「今日の小さなお気に入り」 - My favourite little things

古今の書物から、心に適う言葉、文章を読み拾い、手帳代わりに、このページに書き写す。出る本は多いが、再読したいものは少い。

あすはお正月 Long Good-bye 2021・12・31

2021-12-31 04:55:00 | Weblog
  今日の「 お気に入り 」 。

   「 街はおまつりお骨となつて帰られたか 」

   「 しぐるるやあるだけの御飯よう炊けた 」

     死線四句
   「 死はひややかな空とほく雲のゆく 」
   「 死をひしと唐辛まつかな 」
   「 死のしづけさは晴れて葉のない木 」
   「 そこに月を死のまへにおく 」

   「 水に放つや寒鮒みんな泳いでゐる 」

   「 一つあると蕗のとう二つ三つ 」

   「 蕗のとうことしもここに蕗のとう 」

   「 抜けたら抜けたままの歯がない口で 」

   「 空には風が出る凧あがるあがる 」

   「 寒空とほく夢がちぎれてとぶやうに 」


     机上水仙花
   「 あすはお正月の一りんひらく 」

                ( 山頭火 )

    ( 出典: 種田山頭火 著 村上護 編 小崎侃・画 「 山頭火句集 」ちくま文庫 / ㈱筑摩書房 刊 )












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ENZYME 酵素 Long Good-bye 2021・12・30

2021-12-30 04:44:00 | Weblog

  今日の「 お気に入り 」は 、ノンフィクション作家 ビル・ブライソンさん の

 著書 " The Body ― A Guide for Occupants " からの 抜き書き 。

  朝起きたときと夜眠りに就く前の一日2回 、毎日欠かさず 、口中を清潔に保つ

 努力をし続けた方がいいようです 。当たり前のことを軽視しがちな自分です 。
  
  一年の終わりに自戒の念を込めて 。 

     " It will not have escaped your attention that the mouth is a moist
    and glistening vault. That's because twelve salivary glands are distributed
    around it.
    A typical adult secretes a little less than one and a half quarts a day.
    According to one calculation, we secrete about 31,700 quarts in a
    lifetime ( about as much as you would get in two hundred or so deep
    baths ).
    
     Saliva is almost entirely water. Only 0.5 percent of it is anything else,
    but that tiny portion is full of useful enzymes ― proteins that speed
    up chemical reactions
.
    Among these are amylase and ptyalin, which begin to break down
    sugars in carbohydrates while they are still in our mouths.
    Chew a starchy food like bread or potato for a bit longer than normal
    and you will soon notice a sweetness. Unfortunately for us, bacteria
    in our mouths like that sweetness, too; they devour the liberated sugars
    and excrete acids, which drill through our teeth and give us cavities.
    Other enzymes, notably lysozyme ― which was discovered by
     Alexander Fleming before he stumbled onto penicillin ― attack many
    invading pathogens, but not the ones that cause tooth decay, alas
.
    We are in the rather strange position that we not only fail to kill the
    bacteria that give us a lot of trouble but actively nurture them.

     Just recently it was discovered that saliva also contains a powerful
    painkiller called opiorphin. It is six times more potent than morphine,
    though we have it only in very small doses, which is why you are not
    perennially high or indeed notably pain-free when you bite your cheek
    or burn your tongue. Because it is so dilute, no one is sure why it is
    there at all
. It is so unassertive that its existence wasn't even noticed
    until 2006.

     We produce very little saliva while we sleep, which is why microbes
    can proliferate then and give you a foul mouth to wake to. It is also
    why brushing your teeth at bedtime is a good idea because it reduces
    the number of bacteria you go to sleep with
    If you've ever wondered why no one wants to kiss you first thing in the
    morning, it is possibly because your exhalations may contain up to
    150 different chemical compounds, not all of them as fresh and minty
    as we might hope."
"

   ( 出典 :Bill Bryson 著 " The Body ― A Guide for Occupants " .
        Knopf Doubleday Publishing Group.
刊 )

  上掲の英語の文章は 、翻訳本の中で 、次のように 日本語訳されています 。

  「 口が 、湿ってぬらぬらと光るほら穴であることを見落とす人はいない 。
   それは口じゅうに十二の唾液腺が散在しているからだ 。典型的な成人は 、
   一日に約1.5リットル弱の唾液を分泌する 。
   ある計算によると 、わたしたちは生涯に約3万リットルの唾液を分泌する
   という ( 深いバスタブ2百杯分ほどに相当する ) 。
   

   唾液は 、ほとんど完全に水だ 。ほかの成分はは0.5パーセントのみだが 、
   そのわずかな部分に役立つ酵素 — 化学反応を促進するタンパク質 — がたく
   さん含まれている 。特に 、アミラーゼとプチアリンは 、炭水化物の糖質が
   まだ口の中にあるあいだに分解し始める 。パンやジャガイモのようなでん
   ぷん質の食物を普段より少し長く嚙んでいると 、すぐに甘みに気づくだろ
   う 。わたしたちにとって不運なのは 、口中の細菌も甘いものを好むことだ 。
   細菌は分解された糖質を貪(むさぼ)って 代わりに酸を排出し 、歯に穴をあ
   けて虫歯にする 。その他の酵素 、とりわけリゾチーム ― アレクサンダー・
   フレミングがペニシリンと遭遇する前に発見した酵素 ― は 、たくさんの
   侵入病原体を攻撃するが 、残念ながら 、虫歯の原因になる細菌とは戦って
   くれない 。わたしたちは 、たくさんの厄介事を引き起こす細菌を殺せない
   だけでなく 、積極的に育てているという 、やや奇妙な立場にある 。

    つい最近 、唾液にはオピオルフィンと呼ばれる強力な鎮痛成分も含まれ
   ていることが発見された 。モルヒネの六倍の効果があるが 、ごく少量し
   か入っていないので 、年がら年じゅうハイになることもなければ 、舌を
   火傷したり頬を噛んだりしたときに無痛でいられるほどでもない 。とて
   も希薄なので 、そもそもなぜそこにあるのか誰にもわからない 。控えめ
   すぎて 、2006年になるまでその存在すら知られていなかったのだ 。

