厳しい逆境のなかでの忍耐

2024年11月10日 10時02分52秒 | その気になる言葉

▼幸福は、自分で決まる。

自分の心で決まる。

強い心を持てば、景色が一変する。

強くあることが幸福なのだ。

そして、賢く生きることだ。

▼困難な何ごとかを克服するたびごとに、私はいつも幸福を感じましたーベートーべン

「この世になすべきことがたくさんある、すぐになせ!」

20代後半、人生最大の試練がベートーべンを襲う。

耳の異変に気付き、だんだん音が聞き取れなくなってしまうのだ。

それでも「僕の芸術は貧しい人々に最もよく役立たねばならぬ」と作曲を続け、民衆のための音楽を生みだしていく。

31歳の時には、日常会話に困るほど聴力が落ちていた。

「秀でた人間の主たる特徴―それは厳しい逆境のなかでの忍耐」と遺書に記した。

「芸術だけが私を引き止めた。ああ、私は、自分のなかにあると感じているものすべてを生み出すまで、この世を去ることができない」

「忍耐、それを今、私は自分の道しるべとして選ばなければならない」と決意をしたためている。

晩年は、耳はもう、ほとんど聞こえなくなっていた。

▼ベートーベンの生涯を書いた作家ロマン・ロランはベートーベンを評した。

「まるで悩みそのものような人間、世の中から歓喜を拒まれたその人間がみずから「歓喜」を造り出す―それを世界に贈りものとするために、彼は自分の不幸を用いて歓喜を鍛え出す」

ベートーベンはあきらめなかった。

彼の哲学、人生観の素晴らしさは、自分の信じる道をそのまま貫き通したことだ。

 

 


進化する闇バイト勧誘の手口

2024年11月10日 10時00分49秒 | 事件・事故

進化する闇バイト勧誘の手口

本サイトでは、これまで闇バイト勧誘のさまざまな特徴や注意すべきポイントなどを紹介してきましたが、特殊詐欺の形態や勧誘の手口は日々進化しています。

ここでは特殊詐欺に係る闇バイト募集の最近の傾向ついてご紹介します。

[取材協力:ディップ株式会社]

闇バイト募集、最近の傾向は?

闇バイトが登場した当初は、一目で「怪しい求人」とわかるような募集内容が多かったですが、最近ではごく普通の求人広告を装う傾向が強くなっています。

たとえば、「架け子」の募集なら、「コールセンターでの仕事です。スクリプトどおりに話すだけです」といったように、仕事内容を具体的に示して、応募者が不安を抱かないよう工夫する動きがみられるようになりました。

また、バイトの報酬にも変化が。本サイトでは「高額報酬、高収入が危ない」と警告してきましたが、その裏をかくように受け子の仕事などを日給1万円程度で募集するケースも出てきているのです。高すぎないバイト代に受け子とは気づかずに応募して犯罪に加担し、逮捕に至った例もあります。

一方、応募者の不安を取り去るために、さまざまな「権威づけ」をする傾向も見られます。例えば「上場企業の仕事です」「行政の許可を得ている作業です」など。真っ赤なウソを並べ立てているだけですが、信用して応募してしまう人も多くいるようです。

では、手口が巧妙化する闇バイトから身を守るには? それは「闇バイトとはこういうもの」という思い込みを捨て去ることです。本サイトで紹介してきた闇バイトの一般的な特徴を知っておくことは大切ですが、それに当てはまらない闇バイトがあることも肝に銘じておきましょう。求人に応募する時は常に五感を働かせて、怪しいところがないかチェックを怠らないことです。

高すぎないバイト代で安心感を 日給1万円なら安心だね

勢いを増す「トクリュウ」に注意!

特殊詐欺関連の新しいキーワードとして、最近よく耳にするのが「トクリュウ」。トクリュウとは「匿名・流動型犯罪グループ」のことで、「自分たちが何者かを名乗らず、匿名性の高いSNSなどで実行役を集めて、特殊詐欺などの犯罪を行う集団」を指します。

特殊詐欺にとどまらず、ここ数年、全国で発生している強盗・強盗殺人などの凶悪事件も、その多くがトクリュウによるものです。首謀者や指示役は決して姿を現さず、応募してきた者たちをたくみに操って犯罪を行わせ、あげくの果てに彼らを使い捨てにするのです。

