たしか、このレコードが出た頃、後輩が聴いて興奮しながら絶賛していたのを思い出す。
僕はもともと、それほどサザンを聴く人でもなかったので、当時レコードを手にすることもなかったが、ラジオなどではよく流れていた。
「鎌倉物語」は、なにかのベスト盤に入っていて、それのカセットを持っていた。なぜかこれが、僕の心の琴線に触れるみたいで、いちど聴き出すとついヘビーローテーションしてしまうのだ。
いや、泣いたりはしないけど、この曲は、ちょっと、よわい。なんか自分の中の柔らかいところに触れてしまう気がする。
自分でもなぜなのか、よくわからない。
歌い方は明るいが、歌詞はちょっともの悲しい(不倫の恋?)。
誤解を恐れずに言えば、鎌倉とはそういう街なのだと思う。都であった頃の、悲しい歴史が染みこんでいる。どこか、秘密めいた、なんかひんやりしたものが感じられる。
ああまた、繰り返し聞き始めてしまった・・・。