    睡眠中は 、ほとんど唾液はつくられない 。だから 、そのあいだに細菌
   が増殖して 、起きると口の中がねばついたりする 。寝る前に歯磨きをす
   るのが有効なのも 、それが理由だ 。いっしょに眠る細菌の数を減らせる 。
    なぜ誰も朝一番に自分にキスをしたがらないのだろうといぶかったこと
   があるなら 、それはおそらく 、あなたの呼気に百五十種類もの化合物が
   含まれているせいだろう 。誰もが望むような 、さわやかなミントの香り
   がする物質ばかりではない
。」
        
   ( 出典 : ビル・ブライソン著 桐谷知未訳 「 人体大全 ― なぜ生まれ 、
         死ぬその日まで無意識に動き続けられるのか ― 」新潮社 刊 ) 

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BRAIN 脳 Long Good-bye 2021・12・25

2021-12-25 05:25:00 | Weblog


   今日の「 お気に入り 」は 、ノンフィクション作家 ビル・ブライソンさん の

 著書 " The Body ― A Guide for Occupants " からの 抜き書き 。

  ヒトを行動に駆りたてる「 情念 」、「 執念 」、「 情熱 」、 「 記憶 」、・・・ 。

  すべて 、脳 のうちにある 。玄妙な 器官 だなあ 、ほんと 。

  国産だけど 、部品の取り替えきかず 。年古れば 、バグるのもやむなしか 。
 
   " The great paradox of the brain is that
   everything you know about the world is provided to you by an organ
   that has itself never seen that world. The brain exists in silence and
   darkness, like a dungeoned prisoner. It has no pain receptors, literally
   no feelings. It has never felt warm sunshine or a soft breeze. To your
   brain, the world is just a stream of electrical pulses, like taps of Morse
   code. And out of this bare and neutral information it creates for you —
   quite literally creates ― a vibrant, three-dimensional, sensually engaging
   universe. Your brain is you.
   Everything else is just plumbing and scaffolding.
"  

    " ・・・ Your brain requires only about four hundred calories of energy a
    day ー about the same as you get in a blueberry muffin. Try running
    your laptop for twenty-four hours on a muffin and see how far you get.
     Unlike other parts of the body, the brain burns its four hundred calories
    at a steady rate no matter what you are doing. Hard thinking doesn't
    help you slim.
"

    " ・・・ nothing about your brain is distinctively human. We use exactly
    the same components — neurons, axons, ganglia, and so on — as a
    dog or a hamster.
"

    " ・・・ the brain manufactures all the components that make up our
    senses. It is a strange, nonintuitive fact of existence that photons of
    light have no color, sound waves no sound, olfactory molecules no
    odors. As James Le Fanu has put it, " While we have the overwhelming
    impression that the greenness of the trees and the blueness of the sky
    are streaming through our eyes as through an open window, yet the
    particles of the light impacting on the retina are colourless, just as the
    waves of sound impacting on the eardrum are silent and scent molecules
    have no smell. They are all invisible, weightless, subatomic particles
    of matter travelling through space. " All the richness of life is created
    inside your head. What you see is not what is but what your brain tells
    you it is, and that's not the same thing at all.
"

   " The upshot is that memory is not a fixed and permanent record, like a
    document in a filing cabinet. It is something much more hazy and mu-
    table. As Elizabeth Loftus told an interviewer in 2013, " It's a little more
    like a Wikipedia page. You can go in there and change it, and so can
    other people.
"

   ( 出典 :Bill Bryson 著 " The Body ― A Guide for Occupants " .
        Knopf Doubleday Publishing Group.
刊 )

  上掲の英語の文章は 、翻訳本の中で 、次のように 見事に 日本語訳されています 。

  プロのお仕事 。

  「 脳には重大なパラドックスがある 。世界について知っている
   すべてのことは 、世界を直接見たことのない器官によっても
   たらされている 。脳は 、地下牢に閉じ込められた囚人のよう
   に 、ひっそりとした暗がりに存在する 。脳自体には痛覚受容
   体はなく 、文字どおり無感覚だ 。温かい太陽の光も 、柔らか
   いそよ風もまったく感じていない 。脳にとって 、世界はモー
   ルス信号のトンツー音のような 、単なる電気パルスの流れだ 。
   そして 、その淡々としたおもしろみのない情報から 、あなた
   のために 、生き生きとして立体的で官能を刺激する宇宙をつく
   っている — そう 、文字どおりの意味で 、つくっている 。
   あなたの脳こそが 、あなただ
   その他すべては 、配管や足場にすぎない 。」

  「 脳は 、一日約四百キロカロリーのエネルギーしか必要としな
   い 。ブルーベリーマフィン一個でとれる程度のカロリーだ 。
   マフィン一個で二十四時間ノートパソコンを動かして 、どの
   くらい仕事がはかどるか考えてみるといい 。
    体の他の部分とは違って 、何をしていようと 、脳は一定の
   速度でその四百キロカロリーを消費する 。懸命に何かを考え
   ても瘦せるわけではない 。」

   「 ・・・ ヒトの脳には何ひとつ 、独自の特徴はない 。犬や
    ハムスターとまったく同じ構成要素 ― ニューロン 、軸索 、
    神経節 、その他 — を使っている 。」

   「 ・・・ 脳は五感を形成するすべての要素をつくり上げてい
    る 。光の粒子である光子に色がなく 、音波に音がなく 、
    匂いの分子に匂いがないというのは 、奇妙でにわかには
    信じがたいが 、厳然たる真実だ 。イギリスの医師で作家
    のジェームズ・レ・ファニュは 、こう語った 。『 わたし
    たちは 、木々の緑や空の青さが 、あいた窓から流れ込む
    かのごとく目から入ってくることにたとえようのない感銘
    を受けるわけだが 、実際には 、網膜に衝突する光の粒子
    は無色で 、同じく鼓膜に衝突する音波は無音 、匂いの分
    子は無臭だ 。それらはみんな 、目に見えず重さもない 、
    空間を移動する原子より小さい粒子なのだ 』 。人生の豊
    かさはすべて 、頭の中でつくられる 。見えているものは
    実際の姿でなく 、そういう姿だと脳が教えているもので
    あり 、ふたつはまったく別のものだ
。」

