うさぎくん

小鳥の話、読書、カメラ、音楽、まち歩きなどが中心のブログです。

職業としての小説家

2015年09月21日 | 鉄道、車、のりもの

村上春樹著 スイッチ・パブリッシング

大手書店の紀伊國屋が初版の90%を買い上げて店頭で販売した、と言うことで話題になった本である。

人気作家の最新作を独占というか寡占販売することで、ファンの来店を促すことが目的、と言うことなのかな。その是非については正直、よくわからないが、さいきん街の本屋だけではなく、文教堂などのチェーン店も少しずつ減少しているような印象がある。本屋さんの減少は、いずれじわじわと進んでいくのでしょうね。駅の新聞スタンドも、もう珍しいものになりかかっているようだし。

前半は雑誌MONKEYに連載されたもので、村上氏の小説家としてのデビューから、長編小説をどうやって書くか、といった、小説家のなり方的なことが書かれている。文学賞とのつきあい方とか、作品のオリジナリティに関する見解など、他の作家でもこういう内容に触れた文章はあまり見かけないように思う。

後半は本書書き下ろしで、走ること、学校のことなど、内容は様々だ。以前から氏が折に触れ述べておられたようなこともあれば、初めて聞くような話もある(あたりまえのはなしですね・・)。氏が自作についてあれこれ述べるのはそうめったにないことだと思うが、今回はかなり積極的に触れておられる(「多崎つくる」が当初短編のつもりで書かれていた、とか)のが印象的だ。

海外に作品を売り込んでいった「海外へ出て行く。そして新しいフロンティア」などは、ふつうの?サクセス・ストーリーであり、なんだかとても生き生きと書かれている感じがする。学校についての記述は、いまひとつ切れ味が悪いように思えた。

本書というか、村上氏のことを考えるとき、浮かんでくる言葉はふたつ、「ニュートラル」と「パーソナル」だ。

ニュートラルについては、氏も本書で書かれている。創作活動をする人はつい気負ってしまいがちなものだが、これに対し「自分は何を求めているか」よりはむしろ「何かを求めていない自分とはそもそもどんなものか」を頭でビジュアライズするほうがよい、とアドバイスしている。氏は人生のなかの「重心」のようなものを、試行錯誤して捉えることができたのだろう。だからこそ彼の作品には力みが感じられず、また氏も30年以上にわたり活躍ができたのだと思う。

多くの人は、自分の「重心」が見えないというか、場合によってはそれを探そうともしないで、力業で水平を保つようなことをする。結果、それを長く保つことができない。村上氏は幸運だった、と書かれている(そして、幸運はただの入場券に過ぎないとも)が、多くの人は自分の「重心」を見つけられず、とりあえず立っているのが精一杯、という状態で生涯を過ごさざるを得ないのかも知れない・・。

パーソナルの方は言わずもがな(村上氏自ら「僕は個人的な人間です」と書かれている)かも知れない。ただ、氏の場合奥様の存在はかなり大きいのではないか、と推察する。共同で執筆しているわけではないが、新作を書いたら最初に奥様に読んでもらっているそうだし。特定の読者を想定して書いているわけではない、とも書かれているが、奥様が読まれることは全く意識していない、ということはないだろう。いわゆる「孤高の作家」という言葉は、村上氏には当てはまらない気がする。

期待通りの新作でした。

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普通のセダン

2015年09月14日 | 鉄道、車、のりもの

用務先に行くため、久し振りにタクシーを使った。料金にして3千円ほどだ。人に運転してもらうなんてなんだかもったいないので、なにか他の方法がないかと思うのだが、途中まで電車を使わないと時間がかかりすぎるし、近くにレンタカーやカーシェアの拠点はない模様。電車でもう少し先に行けば、大きな街で車も借りられそうだが、時間や料金を考えるとそれも具合が悪い。

タクシーが普通のクラウンやセドリックではなく、専用車になってから久しい。もう覚えている人も少ないかも知れないが、以前はクラウンやセドリックが4年ごとにきっちりとモデルチェンジしていて、タクシーもそれに伴って徐々に新型に切り替わっていた。だから、昔の街の写真を見ると、おおよその年代が特定できたりしたものだ。いまはなかなか、難しいのではないか。

1999年。このタイプの車は今でも走っているだろうから、今年の撮影だ、と言われても納得してしまうと思う。

子供の頃、ロンドンではオースチン、ニューヨークではチェッカーキャブが、数十年にわたり作られていると聞いて、とても信じられない、と思っていたものだが。まさか日本で同じ車種が数十年にわたり作り続けられるとは、思ってもみなかった。

ただ、現実問題としてそれでも実用としては全く不自由がないことも事実だ。もともと僕は古い人間なので、昔ながらのスクエアなセダンのほうが、今時のSUVやミニヴァンよりも落ち着くのだ。もし、この種のクラウンコンフォートやセドリックをベースにした、コンサバティブなたたずまいのセダンが発売されたら、ころっと買ってしまうかも知れない・・。現行のクラウン・セダン(企業の社用車で使われている、やや上質なセダン)なら自家用でも買えるとは思うが、さすがにあのぼっこりしたデザインはつらいので・・。

たしか、20年くらい前のシボレー・カプリースとか、フォード・クラウンヴィクトリアなんてのは、そういうコンセプトの車だったと思う。昔ながらのV8、FRセダンには根強いファンも多く、それなりに存在感があったようだ。

ただ、ウィキとかで調べていると、日産はセドリックタクシーを昨年で生産終了したみたいですね。代わって、ワンボックスのNV200を、日本でもタクシー用に販売していくようだ。既にニューヨークではタクシー用として制式採用されているが、東京都心でもちらちらと見かけるようになってきた。

というわけで、セダンは遠くなりにけり、というかんじかな。

でも、しつこく食い下がるようだけど、昔のスペックで車を作ったら、年配ドライバーの支持を受けそうな気がするけどな。

大昔の雑誌「NAVI」に、そういう記事があったな。未来予測のショートストーリーで、高齢化が進んだドライバー向けに、あえてOHVエンジンを開発する、という物語だった。で、まあ、エンジン効率は別として、別にほとんどの人はエンジン廻したりしないのだから、それでも困りはしないと思うけどね・・。

それにしても、日本の自動車のスタイル(ボディ形式や大まかな装備など)って、どこも似たり寄ったりだな。昔からそうだったが、バブル期に比べて余計そうなってきてる気がする・・。

 

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つかいわけ

2015年08月27日 | 鉄道、車、のりもの

先日、携帯の機種変をしてみようかと思い立った話を書いた。

その後、カタログをもらったり、会社の子に聞いてみたりしたのだが、最初思いついたiPhone6はデータ移行や、アプリ(手持ちのものは使えなくなる)など、いろいろと面倒そうだ。今年あたりからソフトバンクでSony や Samsungの端末が使えるようになったとの由で、この辺を検討して、お店で触ってみたりした。

しかし、なんだかしっくり来ないというか・・。

今のスマホ(SHARP 200SH)は2年半ほど前に機種変したが、ちょっと遅いとはいえ一応使えている。さいきんはデジカメもそうやたらと買い換えたりしないので、2年前に買ったE-P3とか、Q10とか、現役ばりばりだ。なので、なんとなくもったいない感がふつふつと沸いてくる。

昔だったら喜んでほいほいと買い換えていたものだが・・。だんだん枯れてきたかしら?

