
今日の「お気に入り」。
「 自分が自分をまねするのは、まねのなかで情けないものの一つであるが、ながく生き
た芸術家のまぬかれぬところである。」
「 私は各人に個性があることを前提とした教育は、間違いではないかと疑っている。人
は個性ある存在ではない。人は大ぜいに従うもので、従ってはじめて安心するものであ
る。従えと言って、断じて従わぬ個性はまれである。万一あれば大ぜいは、世間は、社
会はそれを爪(つま)はじきする。すなわち、爪はじきされて、はじめて個性は頭角をあ
らわす。ちやほやされて育つ個性なんて、今も昔もないにきまっている。」
( 山本夏彦著 「二流の愉しみ」 講談社文庫 所収 )
「 生きている限り、人間はすべてを奪われることはない。」
( 正岡子規 )
