日本共産党都議会議員(町田市選出)池川友一「市民とつくる都政への架け橋」

日本共産党東京都議会議員の池川友一のオフィシャルブログです。地方政治の現場からいろいろと発信していきます。

都教委と都議会自民党は時代遅れ? 性教育について、少なくとも世論とのギャップはすごすぎる

2018-05-11 | 東京都政・都議会のこと

 日本テレビのスッキリが、あなたはどっち派!? スッキリJUDGEのコーナーで「中学校3年生にに『性交・避妊』を詳しく授業するのは」という調査。

 結果は、圧倒的な差をつけて「あり」。

 番組では、東京都足立区の中学校で行われた性の授業について取り上げ、都教委が「性交を助長する可能性」があると主張していることも紹介されていました。

 一方で、世界に目を転じた話も。世界では15歳までに性交・避妊を詳しく教えているという事実も紹介。

 ダイヤモンドonlineに掲載された「日本の性教育は時代遅れ、ユネスコは小学生に性交のリスク教育推奨」に詳しく紹介されていますが、その中で埼玉大学教育学部の田代美江子教授が紹介していることがとても重要だと思います。一部引用します。

「性を知ることは、自分自身を肯定的に理解することであり、それは、自分の身を守るための知識を得ることにもなります。そもそも大人たちが体系的な性教育を受けていないので、『小学生には早い』『中学生に避妊なんて教えてどうするんだ』という価値観を持っていて、これがストッパーになってしまうのです。しかし、グローバルスタンダードの指標として、ユネスコが出している『国際セクシュアリティ教育ガイダンス』を例に出すならば、性教育の開始は5歳から設定しています。ちなみに、ヨーロッパの性教育スタンダードでは0歳からです」

 性教育をめぐっては、東京都教育委員会が「指導」すると都議会で発言したわけですが、科学的な知見と子どもたちの実態を踏まえた対応が必要です。

 先日の東京都教育委員会では「現場は萎縮しないで」と、委員が発言していたが、すでに萎縮しすぎているのを解きほぐすのは容易ではないと思います。今年度中に行われる「性教育の手引き」の改訂過程で、子どもたちの実態に目を向け医療を始め専門的知見を取り入れるべきです。

 その際、国際的な水準を見据えること、そして今回のスッキリで明らかになった声は参考にすべきです。

 

 

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経済と持続可能な発展──『スウェーデンの小学校社会科の教科書を読む』を読んでみた⑼

2018-05-10 | 学んだこと、政策のこと

 次の第4章は経済です。

なぜ、お金は大切なの?

 (略)
 一つの同じ社会のなかで、私たちは大変異なる暮らしをしています。通りに座って物乞いをしている人もいれば、とても豊かで、働く必要のない人もいます。
 私たちの大多数は、その間にいます。けれども私たちは、安心で確実な未来を夢見ています。多くの場合、それはお金を確実に手に入れることと同じ意味です。とはいうものの、私たちが幸せであると感じるためには、お金よりも多くのモノが必要なことは知っていますよね。(92〜93ページ)

 「なぜ、お金は大切なの」という、かなりストレートな問いから貧困と格差の問題を提起しています。

 その後、「自分自身の経済について、責任をもつということを学ぶことはよいこと」であると書いてありますが、これも日本とは視点が違うなと感じます。

 仕事をすれば収入があり税金を払うこと、その税金によって社会サービスが成り立っていることなどが丁寧に解説されています。

 さらに、支出をチェックし、予算をつくること、お金が十分でなかった場合には収入を増やすか支出を減らすこと、働いていても失業する場合があることなどが取り上げられています。

■経済とは、選択すること

 「経済とは、選択することです」という切り口で、何を取得し何を諦めるのかということを実践的に学んでいきます。

 「生活水準は、モノやお金以外のことにも関係があります。あなたが社会で利用できている学校や医療ケアがどのくらいよいものなのか、また機能している民主制ものとで暮らしているのか、といったことからも測ることができるのよ」(108ページ)というストレートな投げかけもあります。