それより、同じく2年前の2月に買ったタブレットの方が問題だ。

NEXUS7 (ウェブを見ると、モデルチェンジ前の製品を2012、後継機を2013と呼んでいるらしい。うちのは2012)だが、動作がちょっと遅れるようになってきた。もっぱら電子書籍の閲覧や、Evernoteでの文書作成、 ウェブ閲覧くらいしか使っていないし、メモリもそれほど食っていないようなのだが。 

これもウェブ情報だが、こういうときはバックアップを取って本体をリセットするといいらしい。

さっきちょっと準備していたのだが・・。なんだか勇気が出なくて、まだ実行していない。

買い換えちゃおうかな?でも、新しいタブレットを買ったら、また設定し直さないといけないから、リセットしてもやることは似ているな。

それと、スマホとタブレットの役割分担も、考え直した方がいいかもしれない。

どちらもやれることはほとんど変わらないのだ。確かにタブレットは画面が大きくて見やすいが、混んだ電車では案外と使いにくい。

スマホで本を読むことはできると思う。ただ、文書を入力するとき、タブレットではATOKのQWERTYキーボードを、両手の人差し指で打っている。同じことをスマホで打つのは、不可能ではないがかなりしんどい。NEXUSは7インチだが、もう少し大きいのを買えばもっと楽かもしれない。

てなことを考えていると、なかなか物事が先に進まない。

そのうちあれこれ考えるのが面倒になって、ソフトバンクショップで手続きし始めちゃうかも知れない。

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零戦

2015年08月15日 | 鉄道、車、のりもの

8月15日は「戦没者を追悼し平和を祈念する日」です。今年は戦後70周年という節目にもあたり、先の大戦について関心を深められている方も多いと思います。

ちょうど2年前に、所沢の航空記念館で買った零戦のプラモデルを作ってみました。小学生の夏休みの工作気分ですが。

こんな箱です。ちょうどアメリカで保存されている零戦が里帰り展示されていたときで、記念品販売コーナーで見かけて珍しいな、と思って買っておいたものです。その後映画が公開されたりして、それに合わせた限定キットも発売されたりしているようですね。

子供の頃、戦艦大和とかは作ったことがあったけど、零戦はなかった気がするな。

それではエンジンから。

こんな感じでお店ひろげてやっているわけです。おばQもいるし、鉄道模型の箱もみえていたりして、いったい何歳なんでしょうね・・。

軍艦のキットもそうですが、説明書通りに作っても自分で何作っているのか全然わからない状態が続きます。

実物は2年前に記念館で見はしたのですが、ああ、そんなものか、程度の感想しかなかったですからね。

とりあえず形はできました。風防は開いた状態でいったんつけてみたのですが、接着剤とかで汚してしまい、後に付け替えています。

スライドマークをつけて完成。いろいろなマークがたくさん用意されていて、実に細かい。

ところが、何か参考になるかとウェブで検索していると、こんなものではなく更にディティールアップしたすごい模型を作っている人がたくさんいる。どの世界でもマニアはすごいです。一も二もなく降参して、見るのをやめにしました。

真珠湾攻撃に使われたときの仕様らしいです。僕が知っているのは、後年の濃緑色のものですが、こちらの方が軽快な感じはします。

細かいところはルーペを使いながらなんとか、という感じで。だんだんと細かな仕事はやりにくくなっていくな。

うちの零戦は、平和を祈念するために作ったものです。なので、武装は解除して、機銃からは栗と、ひまわりの種がでるという想定になっています。ああ、栗じゃあさるかに合戦になってしまうのかまんじゅうにしておこうか。こわいからね・・。

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もおか号 SL列車

2015年08月09日 | 鉄道、車、のりもの

よくのんびり汽車の旅、などというが、実は汽車(蒸気機関車のひく列車)には乗ったことがないのだ。 保存列車などは、子供の頃はなかったし、大人になってからも・・なんとなくお祭り騒ぎが好きじゃないし。

戦後70年の記録映像などを見ていると、当時の汽車旅が大変だったという証言も出てくる。それに、夏など、釜を焚く機関車などは相当に暑かった(熱かった)のではないか。そんなことを体感したくて(ほかにも理由があるけど)、真岡鉄道を訪ねてみた。

 

真岡鉄道は下館から茂木までを結ぶ、40キロあまりの鉄道。下館は水戸線、関東鉄道が集まる交通の要衛。

真岡の駅はかなり立派なもので、市の施設も併設されているようだ。建物はごらんのとおり、SLを模したもの。整備予定の保存車両もたくさん置いてある。

もおか号(SL列車)には2両の機関車が使われている。今回はC11 325。昭和21年生まれの69歳。

ミニ鉄道博物館のような施設があり(無料)、機関車と客車が展示されている。機関車は施設内の線路(100mくらいかな)を移動でき、お客を乗せた貨車を引っ張るといったアトラクションもある。

沿線の風景はとても美しく、カメラマンがおおぜい訪れる。このときも、この前後数百mに10人くらいはいたかな。いい撮影場所はたくさんあり、奥が深そうだ。

真岡から、終点茂木まで移動。ここも集会所のような施設があり、親子で体験する機関車見学会、らしきイベントをやっていた。

焼き魚とか、軽食も売っていたけど・・。間食禁止なのでまたかき氷を・・。

ちょっと、てんこ盛り過ぎてたべるのにくろうした・。

ようやく列車が来た。

ホームでもそうだったが、沿線でたくさんの人がカメラを構え、手を振ってくれるのには驚いた。

わかりにくいけど、窓を開けていると機関車のすすがたくさん入り込んでくる。

時々石炭の焼ける、香ばしいにおいがしてくる。 

 

実は「窓の開く車両」マニアなので、これはとてもうれしい。

田んぼから吹く風は時にかなり強く、森の中を抜けると涼しい風が入ってくる。駅に止まっているときだけ、ちょっと暑いけど、それ以外は快適だ。

それに、五感を通じて汽車の旅を楽しめる。冷房付きでは蒸機でも何でも同じにしか思えないものね。

 

