-)、『チャイルド44 森に消えた子供たち』(14)、『真夜中のゆりかご』(14)など。最新作はラース・フォン・トリアーが手掛けるTVシリーズ「キングダム」のシーズン3。

アンドレア・ハイク・ガデベルグ

マチルデ・ハンセン役

1998年11月24日デンマーク出身。演技や歌で優れた才能を発揮する、今後の活躍が楽しみな俳優の一人。2007年に上演されたミュージカル『アニー』で俳優としてデビューした。2019年にニールス・アルデン・オプレヴ監督『ある人質 生還までの398日』に出演したほか、舞台「Sanne - The Musical(原題)」でデンマークのロック界の歌姫サンネ・サロモンセンの若い頃を演じ、デンマーク最高峰の演劇賞ロイマート賞のタレント賞を受賞。また、本作で第37回ロバート賞最優秀主演女優賞を受賞している。

ラース・ブリグマン

レナート・ガーナー・ニルセン役

1957年2月17日デンマーク・コペンハーゲン出身。1995年『Elsker elsker ikke...(原題)』で長編映画デビューを飾る。マッツ・ミケルセンと共演し、エミー賞優秀国際ドラマ賞を受賞したTVシリーズ「Rejseholdet(原題)」(00-04)でブレイクを果たす。ヤニク・ジョハンセン監督作『Hvid nat(原題)』(07)で第25回ロバート賞最優秀主演男優賞に輝く。また、本作で第37回ロバート賞最優秀助演男優賞を受賞している。その他の主な出演作品は『ハッダーの世界』(03)、「コペンハーゲン/首相の決断」(10-11)、『博士と狂人』(18)など。

ニコラス・ブロ

ウルフ・エメンタール役

1972年3月16日デンマーク・コペンハーゲン出身。両親と兄妹が俳優の芸能一家で育つ。1998年にニコライ・リー・コースと共にデンマーク国立舞台芸術学校を卒業し、同年に第71回アカデミー賞短編映画賞を受賞したアナス・トマス・イェンセン監督作『Valgaften(原題)』に出演する。『Spies & Glistrup(原題)』(13)、『メン&チキン』(15)で2度のロバート賞に、『Voksne mennesker』(05)、『Offscreen(原題)』(06)で2度のボディル賞に輝く。また、舞台では、ハムレットからドン・ファン、アーサー王、マクベス、メフィストまで演じ、数々の賞を受賞している。その他の主な出演作品は『恋に落ちる確率』(03)、『アダムズ・アップル』(05)、『戦火の馬』(11)、『ニンフォマニアック Vol.1』(13)、『特捜部Q カルテ番号64』(18)、『ドミノ -復讐の咆哮-』(19)など。

グスタフ・リンド

ボダシュカ・リトビネンコ役

1995年6月4日スウェーデン・ベステルオース出身。マルメシアターアカデミー在学中の2015年、『Cirkeln(原題)』で長編映画デビューを飾る。TVシリーズ「捜査官エヴァ 孤独の森」(15)への出演により大きな注目を集める。2019年『罪と女王』でボディル賞最優秀助演男優賞を受賞。また第71回ベルリン国際映画祭にて、ヨーロッパの有望な若手俳優に与えられるシューティング・スター賞を受賞した。最新作はロバート・エガース監督作『The Northman(原題)』(22)。

ローラン・ムラ

カート・“タンデム”・オーレセン役

1972年5月28日デンマーク・オーデンセ出身。荒れた青年期を過ごし、暴行罪により4年半服役するがオーデンセを離れることを条件に2002年に仮釈放される。音楽専門の教育機関で学んだのちにコペンハーゲンへ移り、ラッパーのジョクーンへの楽曲提供からキャリアを開始。2010年『R(原題)』で長編映画デビューを飾り、ボディル賞へのノミネートを果たす。その後『Nordvest(原題)』(13)と初主演を務めた『ヒトラーの忘れもの』(15)で2度のボディル賞に輝く。その他の主な出演作品は『真夜中のゆりかご』(14)、『アトミック・ブロンド』(17)、『パピヨン』(17)、『スカイスクレイパー』(18)、『ブラッド・レッド・スカイ』(21)など。

アルバト・ルズベク・リンハート

シリウス役

2001年7月12日デンマーク出身。2016年、ロバート賞6部門に輝く『きっと、いい日が待っている』で長編映画デビューを飾り、大きな注目を集める。2020年にはアカデミー賞国際長編映画賞を受賞した『アナザーラウンド』でマッツ・ミケルセンと共演した。

STAFF

アナス・トマス・イェンセン|監督・脚本

1972年4月6日デンマーク・フレズレクスヴェアク出身。デンマークで最も有名な脚本家であり監督の一人。監督を手掛けた短編が1997年から3年連続でアカデミー賞短編映画賞へノミネートされ、『Valgaften(原題)』(98)が第71回アカデミー賞短編映画賞に輝く。2000年に『ブレイカウェイ』で長編監督デビューを果たす。その後、『フレッシュ・デリ』(03)、『アダムズ・アップル』(05)、『メン&チキン』(15)で監督・脚本を務めた。本作が長編監督5作目となる。また、スサンネ・ビア、ロネ・シェルフィグ、ソーレン・クラグ=ヤコブセン、ニコライ・アーセルほか様々な監督の作品の脚本を担当した。主な脚本を手掛けた作品は『ミフネ』(98)、『キング・イズ・アライヴ』(00)、『しあわせな孤独』(02)、『ある愛の風景』(04)、『アフター・ウェディング』(06)、『ある公爵夫人の生涯』(08)、『未来を生きる君たちへ』(10)、『真夜中のゆりかご』(14)、『悪党に粛清を』(15)、『ダークタワー』(17)、『ある人質 生還までの398日』(19)など。最新作としてアントニオ・バンデラス主演でフィレンツェの怪物事件を描くTVシリーズ「The Monster of Florence(原題)」の脚本を予定している。

