宮地神仙道

「邪しき道に惑うなく わが墾道を直登双手
または 水位先生の御膝にかけて祈り奉れ。つとめよや。」(清水宗徳)

「青春・ストーリー」

2007年11月28日 | Weblog
(画像はクリックされましたら拡大します。)

90年代に描かれた一つの少女漫画を読みました。

少女漫画も基本的に、コメディならコメディ、ファンタジー
ならファンタジーと、何処かまでか筋の中にテーマや
軸というものがありますが、この漫画は「青春・コミック
ストーリー」という分類の難しいもので、そのためか
読み直してみてもテーマというものが掴めませんでした。

内容は、ふたみ、たまこという女子と、拓也、周平という
男子の、互いに幼馴染の高校生が繰り広げるラブストーリー
なのですが、

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4人は非常に仲が良く、また「拓也」と「たまこ」は交際して
おり、「ふたみ」は密かに拓也に憧れを抱き、周平は密かに
ふたみに恋心を寄せているという、現実的にありそうで
まずなさそうな設定となっています。

その「ふたみ」という主人公は親友の「たまこ」との友情を常に
第一に思っており、彼氏を略奪しようなどとは全く思って
いないのですが、彼氏が腹痛を起こした「ふたみ」をいたわった
事から、「たまこ」はそれまで優しく接していた「ふたみ」に対し、
(画像にはありませんが)
無視する、顔を打つ、他の女子学生を扇動して敵意を
向けさせる、挙句の果てに「(自分の彼氏と思いを通じ合わせない
という)証明を見せろ」だとか、無理矢理な事をしたり、要求
します。

結局最後は4人が昔よく遊んだという古小屋の中で「ふたみ」
と「たまこ」が出会い、丁度偶然崩れかけてきた木材から
「たまこ」を守るために「ふたみ」が飛び出し、意識不明と
なった「ふたみ」に対し、「たまこ」が謝り、意識が回復した
所で、全て元通り、また「周平」と「ふたみ」の恋愛関係の
展開を匂わせた所でこの漫画は終わりました。

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この漫画の中心は、恐らく友情と恋愛の中で揺れ動く
心理と4人の幼馴染の関係という事なのでしょうが、
「優しい」とか「正当性」という価値観の所で、
共感出来ないながらも、取り合えず読み進めました。

この「たまこ」が、自分が好意を抱いている人には非常に
優しい一方、彼氏が腹痛を起こした自分の親友を助けただけで、
突然親友を無視したり、冷酷な扱いを始めたり出来る事によって、
確かにこの漫画の話しが動いていくのですが、場合や状況に
よって使い分けられるような親切さというのが本当の優しさなのか、
その点の疑問が全く解消しないまま漫画が終わってしまいました。
本当に優しい人ならばこの場合、彼氏が腹痛に苦しむ自分の親友を
いたわる事を却って喜ぶのではないかと思うのですが…。

ちなみにわたくしがこれまで出逢って「本当に優しい」と感じた
人の共通点は、自分に対する厳しさを持ち合わせている事と、
怒った時には本当に人が恐れるほど激しいという事、そして
他人への接し方に上下関係による区別が殆どない事でした。

自分より目上や対等の人には礼儀を気にしたり親切に
しながら、一方目下に対しては礼儀も配慮もないような
人とか、他人の目がある時には慈悲深くあって、他人の目が
ない所ではその反対になるような人とかも社会の中には
いますが、どんな所でも「使い分けるような優しさや礼儀」
はやっぱり信用する事は難しいと感じます。



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