下館に到着。1時間半ほどの旅でした。

行きはJR(宇都宮線、水戸線)を利用したが、帰りは常総線とつくばエクスプレスを使ってみた。

常総線は田園風景の中を延々と走り続ける。それはいいが、運賃が高いなあ・・。

最後はつくばエクスプレス。今までとは打って変わって、怖く思えるくらい早い・・。

そんなわけでした・。

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ゆっくり走ろう

2015年05月25日 | 鉄道、車、のりもの

週末は所用で出かけていたのですが、そちらの方は記事になりそうにないので・・。

それと、gooになってからやり方のわからなかった、you tubeの貼り付けができるようになったので、やってみました。

動画は日産がかつて販売していたローレルの、1974年2月のCMだそうです。

これはずっと前に書いたように、免許を取って最初に運転した車(親の車)でした。当時としてはやや派手な、マッスルカー的アメリカンスタイルだったので、改造されて'族'仕様になった車をよく見かけましたね。

なのですが、このCMのキャラクターが松本幸四郎(当時六代目市川染五郎)さんなところが実にいいですね。松本幸四郎さんは今でも、あれはメイクして老け役をやっているんじゃないかと思うくらい、この頃と変わりませんね・・。幸四郎さんはどちらかというと、日産よりは大ヒットしたトヨタのマーク2(80年代中頃)の印象がありますが、ローレルの宣伝にも出ていたようです。

CMでローレルはスキーキャリアをつけて、都市郊外の高速道路から冬の山岳道路を走り抜けます。ホテルの喫茶室でくつろいでいると、雪が降り始めている、という展開のようです。イメージとしては関越から碓氷峠の旧道を登り、軽井沢への道のりを想定しているのか、と思うけど、関越は当時川越あたりまでしか開通していなかったのですね・・。もちろん、上信越道が開通するのはずっと後の話。あの頃、東京から軽井沢に車で行くのは、相当の大旅行だったのでは。

これのミニカーでもあるといいのですが、ないのでプラモを買ってみました。

買ったのはずいぶん前だけど、手をつけることがなかなかできず・・。いつものことですが。

外部塗装は箱のイラストのように、グリーンメタリックにしようと思っていた。発売当時はこれがイメージカラーで、初期のCMとかもこの色の車が走っていた。

当時の見開きカタログに出てくる、グリーンのHTの後ろ姿など、見事な造形(まるで日米混血のハーフみたい・・)が映えている。

余談だが、この車のデビューの頃、後楽園球場へナイターを見に行ったとき、近くにこの色のローレルが止められているのを見た。街灯に照らし出されるボディの見事さと、なぜかとても深い角度に寝ているメーターパネルが、とても格好良かったのを覚えている。

ところが、これを再現できる、適当な塗料はないみたいだ。組み立て説明書には黄色+銀色となっているが、ほんとうかな?グリーンと言っても抹茶の様な色なので。いや、色の記憶はあっても、実際にはどれだけ覚えているのか、怪しいものだ。

結局、あっさりとあきらめて、自分の家の車の色であった、白にした。車の塗装って、難しいのでなるべくてきとうに。

大昔、プラモを作っていた頃は、塗装も重ね塗りと研磨を繰り返していましたが、その辺は本当に根性なくなりました・・。

今はまだ、塗っただけなので、またできたらお知らせします。

ムーミンハウスも、まだ宿題ですね。

 

 

 

 

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大鉄道展

2015年05月15日 | 鉄道、車、のりもの

所用で出かけた帰り、日動美術館で「大鉄道展」を見てきた。

非常に有名な作家のものはないが、鉄道に関するテーマの絵画をずらりと並べられたもの(主に現代美術が多いが、明治初期の錦絵なども展示されている)をながめていて、感心した。これが面白いのだ。

鉄道とアートというのは、あまり結びつかない気もするが、明治期(日本では)にはハイテクや西欧的なものの象徴であり、今は日常の風景の一部であったり、のどかな田園風景に溶け込んだ存在であったり、はたまた旅情を誘うロマンチックな存在であったりもする。

アーチストの方々にも、それなりにアピールするモティーフであるようだ。

図録は販売されていなかったので、今個々の作家の名前等を思い出すことはできないが、とても楽しめた。

特別展の1階は、そうした絵画やオブジェが展示されていた。

2階はがらりと変わって、鉄道写真家中井精也氏の写真とジオラマが並べられている。

1階は撮影禁止だが、2階は中井氏の希望で撮影可能、ブログやSNSで拡散してね、ということなので、そうします。

中井氏、いいですね。いわゆる鉄道マニアの写真は車両を画面いっぱいに入れた、記録写真的なスタイルが多いが、中井氏は鉄道と、その周りの風景、人々が撮影の対象だ。

のんびりした田園風景や、駅や車内に憩う人々、鈍く光るレール、風雪に耐えた枕木・・。僕等が鉄道に惹かれるのは、そうした情緒性を、線路や列車、駅施設が持っているからなのだろう。

階段を上って展示室に入ると、目に飛び込んでくるのが巨大なジオラマだ。

これ、2月に横浜で行われたCP+ 2015で展示されたものなのだそうだ。CP+、僕も行ったんだけど、体調が悪くて退散したので、ジオラマは見られなかった。人が多かったしね。

全体はこんなかんじ。ソニーのカメラが置いてあり、撮影可能。もちろん自分のカメラで撮影しても良い。

以下、このジオラマのはなしをしばらく・。

どこか懐かしい、日本の鉄道の原風景がひろがる。

線路や、全体の規格はGゲージ(レーマンL.G.B.  1/22.5 線路幅45mm)のものだと思われる。かなり大型の模型で、庭を走らせたり、飲食店で料理を載せてお客のテーブルに運ぶのに使われたりするのを時折見かける。

ここでは車両をすっかり日本風に改めている。かつて存在した軽便鉄道の装いだ。

詳しいことはわからないのだが(ウェブかどこかの雑誌で紹介があるのかも知れないけど)、全体の構成は、我々個人が作るような、Nゲージなどのレイアウトとはずいぶんと違う。

