松井徹の「愛されたい願望」は厳密に言えば、自己本位であり、甘えの構造の帰結とも言えた。
彼の幼児からの母親からの「愛されたい願望」に遠因があったのだ。
母親から溺愛されていた弟への憤りも根底であった。
さらに、母親は夫に愛人が出来たことから、その憤りを息子の徹にまでぶっけた理不尽さは、到底、息子の徹に理解が及ぶ世界ではなった。
性の欲求不満から起因とする母親の苛立ちであろう、あろうことか、中学生2年生の徹に対してまで、母親は性の捌け口を強要する。
寝ていた徹の部屋まで母親は忍んできたのだ。
脇には、13歳の弟が寝息をたたえて横たわっていたのだ。
弟の顔には毛布がかかっていた。
突然の異変に気がつけば徹はすでに、母親から陰部を執拗なでもまさぐられいた。
徹は、本能的に母の求めを強く拒絶した。
そして、息を荒げて息子に挑む母親を跳ねのける。
信じ難い母親の狂気の事態に愕然とする。
そして、最悪の近親相姦を辛うじて避けられのである。
息子の拒絶の前で、母親は我に返り声をあげて泣いたのだ。
「ゴメンね、何もかも、お母さんが悪かったの。本当にお母さん悪かったわ、死んでお詫びするね」
母親の突然の泣き声に弟は、何事かと驚き眼を覚ます。
まさに、徹にとっては14歳の悪夢であった。
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