トクリュウが実行役を募る手段として利用しているのがSNSでの闇バイト募集です。警察庁の発表によると、2023年に摘発された特殊詐欺の実行役のうち、4割以上がSNSの闇バイト募集情報等を通じて加担していました。求人サイトやネット掲示板経由も合わせると5割に迫る勢いです。闇バイトを通じて知らないうちにトクリュウの手先になるというケースが多いものと思われます。

トクリュウによる犯罪の増加に、警察も手をこまねいているわけではありません。警察庁はインターネット上における違法・有害情報に対し、警察への通報・管理者へ削除依頼等を行う、インターネット・ホットラインセンターを運用しており、2023年9月末から対象となる情報に「犯罪実行者募集情報」(闇バイト情報)を追加しました。23年12月末までの3カ月間で確認された「犯罪実行者募集情報」(闇バイト情報)は4411件におよび、その後削除された投稿を除く2979件に削除を依頼し、うち2136件が削除されました。

ただ、運営側の判断で削除されなかった情報もあり、削除依頼をするまでに応募してしまうケースもあるでしょう。また、警察が監視を強化しても、犯罪者たちは新たな手口を編み出して、今後もSNS等から闇バイト募集情報を発信し続けると考えるべきです。

トクリュウの魔の手から自分自身を守るには、やはり日ごろからSNSの情報には注意して接するというスタンスが必要です。あらためて本サイトに記載している闇バイトの特徴や特殊詐欺に関わらないための注意点等に目を通しておきましょう。

シニア層も闇バイト募集の対象に

 
もう1点、闇バイトをめぐる新しい傾向として、募集のターゲットが広がっていることが挙げられます。最近では「年齢問わず」という闇バイト募集広告が増えており、その結果、50代以降のシニア世代が応募するケースが出てきているのです。

 

「劇場型」の犯罪である特殊詐欺の手口が複雑・巧妙化するなかで、架け子や受け子の役割も多様化し、高齢のメンバーを必要とするケースが増えているからでしょう。

直近の例では、特殊詐欺の「受け子」となり合計で約1600万円をだまし取ったとして、84歳の無職の男が逮捕され、2023年6月に懲役3年6月の実刑判決を受けています。

背景には、アルバイト募集に応募するシニア層が増えているという事情があります。ディップ株式会社によると、同社のアルバイト・パート求人情報サイト「バイトル」の利用者層は最近では30歳以上が4割にも上っており、うち50代以上の伸び率が最も高くなっています。

高齢になっても働きたいというニーズの高まりとともに、特殊詐欺に加担する高齢者は今後も増えていくことでしょう。スマホの操作に不慣れな人の場合、求人情報を閲覧する際に誤って画面をタップし、募集内容をきちんと確認しないまま応募してしまったり、情報リテラシーが不足していることで、知らずに闇バイトに巻き込まれたり、といったことも考えられます。

シニアの皆さんは、ネットを介したアルバイト応募の際には十分に注意し、判断が難しいことがあれば、ご家族やご友人など身近な方にぜひ相談するようにしてください。

 

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最悪な選択

2024年11月10日 08時57分39秒 | 事件・事故

闇バイトから抜けられない人の末路

闇バイトをやってしまった人の末路

闇バイトについて、どのようなイメージを持っているでしょうか?普段のアルバイトより手っ取り早く稼げそう?捕まらなければ問題はない?

このページでは、闇バイトをやってしまうとどうなってしまうのか、その末路を紹介します。

1.辞めたくても辞められない
闇バイトを始めてしまうと、簡単には辞められなくなります。

あなたがもし闇バイトに申し込むと、闇バイトを取り仕切る犯行グループに運転免許証などの写真を送るように要求され、個人情報を握られてしまいます。

個人情報を送ってしまうと、断ろうとしても「個人情報をインターネットで晒すぞ」「ここに書いてある住所まで直接迎えに行くぞ」などと脅されて、辞めるに辞められません。

あなたは犯行グループの末端として、使い捨てのようにこき使われ、警察に捕まったら使い捨てられるのです。

2.最初は簡単な運びから始まり、要求がエスカレートしていく
犯行グループは、まず、「荷物を運ぶだけ」「ATMでお金を下ろすだけ」といった簡単な内容の仕事の依頼をしてきます。

