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国土交通省「主要都市の高度利用地地価動向報告」 「上昇地区」姿消す

2008年11月25日 | 最新情報
 国土交通省の「主要都市の高度利用地地価動向報告~地価LOOKレポート~」(08年第3四半期)が11月21日、発表された。それによると、調査150地区の全地区が横ばい又は下落となり、同年第2四半期(4月1日~7月1日)まで存在した「上昇地区」が姿を消した。地価LOOKレポートは、主要都市の高度利用地などの動きを把握し、先行的な地価動向を明らかにすることを目的に年4回の調査を行うもので、08年第2四半期調査に続き4回目。今年7月1日から10月1日にかけ東京圏65地区、大阪圏39地区、名古屋圏14地区、地方圏32地区の計150地区で、各地域の不動産鑑定士により実施された。このうち、マンションなどにより高度利用されている住宅系地区(42地区)と店舗、事務所が高度に集積している商業系地区(108地区)に大別されている。

 レポート結果では調査地区全体の85%に当たる128地区が下落。前回の同年第2四半期(調査100地区)の下落地区割合は38%で、高度利用地の地価下落傾向が鮮明となった。
 三大都市圏では、9割を超える地区で下落。大阪、名古屋圏で半分以上の地区で3%以上の下落となった。地価上昇の象徴的存在だった東京・丸の内や銀座中央でもマイナス3%から0%の下落となっている。
 地方圏では横ばい地区と下落地区がほぼ半数だが、福岡、仙台では調査した全地区で下落となった。
 6%以上の下落となったのは計5地区。内訳は、東京圏では新浦安、船橋駅周辺(共に千葉県)。大阪圏では丸太町、御池(共に京都府)。名古屋圏では丸の内(名古屋市)。このうち、新浦安は「ディベロッパーのマンション用地の仕入価格が厳しくなっていることから、取引価格が低下している」という分析が出されている。また、船橋駅周辺は「取引件数が減少し、取引価格が下落。利回りも上昇しており、地価下落傾向となっている」としている。
 地価下落傾向の要因について、国土交通省では「景気の停滞、新規分譲マンションの販売不振、投資・融資などの資金調達環境の悪化を背景に、土地需要が減退しており、加えて、オフィス空室率の上昇や賃料下落で収益力の低下傾向が要因ではないか」と分析している。
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自ら法律に反していながら法的救済を求めるのは信義則に反するとした事例

2008年11月25日 | 最高裁と判例集
 判例紹介

 自ら法律に反していながら法的救済を求めるのは信義則に反するとした建築距離違反の事例 (大阪地裁昭和63年9月26日判決、判例タイムズ695号)

 (事案)
 Aは甲土地、Bは乙土地をそれぞれ所持し両土地と隣接している。

 Aは両土地の境界線をイ、ロを直線で結んだ線であるとして境界の確定を請求し、同時にBが民法234条で定める建築距離である境界線から50cm空けずに建物を築造しているため、本来空地であるべき土地部分を利用できなかった損害賠償としてBに対し40万円の支払を求めた。

 BはAの主張する境界線を争い、Bの建築物が仮に民法234条に違反しているとしても、A自身も同条に違反しているから、Aの請求は認められないとして争った。

 (判決)
 「信義則上、およそ法的救済を求めんとするものは自ら潔きをもって来るべし、という要請があると解すべきであるところ、AはBに対し民法234条の遵守を求め、これに従わなかったとして賠償を請求しているけれども、右認定のとおりA自身も同条に違反しているので、それは右信義則に反することになる。一般に、信義則違反の事実が認められる場合で、強行法規が適用される場合には、その強行法規の強行性の程度、内容と法の目的に照らして衡量し、後者が前者に優位するときに限り信義則の法的効果を承認することができると解すべきである。」

 (寸評)
 判決は、民法234条のうち火災の延焼防止の目的は公益的要素の強いものであるが、隣地上の築造、修繕の便宜、日照、通風の確保等の利益の保護は利益的要素に属するとして、A、B双方の建物が耐火建築物であることを考慮し、本件では民法234条はそれほど強い強行性があるといえないとしている。

 強行法規に反した相手方の行為と信義則の関係につて参考となる事例であるので照会した。

(1992.12.)

(東借連常任弁護団)

東京借地借家人新聞より



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