   「 要するに 、記憶はファイリング・キャビネットに収めた
    書類のように固定された永久の記録ではない 。もっとず
    っと漠然としていて 、移ろいやすいものなのだ 。エリザ
    ベス・ロフタスは 、2013年のインタビューでこう語
    った 。『 少しウィキペディアのページに似ています 。
    あなたはそこに入っていって書き換えることができるし 、
    ほかの人も同じように書き換えられます 。』 」
         
   ( 出典 : ビル・ブライソン著 桐谷知未訳 「 人体大全 ― なぜ生まれ 、
         死ぬその日まで無意識に動き続けられるのか ― 」新潮社 刊 ) 






                             
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VIRUS ウィルス Long Good-bye 2021・12・19

2021-12-19 13:55:00 | Weblog
   今日の「 お気に入り 」は 、ノンフィクション作家 ビル・ブライソンさん の

 著書 " The Body ― A Guide for Occupants " の 一節 。

 「 A VIRUS, IN the immortal words of the British Nobel laureate
  Peter Medawar, is " a piece of bad news wrapped up in a protein."
  Actually, a lot of viruses are not bad news at all, at least
  not to humans. Viruses are a little weird, not quite living
  but by no means dead.
   Outside living cells, they are just inert things.
  They don't eat or breathe or do much of anything.
   They have no means of locomotion. We must go out and collect
  them ―― off door handles or handshakes or drawn in with the
  air we breathe. They do not propel themselves; they hitchhike.
   Most of the time, they are as lifeless as a mote of dust, but
  put them into a living cell, and they will burst into animate
  existence and reproduce as furiously as any living thing.
   Like bacteria, they are incredibly successful. The herpes virus
  has endured for hundreds of millions of years and infects all
  kinds of animals ―― even oysters.

   They are also terribly small ―― much smaller than bacteria
  and too small to be seen under conventional microscopes.
  If you blew one up to the size of a tennis ball, a human would
  be five hundred miles high. A bacterium on the same scale would
  be about the size of a beach ball.


  上掲の一節は 、翻訳本の中で 、次のように 日本語訳されています 。

  「 イギリスのノーベル賞受賞者ピーター・メダワーの不朽の言葉によると 、

   ウィルスとは『 タンパク質に包まれた悪い知らせ 』だ 。

   実際には 、多くのウィルスは少なくともヒトにとっては 、悪い知らせ

   でもなんでもない 。

   ウィルスは少し風変わりで 、生きているとはいえないが 、決して死ん

   ではいない 。生体細胞の外では 、ただの不活性な物質だ 。食事も呼

   吸もせず 、ほとんど何もしない 。移動の手段も持たない 。自力では

   前進せず 、ヒッチハイクするだけだ 。わたしたちは外へ出て 、彼ら

   を集めてこなくてはならない 。ドアノブや握手を介して 、あるいは

   空気といっしょに吸い込むこともある 。ほとんどの場合 、ウィルス

   は一片の塵のごとく不活発だが 、生きた細胞の中に入れると 、突然

   活気に満ちた存在にになり 、どんな生き物にも負けないほど猛烈な

   勢いで増殖する 。

    細菌と同じく 、ウィルスは途方もない繁栄を誇っている 。ヘルペス

   ウィルスは何億年も前から存在し 、ありとあらゆる動物を感染させて

   きた ―― なんと牡蠣までも 。また 、彼らは恐ろしく小さい 。細菌

   よりずっと小さく 、あまりにも小さいので従来の顕微鏡では見えない 。

   テニスボールの大きさに拡大したとすれば 、同じ縮尺のヒトは身長八

   百キロメートルになる 。細菌はビーチボールくらいの大きさだろう 。」

   ( 出典 : ビル・ブライソン著 桐谷知未訳 「 人体大全 ― なぜ生まれ 、
         死ぬその日まで無意識に動き続けられるのか ― 」新潮社 刊 )

   インフルエンザウィルスや新型コロナウィルスは 、ヒトにとっては「 タンパク質に

   包まれた悪い知らせ 」そのもの 。ウィルスについてのこんな基礎知識すら知らずに 、

   この2年以上もの間 、右往左往してきたのかと思うと 、情けない 。

   パンドラの箱のふたが開いたのは 、中華人民共和国の武漢 であることは周知の事実 。

   移動の手段を持たないウィルスが 、世界中で蔓延する原因は 、「 人流 」だろうか 、

   「 渡り鳥 」だろうか 、それとも「 生きたペット 」の国境を越えた移動だろうか 。

   つまるところ 、「 人伝 」なんでしょうね 。

   「 人類 ノ 諸悪 ノ 根源 ハ 移動 スル ニ アル 」 らしい 。


   鳥インフルや豚インフル発生のときの防疫体制をみると 、そこここの国に 、昔も今も

   あると聞く「 収容所 」という「 三密 」の場所を思い浮かべる 。

    見たくないものは 、見ない 、見せない 、聞きたくないことは 、聞かない 、聞かせない

   のが世のならい 。

   ウィルスは 、高熱やエチル・アルコールには弱いのかな ? 

   一旦 、感染したら居なくなることはなさそうな 、不死身か 、お前は ? 
   


   さてと 、翻訳本には 、こんな一節もありました。話題としてはこっちの方が楽しい 。

   「 オックスフォード大学のアンナ・マチン博士によると 、人は誰かと

   キスをしているとき 、免疫反応に関連する組織適合遺伝子の見本を

   取っているのだという 。その瞬間には第一に考えてはいないかもし

   れないが 、要するに 、相手が免疫の観点から見てよいパートナー

   になるかどうかを試験しているのだ 。」

   ( 出典 : ビル・ブライソン著 桐谷知未訳 「 人体大全 ― なぜ生まれ 、
         死ぬその日まで無意識に動き続けられるのか ― 」新潮社 刊 )

  この一節の英語本の原文は、次のとおり 。

  「 According to Dr. Anna Machin of Oxford University,
   something you are doing when you are kissing another
   person is sampling his or her histocompatibility genes,
   which are involved in immune response. Though it may not
   be the matter uppermost on your mind at that moment,
   you are essentially testing whether the other person
   would make a good mate from an immunological perspective.