しかし、これらは全て闇バイトです。気軽な気持ちで簡単な内容の仕事を引き受けたとしても、組織の共犯者とみなされます。

一度闇バイトを引き受けてしまうと、犯行グループからの仕事の依頼は続き、仕事の内容も強盗などにエスカレートしていくことになります。

断ろうとしても、「一度犯罪をしているから今更逃げられない」「警察にお前の個人情報を密告する」と脅されてしまいます。

3.気づいたときには逮捕され、全てを失うことになる
これまで紹介してきたように、闇バイトは一度始めてしまうと脅されてしまい、辞めることができなくなってしまいます。そのまま犯行グループに利用され犯罪に加担し続けることになり、最終的には逮捕されることになります。

逮捕されてしまうと、学校や会社を辞めざるを得なくなるかもしれません。また、インターネットで実名報道されると、インターネット上に名前が残ることになり、新しい仕事を始めるときや結婚を考えるときに必ず足かせになってしまいます。

逮捕されると、自分は数万円しか受け取っていなくても、多額の賠償金を支払わなければならなくなります。家族が代わりに支払うケースも多く、あなたが逮捕されたことで、あなたの兄弟が進学を諦めなくてはならなくなったり、あなたの両親が年老いても働き続けなければならなかったり、結果として家族を不幸に陥れてしまうこともあります。

闇バイトを始めないために

では、闇バイトを始めないためにどうしたら良いのでしょうか。

今、この記事を読んでいるあなたは、もしかしたら「闇バイトなんてやらないよ」と考えているかもしれません。しかし、お金がなくなってしまうと、冷静な判断ができなくなってしまう可能性があります。

困ったときは一人で悩まず、周りの人に相談してみてください。「身近な人に相談したら怒られそう」、「親身に話を聞いてくれる人が思いつかない」という人もいると思います。そんな方はぜひお住まいの地方自治体などのサービスを利用してみてください。

特設サイト内にも相談窓口を掲載しています。必要な際は一人で悩まず、ぜひご活用ください。

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闇バイトの実態

2024年11月10日 08時53分01秒 | その気になる言葉

警察庁が発表した闇バイトを始めた経緯に関する情報によると、2023年1月から7月までに闇バイトで逮捕された人の中で、SNSからの応募が約47%、知人からの紹介が約28%と多くを占めています。

特に、20代・30代はSNSからの応募が最も多くなっています。では、SNSから闇バイトに応募した場合、実際にどのような勧誘をされるのかを紹介します。

SNSでどのような勧誘をされるのか?

Xで「闇バイト」と検索するとたくさんの闇バイトに関する投稿が出てきます。また、Instagramで「仕事を探している」と投稿するとDMで「お仕事紹介します」などと連絡が来ることがあります。

このときに安易な気持ちで応募してはいけません。やり取りをしている犯行グループは、「高額報酬」や「犯罪ではない」などと上手いことを言ってあなたを犯罪に加担させようとしてきます。

他のバイトでは考えられないような高額な報酬を提示したり、業務内容の詳細を教えてくれない場合は注意が必要です。

犯行グループはあなたの個人情報を狙ってくる

SNSの投稿をきっかけに闇バイトに応募してしまうと、犯行グループからは「ここから先のやり取りは匿名性の高いアプリを使って行う」と指示されます。

よく使われているのは「Telegram」や「Signal」などのアプリです。これらのアプリは、一定時間が経過したり送信者が操作したりすると連絡を取り合ったチャットの履歴が消去されるような機能があります。そのため、もしあなたが通報するなどの不審な行動を取ったり、闇バイトをして逮捕されてしまったりした時には、それまでのチャットの履歴がすべて消えてしまいます。

犯行グループはやり取りの中で、「アルバイトをするための登録として必要」などと話し、個人情報を要求します。よく要求されるのは、運転免許証や学生証、マイナンバーカードです。

中には、身分証明証と顔が一緒に写っている写真や、家族の個人情報、自分が住んでいるマンションの入口から部屋までの道のりの動画を要求するケースもあります。

犯行グループからの脅迫

個人情報を犯行グループに送ると、犯行グループから仕事の内容を伝えられます。多くの場合、ここでアルバイトが犯罪行為であることが明らかになります。

しかし、あなたが仕事を断ろうとしても、犯行グループは入手した個人情報をもとに、あなたが犯罪行為に加担するまで脅迫をしてきます。

「住所はわかっているから自宅に押しかける」、「家族がどうなるかわからない」、「インターネットに犯罪者として画像をばらまく」など、様々な角度から脅迫をしてきます。

あなたは、脅迫を受け、犯罪行為に加担せざるを得ない状況に陥ってしまい、「受け子」や「出し子」などの犯罪行為を逮捕されるまで続けることになってしまいます。

闇バイトをやらないために

まずは、甘い誘いに乗らないことが重要です。「高額報酬」、「犯罪ではない」などという言葉に誘われて、闇バイトに手を出してしまうと、逮捕されるまでやめられなくなってしまいます。

