綾瀬市議・上田博之のあやせタウンWebニュース【ブログ版】

神奈川県綾瀬市政の動きを縦軸にしつつ、
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綾瀬市会議員 上田博之(日本共産党)です。

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◆TPP反対の意見書に対する私の賛成討論原稿を紹介

2010年12月16日 | 綾瀬市議会あれこれ

 「TPP交渉に参加せず、日本農業の再生を求める意見書」について、日本共産党綾瀬市議団を代表して賛成の立場から討論をいたします。

 まず、第一点は、日本の関税はTPPを推進しようとしている方が言うような高いものではないと言うことです。財務省の資料を見てみましょう。
 国際比較のできる2007年のデータですが、一年間の総輸入額に対し関税収入が何%を占めたかを比較してみたいと思います。この%が小さいほど関税が低いということをあらわします。
 そうしますと、日本は1・3%です。これに対し、アメリカは1・5%、EUは1・4%、オーストラリアは3%なのです。いかがでしょうか。これでも日本の関税は高いと言えるのでしょうか。実は低いと言うことに気づくわけです。
 これは、日本の実行関税率表をみるとよく分かるのですが、工業製品のところをみるとすでにほとんどが「無税」と記されていました。このことをもう一度財務省の資料から抽出すると、日本の輸入品の内、41%が無税品目で、輸入額でみると、実に76%が無税になっていることがわかります。

 つまり、日本の市場はすでに外国に広く開放されていて、関税は農産物など保護すべき一部の産業にだけ残されているにすぎないということなのです。

 それでは、なぜ、すべての関税をなくしてしまおうなどという無謀なことを進めようとしているのでしょうか。その背景には自動車や家電などの輸出産業の思惑が優先しているからです。しかし、海外展開をしている企業は2000社に1社、つまり0.05%にすぎず、残りの99.95%の企業にとっては輸入品との競走激化にさらされ、地域経済は荒廃をしていくことが予想されます。

 いま、マスコミなどでは、「農業のせいで国益が失われる」かのような論調が先行していますが、実はTPPで被害を受けるのは農業だけではなく、私たちのまちの多くの企業も立ちいかなくなるのです。東大の鈴木宣弘教授はこう言っています。「むしろ、輸出産業の利益のために失う国益の大きさを考えなければならない」と。

 つぎに、食料主権について、農業の維持、発展についてふれたいと思います。
 ゼロ関税にすれば、農業の競争力強化や輸出産業化につながるという見解を言う方がいますが、これは現実ばなれしています。なぜなら、その前に産業が崩壊してしまうからです。農水省の試算で食料自給率が13%に低下すると予測されていることがそれを示しています。
 現在世界は食料危機に直面しています。2010年現在、世界で飢えに苦しんでいる人は9億2500万人と言われています。子どもが6秒に1人、飢えで死んでいると国連は発表しています。日本がこれまで以上に食料を海外に頼ることになれば、この深刻な世界の食料危機を一層進めることになってしまいます。また、地域社会が崩壊し、国土が荒れ果てる中、将来高くなるであろう食料を日本人が買い続けることができるかも不確実です。

 今は輸出している国が、将来、自国民への供給を優先するとなったとき、日本が輸入できる食料は激減し高騰します。そのときになって食料自給率を上げようといっても間に合いません。食料主権、食料安全保障の観点から言ってもTPPは亡国の道といっても言い過ぎではないと考えています。
 日本のように豊かな自然にめぐまれ、あらゆる農産物が生産できる国土は貴重です。こうした国が食料自給率を整え、他国からの食糧輸入に依存せず、他国の食料を奪わないことこそ、国際社会に貢献する道であると確信しています。

 私たち日本共産党は、これまでの農産物輸入自由化によって、価格も流通も市場任せにしたために、農業所得が減り、後継ぎが減っていること、また、欧米に近い経営規模である北海道でもTPPで壊滅的打撃を受けることが指摘されていることから、TPPと農業の再生は両立できないことを指摘しています。

 日本共産党は、世界経済が結びつき、貿易が拡大することそれ自体を否定しているのではありません。しかし、農業、食料、環境、労働など市場任せにしてはならないものを守るルールをつくることこそが、21世紀のまともな経済発展の方向であると考えていることを表明いたしまして、この意見書の賛成討論といたします。


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●12月15日(水)のつぶやき

2010年12月16日 | つぶやき
15:27 from web
TPP反対の意見書を日本共産党と無所属の議員あわせて4名で提出しました。賛成は5名で否決されてしまいました。反対した議員の意見に驚き。TPPに参加してもしなくても日本の農業の行く末は同じだ、という趣旨を堂々と言いました。ただただ、口をあんぐりしていたのは私だけではなかったはず。
by ueda01 on Twitter


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