「今日の小さなお気に入り」 - My favourite little things

古今の書物から、心に適う言葉、文章を読み拾い、手帳代わりに、このページに書き写す。出る本は多いが、再読したいものは少い。

2008・11・19

2008-11-19 09:05:00 | Weblog
今日の「お気に入り」は、医師で作家の南木佳士さん(1951- )が以前新聞に連載されていた随筆の中で紹介された患者の老婦人が作られたという俳句と短歌一首です。


   鷺ひとつ田毎に立ちて孤にあらず

   我すでに死臭のありや秋の蠅

   手折り持つ花を追い来る夏の蝶


   あらがえぬ
   命なりけり
   死者の顔
   撫でしこの手で
   夜半に飯はむ
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2008・11・11

2008-11-11 09:20:00 | Weblog
今日の「お気に入り」は、北原白秋(1885-1942)の「からたちの花」。

  からたちの花が咲いたよ。
  白い白い花が咲いたよ。

  からたちのとげはいたいよ。
  青い青い針のとげだよ。

  からたちは畑の垣根よ。
  いつもいつもとほる道だよ。

  からたちも秋はみのるよ。
  まろいまろい金のたまだよ。

  からたちのそばで泣いたよ。
  みんなみんなやさしかつたよ。

  からたちの花が咲いたよ。
  白い白い花が咲いたよ。
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2008・11・09

2008-11-09 08:05:00 | Weblog
今日の「お気に入り」。


   水を釣つて帰る寒鮒釣(かんぶなつり)一人 (永田耕衣)
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2008・11・02

2008-11-02 08:35:00 | Weblog
今日の「お気に入り」。


  わが妻を愛(かな)しみにくみかくしつつ
       しづかなる老(おい)に入り難きかも (結城哀草果)
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2008・11・01

2008-11-01 09:10:00 | Weblog
今日の「お気に入り」。

 麻痺の夫(つま)と目の見えぬ老母(はは)を左右に置き
         わが老年の秋に入りゆく  (斎藤 史)
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