もし、SNSなどの投稿から闇バイトに申し込んでしまった、犯行グループに個人情報を送ってしまったというときは勇気を持って警察に相談してください。

実際に、闇バイトに応募してしまった後、警察に相談したことで、犯罪行為に加担をせずに済んだり、警察の保護を受けたことで、その後の犯行グループによる脅迫から身を守ることができたケースも報告されています。


サラ金と犯罪の因果関係 八尾市ヤミ金心中事件

2024年11月10日 06時36分39秒 | 事件・事故

2003年平成15年)に発生した事件。親族3名が電車へ投身自殺心中)した事件で、闇金融による法外な利子と執拗な取り立てが原因であった。

概要

2003年平成15年)6月14日未明、大阪府八尾市の主婦(当時69歳)と夫の清掃作業員(当時61歳)と主婦の長兄(当時81歳)の3人が、西日本旅客鉄道(JR西日本)大和路線関西本線)の踏切で電車への投身自殺する心中事件が発生[1]

主婦は自殺する直前に、闇金融による法外な利子と執拗な取り立てを苦にしていたことを書いた遺書を残していた[2]

親族の入院費などがかさんで、自己破産した主婦は同年4月8日090金融をしていたヤミ金融業者から1万5000円を借りた。しかし、その直後からヤミ金融業者は主婦宅だけでなく主婦のアルバイト先や友人宅や無関係の周辺住民の家にも連日電話をかけ続けるなどの脅迫的な取り立てをしていた[3]

法外な利子で借金が膨らみ、現金15万3000円を指定する金融口座に振り込んでも、利子だけで毎週1万5000円を支払う状態に追い込まれていた。

事件発覚後に捜査機関が捜査を行い、ヤミ金業者の関係者(8人)が主婦に対して恐喝を行っていたことを特定。捜査によって、実行犯であるヤミ金業者従業員6人が逮捕された。

また、ヤミ金業者統括役も、妻の母国であるルーマニアに逃亡していたが、2006年にルーマニアの警察に逮捕され、2007年強制送還され、3月16日合同捜査本部に逮捕された[4][5]

しかし、ヤミ金業者店長のみは逃亡し続け、「東京都内に潜伏している」等の断片情報はあったものの消息はつかめず、共犯者の公判中の公訴時効停止を経て、2011年平成23年)6月22日に公訴時効が成立した[6][7]

恐喝事件に直接関与したヤミ金融業者に在籍していた関係者に対する恐喝罪及び出資法違反(高金利)の刑事裁判の結果は以下の通り(大阪地方裁判所)。

  • ヤミ金業者統括役 懲役1年10月罰金250万円(求刑:懲役3年罰金300万円)[注 1][8]
  • ヤミ金業者店長 - 公訴時効成立[6]
  • ヤミ金業者顧客情報担当従業員 - 懲役4年罰金100万円(求刑:懲役6年罰金100万円)[9]
  • ヤミ金業者口座管理担当従業員 - 懲役4年罰金100万円(求刑:懲役6年罰金100万円)[10]
  • ヤミ金業者回収担当従業員 - 懲役4年罰金50万円(求刑:懲役5年罰金50万円)[11]
  • ヤミ金業者回収担当従業員 - 懲役4年罰金50万円(求刑:懲役5年罰金50万円)[11]
  • ヤミ金業者回収担当従業員 - 懲役4年罰金50万円(求刑:懲役5年罰金50万円)[11]
  • ヤミ金業者回収担当従業員[注 2] - 懲役3年罰金30万円(求刑・懲役4年罰金30万円)[11]

また、遺族が上述の8人のヤミ金関係者に対して損害賠償を求めた民事訴訟で、2009年に大阪地裁は恐喝行為と夫婦[注 3]の死亡の因果関係を認定し、実行犯6人だけでなく、恐喝罪で不起訴になったヤミ金業者統括役や逃亡しているヤミ金業者店長にも使用者責任を認め、計8人のヤミ金関係者に約4800万円の支払いを命じる判決を言い渡した[12]