  ( 出典 :Bill Bryson 著 " The Body ― A Guide for Occupants " .
        Knopf Doubleday Publishing Group.
刊 )





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SCHALE シャーレ Long Good-bye 2021・12・14

2021-12-14 05:15:00 | Weblog



  今日の「 お気に入り 」は 、ノンフィクション作家 ビル・ブライソンさん の

 著書 " The Body ― A Guide for Occupants " の 一節 。

  ” Koch's discoveries are of course extremely well known,
   and he is justly celebrated for them. What is often
   overlooked, however, is what a difference small,
   incidental contributions can make to scientific progress,
   and nowhere was that better illustrated than Koch's own
   productive lab.
    Culturing lots and lots of different bacterial samples took
   up a great deal of lab space and raised the constant risk
   of cross-contamination. But luckily Koch had a lab assistant
   named Julius Richard Petri who devised the shallow dish
   with a protective lid that bears his name. Petri dishes
   took up very little space, provided a sterile and uniform
   environment, and effectively eliminated the risk of cross-
   contamination. But there was still a need for a growing medium.
    Various gelatins were tried, but all proved unsatisfactory.
    Then Fanny Hesse, the American-born wife of another junior
   researcher, suggested that they try agar. Fanny had learned
   from her grandmother to use agar to make jellies because
   it didn't melt in the heat of an American summer. Agar worked
   perfectly for lab purposes, too. Without these two
   developments, Koch might have taken years longer, or possibly
   never succeeded, in making his breakthroughs. ”


  文章の頭に出てくる Koch は 、ルイ・パスツールとともに 、「 近代細菌学の開祖 」とされる

 ロベルト・コッホさんのことです 。インターネットのフリー百科事典「 ウィキペディア 」日本語版

 には 、コッホさんの事績 、経歴が以下のように紹介されています 。

  「 ロベルト・コッホ、またはハインリヒ・ヘルマン・ロベルト・コッホ

  ( Heinrich Hermann Robert Koch 、1843年12月11日 - 1910年5月27日 )は 、

   ドイツの医師 、細菌学者 。当時は細菌学の第一人者とされ 、

   ルイ・パスツールとともに 、「 近代細菌学の開祖 」とされる 。

   炭疽菌 、結核菌 、コレラ菌 の発見者である 。純粋培養や染色の方法を改善し 、

   細菌培養法の基礎を確立した 。

   寒天培地ペトリ皿( シャーレ )は 彼の研究室で発明され 、その後 今日に

   至るまで使い続けられている 。

   また 、感染症の病原体を証明するための基本指針となる 、「 コッホの原則 」を

   提唱し 、感染症研究の開祖として医学の発展に貢献した 。

   経 歴

   ・ 1843年 、ヘルマン・コッホとヘンリエッテ・ビーヴェントの間にニーダーザクセン州
      の東南にあるクラウスタール( ハルツ近郊 、現在 ツェラーフェルトと合併し
      クラウスタール )で生まれ 、ゲッティンゲン大学を卒業 。

   ・ 1876年 、炭疽菌の純粋培養に成功し 、炭疽の病原体であることを証明した 。
      このことによって細菌が動物の病原体であることを証明し 、その証明指針で
      ある コッホの原則 を提唱した 。

   ・ 1882年3月24日 、結核菌を発見した 。ヒトにおいて炭疽菌と同様に病原性の証明を行
      って 、論文『 結核の病因論 』を著し 、ヒトにおいても細菌が病原体である
      ことを証明した( 後にこれを記念して 、3月24日は 世界結核デー と制定された )。

   ・ 1883年 、インドにおいて 、コレラ菌を発見 。

   ・ 1890年 、結核菌の培養上清から ツベルクリン( 結核菌ワクチン )を創製 。当初は
      治療用に使用することが目的だったが 、効果がなかったため 、現在では診断用
      のみに用いられている 。

   ・ 1893年 、妻エミーと離婚 、30歳年下の ヘドヴィグ・フライブルク と結婚 。

   ・ 1897年 、王立協会外国人会員 。

   ・ 1905年 、結核に関する研究の業績より ノーベル生理学・医学賞 を受賞 。

  ベルリン大学で教鞭を執り 、彼の弟子として 、

   ・ゲオルク・ガフキー - 腸チフス菌を発見した 。
   ・フリードリヒ・レフラー - ジフテリア菌の分離に成功し 、口蹄疫ウイルス を発見した 。
   ・エミール・ベーリング - 血清療法の研究により 1901年ノーベル生理学・医学賞 を受賞した 。
   ・パウル・エールリヒ - 化学療法の研究により 1908年ノーベル生理学・医学賞 を受賞した 。
   ・北里柴三郎 - 破傷風菌を純粋培養し 、血清療法 を発見・確立し 、ペスト菌 を発見した 。

  などを輩出した。

  1908年 、北里に招かれ来日 。

  1910年 、ドイツ南西部のバーデン=バーデンで逝去 。66歳没 。 」

  ビル・ブライソンさん の 著書 " The Body ― A Guide for Occupants " の本文ではなく

  註書きの中にある 、上掲の一節は 、翻訳本の中で 、以下のように 翻訳されています 。

  AIには真似の出来ない 、プロフェッショナルな 、いい和訳 。

  「 コッホの数々の発見はもちろんとても有名だし 、称賛されるのも当然のことだ 。
   しかしよく見逃されるのは 、小さな付随的な貢献が科学の進歩にどれほどの変化を
   もたらしうるかということで 、コッホの生産的な研究室ほどそれをよく表わしてい
   る例はほかになかった 。