走行中の車両には、幼稚園の園児たちが乗っていて、みんなで外を眺めている。

線路脇の花もきれいだ。こういう表現は、サイズの大きな模型でないと、なかなかできない。

うっそうとした森には、本物の木(ゴールドクレスト?)がつかわれているようだ。駅前には大きな桜が咲いている。

人形のおおきさを考えると、葉っぱのおおきさなど、全体のスケール感はおかしいのだが、とにかく雰囲気は出ている。

人形たちは様々な工夫が凝らされている。中井氏本人や、中井氏の娘さんも出演しているという。

スーパーリアルをめざすのではなく、漫画的というか、強調したいものをわかりやすく見せることで、全体が中井氏のよくいうゆるい鉄道風景としてまとまっている。

簡単なようでいて、これは結構高度な、芸術的なセンスが必要なのではないかと思う。

「絞りを優先せよ」

皆さんのブログとかを見ていると、この看板が気になるのかみんなこのシーンを選んでいますね。

ちなみにこの写真は持参したPentax Q ,01 Standard Prime で絞り優先 F1.9です(α7Ⅱではなくてすみません)。

ところで、この鉄道は有葉線(あるふぁせん)という名前なのですね。

あるふぁは、ソニーのレンズ交換式カメラのシリーズαから来ているのでしょうけど、僕なんかが聞くとつい、西の岬とか北の大崩れとか、探してみたくなったりします。

もっとも、それでは「昔ながらの鉄道の原風景」ではなくなってしまいますが。

ただ、このカットのように、軽トラとおじさん、おばさんがいるシーンには、「ヨコハマ」にちかいものを感じたりします。

これだけ花を作り込むのに、どのくらい時間がかかるのでしょうか?

黄色いチューリップ畑?に、ピンクのレインコートと赤い傘、長靴の女の子。とても効果的ですね・・。

というわけで、常設展を含め色々楽しんだのですが、記事的にはジオラマが中心になってしまいました。

大鉄道展は24日(日)までです。

 

 

 

 

 

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北陸新幹線 かがやき

2015年03月14日 | 鉄道、車、のりもの

初乗りに行こうという話もあったのだが、いろいろあって断念。昨日も会社の子と話しながら、新型車で大宮あたりまででも行こうか、と中途半端な事を考えたが、ほとんど意味がないし、3000円もかかるので、これまた断念。

などと迷走したが、朝早く起きることができたので、とりあえず初電を見に行こうと思いたつ。

朝5時過ぎの電車に乗ったが、土曜朝の電車って雰囲気がずいぶん違うね。コートではなくダウンを着ている人ばかりだし、何となくみんなせかせかしている。

東京駅の、新幹線改札は人でいっぱいだ。

シャッターを切ろうとしたら、表記が英語になってしまった。

ホームに上がると、予想通りの風景が・・。

ちょうど電車がきたところ。

列車のいるホームからではどうにもならないので、反対側の東海道新幹線ホームに移って撮影。お祭り騒ぎでしたね。

上野東京ラインなどのお話は、鉄道部に書きます。

 

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徳大寺有恒さん

2014年11月09日 | 鉄道、車、のりもの

自動車評論家の特大時有恒氏が亡くなったので、家にある氏の著作を取り出してみた

僕が徳大寺氏の名前を初めて知ったのは30年ほど前のことだ。ちょうど車に興味を持ち始めた頃で、後で書くが代表著作である「間違いだらけのクルマ選び」の84年版を、地元の本屋さんで立ち読みし、面白くなってそのままレジに走ったのが最初。ほどなくして、「ベストカーガイド(現ベストカー)」誌に連載があるのを知って、時折買っては読んでいた。この連載「俺と疾れ!」は同誌の最新号まで連載されている

同じ頃、創刊間もない「NAVI」誌に、同誌編集長だった大川悠氏、舘内端氏と共に時の新車や、特集された話題を対談形式で論ずるという、NAVI TALKが連載されているのを知った。当時よく使っていた池袋の芳林堂書店で、モデルチェンジされた日産の上級小型車、ローレル(C32型)をこき下ろしていたのを立ち読みして、う~ん、きついなあ、と思って、買うのをやめた(^^;のを覚えている。最初に買った「NAVI」は、翌年3月、ホンダ・クイントインテグラの評論が掲載された号からだ。

「NAVI」からはそれこそいろいろなことを学んだ。当時同じ二玄社から発売されていた「CAR GRAPHIC」と比べると、その編集姿勢はより柔軟で、自動車そのものと言うよりは、自動車のある生活や、自動車ファンの生き方、みたいなテーマを取り上げることも多かった(ハードのCG、ソフトのNAVIと言われていた)。上に掲げた写真でいうと、「ああ、人生グランドツーリング」などは、その頃の「NAVI」に掲載されていた記事を集めたものだ。

「クルマが好きで・・軽エンスーのBMWストーリー」というのは、都内に住む広告代理店勤務の若いサラリーマンが、当時モデルチェンジされて好評だったBMW525iを購入したという、徳大寺氏のストーリーテリングだ。名門校出で名のある広告代理店勤務、親にマンションを買ってもらって、そこそこの生活を送っている・・という、バブル時代によくあった設定の若夫婦が、今はやりのクルマを買う、というお話だ。このシリーズは面白くて、今でも最初に読んだときのことを良く覚えいている。

「金、余りて お父さんのベンツ・ストーリー」、これは神田の製版工場を畳んで、大金を手にしたお父さんが、これまた当時好評だったミディアム・メルセデス230Eを買おうと思い立ち、ベテランセールスマンにおだてられてのぼせたり、買った「ベンツ」で勇躍ゴルフに行ったりする、という話。おそらくは徳大寺氏と同世代の「オトーサン」を念頭に置きながら、当時の時代性を取り入れつつ語ったと思われるこの話、ほとんど「小沢昭一的こころ」みたいな世界だが、氏の同時代人に対する愛情が感じられる、すてきなストーリーだ。

「ダンディ・トーク」シリーズは、自動車の話と言うよりは、徳大寺氏の人生観などを織り交ぜたエッセイ集だ。本文中で否定はしているが、きざと言えばかなりきざな文章で、徳大寺氏の名調子全開という感じの作風だ。

引用したい文章はたくさんあるが、ここでそれを取り上げていると長くなりすぎる。ただ、以下のふたつだけは取り上げておきたい。

日常生活の中で、絶対声高に使ってはいけない言葉がある。

「ロマン」とか、「幸福」とかいう言葉だ。あるいは「文化」とか、「芸術」なんて言う言葉もそうだ(中略)。

なぜか?

