キカクブ日誌

熊本県八代市坂本町にある JR肥薩線「さかもと駅」2015年5月の写真です。

「あの頃、君を追いかけた」2011年 台湾

2016年05月16日 | ☆エンタメ-映画
台湾の大使館にあたる代表処の施設、台湾文化センターで映画の上映会があったので行ってきました。この台湾文化センターはいろいろな興味深いイベントを無料で開催しています。今回は、台湾で数年前に大ヒットした映画「あの頃、君を追いかけた」の上映と、台湾に詳しい江口洋子さんのお話を聞く会です。定員100人事前申し込み制。一ヶ月前の受付開始日に申し込みました。

知った顔がいるかな?と思いましたが、最近はこういうイベントに行ってもなかなか知り合いに会うことは少なくなりました。それだけ台湾好きの人口が増えたんでしょうし、世代交代的なこともあるのかもしれませんね。

会議室を大きくしたような部屋に100人入れてプロジェクターで上映する形なので、映画鑑賞としては理想に程遠いものです。何しろ字幕が前の人の頭で見えないんですから。(今後このイベントに出席するときは、整理券を早めにもらった方がいいですね)でも無料ですし、文句は言えないかな。トークショーは興味深く内容も濃かった。

映画は、ずばり青春映画です。
監督は30代前半の若い小説家で、初監督作だとか。小説家としては絶大な人気がある人らしいですが、映画は素人、その素人が作った、しかも出てくる人たちも、ほぼ新人というフレッシュな映画だそうです。それが大ヒットしたんだからすごいですね。台湾映画で歴代興行収入4位の作品だとか。

公式サイト(日本語)
原題:那些年,我們一起追的女孩
監督 ギデンズ・コー(九把刀)
製作総指揮 アンジー・チャイ(柴智屏)
出演者 クー・チェンドン(柯震東)
 ミシェル・チェン(陳妍希)
 スティーブン・ハオ(郝劭文)
 ジュアン・ハオチュエン(荘濠全)
 イエン・ションユー(鄢勝宇)
 ツァイ・チャンシエン(蔡昌憲)
 フー・チアウェイ(胡家瑋)


舞台は1994年の彰化の高校。
台湾の90年代というと、私が台湾に行き始めたころと重なります。だから見ていてとても懐かしい。当時、女の子たちは誰もヘアカラーなどしておらず、みんな真っ黒の髪をしていました。日本ではルーズソックスなどが流行ってましたが、台湾では制服を着崩すような子供はあまり見かけなかった。日本とは違うな~と感じたものでした。日本と比べるなら、むしろ80年代に10代を過ごした私の世代に近いと思います。学生寮に電話がなくて、共用電話に列をつくる学生たちというのも、自分の学生時代を思い出して懐かしい。(これ、年末に見たフランス映画「あの頃エッフェル塔の下で」の時も感じた)

ケータイの普及。
誰しも聞き覚えのある着信音。
そして921の台湾大地震(1999年)の描写。
拝むように携帯電話の電波を探すポーズ(昔ほんとに皆あれやってた!)
ほんのちょっと前のことだけど、もう今では見なくなった風景。

それに、初恋の実らない感じ。
大学受験の失敗。
え?そんな理由で?っていうことで別れて行ってしまう彼と彼女。
この辺は、多分台湾に限らず割と普遍的なのかもしれないですね。



トークショーの台湾でヒットする映画の要素についての話はなかなか興味深かった。
台湾はメディアのプロモーション等でヒットが形作られるということがあまりないらしい。
いわゆる「口コミ」の力が大きく作用するそうだ。

今でも記録をもっている「海角七号」
あの大ヒットは誰も予想せず驚いていた記憶があります。監督は当時やはり新人同様だった。(エドワードヤンの弟子ではあったけど)私の周りの台湾人も何度も見ていたから、ヒットしてるのは間違いないと感じたのだけど。でも自分で見に行って、「え?これそんなにすごい作品か?」と思ったのが正直なところだった。役者はみんな素人だったし・・・。ツッコミどころが多かった。でも台湾語、日本時代への視点など、熟成されてきつつあった台湾人のアイデンティティーを揺さぶるものがあったのだろうし、やっぱり音楽映画はいいものだ。


この「あの頃、君を追いかけた」も、90年代という、たった20年前だけど、今とはかなり違う台湾の生活が見る人に懐かしさを覚えさせただろうし、やっぱり青春、初恋映画は強い。って思いました。

それと、「海角七号」も「あの頃、君を追いかけた」もギャグのセンスというか、笑いのポイントが独特で日本人から見るとついていけない・・と思うようなものでも、台湾の人にはむしろそういうのが歓迎されるところがあるのかもなぁと思った。

台湾映画、そんなに見てるわけじゃないから、ただの感想ですけども。








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