また、八尾市事件の捜査の過程で、恐喝事件のヤミ金業者を含め7つのヤミ金業者を傘下に収める大がかりなヤミ金グループの存在が浮上。このヤミ金グループはのべ5万8千人に現金を貸し付け、約50億円もの収益を上げていたとされている。このヤミ金グループについては、前述の恐喝事件の関係者7人を含め関係者59人が出資法違反等で逮捕された。ヤミ金グループ最高幹部に対しては貸金業法違反(無登録営業)や出資法違反(高金利)等の罪で起訴され、懲役5年6月、罰金1000万円(求刑:懲役7年、罰金1000万円)の有罪判決が下された[13]

この事件はヤミ金犯罪史上最悪のケーススタディの1つに数えられている[14]。この事件を契機に、無登録や違法金利のヤミ金融に関与した者への刑事罰を懲役5年以下から懲役10年以下に引き上げるヤミ金融対策法(出資法、貸金業規制法改正)が制定され、2004年1月に施行された[14]

脚注


サラ金の取り立ては家族・親戚にも行われる?違法な闇金業者への対処法とは

2024年11月10日 06時29分30秒 | 社会・文化・政治・経済

この記事の執筆者 弁護士 水流恭平

この記事でわかること

  • サラ金による取り立てが家族や親戚に及ぶのは違法だとわかる
  • 闇金業者による取り立ては家族や親戚に及ぶケースもあるとわかる
  • 借金の取り立てが家族などに及んだ場合の対処法がわかる