    研究室では 、さまざまな細菌の試料を次から次へと培養していたが 、それが大きな
   場所を取るようになり 、交差汚染の絶え間ない危険性が高まった 。しかし好運にも、
   コッホには 、ユリウス・リヒャルト・ペトリという名の研究助手がいた 。
   保護用の蓋がついた浅い皿を発明し 、それに名前を残した人物だ 。
    ペトリ皿はほとんど場所を取らず 、無菌で一定した環境をつくり 、交差汚染の危険
   を効果的に取り除いた 。しかしそれだけでなく 、新しい生育培地も必要だった 。
   多様なゼラチンが試されたが 、すべて不満足なものだとわかった 。そんなとき 、別の
   ある若手研究者のアメリカ生まれの妻 、ファニー・ヘッセが 、寒天を試してはどうかと
   提案した 。ファニーは祖母から 、寒天を使ってゼリーをつくる方法を学んでいた 。
   アメリカの夏の暑さにも溶けなかったからだ 。寒天は研究目的でも完璧に機能した 。

    このふたつの展開がなければ 、コッホは画期的な発見をするのに何年も長くかかった
   か 、あるいは成功すらしなかったかもしれない 。 」

   ( 出典 : ビル・ブライソン著 桐谷知未訳 「 人体大全 ― なぜ生まれ 、
         死ぬその日まで無意識に動き続けられるのか ― 」新潮社 刊 )



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侍ニッポン Long Good-bye 2021・12・10

2021-12-12 22:00:00 | Weblog

   今日の「 お気に入り 」は 、昨日の続き 。

   インターネットのフリー百科事典「 ウィキペディア( Wikipedia )」掲載の記事によると 、
  
  「 侍ニッポン ( さむらいにっぽん ) 」は 、郡司次郎正 ( ぐんじ じろうまさ 、1905 - 1973 ) さんが

  お書きになった小説で 、1931年 ( 昭和6年 ) 以来 、5度にわたって 、映画化されたそうです 。

   1931年版の「 侍ニッポン 」は 日活 により、1935年版の「 新納鶴千代 」は 新興キネマ により 、

  1955年版の「 侍ニッポン新納鶴千代 」は 東映 により 、1957年版は 松竹 により映画化され 、そして

  5作目の1965年版「 侍 」は 、三船プロダクションの制作 だとか 。

   主演は 、1931年版が 大河内伝次郎さん 、1935年版が 坂東妻三郎さん 、1955年版が 東千代之介さん 、

  1957年版は 田村高廣さん 、そして1965年版は 三船敏郎さん 。 

   戦前から戦中の昭和時代に活躍した芸大出のバリトン歌手 、徳山 璉( とくやま たまき )さん が

  流行歌手としてデビューした次の年 、1931年 ( 昭和6年 ) の楽曲「 侍ニッポン 」( 作詞:西條八十、

  作曲:松平信博 ) は 、日活により映画化された 1931年版の映画「 侍ニッポン 」の主題歌 として 、

  ビクターレコードより発売され 、1931年だけで 10万枚を売り上げる大ヒットとなったそうです 。

   西條八十さん作詞の「 侍ニッポン 」は 、こんな歌詞 。

   「 ♬
      一、
      人を斬るのが 侍ならば
      恋の未練が なぜ斬れぬ
      のびた月代 寂しく撫でて
      新納鶴千代 にが笑い

      二、
      昨日勤王 明日は佐幕
      その日その日の 出来ごころ
      どうせおいらは 裏切者よ
      野暮な大小 落し差し

      三、
      流れ流れて 大利根越えて
      水戸は二の丸 三の丸
      おれも生きたや 人間らしく
      梅の花咲く 春じゃもの

      四、
      命取ろうか 女を取ろか
      死ぬも生きるも 五分と五分
      泣いて笑って 鯉口切れば
      江戸の 桜田 雪が降る    (^^♪ 」

   なお 、歌手の徳山 璉さんは 、一番の歌詞を言い間違え「新納鶴千代(ニイロツルチヨ)」を「シンノウツルチヨ」と

  歌ってしまったそうです 。「 シンノウ 」って読むのが フツウ のような気もします 。

   因みに 、物語の主人公 「 新納鶴千代 」さん は 、時の大老「井伊直弼」さん の御落胤 という設定 。

   一粒で何度もおいしい芸能界 。





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コロッケの唄 Long Good-bye 2021・12・09

2021-12-09 05:30:00 | Weblog


  今日の「 お気に入り 」は 、大正時代の流行歌「 コロッケの唄 」と戦前の昭和の流行歌「 ルンペン節 」 。


  まずは 、「 コロッケの唄 」( 作詞 :益田太郎冠者 ) 。四番まであるよう 。

  筆者が 覚えているのは 、歌詞に「 コロッケ 」が出てくる「 一番 」とそのメロディーだけ 。

  二番以下は記憶にありません 。多分 、懐かしのメロディーとして 、昭和20年代か30年代にラジオか

  テレビで聞いたはずで 、その時に歌っていたのが 、どこの どなただったのかは覚えていません 。


  「 一 .
   ワイフもらって 嬉しかったが
   何時も出てくる
 副食物(おかずはコロッケ
   今日もコロッケ 明日もコロッケ
   これじゃ年がら年中コロッケ
   アハハハ アハハハ
   こりゃ可笑し(おかし)
 ♬

   二 .
   晦日( みそか )近くに 財布拾って
   開けて見たらば金貨が
   ザッククザク ザックザク
   株を買おうか 地所を買おうか
   思案最中に 眼が覚めた
   アハハハ アハハハ
   こりゃ可笑し  ♬

   三 .
   芸者が嫌なら 身受けしてやろ
   帶も買ってやろ
   ダイヤもやろう やろう
   今日は三越 明日は帝劇
   いふて呉れるやうな客がない
   アハハハ アハハハ
   こりゃ可笑し  ♬

   四 .
   亭主もらって 嬉れしかったが
   何時も出て行っちや滅多に
   帰らない 帰らない
   今日も帰らない 明日も帰らない
   これじゃ年がら年中 留守居番
   アハハハ アハハハ
   こりゃ可笑し  ♬          」


