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甘利氏は、「URへの口利き」も「金額交渉への介入」も否定した上で、秘書が、S社側から政治献金として現金を受領しながら一部を使い込んでしまったり、多数回にわたって現金を受領したり、飲食の接待を受けていたことなどについて、「秘書が疑惑を招いていることについての監督責任をとって辞任する」ことを明らかにした。
「私の監督下にある事務所が招いた国民の政治不信を秘書のせいと責任転嫁するようなことはできません。それは私の政治家としての美学、生き様に反します。」などと涙ながらに述べた甘利氏は、ネットを中心に、「全く潔い」「現代の『武士』」などと賞賛され、重要閣僚の辞任にもかかわらず、安倍内閣の支持率を低下させるどころか、逆に、支持率が上昇するという結果をもたらした。
甘利氏の記者会見での説明において最大の拠り所とされたのが、「元特捜検事の弁護士による調査」だった。しかし、その弁護士が一体どこの誰なのであるのか、甘利氏は、一切明らかにしなかった。
私は、この時点から、果たして、甘利氏が説明しているとおり、「元特捜検事の弁護士による調査」が行われているのか、そもそもそのような弁護士が果たして存在しているのか、多大な疑問を持ってきた。
その後、20日近く経ったが、「元特捜検事の弁護士による調査」に関する情報は、何一つ明らかになっていない。一方で、昨日、民主党の疑惑追及チームが、甘利事務所に「口利き」を依頼したS社の一色氏が甘利事務所側やURとのやり取りを録音した音声記録を公表し、甘利氏の秘書がURからS社へ支払う補償金の金額交渉に深く関わっていたことがわかり、会見での甘利氏の説明が事実に反していたことが明らかになった。
「元特捜検事の弁護士」による調査が本当に行われているのかについて疑問に思った第一の理由は、甘利氏が、「私は調査を担当した弁護士とは一切接触をしておりません。」と述べたことである。「公正な調査を担保するため」だということだが、第三者としての調査を受任する際に、依頼者と全く会わないで調査をするということは、我々の常識からは考えられない。企業不祥事等でも、「第三者調査」を受任する際には、依頼者本人と会って、調査の趣旨・目的、調査の範囲、調査期間等を確認するのが通常のやり方である。
もし、依頼者である甘利氏本人が直接会っていないとすると、そのような調査依頼に関する協議・打合せは誰との間で行われたのであろうか。甘利事務所は、事務所長の公設第一秘書、現政策秘書、政務秘書官等の事務所の主要メンバーが、すべて今回の問題に関係し、少なくとも、そのうち二人は犯罪的な行為を行って既に退職している。「自らは違法なこと、やましいことは全くしておらず、秘書の監督責任しかない。」と言っておられる甘利氏以外に、第三者調査の依頼に関して話ができる人間はいないはずだ。
甘利氏が、「第三者としての公正な調査」を依頼したいのであれば、「真実が明らかになるように、私に遠慮することなく厳正に調べてください」と言って直接頼めば済むことであり、接触しない理由は全く考えられない。
しかも、その弁護士が甘利氏と接触しておらず、甘利氏本人のヒアリングは行われていないということであれば、調査のやり方としても考え難いものである。今回の疑惑の中心は、大臣室及び大和事務所における現金授受の問題など「甘利氏自身の問題」なのだから、調査を行うのであれば甘利氏本人からの聴取が不可欠なはずだ。ところが、甘利氏は、その弁護士と全く接触していないというのだ。少なくとも、特捜部でまともな仕事をした経験のある検事であれば、あり得ない調査方法だ。
調査を担当している「特捜OBの弁護士」というのが実際には存在しないので、甘利氏が、そのような人物と接触しようにも接触できるわけがないということではないのか。