■持続可能な発展を学ぶ

 経済という切り口から、消費者教育を行っていることも大きな特徴です。

私たちが買ったモノは環境に影響を与えます

 自分の買ったモノが社会環境にどのような影響を与えるのかについて考えることは、すっかり一般的なこととなりました。もし、スウェーデンで、若者も大人もモノを買えるだけ買い、貯金を最小限にしたらどうなるでしょうか。それはよいことでしょうか。それとも悪いことでしょうか?
 実は、その答えは両方なのです。社会の経済としては、買ったモノを製造している会社の仕事が増えます。そうすれば、より多くの人が仕事を得ることができます。多くの人が仕事をすれば、税金を納めてくれるし、必要となる手当の額も減ります。そうすれば、市には多くの税金が入ります。そうすれば市はより多くの先生を雇うといったことに、より多くのお金を使うことができます。
 多くを消費することの欠点は、環境が破壊されることです。より多くのモノをつくるためには、たとえば石油などの天然資源をたくさん必要とします。
 発展を持続可能にしつつ、社会の経済的な利益とのバランスを考えた、環境に優しい消費をしなくてはなりません。それは、難しいことでもあります!(113〜114ページ)

 この後に「持続可能な発展とは、将来の世代が満足に生活する可能性を損ねることなく、今の私たちが満足に生活できるような発展のこと」(ブルントランド委員会による国際連合報告書「私たちの共有の未来」)という言葉が続いています。

 環境問題を切り出して論じるわけでなく、経済活動の中に位置付けて自分たちはどうすべきかということを投げかけているのです。SDGsが今日的な課題となっていますが、スウェーデンではかなり以前からこうした教育が行われていることを示しています。

 訳者の鈴木教授が次のように述べていることに、全面的に共感しました。

 環境についても同様です。日本でも環境問題への関心は高いですし、環境を守る必要性については、小学校でしっかりと意識させる教育を行っていると思います。ただし、大学生たちが指摘しているように、それは「環境」という章で学ぶものであって、「経済」の章で学ぶものとはなっていません。ましてや、「私たちの買い物は環境に影響を与えます」などとは書いていないでしょう。
 とはいえ、やみくもに「環境を守れ」とか「経済活動をセーブしろ」と言っているわけではありません。この教科書が環境に関して子どもたちに伝えたいことは、「環境に責任を持った『持続可能な』決定を下すのは、常に簡単なことではありません」ということです。どのような決定を下せばよいのか、その答えは示されていないのです。なぜなら、それは子どもにかぎらず、またスウェーデンにかぎらず、答えの出ていない問題だからです。しかし、それを考えさせること自体には大きな意味があるのです。
 ところで、このような「答えのない問題」は、小学校から高校までの日本の教育ではあまり大事にされていません。なぜなら、入試の問題に出ないため、勉強しても無駄とみなされるからです。(120〜121ページ)

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共産党都議団で国交相に「リニア中央新幹線に関わる大深度地下使用の認可を行わないよう求める要望」

2018-05-09 | 国政のこと

 9日、日本共産党都議団(沿線の品川は白石都議、大田は藤田都議、世田谷は里吉都議、町田は池川と曽根団長の各都議)として山添拓参議院議員、宮本徹衆議院議員、沿線の区市議員団とともに「リニア中央新幹線に関わる大深度地下使用の認可を行わないよう求める要望」を国土交通大臣あてに行いました。

 要請で具体的に求めた項目は2つ。

 (1)リニア中央新幹線にかかわる大深度地下使用の許可を行わないこと。
 (2)全国新幹線鉄道整備法に基づく工事実施計画の認可を取り消すこと。

 その場でいきなり「はい、そのようにします」とはならないわけですが、具体的事例を紹介しながら問題点を指摘しました。 

■残土(建設発生土)はどうなるのか

 総量5680万㎥(東京都区間は600万㎥)をどこに処理するのかが大問題です。

 現在のところ、神奈川県平塚市や伊勢原市の区画整理事業や建設資源広域利用センター(UCR)に持ち込んでいるそうですが、今後の見通しについては「事業の進捗に応じて」の一点張りで、交渉をどう行なっているかも明らかにしませんでした。

