事件・事故社会2020年10月2日17:00
交際相手の当時2歳の娘に暴行を加え死亡させたとして傷害致死などの罪に問われた男の裁判で、証人の医師2人が出廷し、死因をめぐり主張は真っ向から対立しました。
札幌市中央区の飲食店経営、藤原一弥被告(25)は、2019年5月から6月にかけ、交際相手の娘の池田詩梨(ことり)ちゃん(当時2)に暴行を加えたうえ、放置して衰弱死させたとして傷害致死などの罪に問われています。
藤原被告は無罪を主張しています。
札幌地裁で開かれた10月2日の裁判では、詩梨ちゃんの「死因」をめぐり、検察側と弁護側の証人として出廷した双方の医師が対立しました。
腸内からホコリや毛のようなもの…司法解剖の医師証言
検察側の証人として詩梨ちゃんを司法解剖した医師は「腸内からはホコリや毛のようなものが見つかり、ごみを食べていた可能性がある」と証言しました。
下腹部の皮下脂肪は3ミリだったとする証拠を提出していて、「体重を維持するための食事をとっていない状態。2週間から3週間で急激に体重が減少し、低栄養状態で死亡した」と指摘しました。
さらに、頭部の骨折などのケガが死期を早めたと主張。虐待を受けていた可能性があるとしました。
吐しゃ物のどに詰まらせた可能性…弁護側の医師
弁護側の証人として出廷した医師は詩梨ちゃんの気管支や肺などのCT画像に異物とみられるものがみられたと説明。死因は吐しゃ物をのどに詰まらせた可能性を主張し、「窒息死と考えるのが自然」と反論しました。
判決は10月16日に言い渡される予定です。
2019年、北海道札幌市で当時2歳の女の子が死亡し、母親の交際相手が傷害致死などの罪に問われている裁判。
遺体を司法解剖した医師は「数週間、十分な食事を与えられていなかった」と証言しました。
札幌市中央区の藤原一弥被告(25)は2019年、交際相手の娘の池田詩梨ちゃん(当時2)に暴行したうえ放置し死亡させたとして、傷害致死などの罪に問われています。
藤原被告は無罪を主張しています。
札幌地方裁判所で開かれた4日目の審理で、検察側の証人として遺体を司法解剖した医師が出廷しました。
医師は「体には脂肪が数ミリしかなかった。2週間から3週間の間に急激に体重が減少し、低栄養状態で亡くなった」と証言。提出している証拠では、下腹部の皮下脂肪は3ミリだったとしています。
また、免疫に関する臓器(胸腺)がかなり委縮していて、「数か月以上、強いストレスを感じていたとみられる」としました。
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「吹っ飛ぶくらい頭を殴る」詩梨ちゃん衰弱死 母が同僚に"2回以上"相談…交際相手の裁判 弁護側は否定
2020年10月1日17:00
2019年6月、北海道札幌市中央区で当時2歳の女の子が死亡し、母親と交際していた25歳の男が傷害致死などの罪に問われた事件の裁判で、
女の子の母親の同僚が証人として法廷に立ち、母親が「交際相手の男が子どもに暴行している」と相談を受けていたことを証言しました。
詩梨ちゃんの"母親の同僚"が法廷で証言
札幌市中央区の藤原一弥被告(25)は、2019年5月から6月にかけて、交際相手の娘の池田詩梨ちゃん(当時2)に暴行した上、放置し死亡させたとして傷害致死などの罪に問われています。
藤原被告は9月29日から始まった裁判で無罪を主張しています。
10月1日札幌地裁で開かれた3日目の公判で、詩梨ちゃんの母親・池田莉菜被告(22)の同僚の女性が証人として出廷しました。
『吹っ飛ぶくらい頭を殴る、怖い』2回以上母親が同僚へ相談…
その中で女性は「2019年5月ごろに職場の喫煙所で池田被告から『藤原被告が詩梨ちゃんが吹っ飛ぶくらい頭を殴る。怖い』と2回以上は相談を受けた」と証言しました。藤原被告は詩梨ちゃんが泣いている時に、殴っていたということです。
弁護側は「暴行はしない」と母親が美容室で話していた証言を提出
一方弁護側からは、池田被告が通っていた美容室の従業員の供述調書が証拠として提出されました。その中で池田被告が従業員に「藤原被告は詩梨ちゃんに怒鳴ることはあるが、暴行はしない」と話していたことが明かされました。
10月5日の公判には池田莉菜被告も出廷し、判決は10月16日に言い渡されます。