サラ金に借金をした場合は、決められた期日までに返済をしなければなりません。

毎月の返済が遅れてしまった場合には、厳しい取り立てを受けることとなります。

ただ、その取り立てが家族や親戚にまで及んだ場合でもその人は返済をしなければならないのでしょうか。

ここでは、借金の取り立てのルールや、家族に取り立てが来た場合の対処法を解説します。

サラ金の取り立てが家族にまで及ぶのは違法

サラ金による借金の取り立てには、多くのルールが定められています。

たとえば、取り立てを行う時間帯は午前8時から午後9時までの間に限定されており、これより早い時間や遅い時間にはできません。

また、暴力や脅迫による取り立ては厳しく禁止されており、そのような行為自体が犯罪とされます。

このような禁止行為の1つに含まれるのが、本人以外への取り立てです。

たとえば夫婦や親子であっても、本人以外への取り立ては違法とされています

たとえ一緒に生活している家族であっても、借金していることを知っていても、このことは変わりがありません。

したがって、本人以外への取り立ては無視しても何ら問題はないのです。

もっとも、サラ金は法律にのっとって営業活動を行っています。

そのため、取り立ての段階で違法な行為を行うことはほとんどありません。

実際には、サラ金が本人以外への取り立てを行うことは、非常に考えにくいのです。

闇金の取り立ては家族や親戚に行われる場合もある

闇金と呼ばれる業者は、法律を無視して違法な貸付を行っています。

貸金業を行うのに必要な免許も取得していませんし、法律で定められた上限を超える利息を得ています。

それでも、利用する人が一定数いるため、一向になくならないのが実態です。

闇金業者は、もともと法律にもとづいた営業を行っていないため、取り立てについても法律を無視して行っています。

そのため、サラ金では守られている取り立てのルールも闇金業者は守らないケースが多くあるのです。

たとえば、夜中に電話をかけてきたり、明け方に自宅に訪ねてきたりすることがあります。

前述したように、本来は取り立てを行う時間は限定されているのですが、この時間を無視して取り立てを行っています。

また電話では、身体的・精神的に追いつめるような脅し文句をよく使ってきます。

これも闇金業者による取り立てでは日常的に行われているのです。

そして、なかなか借金を回収できない場合には、家族や親戚をターゲットにすることもあります

借金をした本人でなくても、家族や親戚から回収することができれば闇金業者としては目的を達成できるためです。

また、その家族や親戚から回収できなくても、本人に返済するように強くすすめてもらえれば早期に回収できると考えているのです。

借金の取り立てがあっても家族に返済義務はない

何らかの事情があって闇金業者から借金をしてしまった場合、闇金業者からの取り立てはすぐに家族にまで及ぶことがあります。

しかし、闇金業者から家族に取り立てがあったとしても、それは法的に認められないものです。

借金をした人の家族には返済義務はないため、取り立てがあっても無視して構いません。

そもそも、闇金業者の貸付は違法行為です。

違法に貸し付けられたお金については、借金をした人自身も返済する必要がないと考えられています。

そのため、法外な利息を支払う必要がないのはもちろんですが、元金部分もまた返済しなくてもいいと考えられているのです。

闇金業者からの取り立てについては、家族はもちろん、利用者自身も返済しなくていいのです。

借金の取り立てが家族にまで及んだときの対処法

闇金業者からの取り立てについては、返済に応じる必要はありません。

ましてや、家族にまで取り立てが及んだ場合は、家族に対する取り立てをやめさせることもできます。

ただ、違法行為と知っていても行われる取り立てを無視し続けることは、普通の人はできません。

そのような場合は、早急に何らかの対処をする必要があります。

警察に相談すると伝える

闇金業者による執拗な取り立てがあったとしても、警察に通報してすぐに解決するとは限りません。

警察は、よほど大きな事件となるか、誰が見ても確実に被害を受けているといえる証拠がないとなかなか動いてくれないからです。

ただ、闇金業者は警察に通報されることを非常に警戒しています。

それは自分たちの行っている行為が違法行為であると知っており、場合によっては逮捕されることもあると認識しているからです。

そこで、警察が取り合ってくれるかどうかは別として、警察に通報すると闇金業者側に伝えましょう

場合によっては、この一言で取り立てが止まることもあるのです。

また、それ以後の取り立てが一切なくならなかったとしても、違法な取り立てはおさまる可能性があります。

たとえば、家族への取り立てや決められた時間外の取り立ては闇金業者にとってもリスクが大きいため、おさまると考えられます。

なお、闇金業者の取り立ての際に行われる違法行為には、次のようなものがあります。

  • ・勝手に自宅に上がり込んできた「住居侵入罪
  • ・退去するように求めたにも関わらず居座り続けた「不退去罪
  • ・暴言や脅し文句で心理的な恐怖を与えた「恐喝罪
  • ・他の闇金を利用して借金を返させようとする「強要罪
  • ・仕事中にしつこく電話したり大挙して押しかけたりする「業務妨害罪
  • ・自宅やそこにあるものを壊された「器物損壊罪

なお、身体的な被害を受けた場合は、傷害罪などの犯罪に問われることもあります。

ただ、傷害罪が問われるのは実際に被害が発生した時であるため、警察に通報するべきタイミングはもっと早い段階ということになります。

弁護士に相談する

弁護士は、借金問題や債務整理の専門家です。

闇金業者を利用するほど借金に苦しんでいるのであれば、抱えている問題を弁護士に相談してみましょう。

まずは、闇金業者からの違法な取り立てを止めるために、弁護士から闇金業者に連絡を入れてもらいます

法律の専門家である弁護士が介在していると知った闇金業者は、通常はそれ以後の取り立てをやめます。

これ以上取り立てを行っても、返済が行われる可能性は極めて低いと考えるためです。

また、場合によっては犯罪に問われるかもしれないと考え、これ以上の取り立てを続けるのは危険と考えるのです。

したがって、弁護士に相談すれば、家族に対する取り立ても含めてすべての取り立てを止めることができる可能性が高いといえます。

取り立てを止めた後は、引き続き自身の債務整理を行うこととなります。

闇金業者を利用する人は多くの場合、多重債務を抱えており、借金の返済のために借金を重ねる状態となっています。

このうち、闇金業者からの借金については、弁護士が介在した時点で取り立てがストップします。

しかし、サラ金などからの借金については、依然として取り立てが続いていると考えられるため、何らかの対処が必要となります。

そこで、現在の借金がどれくらいあるのかを弁護士に伝え、また月々の返済額がどれくらいあるのかを確認してもらいます。

そして、収入や保有している預金残高の状況などを確認し、完済できる目途があるかを確認します。

その上で、何らかの債務整理を行うこととするのです。

債務整理には、いくつかの方法があります。

もっとも債務の減免効果が高いのが自己破産です。

自己破産を行うと、基本的にすべての財産を債務の返済にあてた上で、返済できなかった借金については返済を免除されます。

自己破産をするとすべての債務がなくなるため、その後の生活再建がしやすくなる一方、最低限の財産以外は手放すこととなります。

自己破産までしなくても、任意整理個人再生で債務の返済に目途が立つ場合もあります。

この場合は、この先3年~5年返済を続けながら、自身の生活の再建を図ることとなります。

法テラスに相談する

個別の弁護士に相談しにくい場合には、日本司法支援センター(法テラス)に相談することができます

あくまで相談や紹介を行う機関であるため、法テラスが直接交渉してくれるわけではありません。

しかし、解決へ導いてくれる存在であることは間違いありません。

まとめ

借金をした人は、基本的に決められた日までに返済しなければなりません。

ただし、借金の返済が遅れているからといって、貸金業者はどのような手段を使ってもいいわけではありません。

家族に取り立てを行うような違法行為は、厳しく禁じられています。

違法な取り立てを受けた場合は、弁護士に相談するなどして、早急に対策を講じるようにしましょう。


サラ金の歴史-消費者金融と日本社会 (中公新書 2634)