   コロッケが日本の食堂・洋食屋で提供開始されたのは明治30年代のことだそうです 。

   この 「大正時代の流行歌『 コロッケの唄 』により 、コロッケ料理の知名度が高まり 」 、

  コロッケは 、「 以後日本人にとって最もポピュラーな洋食の一つになった 」そうです 。


   もう一つは 、戦前の昭和の流行歌「 ルンペン節 」( 作曲 松平信博 ( ビクター文芸部 ) 作詞 柳水巴 )。

  戦後生まれで 、団塊世代の筆者の記憶にあるのは 、「 スッカラカーンの 空財布 でも 、

  ルンペンのんきだね
」 というフレーズとメロディーのみ 。


  「 ♬ 青い空から紙幣の束が降って

     とろり昼寝の 頬ぺたをたたく

     五両十両百両に千両

     費い切れずに 目がさめた

     アーハッハッハ アッハッハ

     スッカラカンの 空財布

     でも 、ルンペンのんきだね


     ( 中 略 )

     金がないとて くよくよするな

     金があっても 白髪ははえる

     お金持ちでも お墓はひとつ

     啼くも笑うも 五十年


     アーハッハッハ アッハッハ

     スッカラカンの 空財布

     でも 、ルンペンのんきだね
  (^^♪  」


   このルンペン節を歌ったのは 、戦前から戦中の昭和時代に活躍した芸大出のバリトン歌手 、

  徳山 璉( とくやま たまき )さん
。インターネットのフリー百科事典「 ウィキペディア 」に

  は 、以下の経歴記事が掲載されています 。ちょっと長いですが引用します 。


  「 徳山 ( とくやま たまき 、1903年〈 明治36年 〉7月27日 - 1942年〈 昭和17年 〉1月28日 )は、

   戦前から戦中に活躍した日本の声楽家( バリトン )・流行歌手・俳優 。

   愛称は『 徳さん 』。


   人物・来歴

   1903年( 明治36年 )7月27日 、神奈川県高座郡藤沢町( 現在の同県 藤沢市 )の開業医の家に

   生まれた 。

    開校したばかりの 逗子開成中学校( 現在の逗子開成高等学校 )を経て 、1928年( 昭和3年 )、

   東京音楽学校声楽科( 現在の東京芸術大学音楽学部声楽科 )を卒業 。武蔵野音楽学校( 現在の

   武蔵野音楽大学 )の教師になった
が 、流行歌手として日本で初めて大スターになった佐藤千夜子

   のピアノ伴奏をした縁で 、1930年( 昭和5年 )、ビクターから『 叩け太鼓 』で流行歌手として

   デビュー 。翌年には『 侍ニッポン 』が大ヒットとなった 。その後も『 ルンペン節 』や 、四家

   文子と共演の『 天国に結ぶ戀 』など数多くのヒット曲に恵まれた 。『 隣組 』、『 歩くうた

   など 、国民歌謡からヒットした曲もある 。


   一方 、声楽家としても活躍し 、ジョルジュ・ビゼーのオペラ『 カルメン 』のエスカミーリョが

   当たり役
であった 。ベートーヴェンの『 交響曲第9番 』の演奏にも 、バリトン・ソロとして何回

   か出演
している 。昭和10年代前半には 古川ロッパ一座 に入り 、『 ガラマサどん 』、『 東海道

   中膝栗毛 』などの舞台に出演したり 、「 シネオペレッタ 」と呼ばれた音楽映画にも出演するなど

   幅広く活躍
した 。

   レコードとして残っているのはほとんどが流行歌だが 、明るく軽やかなバリトンで 、小節などの

   『 邦楽的 』な発声法は全く使われていない 。音楽学校出身の歌手としては珍しく 、コミック・

   ソングも得意とし『 ○○ぶし 』『 歌ふ弥次喜多 』( 古川ロッパと共演 )など多数の傑作を遺

   している


   ルンペン( ホームレス )・療養所・盲学校 などへの慰問活動にも熱心で 、東京の盲学校で全盲

   の生徒に自慢の太鼓腹を触らせ 、『 お相撲になっていたら 今頃は双葉山を負かしていたかもね 』

   などと笑わせたという話も残っている 。

    1935年 結婚し 、藤沢町鵠沼に新居を構えた 。私生活面では 、外見の豪放磊落さとは反対の小心

   な性格で 、勝ち気な妻( 寿子・旧姓 萩谷 、1902年 - 1992年 )に頭が上らず 、かなりいじめ

   られたが 、友人たちにはさも楽しそうにそのことを話していたという 。人気絶頂のころの1942年

   ( 昭和17年 )1月28日 、敗血症のため死去 。満38歳没 。
友人の古川ロッパは舞台出演中に徳山

   の訃報を聞いて衝撃を受け 、弔問であたりはばからず号泣した 。墓所は 常光寺( 藤沢市 )。

    妻・寿子は( 坂本龍一『音楽は自由にする』新潮社、2009年 )に『 1902年 大阪府生まれ 。

   母は女医 。東京女子高等師範学校( 現・お茶の水女子大学 )に入学するが中退し 、音楽学校

   に編入 。コップなどを使った創作楽器の演奏で活躍し 、「 徳山寿子のキッチン楽団( 坂本も

   参加 )」はテレビ番組にも出演 。高校の校歌の作曲や 、童謡の編曲も手がけた 。

   また 、『 モガ 』の先駆けとしてもメディアに登場している 。92年没 。』とある 。

    息子には 、ジャズ・ピアニストの徳山陽がいる 。              」

   引用 、ここまで 。


   夫 、満38歳で病死 、妻 、90歳まで長生き 。

   ( 筆者註 : ルンペンは 、ドイツ語の Lumpen で 、「 スーパー大辞林 」には
        「〔襤褸 ( ぼろ ) ・ 屑 の意 〕襤褸をまとってうろつく人 。浮浪
         者 。乞食 ( こじき ) 。」と書かれている 。
        「 ウィキペディア 」には 、 「 ルンペン : ホームレス 、浮浪者 、乞食 。
         ルンペンプロレタリアートの略 。」とニ、三行の説明があるのみ 。
         また 、「 ルンペンプロレタリアート 」については 、次のような解説記事が掲載されている 。

