宮地神仙道

「邪しき道に惑うなく わが墾道を直登双手
または 水位先生の御膝にかけて祈り奉れ。つとめよや。」(清水宗徳)

清らかな河

2007年11月24日 | Weblog
(画像はクリックされましたら拡大します。)

題名がただ「男」とあった、某所に掲載されていた話しです。
本日初めて読みましたが、非常に感動しました。

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オレのおじいちゃんは戦争末期、南方にいた。
国名は忘れたけど、とにかくジャングルのような所で
衛生状態が最悪だったらしい。
当然マラリアだのコレラだのが蔓延する。
おじいちゃんの部隊も例外ではなく、バタバタと人が倒れて
いったそうだ。

ただ、その頃には治療薬も開発されていて、それを飲んで
命を永らえた人も多かったらしい。
治療班に手渡されていた薬で何人かの人が助かったそうな。

しばらくして、おじいちゃんが期せずして高熱にうなされる
ようになった。
病気に感染したのだ。
一方でおじいちゃんの部下の一人にも同じような症状が襲った。
二人とも薬を飲めば助かる程度のものであったらしいが、
なんとその部隊には残余薬が一つしかなかった。

部下は
「あなたが飲んで下さい、あなたがこの部隊の指揮官ですから。」
と搾り出すような声で言ったらしい。
立派な部下を持ったおじいちゃんは幸せな人間だったと、おこ
がましいけどオレは思う。

しかしおじいちゃんはたった一言こう言ったらしい。
「貴様飲め!」
おじいちゃんはその後間もなくして死んでしまった。

この話はつい最近死んだおばあちゃんから何度も聞いた。
薬を飲んで生き残って帰国した兵隊さんはその後おばあちゃんを
なにかにつけ助けてくれたらしい。
オレも一度だけお会いした事がある。
まっすぐで立派な男だった。
おじいちゃんも素晴らしい命を救ったものだ。

おばあちゃんの口癖は
「貴様…って、いい言葉ね…」だった。
おじいちゃんの死後、もう何十年も経つのに毎日毎日仏壇の
おじいちゃんに話し掛けていた。
そして眠ったまま死んでいった。

明治の人間はすごい。オレはいつもそう思う。

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現在のような、自己保身と利得のための競争をごく当然の
ものとした価値観の社会の中で、こうした本当に立派な人々と
いうのは、どれだけ存在するのかなと思いました。

もし現在的な自己中心的感覚派の人達がこうした過酷な
状況の中に身を置かせられるならば、場合によっては
残余薬の奪い合いでも始まりそうに正直思います。

「昔の人間はすごかった」という言葉をしばしば見聞しますが、
こうした話しを読むと、心からそう思います。

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