今日の「お気に入り」は、ポルトガルの詩人フェルナンド・ペソア(1888-1935)の「ポルトガルの海」と題した詩一篇。
「塩からい海よ お前の塩のなんと多くが
ポルトガルの涙であることか
我らがお前を渡ったため なんと多くの母親が涙を流し
なんと多くの子が空しく祈ったことか
お前を我らのものとするために 海よ
なんと多くの許嫁がついに花嫁衣装を着られなかったことか
それは意味のあることであったか なにごとであれ 意味はあるのだ
もし魂が卑小なるものでないかぎり
ボハドールの岬を越えんと欲するならば
悲痛もまたのり越えなければならぬ
神は海に危難と深淵をもうけた
だが神が大空を映したのもまたこの海だ
『歴史は告げる』より」
(「フェルナンド・ペソア詩選『ポルトガルの海』」池上岑夫編訳 彩流社刊 所収)
「塩からい海よ お前の塩のなんと多くが
ポルトガルの涙であることか
我らがお前を渡ったため なんと多くの母親が涙を流し
なんと多くの子が空しく祈ったことか
お前を我らのものとするために 海よ
なんと多くの許嫁がついに花嫁衣装を着られなかったことか
それは意味のあることであったか なにごとであれ 意味はあるのだ
もし魂が卑小なるものでないかぎり
ボハドールの岬を越えんと欲するならば
悲痛もまたのり越えなければならぬ
神は海に危難と深淵をもうけた
だが神が大空を映したのもまたこの海だ
『歴史は告げる』より」
(「フェルナンド・ペソア詩選『ポルトガルの海』」池上岑夫編訳 彩流社刊 所収)