         「 ルンペンプロレタリアート( 独 : Lumpenproletariat )とは 、
          カール・マルクスが使用した用語で 、プロレタリアート( 労働者階級 )のうち
          階級意識を持たず 、そのため社会的に有用な生産をせず 、階級闘争の役に立たず 、
          更には無階級社会実現の障害となる層を指す呼称 。略して「 ルンプロ」ともいう 。
          ルンペンプロレタリアート( Lumpenproletariat )の用語は 、
          「 ぼろ 、浮浪者 、悪漢 」などを意味する「ルンペン」( 独 : lumpen )と、
          労働者階級を意味する「 プロレタリアート 」( 独 : proletariat )より作られた 。

          カール・マルクスは 、『 共産党宣言 』( 1848年 )や『 ルイ・ボナパルトのブリュ
          メール18日 』( 1852年 )において 、無産階級や労働者階級の中でも革命意欲を失
          った極貧層を「 ルンペンプロレタリアート 」と定義した 。
          中でも『 ルイ・ボナパルトのブリュメール18日 』でルイ・ボナパルト( 後のナポレ
          オン3世 )の支持組織「 12月10日会 」の背景と構成を説明するくだりで 、「 ルンペン
          プロレタリアート 」の「 職業 」を以下のように述べている 。

           「 なんで生計を立てているのかも 、どんな素性の人間かもはっきりしない 、
             おちぶれた放蕩者とか 、ぐれて冒険的な生活を送っているブルジョアの
             子弟とかのほかに 、浮浪人 、兵隊くずれ 、前科者 、逃亡した漕役囚 、
             ぺてん師 、香具師 、ラッツァローニ 、すり 、手品師 、ばくち打ち 、
             ぜげん 、女郎屋の亭主 、荷かつぎ人夫 、文士 、風琴ひき 、くず屋 、
             鋏とぎ屋 、鋳かけ屋 、こじき 、要するに 、はっきりしない 、ばら
             ばらになった 、浮草のようにただよっている大衆
、フランス人がラ・
             ボエムと呼んでいる連中
             — 『 ルイ・ボナパルトのブリュメール18日 』( 大月文庫版 ) p.89~90 」 

           モノマニアックなマルクスさんのお言葉の数々 。170年前の 、19世紀の半ばとはいえ
          文章の中に差別用語が溢れ 、差別意識が充満していて 、現代社会なら 炎上間違いなし 、
           読むのが 辛い 。

           列挙されている職業・職種が 、ほぼ全部 、21世紀の日本社会に形を変えて存在して
          いる事実に驚愕する 。
          
          「 ルンペン 」という日本語を新聞紙上で見かけることがなくなり 、死語 に近い 言葉
          になっている理由が何となく察せられる 。「 ホームレス 」の一語で十分 。

           この世は、マルクスさん が定義した「 ルンプロ 」で溢れ返っているような 、いずこの国も 、
          今も 、昔も 。

           ラッツァローニ って 何 ? フランス人が ラ・ボエム と呼んでいる連中 って 何 ? )




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種田山頭火 Long Good-bye 2021・12・07

2021-12-07 09:30:00 | Weblog

   今日の「 お気に入り 」 。

    「 ぶらりとさがつて雪ふる蓑虫 」

    「 ひつそり暮らせばみそさざい 」

    「 あたたかなれば木かげ人かげ 」

    「 住みなれて藪椿いつまでも咲き 」

    「 ほろにがさもふるさとの蕗のとう 」

    「 ある日は人のこひしさも木の芽草の芽 」

    「 人声のちかづいてくる木の芽あかるく 」

    「 草のそよげば何となく人を待つ 」

    「 照れば鳴いて曇れば鳴いて山羊がいつぴき 」

    「 てふてふもつれつつかげひなた 」

    「 からまつ落葉まどろめばふるさとの夢 」

    「 あるけばかつこういそげばかつこう 」

                ( 山頭火 )

    ( 出典: 種田山頭火 著 村上護 編 小崎侃・画 「 山頭火句集 」ちくま文庫 / ㈱筑摩書房 刊 )



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新型インフルエンザ  Long Good-bye 2021・12・02

