敗戦の原因は何か?
今次の日本軍の戦略、組織面の研究に新しい光を当て、日本の企業組織に貴重な示唆を与える書。
ノモンハン事件、ミッドウェー作戦、ガダルカナル作戦、インパール作戦、レイテ沖海戦、沖縄戦という大東亜戦争における6つの作戦の失敗の原因を掘り下げ、構造的問題と結びつけた日本の組織論の金字塔。
お客様はこの書籍について、以下のように評価しています: 内容については、勉強になる本で、組織論の入り口としてとてもいいと感じています。
コンセプトが良く、日本企業の病理を言いえている良書だと評価されています。また、文章が難解でボリュームがあり、読み飽きないという声もあります。
一方で、読みやすさに関しては意見が分かれています。
一部のお客様は、文章がかたく頭に入ってこないという指摘もありました。
企業で発生した不祥事の再発防止を組織風土の観点から考えるにあたり、上司から紹介あって手に取りました。
40年も前の書籍で、日本の太平洋戦争での失敗について、その本質を追究するものでしたが、戦争での軍隊における組織体制、組織の戦略方針、意思決定プロセス、組織員への教育は、現代企業にも通じるものとして、企業活動に照らし合わせながら読み進めることができました。
、形式知を暗黙知にする組織学習や風通しの良い組織風土とするための心理的安全性などを考える機会があり、そうした考えが、40年前の昔から、戦争の反省を通じて既に考えられていたんだな、と感銘しました。
戦争に関する本を今まで読んだことがなく、参謀とか下士官とか巡洋艦とかが何を意味するのかが分からず困りました。組織図や船の大きさの図等があるとわかりやすいのかなと思いました。
大変勉強になりました。ありがとうございました。
戦争に関する本を今まで読んだことがなく、参謀とか下士官とか巡洋艦とかが何を意味するのかが分からず困りました。組織図や船の大きさの図等があるとわかりやすいのかなと思いました。
大変勉強になりました。ありがとうございました。
分析が的確でしかも深いように感じました。全てに同意したわけではないですが、大変勉強になりました。
目次
はしがき
序章 日本軍の失敗から何を学ぶか
本書のねらい
本書のアプローチと構成
1章 失敗の事例研究
1ノモンハン事件――失敗の序曲
プロローグ
第一次ノモンハン事件
第二次ノモンハン事件
タムスク爆撃
ハルハ河渡河作戦
砲兵戦
「事件処理要綱」
持久防禦
ソ連軍の八月攻勢
アナリシス
2ミッドウェー作戦――海戦のターニング・ポイント
プロローグ
作戦の目的とシナリオ
日本海軍の戦略思想
ミッドウェー作戦の目的とシナリオ
米海軍のシナリオ
海戦の経過
序幕――索敵の開始
第一機動部隊VS.ミッドウェー航空基地
南雲司令長官の意思決定
フレッチャーとスプルーアンスの意思決定
加賀、赤城、蒼龍の被弾
山口司令官の意思決定
閉幕――全空母喪失と作戦の中止
アナリシス
後知恵と錯誤
連合艦隊司令部の錯誤
第一機動部隊の錯誤
日本海軍の戦略・用兵思想
3ガダルカナル作戦――陸戦のターニング・ポイント
プロローグ
作戦の経過
一木支隊急行
第一回総攻撃
第二回総攻撃
撤退
アナリシス
戦略的グランド・デザインの欠如
攻勢終末点の逸脱
統合作戦の欠如
第一線部隊の自律性抑圧と情報フィードバックの欠如
4インパール作戦――賭の失敗
プロローグ
作戦構想
東部インド進攻作戦構想
ビルマ情勢の変化
牟田口のインド進攻構想
作戦計画決定の経緯
作戦目的および計画をめぐる対立
大本営の認可
作戦の準備と実施
鵯越戦法
作戦の準備
作戦の発動
作戦の実施と中止
アナリシス
5レイテ海戦――自己認識の失敗
プロローグ
捷一号作戦計画の策定経過
サイパン島陥落後
連合艦隊の捷号作戦要領
マニラでの作戦打合せ
捷号作戦計画策定後の状況推移
ダバオ誤報事件とその余波
沖縄空襲
台湾沖航空戦
捷一号作戦の展開――レイテ海戦
捷一号作戦発動
レイテ湾突入計画
ブルネイ出撃
栗田艦隊「反転」
アナリシス
作戦目的・任務の錯誤
戦略的不適応
情報・通信システムの不備
高度の平凡性の欠如
6沖縄戦――終局段階での失敗
プロローグ
沖繩作戦の準備段階
第三二軍の創設
台北会議
第九師団の抽出と配備変更
第八四師団派遣の内示と中止
作戦の実施
沖縄作戦初動の航空作戦
米軍上陸
北・中飛行場喪失に対する反響
第三二軍司令部の内部論争
アナリシス
2章失敗の本質――戦略・組織における日本軍の失敗の分析
六つの作戦に共通する性格
戦略上の失敗要因分析
あいまいな戦略目的
短期決戦の戦略志向
主観的で「帰納的」な戦略策定――空気の支配
狭くて進化のない戦略オプション
アンバランスな戦闘技術体系
組織上の失敗要因分析
人的ネットワーク偏重の組織構造
属人的な組織の統合
学習を軽視した組織
プロセスや動機を重視した評価
要約
3章失敗の教訓――日本軍の失敗の本質と今日的課題
軍事組織の環境適応
日本軍の環境適応
戦略・戦術
資源
組織特性
組織学習
組織文化
自己革新組織の原則と日本軍の失敗
不均衡の創造
自律性の確保
創造的破壊による突出
異端・偶然との共存
知識の淘汰と蓄積
統合的価値の共有
日本軍の失敗の本質とその連続性
日本は政治を初め、あらゆる組織が今も責任の所在をはっきりさせない体制をとり、責任者が責任を取らないことがまかり通っている。そのことを突いた内容だと思います。
日本軍の敗北を分析し、<組織の教訓>を導き出している。
日本群の失敗の本質は、戦略の「あいまいな戦略目的」「短期決戦の戦略志向」「狭く進化のない戦略オプション」であったと指摘。
およそ80年を経た現代の日本に組織にも、学べる点が多々る。
本書では「自己革新組織」の確立を提唱している。
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