今日の「お気に入り」。
「 言葉というのは 、アイデンティティの一つです 。たとえば 。大阪の人は大阪弁を話すことで
『 私は大阪人です 』と表明し続けていることになります 。無意識であっても私たちは 、言葉を使
うことで生涯にわたって自分の背景を宣言し続けているというわけです 。
地縁や血縁、社縁の繫がりが薄れる現代において 、アイデンティティを示す要素をいまだに持
っている数少ないものの一つが 、 言葉 なのです 。ただ 、現代のコミュニケーションの場では 、
それすら失われつつあるのかもしれません 。」
「 東京弁はどうしても詰問調にとられてしまうところがあります 。・・・
関西弁というのは・・・ 、関西圏では本音を言い合える言葉です 。『 どやねん 、ほんまは ? 』、
と言うのと 、『 本当のところ 、どうなんですか ? 』と聞くのでは 、だいぶニュアンスが違い
ます 。『 どやねん 』と言うと 、相手もついボロッと本音が出てしまったりする 。言葉の使い
分けも 、対人力を高める大きな手助けをしてくれます。 」
( 山極寿一著 「 京大総長、ゴリラから生き方を学ぶ 」. 朝日新聞出版 刊 )