2024年11月10日 05時55分22秒 | その気になる言葉

小島庸平「サラ金の歴史」 前向き需要、見失った姿映す

 古今東西、金融の要は借り手の返済能力の見極めだ。サラ金のように個人相手に無担保で金を貸す業者たちも、その点で「合理的」な技術革新を続けてきたというやや意外に見える指摘に、まずは引き込まれる。

 例えば高度成長期の「団地金融」は、入居審査の厳しい団地住まいを目安にし、草創期のサラ金は「融資申込者の勤務先を上場企業に限っていた」。背景には「社内外のつきあいのための金は、出世のための『健全資金』と言えた」世相もあった。

 だが1970年代以降、サラ金は信用審査の基準を緩め、「後ろ向き」の資金需要も取り込んで規模を広げる。支えたのは、業界内での信用情報の共有や団体信用生命保険の活用といった「技術」と、大企業に代わる貸出先を探していた銀行から流れ込む低利の資金だった。

 規模拡大は返済に困る人を数多く生み、景気後退と雇用悪化の波が高まる度に、繰り返し社会問題になる。被害者や弁護士らの運動を経て、高金利が最終的に許されなくなったのは、10年あまり前のことだ。テレビCMや駅前の光景にあふれていたサラ金の姿は、表舞台から急速に消えていった。

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好書好日編集部
 

 しかし、金融がときに凶器に化す火種は絶えてはいない。著者は、SNSを使った違法に近い個人間金融や、信用力をデジタル技術で点数化する「技術革新」の行方に注意を促す。サラ金の存在が単なるあだ花ではないことを知らせてくれるからこそ、本書は、多くの読者から高い評価を得ているのだろう。=朝日新聞2022年4月2日掲載

    ◇

 中公新書・1078円=5刷5万1千部。21年2月刊。サントリー学芸賞、新書大賞2022。「気鋭の経済史・農業史研究者による異色のテーマが目を引いたのかも」と担当者。

 

お金×歴史の話が大好きなので、ちょっとディープな裏社会的な匂いのするサラ金についてその歴史を知りたくて手に取りました。
まず読んだ感想は非常に面白かった。
 漠然と勝手にイメージしていた歴史とだいぶ違うのと、ビジネスモデルも面白いしでした。
自分が勝手イメージしていたのは、江戸時代の金貸し業の差札や両替業からスタートしたのだと思っていたが、地域のコミュニティーで金少し持っている親分みたいのが貸していたのが、サラリーマン同士で金あるやつが貸すにかわり、それが副業になり副業が本業になってと発展したのだと。
 またビジネスモデルで面白かったのは、高度経済成長期の団地に住むサラリーマンに狙いを定めて金を貸す。そして団地のコミュニティの風評がある意味で連帯保証的な役割になってビジネスを大きく発展させた話など、人間の欲望を刺激して金を貸す!面白かった。

 