詩梨ちゃん衰弱死事件 交際相手の裁判…検察「20日間部屋に閉じ込め食事与えず」弁護側は"母親の責任"
事件・事故2020年9月30日11:35
2019年6月、北海道札幌市中央区で当時2歳の女の子に暴行したうえ、放置したとして傷害致死などの罪に問われている母親の交際相手の男の裁判が9月29日、札幌地裁で開かれた。男は「無罪」を主張した一方、検察側は男が20日間にわたり詩梨ちゃんを閉じ込め、暴行や放置を繰り返したとし、双方の主張は対立した。
20日間食事与えず"放置"…事件直後に検索「虐待 疑われる」
「藤原被告と、詩梨ちゃんの母親である池田莉菜(りな)被告=保護責任者遺棄致死罪で起訴済み=は、詩梨ちゃんが亡くなる直前の20日間、部屋に閉じ込めほとんど食事を与えなかった。その上、藤原被告が全身に暴行していた」
傍聴席21席を求めて約170人が列を作った注目の裁判。冒頭陳述で、検察官は用意した文書を読み上げながらも、語気を強めた。
検察側の証拠調べでは、詩梨ちゃんを放置した状態で、場外馬券場など、遊興のため外出を繰り返していたと指摘。藤原被告のスマートフォンからは、詩梨ちゃん搬送後3時間以内に「子供虐待 疑われる」「虐待 死亡 懲役」と検索。ネット上の百科事典「ウィキペディア」で、2010年に発生した大阪2児餓死事件のページを閲覧した履歴が残っていたことも明かした。
弁護側は"母親のネグレクト" 祖母のLINE「叩いたらだめ」「生きてるの?」
弁護側は、藤原被告は関与しておらず、池田被告が育児のストレスから暴行したと反論した。
「池田被告は藤原被告と出会う以前から、詩梨ちゃんをネグレクト状態にしていた。藤原被告との交際で感じたストレスや詩梨ちゃんの成長の遅れの不満を暴力にしていた」
さらに母親は池田被告に「叩いたりしたらだめだよ」「詩梨は生きているの?」などと何度も詩梨ちゃんの安否を心配し送っていた無料通信アプリLINEのメッセージを示し、母親の責任を強調した。
起訴状などによると、藤原被告は5月上旬から、詩梨ちゃんの死亡が確認される6月5日までの間、同居する池田莉菜(りな)被告(22)のマンション(札幌市中央区)で、詩梨ちゃんの全身を殴ったり踏みつけたりしたほか、たばこの火を押しつけるなどの暴行を加え、頭の骨折や硬膜下血腫、やけどを負わせた。
5月15日以降池田被告と共謀し、やせ細って弱った詩梨ちゃんを放置し、多臓器不全と低栄養状態に陥らせ、衰弱死させたとされる。
詩梨ちゃんの死亡時の体重は約6キロ。同い年の平均の半分程度で、身長も平均より10センチ以上低く、栄養失調状態だった。
検察側が示した事件の時系列
藤原被告は黒スーツ・青ネクタイ姿にフェイスガードをつけて出廷。藤原被告は裁判官に起訴内容を問われると「一切やっていません」と無罪を主張した。
10月5日には池田被告が証人として出廷し、判決は16日に言い渡される。
【争点】
・詩梨ちゃんの死につながる暴行を加えたのは藤原被告か
・詩梨ちゃんが生存のために、病院へ連れていくなど保護が必要な状態にあったか
・藤原被告に詩梨ちゃんを保護する責任はあったか
「やっていません」母親の交際相手の男 法廷で"無罪"を主張 詩梨ちゃん事件初公判 判決は10月16日
事件・事故社会2020年9月29日12:15
2019年6月、北海道札幌市中央区で当時2歳の女の子に暴行したうえ、放置したとして傷害致死などの罪に問われている母親の交際相手の男の初公判が9月29日、札幌地方裁判所で開かれ、男は「無罪」を主張しました。
2019年6月、札幌市で当時2歳の池田詩梨ちゃんが死亡した事件。
起訴状などによりますと、飲食店経営、藤原一弥被告(25)は、2019年5月から6月にかけ詩梨ちゃんの頭などを殴ったほか、たばこの火を押し付けてケガを負わせたうえ、必要な治療を受けさせず死亡させたとして、傷害致死などの罪に問われています。
初公判で藤原被告は、落ち着かない様子で法廷に現れ、「やっていません」と無罪を主張しました。
一方、検察側は冒頭陳述で「藤原被告と、詩梨ちゃんの母親である池田莉菜被告は、詩梨ちゃんが亡くなる直前の20日間、部屋に閉じ込めほとんど食事を与えなかった。その上、藤原被告が全身に暴行していた」と指摘しました。
判決は10 月16日に言い渡されます。
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