恥ずかしいではないか。

これが、「恥ずかしい」という感覚につながらない人は、もうこの話を読む必要はない。わかる人にはすぐわかるだけの話だ(中略)。

世の中には、それを持ち出せば相手に反論の余地を与えない言葉というものがある。

たとえば、「平和」とか「反核」、あるいは「環境保護」などという言葉もそうだろう。もし、こういう言葉に「反対」を唱えたりすれば、それこそ「なぜだ?」と目をむきだしてくってかかる人たちの避難と軽蔑の視線に耐えながら、汗を飛ばしながら必死で議論するしかなくなるだろう。そして、おそらく一晩かかって話しても、結局は危険思想の持ち主とか、自覚にないエゴイストなどという烙印を押されたまま見捨てられてしまうに違いない。

(ダンディ・トークⅡ ソアラにロマンはあるか?イカロスの飛翔と墜落)

絶対的な価値を示す言葉には、大概は時代のイデオロギーを代弁していることが多い。「文化」、「ロマン」、「幸福」なども、結局は時代のイデオロギーだと思う、と言う。

こうした、絶対的な価値を示す言葉を傲然と口にする人々は、自分の価値観につゆほどの疑いを持たず、他の意見を決して許そうとしない。こうした人々の神経を、徳大寺氏は好きになれない、という。

ただ、氏は「ロマン」という言葉には自分も思い入れがあり、ここぞと言うときには使いたいのだが、と続けている。要するに、軽々しく絶対的な言葉を使うな、大人ならそうした言葉の持つ、エゴイスティックな側面を知った上で使え、ということだ。

これなど、今の日本の言論界にはものすごおく、大事なことだと思う。

 

健康についても決して無関心じゃないが、必ずしも長寿である必要はないと思っている。大切なことはいつお迎えが来ても”俺には○○年のすばらしい人生があった"といえることだから。

だから、ことさら健康に悪いことをしようとは思っていないが、しかし、快楽は多くの場合、長寿とは反することが多い。タバコ、酒(こいつは多くはしない)、夜更かし、女、大食い、こいつらと無縁じゃない。

かくて、私はこれからもかくのごとくノーテンキで、いつまでだかわからぬが生き続けるだろうと思う。

(ダンディ・トークあとがき 「キリギリスの心意気」)

氏がこれを執筆されたのは25年前だが、なくなる前に徳大寺氏は、自らの人生をはたしてどう振り返っておられただろう。僕などが思うに、実に見事な人生を生ききった方のように感じられるが・・。

男と女の話など、本当に面白いお話もたくさん書かれているが、別の機会に譲る。

15年ほど前に出た「ぶ男に生まれて」は、「ダンディ・・」とは全く違う文体の佳作だが、何処かに行ってしまって見つからない。書店でももうないんだろうな。

手元に偶々残っていたのは、90年代後半の分だが、「間違いだらけ」は1976年から、中断を経て30年以上にわたり刊行され続けた。僕は古本屋で買いそろえるなどして、たしか初年度から90年代ぐらいまでは全部持っていたと思う。

若い頃にはその痛快な毒舌にしびれたものだが、このシリーズが日本の自動車業界にもたらした影響の功罪については(実際、業界全体を動かす力にはなったのでしょうね)、いろいろと議論があるかとは思う。

今、僕は自動車趣味人の看板は下ろしていて、自分の車も持っていない。自動車雑誌は、この1年で1,2冊買って、その変貌ぶりに驚いた。ウェブで無料で見られる、新車評論のようなものを見るにつけ、もう昔のような自動車評論の時代は終わっているのだなあ、という気持ちを強くしている。僕が少しだけかじったいろいろな趣味の世界、たとえばオーディオの世界なんかも、読み応えのある文章を書く評論家の方がかつてはいたが、そういう、好きなものを「語りつくす」という世界は、終わってしまったようだ。それがなぜなのか、イデオロギー時代の終焉?ITとインターネットの進化?「男の世界」の終焉??わからない。

最後に、小沢コージ氏が徳大寺氏との対談を終えての感想を「徳大寺有恒からの伝言」から引用して終わりたい。

・・その面白さは、クルマ好きとカッコつけとオンナ好きが絶妙なバランスで混ぜ合わさっている点にある。それは、年齢を重ねれば重ねるほど貫禄を増していった。なぜなら発言がどんどん正直かつ正確になるからだ。なによりも、心の中をさらけ出しているような丸裸の発言なのだ。私は今までのクルマ評論一般が、なぜつまらないのか、なぜ興味がわかないのか、徳大寺さんの話を聞くたびにわかるような気がした。色っぽくないのだ。正直じゃないのだ。感情的じゃないのだ。

・・徳さんだって人間だ。貧乏は怖いし、ケンカも怖いし、時には安定もほしくなるときもあると思う。だがそんな素振りはみじんも見せず、堂々と正面から立ち向かう。だから過激だし、とてつもなく色っぽいし、男の私から見ても魅力的なのだ。そして何よりも正直である。そこに徳大寺有恒という自動車評論家の真骨頂があると私は確信しているのだ。

・・私自身思うが、特に最近、日本は男らしさ、男としての誇りが足りない。だから日本の男はモテないのである。サムライの持つ男らしさ、大和魂を忘れてしまっている。男らしさとはある種、愚直なまでのこだわりであり、主張であり、愛であり、ヤセ我慢だと思う。

 拝金主義、合理化がますます進む中、そういうバカはモテないし、ウケないし、お得ではない。しかし、そういう男は常にいなくてはいけない。バカで、ヤリ過ぎで、イキがっていて、カッコつけで、誤解されるぐらいがちょうどいいのだ。日本男児は、やはりこころのどこかにサムライを持っていなければいけない。わたしはそれを勝手にこの偉大かつ愛すべき先輩から学んだと思っている。

徳大寺有恒さん、ありがとうございました。

書き始めたらこんなに長くなってしまった。

ご冥福をお祈りいたします。

 

 

 

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カリーナとバイオレット

2014年11月02日 | 鉄道、車、のりもの

続けてミニカーの話題で失礼。アマゾンで注文していたマーク2をキャンセルしたとき、代わりにおすすめ商品としてリストされていた、この2台を買った。

ファストバックが特徴の2台。時代的にはバイオレットは1973年の発売、カリーナは70年発売だが、モデルはマイナーチェンジでフロントが少し変わった後なので、おおむね40年ほど前の新鋭車ということになる。

トヨタはコロナとカローラの間、日産はブルーバードよりは下でサニーよりは上級の車というセグメントで、どちらも同じようなポジションにある。

ただ、販売はカリーナの圧勝だったようだ。カリーナはコロナと共に長期間にわたりモデルチェンジを繰り返して、それなりの知名度と販売実績を重ねてきたが、バイオレットはその存在を覚えている人がほとんどいないのではないかと思う。ラリーとか、モータースポーツが好きな人は覚えているかな。

あと、地方のタクシー。昔はクラウンやセドリックはコラムシフトの6人乗りで中型と称し、前席に二人乗れる車(5人乗り)は小型という区分だった。小型は料金も少し安かった。大都市にはあまり小型がいなくて、地方都市や、観光地などは小型の方が多かった。トヨタで言うと歴代コロナ、日産は510までのブルーバード、そのあとこのバイオレットで、810からはまたブルが小型タクシーとして使われていた。今は6人乗りセダンというのはないみたいだ。古い写真を見ると、タクシーのモデルで撮影時期が推測できる時期もあったが、今は同じモデルを長く作っているので、わからなくなったね。

ウェブを見ると、デザイン優先が過ぎて顧客が離れ、販売は苦戦したとされる。Cピラーが太すぎて視界が悪いというのは、この時代の日産車の通弊。僕はC130ローレル(ハードトップ)が最初に運転した車なので、これを体感している。

それはそうと、やや腰高な印象はあるものの、今見るところっとした感じで結構かわいいデザインだな、という気もするけどな。ひと頃は低く長いのがセダンのデザイントレンドだった時期もあったが、最近はハッチバックからセダンを派生させるので、このバイオレット風とは言わないがころころしたデザインのセダンが増えた。その意味では時代を先取りしていた?