 町田市の小野路非常口(立て坑)からは250万㎥の残土が出ることになっています。周辺住民への影響は甚大なことは間違いありません。

■資産価値が下がった場合にどうするのか、地権者も知らないという大問題

 大深度地下(地上から40メートルより深い場所)を使用する場合、地権者への了解が必要ないという大問題があります。

 つまり、自分の家の下に構造物が作られるのに知らないまま、工事が行われようとしているのです。

 リニアが我が家の下を通ると知っている人がほとんどいないのはなぜか。それは、「あなたの家の下を通ります」という説明もなければ、何のお知らせもないからです。

 民法上は、権利があるにもかかわらず、JR東海は「認可を受け使用する場合には、地上の権利が及ばないとされています」と虚偽の説明をしてきた問題は、衆議院で共産党の本村伸子議員が取り上げ、国も「大深度地下にも土地の所有権が及んでいる」と答弁しています。(参考:大深度地下にも土地の所有権が及んでいる──JR東海の説明はごまかし(衆院予算委・本村質問)

 つまり、大深度地下でも土地の所有権はあるのです。所有権がある人に個別に知らせることなく、粛々と工事が進められようとしていることは、絶対に見逃す事のできない大問題です。

 だいたい、所有権のある人たちに対して、家屋調査もやらずにどうやって工事の影響で地盤沈下したのか、家に亀裂が生じたのかを判断するというのでしょうか。大深度地下法を用いて行われている外環道でさえ、家屋調査は行なっています。

 しかも、仮に地下にリニアが通ったことにより資産価値が下がった場合には、誰がそれを補償するのかという問題もあります。

 要請では、10日から各地で行われる説明会も地権者に直接案内がないままに行われようとしていることを追認していいのかと厳しく求めました。

 参考:国交省から配布された資料

 

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子どもに生きる力を──嫌なこと、つらいことは全部庶民、一番弱いところにいく

2018-05-08 | 日々思うこと、考えたこと

 「嫌なこと、つらいことは全部庶民、一番弱いところにいくから」と、作品に込めた思いを語った加古さんはこうも話していた。「子どもたちには戦前の私のような過ちはしてくれるなと訴えたい」。その言葉を胸に刻みたい。

 かこさんについての記事を書きましたが、「子どもに生きる力を」という「東京新聞」に追悼記事が掲載されました。

 民主主義について問題提起し、米軍基地や東日本大震災と原発事故に苦しむ人たちへの思いを、子どもたちに託したと。

 改めて、かこさんの残した思いを受け止め、引き継いで行きたいと思います。

 よりうつくしくあれ
 よりたくましくあれ
 よりすこやかであれ

 2016 かこさとし

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かこさとしさんの訃報に接して──子どもたちから学び、子どもたちを信頼した作品の数々

2018-05-07 | 日々思うこと、考えたこと

 かこさとしさんの訃報に接して、これほど子どもの心を鷲掴みにできる作品を描く人がいなくなってしまったことに、残念な気持ちでいっぱいです。

■『からすのパンやさん』から、多くの人たちの声にこたえて続編へ

 私が幼い頃に読んだ『からすのパンやさん』は、いま子どもたちへと読み継がれています。初版(第1版)だけで、380刷という驚異的な数字が刻まれています。それだけ多くの人が一度は接したことのある作品です。

 さらに2013年には、『からすのパンやさん』の続編となる4冊(おかしやさん、やおやさん、てんぷらやさん、そばやさん)が刊行されました。4羽の子どもたちが大きくなったストーリー。

 続編が出ると知った私は、童心にかえり、その日が来るのを心待ちにしていました。

 最初の続編となる『からすのおかしやさん』の「あとがき」に、かこさんは次のように綴っています。

 前作『からすのパンやさん』をお目にかけたのは一九七三(昭和四十八)年のことでした。それから現在まで、多くの方々に読んでいただき、あつく御礼申し上げます。
 なかには、「私が小さい時に読んだのを、孫が見ています」という、三代も読んだくださっている方から、お手紙をいただくことがあります。そうした方から、きまって、続きをかけと、たびたび催促をいただいてきました。その申し出にこたえるのと、だいぶん時間がったので四羽の子どもが大きくなってからのようすを、かくことにしました。この本はいちばん上の兄さんのお話です。「おいしい本」にしたいと思ったのですが、お口に合いましたでしょうか? 