スタッフ・キャスト

  • マークス・ハンセンマッツ・ミケルセン

  • オットー・ホフマンニコライ・リー・カース

  • マチルデ・ハンセンアンドレア・ハイク・ガデベルグ

  • レナート・・ガーナー・ニルセンラーシュ・ブリグマン

  • ウルフ・エメンタールニコラス・ブロ

  • ボダシュカ・リトビネンコグスタフ・リン

  • カート・“タンデム”・オーレセンローラン・モラー

  • シリウスアルバト・ルズベク・リンハート

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映画 バーチュオンシティ

2024年06月07日 06時22分28秒 | 社会・文化・政治・経済
 
バーチュオシティ
 
12時に目覚めてから眠れなくなり、6月7日午前1時45分からCSテレビのザ・シネマで観た。
解説

電脳空間から現実世界に逃亡した凶悪無比な人工生命体と、それを追う元刑事の戦いを描いたSFアクション。

仮想体験、ナノ(超微小)テクノロジー、人工知能といった最先端技術を取り入れつつ、エンターテインメントに徹した作風が見どころ。

監督は「バーチャル・ウォーズ」のブレット・レナード。

脚本はエリック・バーント、製作はゲイリー・ルチェシ、エグゼクティヴ・プロデューサーは「ウェインズ・ワールド」のハワード・W・コッチ・ジュニア、撮影は「エメラルド・フォレスト」のゲイル・タッターサル、音楽は「スピーシーズ 種の起源」のクリストファー・ヤング、美術は「スター・トレック」シリーズのニロ・ロディス、編集は「ジェイコブス・ラダー」のB・J・シアーズ、衣裳はフランシス・ジャミソン=タンチェク。視覚効果監修はジョン・タウンリーが務め、特殊視覚効果は監督の率いるSFX工房のL2コミュニケーションズが担当。

主演は「クリムゾン・タイド」のデンゼル・ワシントン、「クイック&デッド」のラッセル・クロウ、「ヘブンズ・プリズナー」のケリー・リンチ。

2度のトニー賞受賞経験を持つスティーヴン・スピネラ、「ブルー・スチール」のルイーズ・フレッチャー、「野獣教師」のウィリアム・フォーサイスらが助演。

1995年製作/106分/アメリカ

ストーリー

ディーン所長(ルイーズ・フレッチャー)を責任者とする警察技術研究所における仮想体験の犯人追跡訓練用に、リンデンメイヤー博士(スティーヴン・スピネラ)が開発した人工生命シド6.7(ラッセル・クロウ)は、殺しは最高の快感とまで言い放つ、既に創造主さえもコトロールできない存在に進化していた。

シドは所内の科学者のシリコン・アンドロイドの培養研究を利用し、電脳空間から現実空間に逃亡した。シドと互角に戦える男として、訓練で優秀な成績を残した囚人のパーカー(デンゼル・ワシントン)に白羽の矢が立った。

彼は元警官で、妻と娘を殺した無差別爆弾テロリストのグライムズを殺した罪で服役中だった。体に発振器を埋め込まれた彼は、釈放を条件にシドの追跡を開始。

美貌の女性犯罪心理分析官のカーター(ケリー・リンチ)が、彼に同行。2人はシドの正体に迫ろうとし、パーカーは彼の人格を形成する殺人者のリストの中にグライムズの名も発見する。

一方、シドの凶行はエスカレートし、次々と犠牲者の数は増加。シドがディスコに人質を取って立てこもったとの報せに、パーカーは現場に急行するが、カーチェイスの果てに取り逃がした。パーカーはシドの中に確かに息づくグライムズの存在を感じていた。

カーターによると、シドは着実に進化しているという。シドは次にアルティメット会場に現れ、パーカーは追跡したのちに人質の女性を誤射。

またも警察に逮捕されるが、それはシドの策略だった。パーカーは護送中に逃亡し、単独でシドを追跡することを決意。

だが、カーターは彼に、埋め込まれた発振器には毒入りカプセルが付いていることを知らせる。

警察当局による衛星からの探知電波で、いつでもパーカーの死刑は執行されるのだ。

ついにシドはTV局を乗っ取り、『死のTV』と題した画面には、なんとカーターの娘が人質となっている姿が映し出された。

カーターはコクラン署長(ウィリアム・フォーサイス)に事情を打ち明け、署長は間一髪のところでカプセルを無効にした。パーカーはTV局に乗り込み、シドと最後の対決に挑む。

だが、カーターの娘の居所が分からない。死闘の果てに、パーカーはシドのプログラムを抜き取って電脳空間に戻す。

まだ現実空間にいると思ったシドは、二度と復元できないよう破壊され、カーターの娘も無事に救出された。

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