’75年頃、僕が車を買える立場だったとして、でもあまり予算がないという状況だったら、選択肢に残していたかも。マイノリティ気分も味わえそうだし。

カリーナは、初期のモデルのほうが印象が強い。外側のヘッドライトが金属のケーシングに覆われていて、他にはない個性があった。濃い水色メタリックの車が近所にあって、良く覚えている。

小学生の夏休み、朝のラジオ体操をするために近くの公園に毎日通った。外で使えるラジオがなかったらしく、このカリーナの持ち主の方が、ドアを開けてカーラジオをいっぱいにして音を出してくれたのを覚えている。

当時でもクラシカルに思える、縦長のコンビランプが特徴。カリーナはコロナよりはすこし若向きのイメージで、キャッチコピーも「足のいい奴」というのが有名だった。

これの後継モデルはもう少し落ち着いた、ボクシーなデザインになったが、バランスのいい、長く使えそうな車だった。大学の先輩が長く乗っていたし、自分でも家(ホンダ初代アコードセダン)の車の車検でしばらく乗っていたことがあったが、ホンダより安心感があるというか、これなら長く使っても不満が出なさそうだな、と感心した記憶がある。

現行のアリオンとかもコンセプト的にはあまり変わりはないかもしれないな。ただ、今の時代にセダンを選ぶと言うことが、昔(セダンが当たり前だった)とは違う意味合いがでてきているかもしれない。昔カリーナに乗っていたような人は、まあ今ならプリウスあたりを選ぶのでしょうかね。

背景の建物はNゲージのドイツ製キット(貨物駅)だが、異常にドアや階段が大きいので1/64のミニカーと並べても違和感がない。本当にNゲージサイズなのかな?

例によっていい加減な写真なので、背景がしょうもないですね。一度ちゃんと撮ると、その先適当に撮りにくくなるので、わざと外しているのです、と思ってくださいませ。

 

 

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トヨタ マーク2

2014年11月01日 | 鉄道、車、のりもの

先日、330グロリアの記事を書いたとき、マーク2(Ⅱは環境依存文字らしいので、ここでは2と表記する)の白は来年発売予定、と書いたが、それも勘違いらしく、既に発売になって市場に出回っているらしい。

amazonでは発売予定となっていたのでそう書いたが、偶々amazonでは予定数販売終了で、次回入荷が来年1月ということだったのか、その辺はよくわからない。

とにかく、ビックカメラのおもちゃ売り場を見ていたら、白のマーク2が売られているのを見つけた。ので、これを購入し、amazonはキャンセルした。

80年代半ば、いわゆる「ハイソカー」などと呼ばれて、猛烈に売れた車である(あれです、High Society's Car、の略です・・。今にして思うと、すごい言われ方という気がしますが)。あのころは街を歩けば別に見たくなくてもどこかでこの車が目に入ってくるというほどだった。ところが、会社の子なんかは知らないんだよね、この車。なんとなく四角っぽい車・・、という感想だった。

ちょっとピントが緩いですね。この頃のトヨタ車はディティールの仕上げが非常に繊細で、たとえばこのシリーズのセダンやワゴンなどは、窓ガラスとサッシュがきれいに面一に仕上げてある。このHTも、窓まわりはとてもきれいな仕上がりだ。

そんなモデルなので、模型にすると細かいところが気になってしまうのは仕方がない。かなり頑張っていると思うが、近くで見ると窓まわりなど、ちょっとごついところが目立つ。

ちょっとヘッドレストが大きすぎるようだが、あの特徴的なバーガンディの内装色が見えるようになっている。当時だって心ある人からキャバい、といわれていた、ボタン引きルーズクッションシートは、この車の最大の売りの一つであった。前後して他のトヨタ車や、他社の車にもこういう色のシートが流行した。

当時のいわゆる上級小型車は、今日風の言い方ではDセグメントに相当するのだろうが、5ナンバーに収まるスペック(全幅1.7m以下、排気量2000CC未満)で作られるものがほとんどだった。日本では使いやすいサイズで、直列6気筒(またはV6)を積む車としては比較的安価なことから、本当によく売れた。社会が豊かになり、どうせ車を買うならちょっとだけ良いものを、というユーザーにぴったりフィットしたのだ。

今でも同じようなクラスの車は売られているが、当時と今の違いは、今の車には夢とか、遊びのような人々を魅了した要素が少なくて、なんとなく華のない車が多いように思えることだ。もっとも、このマーク2に与えられた「華」は、当時の社会状況のもとで花咲くように与えられたものであって、今それと同じようなものを与えようとしてもできないのだろうけど。車だけ、あるいはメーカーだけの努力ではなく、社会のムード全体が、車に夢や華やかさを吹き込んでいたのかもしれない。

おまけ。今週、なぜか突然現れた羊さん。

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カーシェアリングをしばらく使ってみて

2014年10月26日 | 鉄道、車、のりもの

先月初旬にカーシェアリングの会員になったことは、ここに書いた。

その後、計5回ほど用務で利用している。使い始めると案外便利で、我が家の交通手段として定着しつつある。以下、その感想(少し長文です)。

都市部は車で移動するのに便利なようにはできていない。郊外や地方都市では、車はずっと生き生きと動いているように見える。大都市ではそのかわり、地下鉄やターミナルのデパート、専門店、すぐ近くにあるコンビニなどが充実している。維持費を考えると、現住所で車を持つのはもったいないかな、というのがこれまでの僕の意見だった。

とはいえ、荷物を運んだり、ルート的に鉄道などが不便だったりという理由で、車を使いたいケースももちろんある。また、全区間車だと渋滞その他で大変だが、最寄りの駅まで行ってから車を使えれば便利というケースもある。カーシェアは、そんなニーズに応えてくれるサービスだと思う。

僕の場合は今のところシンプルな使い方しかしていないが、たしかに買い物で2時間程度、車を使うという場合などはとても便利だ。1,600円ぐらいの出費だが、同じことをタクシーに乗ってやろうとしたら、2~3倍はかかるんじゃないかな。一番遠くまで行ったのは実家に行ったときで、片道23キロぐらい。一番長く借りたのは4時間半ぐらい。

