「今日の小さなお気に入り」 - My favourite little things

古今の書物から、心に適う言葉、文章を読み拾い、手帳代わりに、このページに書き写す。出る本は多いが、再読したいものは少い。

一粒の麦 Long Good-bye 2024・10・06

2024-10-06 05:30:00 | Weblog

 

  今日の「 お気に入り 」は 、田原総一郎さんと佐藤優さんの

 共著  「 人生は天国か 、それとも地獄か 」( 白秋社 刊 ) の

 中で 、佐藤優さんが書かれた文章のいくつか 。

  備忘のため 、抜き書き 。

  小文のタイトルは「 死と孤独こそが喜びと安らぎである 」。 

  引用はじめ 。

 「 死んだらどうなるのか 、この世での存在が消え
  たら『 無 』になるのか ―― 。
  『 死 』は誰にでも訪れるものですが 、その真
  実は誰にも分かりません 。死後のことは 、誰も
  世の中に伝えることができないからです 。この
  ように死後の様相がまったく分からないことが 、
  死に対する恐怖の実体です 。古から多くの宗教
  が 、死をどう捉えるかという問いに対して 、い
  くつかの答えを出してきました 。その答えこそ
  が 、宗教が人々に求められる最大の要因だとい
  ってもいいでしょう 。
   人間が必ず何らかの宗教に帰依すべきとは思い
  ませんが 、その様々な死生観に触れることは 、
  自分の死と向き合ううえで 、大きなヒントを与
  えてくれます 。」

 「 たとえば私が信仰するキリスト教においては 、
  死ぬと肉体も魂も一度完全に滅びてしまいます 。
  しかし 、その滅びた肉体も魂も 、イエス・キ
  リストの再臨という形で復活し 、審判にかけら
  れます 。これが『 最後の審判 』です 。
   神を信じ 、神の意向にならって生きたものは 、
  イエス・キリストと共に神の国に行き 、永遠の
  命を得るとされています 。
   ただし 、プロテスタントは『 絶対者の恩恵 』
  を基本としており 、自分がどんなに善行を行お
  うと 、それが神の国に行けるかどうかに影響す
  ることはありません 。すべては予め神が決める
  ことなのです 。突き詰めると 、人間は生まれ
  たときから 、神の国に行き永遠の命を持つ者と
  滅びる者とに分けられている 、ということにな
  ります 。
   だからといって 、『 だったら何をしてもいい
  ではないか 』とはなりません 。というのも 、
  こう考える人は 、そもそも選ばれていない人
  だからです 。選ばれている人は自ずと神の意
  志に従い 、神にならって正しく生き 、やがて
  死を迎える ―― こう考えるのがプロテスタン
  トの信者です 。
   ですから 、死こそが信仰の完成であり 、目的
  となります 。英語の『 end 』という言葉には 、
  『 終わり 』という意味と同時に 、『 目的 』
  という意味があります 。これは 、こうしたキ
  リスト教的概念が反映されているからなのです 。
   そのキリスト教には『 一粒の麦 』という言葉
  があります 。
  『 一粒の麦は 、地に落ちて死ななければ 、一
  粒のままである 。だが死ねば 、多くの実を結
  ぶ 』(『 ヨハネによる福音書 』一二章二四節 )
   自分の命を守って自分だけの命とするならそれ
  きりですが 、自分の命を捨てて犠牲になること
  で多くの命がそこから生まれる 、という比喩で
  す 。
   キリスト教徒でない人から見ると 、ヒロイズム
  に酔っている 、ちょっと困った人間にしか見え
  ないかもしれません 。しかし 、それほどにイエ
  ス・キリストの存在感は私たちに影響を与え 、
  死の恐怖も孤独の恐怖も乗り越えさせてくれるの
  です 。それどころか 、死と孤独こそが喜びと安
  らぎであることを実感させてくれます 。」

  引用おわり 。

 (⌒∇⌒)

 ( ついでながらの

   筆者註:「 ヨハネ伝第12章24節
       『 一粒の麦もし地に落ちて死なずば 、ただ一つ
         にてあらん 、死なば多くの実を結ぶべし 』」

       あるいは 、

       「 一粒の麦死なずば 、ただ一つにてあらん 。
        もし死なば 、多くの実を結ぶべし 」

       といった文語体の邦訳も趣きがある 。英文にも

       いろいろあるよう 。

      「 " I am telling you the truth: a grain of wheat 
        remains no more than a single grain untill 
        it is dropped into the ground and dies. 
        If it does die, then it produces many grains. 
         ――Today's English Version "

        " Most assuredly, I say to you, unless a grain of 
        wheat falls into the ground and dies, it remains
        alone; but if it dies, it produces much grain.
         ――New King James Version " 」

       以上ウィキ情報 ほか 。)

 

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Long Good-bye 2024・10・01

2024-10-01 07:55:00 | Weblog

 

 今日の「 お気に入り 」。

 

 

 

 

 

 

 

 

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