8月22日に、「平和と民主主義・くらしを守る熊本市民連絡会」で、2024年度熊本市予算編成への要望交渉を行いました。
事前に提出していた「要望書」に、市より文書での回答が行われ、回答を見ながら、各分野の参加者から、リアルな実情が訴えられました。
市民連絡会の構成団体である熊本民商、新日本婦人の会、年金組合、生活と健康を守る会、障がい者団体・民医連や保育所、医療機関の方々が、それぞれの置かれた状況をお話されました。
コロナが5類になって以降の医療・介護現場の実態、学校給食や子ども医療費助成に関わっての子どもの問題、障がい者のみなさんの切実な問題である「おでかけICカード」、猛暑の中の暑さ対策や生活保護の改善、高齢者の補聴器購入助成問題、認可外保育所への支援、物価高騰に苦しむ事業者への支援、多岐にわたる内容、午後いっぱいに声が届けられました。
しかし、市役所建替えに象徴されるハコモノ優先で、福祉・暮らし・教育・中小零細企業対策は遅れた熊本市の実態が浮き彫りになりました。
市民の声に耳を傾け、その声に応える予算編成が求められています。
市民連のみなさんと一緒に、引き続き、どの分野の課題も前進していくよう、しっかり取り組んでいきたいと思います。
【要望内容の主なもの】
1. コロナ対策について
①発熱患者の対応を行っているすべての医療機関に対して補助金を支給してください。
②ワクチン接種会場に行くためのタクシー代を増額してください。
③PCR 検査については、いつでもどこでも何度でも無料で受けられるようにしてください。
④コロナ感染症対策の大切な部分を担っている保健所を区ごとにつくって下さい。保健所機能強化のための職員の増員をおこなってください。
⑤高齢者施設や障がい者福祉施設でクラスターが発生した場合には、各施設や医療機関任せにするのではなく、行政が適切に対応してください。
2.医療について
①インフルエンザの予防接種について助成を拡大し、無料化をすすめて下さい。
②熊本市のがん検診(肺、乳がん、子宮頸がん、大腸がん、胃がん)及び特定検診を無料にし、そこへ前立腺がん検診も追加してください。
③子どもの医療費助成制度の自己負担をなくし医療費も薬剤費も中学 3 年生まで完全窓口無料にしてください。
④一般病床の削減や公的医療機関の統廃合は、これ以上進めないでください。
⑤無料低額診療事業について、調剤薬局の薬代にも適用を広めてください。
⑥高校 3 年生までの子ども医療費助成制度の実施を前倒しし、自己負担をなくし完全無料化にしてください。
3.国民健康保険、年金について
①コロナによる感染症罹患においての傷病手当の制度を再開してください。また、事業主でも対象となる傷病見舞金の制定に合わせ、コロナ感染症以外に対象となるようにしてください。
4.介護・高齢者福祉について
①加齢性難聴者の補聴器購入に対する公的補助制度の創設を国に求めると同時に、当市で独自の補助制度を早急に作ってください。
②生活保護利用前の介護保険料滞納分の請求が来ました。介護保険担当課と連携し、国保料と同じように免除制度を行ってください。
<国への要望>
75歳以上の医療費窓口負担2割への引き上げを中止することを求めてください。
5.障がい者福祉について
①物価高騰の影響を受けてさらに生活が厳しくなっている障害者世帯への支援として、以下を拡充してください。
1)障がい者福祉タクシー利用券を1回の乗車につき、2枚まで利用できるようにしてください。また、支給枚数を増やしてください。
2)障がい者燃料費助成券の年間助成額を倍の 24,000 円に引き上げてください。
3)1割負担のおでかけ IC カード①(障がい者用)を、チャージの要らない無料のICカードにしてください。
②熊本市障がい者福祉センター「希望荘」の障がい者用トイレの設備改善をしてください。(折りたたみ式介助用ベッド、オストメイト対応設備、適切な手すりの位置等々。)
<国への要望>
重度心身障がい者(児)医療費助成の現物給付を行っている自治体へのペナルティである国民健康保険の国庫負担金減額措置を一日も早く廃止するよう国に求めてください。
6.生活保護について
①札幌市や中野区などの「生活保護の申請は国民の権利です」とのポスターを熊本市でも作成し、各区の公民館などに貼りだしてください。
②生活保護基準費引き下げをもとに戻し、物価高騰に見合う基準に引き上げるように、また、2級地 1 を1級地に引き上げるよう要請してください。