近所に会員の人は結構いるみたいだ。車のおいてあるコインパーキング(ステーション)は、自宅から1キロ程度の範囲に数カ所あるが、連休の時など、日中は予約で埋まっていることが多い。一番近所にあるステーションは、いつも予約で埋まっている。ので、家から離れたステーションを利用する機会も多い。

車はデミオ、スイフトなどのコンパクトカーが中心。レンタカーと違って、洗車済みでおいてあるわけではないが、車内の汚れが気になったことは今までない。外装は擦り傷の多少目立つ車もあるが、レンタカー的な感覚では、そういう車に乗るのはちょっと不安だ(自分が傷つけたと思われそう)。デミオ(最近旧型になったモデル)はなかなか優秀な車で、町中を泳ぐにはちょうど良い。一度だけスイフトに乗った。こちらの方が車内などは良い感じなのだが、ブレーキのサーボが効き過ぎて、気をつけないとがくっとなるのは個体差ではなく車種固有の癖か。コンディションが気になる車にはあっていないが、一度、低速でハンドルを操作すると小さな異音と振動を伴う車に出会ったことがある。

予約時間は15分単位で調整できる。レンタカーと違い、料金は実際に使った時間(15分単位)でしか課金されない。取説では予約は30~1時間くらいの余裕を持って行うように勧めている。予約時間を過ぎても返却されないときは、ペナルティの対象となるが、利用中でも時間延長は可能。延長は車のカーナビからもできる。もちろん携帯からも可能。僕はスマホから2度延長手続きをした経験がある。

利用時間の読みは難しい。余裕を持って予約、といっても、そうやたらと長く予約するのは、他の利用者の方に迷惑な気もするし。とはいえ、次に利用する人がいて、延長したくてもできず無断延長になってしまってはもっと迷惑だが。

時間に制約があるし、当然利用中はお金がかかるから、一度車に乗るとぱっぱと用事を済ませなきゃと思い、どうしてもせわしなくなる。これが自分の車で出かけているときとの大きな違いだ。料金が15分単位で変わるというのもその傾向を強めることになる。ただし、それを補うサービスもある。パック料金、特にナイトパックなどは比較的安い(午後6時から0時まで均一2060円+キロ16円)ので、ディナーに出かけるときなどはいいかも。

給油や洗車をすると、料金が値引きになるシステムがある。予約した車の、ガソリンが半分程度になっていることは結構ある。給油、洗車は車載のカードを使うと、自分で現金を払わなくてもできる。僕は一度だけ給油した。慣れない車の給油は、フュエールリッドの左右も覚えていなかったりして、ちょっと気が重い。カードは提携スタンド(メジャーなブランドをカバーしているようだ)でできるが、一部使えない、なんて書いてあって不安。なにごとも経験、と思ってやってみたけど。

返却すると、次のような返却メールが届く(一部省略)。

〈引用〉

┏━━■利用内容■━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┓

 ■予約番号
  XXX
 ■ステーション
  タイムズXXステーション
 ■車両
  デミオ (XX501わXXX:ライトブルー)
 ■予約時間
  2014/10/XX 07:30 - 2014/10/XX 11:30
 ■追加運転者
  なし
 ■利用時間
  2014/10/XX 07:30 - 2014/10/XX 11:24
 ■走行距離
  43km
 ■最高速度
  59km/h
 ■急加速回数
  0回
 ■急減速回数
  1回
 ■時間料金
  3,296円(3時間54分)
 ■距離料金
  0円
 ■ペナルティ金額
  0円(00分)
 ■合計金額
  3,296円
 --------------------------------------------------------------------

 ・割引などの適用によりご利用料金と請求金額が、異なる場合がありますのであらかじめ
  ご了承ください。

┗━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┛

〈引用終わり〉

最高速度、急加速、急減速の表示は最初びっくりした。この日は郊外の街に用があり、流れの良いバイパスを利用していたが、途中信号がいくつも連続するところがあり、すこしきつめにブレーキをかけたら急減速とカウントされてしまった。急加速とは3秒間に+25km/h、急減速とは3秒間に-30km/hの加減速があったときにカウントされるそうだ。これらが記録されないと、エコドライブと認定されてポイントが加算になる。

ただまあ、これはあまり気にしない方がいいだろう。前後の交通の流れというのがあるので、自分だけゆっくり走ったり、のんびりとまったりできないことも多い。以前急加速をカウントされたのも、合流入路での加速時のことで、こういうときにメリハリのない運転をするのは良くない。まあ、そんなはなしはともかく、カーシェアの車でワインディングロードを攻める、なんてことはできないみたいだ。する人もいないか・・。

というわけで、カーシェアは新しい交通手段としてはなかなか使いでがある。あたりまえといえばそれまでだが、自分で車を持っていて使うのとは全然感覚が違う。僕は職務上、そういう経験は全くないが、社用車に乗務するのと似た感覚があるのかもしれない。

デミオやスイフトの写真を載せようと思ったが、ちょっとなんなので、おおむかし乗っていた車を。ホンダCR-X Si(前期型'88年モデル)。実はこの前のモデル(1.5i)にも乗っていた。今のデミオなどより全長は一回り小さいが、おおむね同じくらいのサイズか。排気量1600cc, DOHCのZCエンジンは130馬力を発生し、車重も1トン弱だったからよく走った。燃費は平均で13km/lぐらい、郊外の空いた道なら20km/l近くまで行くこともあったから、今でも通用するだろう(5MT)。ほんと、昔はいい気になって飛ばしていたわ・・。

中古情報をさがすと、今でも結構玉数が多いんだね。結構な値段がついている。ずっと乗っていれば良かったかな?