 
サラ金の百年史である。たぶん、初めての新書版サラ金通史と思う。
サラ金については、サラ金の告発本、サラ金との闘争本、サラ金被害本が多い印象で、本書のような視点で書かれた本は読んだことがない。
前書きと終章によると、本書は、サラ金が過剰融資に走り、多くの人々を自殺や貧困に追い込んだ事実は詳述する。しかし、過剰な批判は意識的に抑制する。
つまり、サラ金業者の非人道性を告発・暴露するというより、その経済的・経営的な合理性と努力を内在的に理解しようと努める本である。
第1の視点は「金融技術」に着目し、「サラ金」による金融技術の革新のプロセスを跡づける。サラ金こそが、多数の家計に無担保で金を貸すため効果的な金融技術を、日本で最初に生み出した金融機関である。
第2の視点は「人」であり、サラ金の創業者達の来歴、初志、経営方針の変遷、そして、利用者の変遷をたどる。中心利用者は戦後日本で最も一般的な労働者とされるサラリーマンであり、身近な世界で生まれたビジネスである。
サラ金の歴史には、近現代の日本が経験したダイナミックな変化が鮮やかに反映しているとし、利用者の家族関係解析、家計ジェンダーアプローチも加え、サラ金の歴史をトータルに検討していく。
終章では高利貸と民族差別の問題が提起されている。
構成
序章 家計とジェンダーから見た金融史
第1章 「素人高利貸」の時代ー戦前
第2章 質屋・月賦から団地金融へー1950~60年代
第3章 サラリーマン金融と「前向き」の資金需要ー高度経度成長期
第4章 低成長期と「後ろ向き」の資金需要ー1970~80年代
第5章 サラ金で借りる人・働く人ーサラ金パニックから冬の時代へ
第6章 長期不況下での成長と挫折ーバブル期~2010年代
終章 「日本」が生んだサラ金
私的感想
〇面白いと言って良いのかどうか分からないが、ちょっと目から鱗の落ちる本だった。
〇分かりやすく書かれており、特別な経済学経営学知識は要らない。
〇サラ金が、戦前の親戚友人間の高利貸しに始まっているという説は面白い。そういえば、戦前の金貸しマニュアル本を読んだ記憶がある。
〇戦後最初のサラ金が団地妻への秘密の少額融資であったというのも面白い。秘密なら必死で返すし、いざとなれば夫を巻き込めばよいので大丈夫。夫の許可がある場合は、二人とも金に困っているのでリスク高く、拒否。合理的。
〇高度成長期の「前向き」の資金需要も面白い。酒の付き合い、マージャン、アルサロ(アルバイトサロン)遊びで使う金は、サラリーマンとして前向きの健全資金なので大歓迎。生活費を借りるのはサラリーマンとして不健全で、リスクが高いので貸してはいけない。サラ金創業者も、初期には、こういう合理性とモラル(?)を持っていたようである。
〇しかし、サラ金の企業規模が増大し、企業競争、融資拡大競争が激化し、その一方、70年代の低成長時代になって、サラリーマンの生活資金補填の需要が多くなると、そんなことを言ってはいられない。サラ金はサラリーマンの生活費の貸付へ舵を切り替え、家計の穴埋めに悩む主婦も積極的に融資対象に組み込んでいった。その結果は・・・。
〇金融技術の変化も興味深いが、そちらはもうちょっと写真があると良かったと思う。157頁の手作業時代のレンダースエクスチェンジ社(信用情報会社)の写真は時代を感じさせる。
〇終章はよくまとまっていて、感動的。突然出てくる民族問題は唐突の感はあるが、まあ、そういうことかと思う。
私的結論
〇副題もいい。消費者金融と日本社会。
蛇足
〇昔、消費者法の講義を聴いた時のことを思い出した。熱血のサラクレ弁護士さんがサラ金被害、先物取引被害の話をしてくれた。あてられたので、つまらないことを言ったら・・。

 

負のイメージばかりが伴うサラ金であるが、経営者としてサラ金企業を一大企業にのし上げた創業者たちのストーリーは、エネルギーに溢れ、ドキュメンタリーとして面白いかった。家計との関わりから、ジェンダー的観点があったのも興味深かった。信用審査の代わりとして、団地に入居しているということ、電話回線の契約をしているということを利用したのは賢いなと印象に残っている。

 

非常に面白かった。サラ金黄金時代に至る経営手法を合理的な金融技術と持ち上げながらも、過度に好意ではなく、かといってサラ金が社会問題と化した被害者たちの戦いを紹介しながらも変に同情的ではなく、中立的スタンスがとても良い。サラ金社員たちの葛藤という視線は今までなかったものでは。 家族間のジェンダー分析もよかった。

 

素人高利貸しから始まる消費者金融の栄枯盛衰。ニーズがあるから事業として成り立つ、当たり前のことだ。多重債務に苛烈な取り立て、自殺者の存在。否定的な印象が強いが一部の人間の生活の助けとなり、消費を促進し、日本の高度成長を支えた側面を描く。規制にあいながらも外資金融に融資を求めていく生存戦略はビジネス書としても興味深い。今世紀に入り、貸金規制法と共に縮小する大手もメガバンク傘下に組み込まれ、その事業は継続中。彼らが磨いてきた金融技術は過去のものでなく、フィンテックがうたわれる今にも受け継がれている。良書。

 

消費者金融が規制の強化で下火になるなか闇金などからの「転業」が生まれ、オレオレ詐欺など今もある特殊詐欺の温床になった可能性が示唆されている点も興味深かった。(因果関係は証明されていないが、相関関係は示されている)