 続きを描いてほしいと願う人たちの申し出に応えるかたちで、80代後半のかこさんが描いたストーリーをとてもおいしく読みました。

■『どろぼうがっこう』──表面上のきらびやかなケバケバした豪華さにひかれるのではなく、もりこまれた内容の高いおもしろさを求めている

 私の好きな作品の一つに『どろぼうがっこう』という作品があります。

 くまさかとらえもん先生と生徒たちがくり出す小気味好いやりとりと、「♫ぬきあし さしあし しのびあし どろぼうがっこうのえんそくだ それ!」という一度読むと二度と忘れないこのフレーズが印象的な作品です。

 この作品の「あとがき」に、かこさんは次のように綴っています。

 いま、手元に残っているこの作品の原作は、十三年前(注──1973年当時)に、他に紙がなかったわけではないのに、私の論文の下書きの裏に、黒と黄の二色で乱暴に走り書きした紙芝居でした。当時のわたしは、「子どもたちに与えるものは、子どもたちだから最高ですぐれた水準のものであるべきだ」という主張をいただいていました。しかし、極度に時間のない毎日を送っていた上、ちょうど学位審査があったので、一種の「笑劇(ファース)」としてまとめたこの作品を、こんな乱暴な絵によって子どもたちに見せることになったことを、残念に思っていたのです。
 ところが、わたしのこんなおそれを裏切って、子ども会でみせた最初から、この紙芝居は圧倒的に子どもたちに迎えられました。単色に近い彩色の、しかもデッサンも構図もいいかげんなこの紙芝居を、何かことあるごとに子どもたちは〝みせて〟とねだり〝演じろ〟とせまりました。
 何度となく、そのアンコールにこたえながら、わたしはかれらが表面上のきらびやかなケバケバした豪華さにひかれるのではなく、もりこまれた内容の高いおもしろさを求めているのだということを、子どもたちに教えられたのです
 その当時の子どもたちに教えられたことを思い出し、当時の後悔をくり返さないように注意しながらまとめてみたのが、この『どろぼうがっこう』です。十三年たった当時の子どもたちや、十三年後の今の子どもたちが、どうこの本を迎えてくれるでしょうか。
 わたしのおそれと恥ずかしさは、まだまだつきないようです。 

 子どもから学ぶという姿勢も、「おそれと恥ずかしさ」と向き合いながら作品を描き続ける立ち振る舞いも、本当にかこさんの人柄を表しています。そして。作品へのこだわりを感じます。

 「かこさん、今でも、『どろぼうがっこう』は、うちの子どもたちには圧倒的に迎えられていますよ」

■『ねずみのしょうぼうたい』──生き方を問う作品

 さらに、最初の写真で一つだけ色の違う本『ねずみのしょうぼうたい』です。この本は、私の実家から母が持ち込んだもので、発行年をみると1985年3月と私の生まれた1ヶ月後です。

 この作品は、いわゆる消防自動車がメインの作品とは一風違います。

 ナガヒゲたいちょう率いるねずみのしょうぼうたいが、様々な火事に立ち向かい、火事の原因を究明するだけでなく説教をして二度とこんなことは起こさないようにというやりとりが丁寧に描かれています。

 この作品の「あとがき」も興味深く、かこさんの作品に対する思いが伝わってきます。一部だけ紹介します。

 火を使うことが上手になるということは、単にキャンプの炊事当番がうまくなるためではなく、目的に適した巧みな技術と、自分の行動を律し、節度を持った思慮を持つようになる生き方につながると思います

 「なるほど、そうか」と。かこさんの作品は、どれも生き方が描かれているのだとこの「あとがき」から強く感じました。

 ここでは書きつくせぬ思いがありますが、改めてかこさんの作品を子どもたちに読みながら学び直すことが多いと感じています。

 かこさんありがとうございました。もうすぐ、我が家には4人目の子どもが誕生する予定です。

 からすのパンやさんの4羽のきょうだいのように、ありのままを認め合い、色々と助け合いながら、切磋琢磨しながら、他者への深い信頼を持って生きていくことができたらいいなと思っています。

 安らかにお眠りください。作品は必ず読み伝えていきます。

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