7月23日に綾瀬市教育委員会会議が開催され、来年度から市内の小・中学校で使用する教科書がすべて決まりました。
そのなかで注目され、心配されていたのが、安倍政権の軍国化を先導するかのような「育鵬社」などの歴史、公民の教科書の行方でした。
その関心の高さから傍聴される方も定員の2倍の約30名。本来なら抽選で15名にしぼられるところですが、この日は教育長の許可があり全員入室できました。
さて、心配された結果ですが、次のようになりました。ひとまずホッとしました。
採択されたのは、
中学歴史●教育出版
中学公民●東京書籍
ところで、「育鵬社」の教科書はなぜこんなに問題視されるのでしょうか?
どんな内容なのか、簡単に問題点を整理してみます。
1)育鵬社の公民は、戦前の大日本帝国憲法は高く評価する一方、現行憲法を敵視し、改憲へ誘導。
日本国憲法がうたう基本的人権では、現行教科書にあった「憲法に保障された権利と自由が次の世代にも受け継がれるように努力しなければなりません」の文言は削除。教育・勤労・納税を「国民の義務」と強調し、脚注では、「多くの国の憲法では国防の義務を課してい」ると新たに挿入。
2)「平和主義」の単元では、記述の大半を自衛隊に割き、他国の憲法を引きながら「国防の義務」を強調。自衛隊には違憲論もあると述べていた脚注は削除。
3)「集団的自衛権」は、「同盟関係にある国の防衛を支援し、おたがいに協力しようとする権利」と述べ、現行本の「自衛」の表現を「防衛」に書き換えた。
4)「平和主義と防衛」の単元を挿入し、コラム「沖縄と基地」のなかで、「日米安保体制は日本の防衛の柱であり、アジア太平洋地域の平和と安全に不可欠」と記述。住民の苦悩や基地撤去を求める運動には一切触れず、「普天間飛行場の辺野古への移設などを進めています」と、安倍政権の主張を伝える。
5)「公民」とは「公の一員として考え、公のために行動できる人」だと述べ、前回以上に「公」を強調。改悪教育基本法を反映させ「愛国心」を太字で示し、右傾化を強めている。
6)歴史は、侵略戦争を美化し“日本は正しい戦争を行った”とする認識を子どもたちに持ち込む。
アジア・太平洋諸国で2000万人以上の犠牲をもたらした日本の侵略戦争について、「自存自衛」で、日本の侵略が「東南アジアやインドの人々への独立への希望」になったと強調。自由社も、占領期には「のちの独立の基礎となる多くの改革がなされた」などと日本軍を“アジアの解放者”として描く。 (その他まだまだ問題点あり)
今後も、いっそう社会進歩の方向に日本が進めるように、いろいろな分野で取り組んで行きたいと思います。
今後ともよろしくお願いいたします。
綾瀬の教育委員のみなさんの良識と、傍聴等、力を尽くして下さったみなさんに感謝します。
上田議員もお疲れさまでした!