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330系グロリア

2014年10月11日 | 鉄道、車、のりもの

久しぶりにトミカのミニカーを買って来た。

'75年式日産グロリア セダン。僕の身近に同じ車に乗っている人はいなかったが、タクシーにも使われていたし、公用車、パトカーその他、見かける機会はかなり多かった。

デザインは一代前の230型をもとに、より抑揚を強く、派手にしたものとなっている。230型は中庸を得たすっきりした外観で、当時のライバル、クラウンを上回る売り上げを記録した。

このセダンはそれほどでもないが、4ドアハードトップの方はちょっと「えぐい」デザインで、特に自動車評論家筋には評判が良くなかったようだ。一般にはそれなりに訴求力があったようで、それなりに売れたらしい。その後はいわゆる族の方々に好まれ、相当派手に改造された車をよく見かけた。

日産の車は、さいきんだとエルグランドとかフーガなんかもそうだが、ちょっと微妙な一線を越えてしまうようないでたちの車を時々作る。トヨタはそういうことがなくて、常にどこかバランスが保たれた車作りをしているようだ。変わったデザインの車も作るが、それはそういうものとして作っているのであり、主力筋の車で羽目を外すようなことはしない。

そう言っては何だが、日産は東京(今は横浜)、トヨタは名古屋、何となく地域性からみると逆なような気もするが、不思議なものだ。

写真はPentax Q10と標準ズームで撮ったが、あれですね。こういう小さいものって、ホコリを取るのが大変ですね。いつもはもっと無造作に撮っているのですが(全然凝り性ではないので)、一つ上のサイドビューなんか、床(机)にホコリがたくさん・・。最初に撮ったときも、糸状のホコリに気づかなくてNG.ちゃんとしたブツ撮りをする人ならとうてい許せない出来です。

Q10は神経質なカメラで、こういう撮影に向いているとはいえない。ただ、MFはじめ各種設定が普通にできるのは長所で、ここの写真はほぼ全部MFで撮影している。被写界深度が深く(望遠端で撮ったものが多いのでF7.1-8.0位まで絞っている)、レンズが小さいのでローアングルで撮りやすいのも良いところだ。

ピント、ちょっとずれているな・・。

この頃の日本車、特に上級セダンは完全にアメリカ流である。同じ時期のヨーロッパ車は、小さいなりにすっきりしたデザインだったが、日本車はいろいろと細かいディティールをたくさん詰め込んだデザインの車が多かった。こうした車は評論家に強く批判された。それが最も強かったのは、80年代の前半あたりだったと思う。その後はメーカーもユーザー達もだんだん「洗脳」されてしまい、今は昔ほどは個性的な変わった車は出てこなくなってしまった。

右は'69年式クラウン オーナーデラックス。トミカLVシリーズは車種によって出来にばらつきがある。

今日、「ピラーの黒い」マークⅡが発売になったが、僕は勘違いしたようで、白一色のものも一緒に発売かと思っていた(来年1月発売予定)。ずいぶん前から発売予定になっていたが、待たせるなあ。予約は入れておいた。

コロナと。70年代半ば頃には、実際にこういう情景もあったことだろう。

比べるとグロリアはとてもモダンで洗練されているようにも思える。

スカイライン・ワゴンと。写真明るすぎ。TIセダンとかも、模型化されないでしょうかね。この時代の車は、機会があれば(新車のコンディションでね)運転してみたいな。

まあ、そういうのは、昔のあの頃に戻って、そのころ好きだった人とやり直したい、みたいな願望に近いものがあるな。

今でも恋はできるかもしれないが、それは全く別の次元の話だ。

今度はもう少し丁寧に写真、撮ろうかな。ただ、個人的なスタンスとして、ここに載せる写真にはあまり時間を掛けたり、凝ったりしないようにはしているのだけど・・。

 

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カーシェアリングの会員になる

2014年09月15日 | 鉄道、車、のりもの

先日レンタカーを借りたとき、カーシェアの記事をウェブで読み、思い立って会員になってみた。

Imgp3704
カーシェア会社の経営する駐車場に、専用の車が駐車してある。スマホかPCで予約して、ICカードでキーを開けたら後は運転するだけ。乗り捨てはできない。15分単位で借りられるが、6時間、12時間のパックもある。月会費は個人の場合、1,030円だが、利用料金は月会費の分値引きになる(全く利用しなければ会費ぶん課金される)。

返却時にガソリン満タンにしなくても良いが、給油は利用者が折を見て行う。ガソリン代は各自が払う必要はない(車に給油カードが置いてある)。洗車も同様。

ウェブでは、短時間利用するならカーシェアのほうがお得、と紹介されている。カーシェアの6時間パックは4,020円、先日乗ったレンタカーは、7時間ほど借りて約7千円(ただし値引き券利用で5000円弱)、300キロ弱走ってガソリン代が3千円だった。ガソリン台分はまるまる安いかもしれない。

ただ、12時間コースになると、距離料金が16円/kmかかるので、計算が微妙になってくる・・。経験的には、12時間くらいのレンタカー利用って、一番ポピュラーな使い方という気がするが、その辺は悩みそうだ。

むしろ、新たな使い方の工夫が必要なのだと思う。スマホで簡単に予約できるのだから、電車で出かけて出先でちょっと使ってみるとか。

Imgp3710
先日カードが届き、昨日、ものは試しと1時間ほど使ってみることにした。
リアゲートにあるセンサーにカードを近づけて解錠、車内のグローブボックスにある鍵を取り出す。あとは普通の車と同様。

最初はホームセンターで買い物して家に寄って・・と考えていたが、ホームセンターの駐車場の入り口がわからず、めんどくさくなってそのまま数駅先の神社を目指した。思ったより1時間は短かった・・。この時間感覚になれることも必要なようだ・。

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今日のレンタカー

2014年09月13日 | 鉄道、車、のりもの

レンタカー屋の値引き券があったので、いつもは電車で行く用務先に車で行ってみた。電車だと特急に乗り、駅からタクシーで3000円ぐらいかかるので。

急に決めたせいか、自動車は日産のワゴン車だった。荷物は一応あるが、リアシートに乗せる程度なのだが。
P9122862
名前はウイングロードか。後で調べたら排気量1500ccなので、レンタカーのランクの中では大きいほうだ。

とっとこ行って帰ってきただけの印象だが、動力性能なんかはデミオ(1300cc)とあまり変わらない印象だった。それより、ステアリングが落ち着かない感じでちょっと戸惑った。まっすぐ行かない感じで、高速だと長い時間では疲れる。駐車場など狭いところでは、良く切れて扱いやすいようだ。
P9122859

内装は素っ気ないけどしっかりした作りで、デミオよりはいいかな。ただ、いきなり乗るとハザードランプがどこにあるかわからなくて迷った。

というわけで、たまに車に乗ると、いろいろ珍しく思えることがあって面白いです。車による違いもいろいろわかるし。

ただ、今回の用務先、電車に比べてどうかというと、値引き券を使っても高速代が高いし、時間もかかるのであまりメリットがない感じ。渋滞もあるし。電車は時間帯によっては本数も少なかったり、乗り換えもあるが、乗れば駅弁食べながら読書もできる。やはり次は電車か。

P9122870
出先で出会ったネコ。妙に愛想が良くて、僕を認めると寄ってきて足に背中をぐりぐりこすりつけて挨拶してくれた。
P9122875
今回久しぶりにOM-1も持ってきていて、フィルムでも撮影したが、このネコばかり撮ってフィルムが終わってしまった。この写真はOMではなくて、一緒に持って行ったE-P3によるもの。

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