ご近所に一人暮らしのお年寄りがいます。
おそらく90歳に近そうなおじいさんですが、とても規則正しい生活をしています。
毎朝、雨戸を開けて寝間着を窓辺に干し、夜になるとまたしっかり雨戸が閉まります。真夏でもエアコンは使わないのか、窓が全開。熱中症が心配ですが、一昨年も去年も夏を乗り越えてきました。
耳が遠いらしく、窓からラジオがものすごい大音量で聞こえます。おじいさんのラジオの時報がうちまで聞こえてきて時計が合わせられるほど。会話は難しいみたいです。窓越しに目があったら会釈する程度。
それでも、毎日開いては閉まる雨戸&窓を見ては
「おじいさん今日も無事でよかったね」
と夫と話したりしていました。
そして2年がたちました。
先日の早朝、救急隊と警察がおじいさんの家にやってきました。
早朝なのにおじいさんの部屋は窓が開きっぱなしのようです。
警察まで来たってどういうことだろうか?
まさか???!!!
と思いましたが、ずい分時間がたってから、おじいさんがストレッチャーに乗せられて救急隊員に話しかけられていました。
無事で良かった!
おじいさんは救急搬送されていったのですが、おじいさんの部屋の窓は開いたまま、灯りもついたまま(これは夜になってわかりました)
つまり救急隊も警察も、戸締まりしていかなかったみたいなのです。
おじいさんは明らかに一人暮らしです。
どういう症状で119番があり搬送されたのかはわかりませんが、高齢だし、すぐに帰宅可能だとも思えません。明るい時間だったから、室内灯がついていたことには気が付かなかったのかもしれないけど、なぜ窓を閉めていかなかったんでしょう?
その後数日は晴天でしたが、雨が降ったらどうなる?カーテンもなく、網戸もなく、開きっぱなしの窓、電気もつきっぱなし。
もしかして、玄関のドアにも鍵がかってないのでは??(さすがに確認に行くのはやめましたが)
それでも、一人暮らしとは言っても親族はいるだろうから、まずは病院に駆けつけるだろうけど、そのうちこちらにも来て戸締りもされることだろう、と思っていました。
が・・・・・その状態のまま、一週間がたってしまいました。
どうなってるの?
おじいさん子どもはいるという話だったけど。
いくらなんでも…と思って、数少ない知り合い(介護の仕事をしてる人)に相談。地域包括支援センターに連絡してもらいました。ご近所には古い住人も多いし、きっとうちが動くより町内会とかそういうネットワークで動いてもらえるんじゃないかとも思っていました。
ある時電気が消えました。でも窓は開きっぱなしです。
これは室内に入らなくてもできる措置を電力会社が行ったのではないかと思います。
そして2週間が経った昨日のこと、ようやく窓が閉まり、カーテンも閉められました。
ほっとしました。
後で聞いた話では、やはりご近所の方が動いたそうです。でも、他人の家に入るというのはなかなか難しいことのようで、それでこんなに時間がかかったようです。
一人暮らしで救急搬送されると、こういうこともあるんですね。
救急隊の人たちは、患者以外に手を触れてはいけないのかな?
でもこれが冬でストーブ使っていたとか、そんな状態なら消していきますよね。
なら、窓も閉めていってほしかった。
搬送されるとき警察もいたのは、一人暮らしだから中に入るために必要だったのかもと思いましたが、いったい誰が救急車を呼んだんでしょうね。
分からないことはたくさんありますが、ひとまずよかったです。
いろいろ厳しい現実を見た気がします。
やってこない親族。
窓を開けっぱなしで去る救急隊&警察。
近所で焼きもきしても、他人の家には勝手に入れない。
普段からの近所づきあいや、緊急連絡先の共有なども大事なんだなと思わされる出来事でした。あのおじいさんは、高齢といっても自立した生活だったからかえって大変だったのかも。日ごろヘルパーさんが訪問したりしていればもうすこし違うのかもしれません。
おじいさん、早く元気に戻ってきてほしいです。
ラジオの音がうるさいなぁと思いつつも、気にかかる存在だったのでした。