3/17(水) 18:31配信
FNNプライムオンライン
特定危険指定暴力団・工藤会のトップが、殺人などの罪に問われている裁判。双方の主張が全面的にぶつかり合う形で3月11日に結審した。
【画像】無罪を主張する工藤会・野村悟被告と田上不美夫被告
工藤会トップ あらためて無罪主張
初公判の時と変わらないダークスーツで入廷した2人は、殺人などの罪に問われている特定危険指定暴力団・工藤会の総裁、野村悟被告(74)と会長の田上不美夫被告(64)。
3月11日、福岡地裁で両被告の最終意見陳述が行われた。
野村悟被告:
私はどの事件にも一切関わりありませんし、指示をしたことも、承諾したこともありません
田上不美夫被告:
どの事件に関しても、私が関与した事は全くありません
2人は、あらためて無罪を主張した。
検察側は死刑と無期懲役を求刑 被告は「ずさんな裁判」
その際立った凶悪性から、全国24ある指定暴力団の中で唯一「特定危険指定暴力団」に指定されている工藤会。
野村被告と田上被告は1998年、漁協の元組合長の男性が射殺された事件など、4つの市民襲撃事件に関与したとされている。
2019年10月から始まった裁判で、野村被告と田上被告は、一貫して無罪を主張した。
対する検察側は、野村被告らの指揮命令を示す決定的な証拠がない中、「組織的に行われた犯行で、上位者の意思決定が必要不可欠」と断定。
検察側は2021年1月、野村被告に死刑、田上被告に無期懲役と罰金2,000万円を求刑した。
3月11日に行われた最終の意見陳述で、野村被告は―
野村悟被告:
私は無罪です。裁判所が公正な判断をしてくださることを希望いたします
続いて田上被告も―
田上不美夫被告:
裁判で検察側とやり取りしてきましたが、余りにもひどい、ずさんな裁判だなと思っております。それと総裁のことですが、私、5代目(会長)ですので、(総裁が)5代目にどうこうせい言えば、5代目なんてやってられない、そんなことは、総裁は言いませんし、どこの組織も一緒。まだ言いたいことはたくさんあるが、裁判所には、真っすぐな目で証拠に照らして的確な判断を願いたい
弁護側も最終弁論で「検察の主張は、証拠のないことを無理やり膨らせたもので、根拠がない」などと主張した。
焦点は“間接事実による組織性の立証”
双方の主張が全面的にぶつかる形で結審した裁判。判決では、「間接事実」を積み重ねた組織性の立証が尽くされたかが焦点となる。
暴力団にくわしい堀内恭彦弁護士:
ただ、そこで証言の積み重ねとか、そういう立証の難しさはありますけど。共謀がもし認定されれば、実行犯と同じような求刑、判決を受けるということは十分あり得ると思います。今回は、ぐっと踏み込んで捜査立件しているわけですから、そういう意味では非常に、全国の組織に与える影響は大きいんじゃないかなと思いますね
注目の判決は、8月24日が予定されている。
(テレビ西日本)
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