昨年6月にお隣の奥さんが亡くなって、8月には売りに出された隣家。
築40年の家が建っていてはなかなか売れないだろうと思った。
昨冬、隣家の屋根に積もった雪が、気温が上がった春先に我が家を襲った。まだ住んでいた頃も我が家の敷地内に雪は落ちてきたけれど、ご主人が気にして少しずつ落としていたので家に被害は無かったのだが無人になった家。
隣家のご主人が移り住んだ、娘さんの家に連絡すると状況を見に来て窓近くの雪は片付けてくれた。
春になって窓を空ける時期になって気が付いた。落雪のせいで我が家の窓は少しゆがんだようだ。窓を閉める時に少し持ち上げるようにしなければ鍵がかからなくなった。それでも閉める事は出来る。隣家の持ち主には言わなかった。
冬が過ぎて、また次の冬の足音が聞こえてきた11月の末、解体工事が始まった。ギリギリまで売れるのを待ったけれど売れそうにないので壊すことにしたと言う。この春の落雪の件もあって決めたのだろうと思う。
隣が空き家というのはやはり心配だ。雪や草の問題だけでなく、誰かが入りこんだりしないかという心配もあって、我が家はベランダの照明を人感センサーのものに変えた。
隣家が建築されたのは私の長女がお腹にいる時だった。あれから40年。私たちは一軒の家の建築から解体までを見届けたことになる。