2021-12-02 05:15:00 | Weblog


   今日の「 お気に入り 」は 、インターネットのフリー百科事典「 ウィキペディア 」日本語版 に

   掲載されている「 武漢肺炎 」というタイトルの記事 。

   鳥インフルエンザ 、高病原性鳥インフルエンザ 、

   豚インフルエンザ 、ぶたインフルエンザ、swine influenza , swine flu , hog flu , pig flu 、

   豚由来インフルエンザ( swine-origin influenza virus, S-OIV )、豚インフル 、豚フル   

   ・・・・・・

   トリやブタやコウモリにあるんなら 、他の生き物に悪さする 、ウィルスだってあるんでしょうね 。


   呼び名が違い 、ウイルスの姿 、形も様々あれど 、ヒトにうつれば「 新型インフルエンザ 」 。

   閑話休題 、「 オミクロン変異株 」の おおもと コウモリ由来の「 新型 コロナ ウィルス 」

   またの名を 「 武漢ウィルス 」、発症すると「 武漢肺炎 」。

   名前は何であれ 、要するに「 新型インフルエンザ 」。

   呼び名 変えても 、対策同じ 、ワクチン ・ マスク・ 抗ウィルス薬

   引用 、はじめ 。


  「 武漢肺炎( ぶかんはいえん 、繁体字: 武漢肺炎 ; 簡体字 : 武汉肺炎 ; 英 : Wuhan pneumonia )、

   武漢ウイルス( ぶかんウイルス 、繁体字 : 武漢病毒 ; 簡体字 : 武汉病毒 ; 英 : Wuhan virus )とは 、

   2019年新型コロナウイルス感染症( COVID - 19 )の呼称の一つで、中華人民共和国湖北省武漢市で

   初めて検出されたことにちなむ名称
である。

    世界保健機関( WHO )は 2015年に、新たに発見された病気名に地域名を用いない

   ガイドライン
を定めており 、WHO や 中華人民共和国政府は この呼称 に反対 している 。

    しかしながら、同政府と対立し WHOから排除されている中華民国( 台湾 )や 、2019年の

   逃亡犯条例問題 や 翌年の国家安全法問題 などで中央政府への反感が強まっている 香港 などでは

   『 武漢肺炎 』や それを省略した『 武肺 』の呼称が 一般に用いられている


   中国における状況

    感染初期の時点では中国国内のメディアでも『 武漢肺炎 』の呼称が使用されており 、

   特段の問題視はされていなかった


   日本における状況

    日本においても 中国共産党に批判的な保守派・右派などを中心に 、中国政府の責任を

   問う目的などから『 武漢 』や『 中国 』を含んだ名称が用いられることがある


    2020年( 令和2年 )2月14日 、自由民主党所属で同党の右派系グループ

   『 日本の尊厳と国益を護る会 』の代表幹事である青山繁晴参議院議員は『 WHO が決めた

   『 COVID - 19 』は覚えにくいし 、病気の本質が理解しづらい 。『武漢熱』と呼ぶべきだ 』

   と述べたほか 、同年3月3日には 同じく自民党所属の参議院議員である 山田宏 が 、

   答弁において『 武漢肺炎 』という表現を使用している 。また3月10日には麻生

   太郎副総理 も『 武漢ウイルスなるもの 』といった発言をしている 。

    民間でも 、東京都内の喫茶店で『 武漢風邪で暫くお休みします 』という張り紙が

   貼られた例がある 。

    しかしながら 、日本国内では WHOの見解を引用する形で 、『 武漢肺炎 』・

   『 武漢ウイルス 』といった呼称を『 差別的 』とする意見も 左派・リベラル派を

   中心 に根強いため 、台湾 や 香港 と違って マスメディア等で使用されることは

   少ない 。東京都 も 、2020年( 令和2年 )6月に実施されたデモにおいて

   発言されたとされる『 武漢菌をまき散らす支那人 、出ていけ 』などの3つの言動が

   『 不当な差別的言動 』であると同年10月13日に 認定した 。

    一方 、中国以外の各地で発生した変異株 については 当初『 イギリス株 』

   『 南アフリカ株 』『 インド株 』などと国名を冠して呼ばれたが 、2021年5月

   31日 に WHOでは ギリシア文字を使用する 新たな命名法 を採用している 。

    しかしながら 、日本のマスメディアにおいては その後も『 インド型 』などの

   表記が見られるなど 、徹底していない 。

    また 、保守論客による著書で『 武漢肺炎 』の見出しが使われることがある ものの 、

   新聞広告などでは 当該部分を伏せ字で隠す処置 を施して掲載する 新聞社 もある 。

   アメリカ合衆国における状況

    アメリカ合衆国のドナルド・トランプ前大統領は 、COVID - 19 の流行以降

   中国政府に敵対的姿勢を採っており 、同ウイルスをたびたび『 中国ウイルス

   ( 英 : Chinese virus / China virus )』や『 カンフルー( 英 : Kung - Flu )』と呼称

   している 。

    アメリカ疾病予防管理センター長 の ロバート・レッドフィールド は 、

   このウイルスの感染被害は中国に限られていないため『 中国 』の名前を冠するのは

   不適切だと指摘した 。アジア系アメリカ人などがこの名称に起因する差別を

   受けたと主張しており 、2020年9月17日には 野党民主党が多数を占める同国

   下院において 、『 中国ウイルス 』・『 武漢ウイルス 』といった呼称は アジア系に

   対する差別的な呼称である との決議案 を 賛成多数で採択した 。しかし 、トランプは

   在任中『 中国ウイルス 』の呼称を使用し続け 、退任時の演説でも使用した 。

    2021年より トランプ に代わって大統領となった ジョー・バイデン は 、

   『 中国ウイルス 』『 武漢ウイルス 』といった名称を禁止する 大統領令 に署名した 。

   その他の類似した呼称

    イタリアの中国問題専門家 マルコ・レスピンティ は 、『 中共ウイルス( 英 : CCP virus

   中 : 中共病毒 )」という呼称を提案し 、法輪功系の大紀元時報 など 、『 反中国共産党 』

   を掲げる 一部メディア で使用されている 。 」

    引用、ここまで 。

    「 呼び名 」は どうあれ 、2019年の年半ばには「 中華人民共和国湖北省武漢市で

    初めて検出されていた 」という地理的事実は 、隠しようも無く 、無かったことには出来ません 。

    発祥から 、約2年半 、2021年12月現在 、グローバルには 再燃を繰り返し 、収束する気配は 全くありません 。

    先々 世界各国の歴史教科書に 記録され 、21世紀の歴史的病毒の発生地として 、永く語り継がれていくことでしょう 。

    折りしも 、世界の商品市場における 、共産党中国の 「 エコノミック・アニマル 」 ぶりは 、

    1980年代の日本企業の中国 、東南アジアへの経済進出を彷彿とさせるものがあります 。

    日本の10倍以上の人口を擁する 共産党中国の アジア・アフリカの発展途上国における資源調達や低賃金労働の搾取 、

    まるで 、カネ・カネ・カネ の 資本主義 、帝国主義の 権化 みたいな エコノミック・アニマルぶり ・・・( ^ω^)・・・ 。


     「 人類 ノ 諸悪 ノ 根源 ハ 移動 スル ニ アル


    ( 筆者註 : ギリシア文字;
         Α α アルファ     Ν ν ニュー
         Β β ベータ       Ξ ξ クシー
         Γ γ ガンマ       Ο ο オミクロン
         Δ δ デルタ      Π π パイ
         Ε ε エプシロン    Ρ ρ ロー
         Ζ ζ ゼータ      Σ σ ς シグマ
         Η η イータ      Τ τ  タウ
         Θθ シータ      Υυ  ウプシロン
         Ι ι イオタ      Φ φ ファイ
         Κ κ カッパ      Χ χ カイ
         Λ λ ラムダ      Ψ ψ プシー
         Μ μ ミュー      Ω ω オメガ  

         Ο , ο 〈オミクロン、古代ギリシア語: οὖ ウー、ギリシア語 : όμικρον、英 : omicron 〉は 、
         ギリシア文字の第15字母 で 、「 オ・ミークロン 」とは小さい「 」という意味で 、
         「 オメガ 」( Ω )と対になる名前
、だそうです 。
         ごく微小なウィルス には ふさわしい お名前 。ここらで打ち止めにしてほしいけど 、
         そうは問屋が下ろさないんでしょうね 。 )


                             

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