③「扶養義務照会」については、70 歳以上の高齢者や 10 年程度の音信不通など国の通達を徹底して下さい。
④「車の所有・利用」について、就労、通院など車使用ができることを徹底し、コロナ禍で失業したケースや病気治療のため、やむなく生活保護を利用している市民に対して、6 カ月及び最長 1 年間の車所有・留保をケースワーカーに徹底してください。
⑤生活保護利用者への冬季加算の増額、夏季加算を国に要望してください。
⑥家具什器費は、1.3 倍の特別基準適用を行い、国に対して増額を要望してください。
⑦保護課の面接・相談は、低いカウンターに変更し、相談室もプライバシーが確保できる個室を確保してください。
⑧死亡後の諸手続きを1か所でできる「お悔やみコーナー」を熊本市でもつくって下さい。
<国への要望>
住宅扶助費は実態に合わず、「共益費」の名目で自己負担がまかり通り、食費や生活費を削らざるをえません。政令市で最低ランクで、熊本県で最低の住宅扶助費の増額を実態を把握し、増額を国に要望してください。
7.事業者の営業とくらしを守ることで地域経済の振興を
①コロナ禍からの売上減の回復はまだまだです。物価高騰も加わり事業者個人の裁量だけでは、この難局を切り抜けるのは大変困難です。そこで、現在の事業を維持継続するための熊本市独自の支援金を要望します。地方創生臨時交付金を財源に直接支援をしてください。
②住民税滞納や返済の遅れがあっても、コロナ禍での売り上げ減からの融資申し込みを熊本市独自の制度、抜本的支援策を拡充してください。
③2023 年 6 月末まで期限のセーフティーネット(4号、5号)を 2024 年度も継続してください。
④「住宅リフォーム助成制度」をコロナ禍の事業者支援として実施してください。
⑤物価高騰で事業者の経費が増えています。固定費である水道料金の値上げをしないでください。
<国への要望>
個人事業主に、多大な実務負担と消費税納税負担を押しつける適格請求書(インボイス)制度の実施中止、景気対策として、消費税を5%に引き下げるよう国に求めてください。
8.教育について
①学校給食の無料化を進め、地場産食材はもとより有機農産物を使用し、熊本の農業、生産者の育成、環境など地域づくりにもつながる「オーガニック給食」をすすめてください。
②小中学校の全学年を30人学級にするとともにその後20人程度の学級への移行を実現してください。
③就学援助の中に、国の補助対象品目であるクラブ活動費、生徒会費、PTA会費を補助項目に入れてください。
9.生理の貧困について
①生理用品の学校トイレへの設置は、予算を拡充しトイレ個室へ設置してください。
10.保育について
認可外保育施設について以下の項目の充実、改善を求めます。
①認可外保育施設も無償化の対象に、②認可外保育施設の無償化支払い方法を法定代理受領へ変更、③認可外保育施設も第 2 子目半額、第 3 子目無償を、③保育士処遇改善臨時特例事業を認可外保育施設職員へも給付、④認可外の最低基準を満たす旨の証明書をもっている認可外保育園は小規模の連携施設、⑦給食費、光熱費の補助の拡充、⑧保育料無償化の上限額(以上児 37,000 円、未満児 42,000 円)の見直し
11.まちづくり、防災対策について
①市庁舎の建替えについて
1)「市庁舎を建替える方向ですすめる」という方針は直ちに撤回すること。
2)「市庁舎整備関する有識者会議・耐震性能分科会」の議事録を直ちに公開し、2017 年・2020 年の 2 回にわたる耐震性能評価の検証がどのように行われたのか、耐震性能評価の検証について説明責任を果たすこと。
3)市庁舎建替えの是非は、住民投票で決めること。
12.次の事項について、国へ強く要請してください
① 憲法9条を変えないよう国へ要請してください。
② 2021 年1月22日に核兵器禁止条約が発効しました。日本政府に核兵器禁止条約への参加を求めてください。
③ マイナ保険証に伴う現行保険証の廃止を中止し、現行保険証の存続を国に求めてください。
④ 2027 年度までの 5 年間で 43 兆円に増やす防衛費倍増計画を中止し、社会保障予算の増額を国に求めてください。
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