「今日の小さなお気に入り」 - My favourite little things

古今の書物から、心に適う言葉、文章を読み拾い、手帳代わりに、このページに書き写す。出る本は多いが、再読したいものは少い。

2009・11・26

2009-11-26 07:45:00 | Weblog
今日の「お気に入り」。


  迂回路を通りしゆゑに琥珀いろの
          しあはせさうな雲に出会ひぬ

                      (齋藤史)
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2009・11・25

2009-11-25 09:00:00 | Weblog
今日の「お気に入り」。


  なにゆゑにうしろ振向くふりむきて
       とりかへしのつく年齢(とし)は過ぎたり

  あなたまあをかしな一生でしたねと
       会はば言ひたし父といふ男

  史の字を輪を貫く縦棒の
       かたちもて書きてよこせし寺山修司

  眺めよき屋上に来てここより先は
       空へ翔ぶもの地へ堕ちるもの

                     (齋藤史)
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2009・11・23

2009-11-23 09:00:00 | Weblog
今日の「お気に入り」。

  齋藤史は男とばかり思はれて
     君 兄 貴殿 史クン笑ふ

  邪道短歌などと言はれし歳月の
     古き写真も色変りたり

              (齋藤史)
 
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2009・11・22

2009-11-22 09:00:00 | Weblog
今日の「お気に入り」。


   並び待つ人等のあとに従きて聞く
        〈前(さき)の方に何があるのでしょうか〉

                           (齋藤史)
 
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2009・11・21

2009-11-21 09:15:00 | Weblog
今日の「お気に入り」。


  「泣き言は云はない。」 (山本周五郎)

           
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2009・11・19

2009-11-19 09:00:00 | Weblog
今日の「お気に入り」は、山本周五郎(1903-1967)著「ながい坂」から。

 「なにごとにも人にぬきんでようとすることはいい、
  けれどもな、人の一生はながいものだ、
  一足跳びに山の頂点へあがるのも、
  一歩、一歩としっかり登ってゆくのも、
  結局は同じことになるんだ、
  一足跳びにあがるより、
  一歩ずつ登るほうが途中の草木や泉や、
  いろいろな風物を見ることができるし、
  それよりも一歩、一歩を慥(たし)かめてきた、という
  自信をつかむことのほうが強い力になるものだ。」
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2009・11・18

2009-11-18 09:15:00 | Weblog
今日の「お気に入り」。

 「……私はかねがね北国の人間が口が重いというのは偏見だと思っている。
  あれは外部の、自分たちよりなめらかに口が回る人種の前でいっとき口が
  重くなるだけのことで、内輪同士ではそんなことはない。
   子どものころ、私は村の集会所あたりで無駄話にふけっている青年たち
  の話をよく聞いたものだが、彼らがやりとりする会話のおもしろさは絶妙
  だったという記憶がある。弾の打ち合いのように、間髪をいれず応酬され
  る言葉のひとつひとつにウィットがあり、そのたびに爆笑が起きた。村の
  出来事、人物評、女性の話など、どれもこれもおもしろかった。私たち子
  どももおもしろがって笑っていたら、突然に怒られて追い立てられたのは、
  野の若者たちの雑談の成り行きの自然で、話が少し下がかって来たから
  だったろう。」

                           (藤沢周平) 
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2009・11・17

2009-11-17 08:55:00 | Weblog
今日の「お気に入り」。


  水鳥やてうちんひとつ城を出る (与謝蕪村)
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2009・11・16

2009-11-16 09:00:00 | Weblog
今日の「お気に入り」は、藤沢周平(1927-1997)著「蝉しぐれ」から。


 「顔を上げると、さっきは気づかなかった黒松林の蝉しぐれが、
 耳を聾するばかりに助左衛門をつつんで来た。蝉の声は、子供の
 ころに住んだ矢場町や町のはずれの雑木林を思い出させた。助左
 衛門は林の中をゆっくりと馬をすすめ、砂丘の 出口に来たとこ
 ろで、一度馬をとめた。前方に、時刻が移っても少しも衰えない
 日射しと灼ける野が見えた。助左衛門は笠の紐をきつく結び直し
 た。
  馬腹を蹴って、助左衛門は熱い光の中に走り出た。」
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2009・11・15

2009-11-15 09:00:00 | Weblog
今日の「お気に入り」。


  冬ごもり心の奥のよしの山 (与謝蕪村)
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