うさぎくん

小鳥の話、読書、カメラ、音楽、まち歩きなどが中心のブログです。

春の宵

2018年03月28日 | 日記・エッセイ・コラム

春よ、来いとか言って、来いも何も、一気に通り過ぎてしまってまるで初夏のような陽気ですが。これが1週間前は季節外れの雪でしたからねえ。この松任谷由実の曲とアルバム(THE DANCING SUN)は、個人的には90年代の邦楽ではいちばんよく聞いたもののひとつです。90年ぐらいからはあまり流行りの曲を聴かなくなり、93年ぐらいからはジャズ、クラシック系にはまり込んでいったのですが、これだけは例外でよく聞いていました。

たしか朝の連続ドラマのテーマ曲でしたね。放映中に転居して、越してから買ったテレビで時々見ていました。といっても、ドラマの内容は全く思い出せない。テーマ曲が始まると副音声(男性の声。視覚に障害のある方用に、画面を言葉で説明していた)で「連続テレビ小説 春よ、来い」というナレーションがかぶさっていたのが、なぜか耳に残っています。

転居前はテレビが壊れて、引っ越しまでしばらくテレビなしで過ごしていたので、妙なものが印象に残ってるんですね。。ちょうど阪神の地震と、地下鉄サリン事件の頃でもあって、騒がしい世の中だったな。NHKはまだ終夜放送ではなく、深夜は被災地付近の中継映像がBGMに乗せて流れていました。

これも10数年前になりますが、早春の1日、中央線の特急に乗って甲州まで出かけたとき、MDに録音したTHE DANCING SUNを聴きながら車窓を眺めていました。この季節らしい冬晴れの陽光のもと、暖かそうな色合いの木々や枯れ葉、トルコ石のような渓流の水の色、そして時折すれ違う列車の派手なストライプ模様、などが音楽とともに心の中で調和して。。「春よ、来い」って、ついリピートして聞きたくなるんですよね。5,6回繰り返した記憶があります。

1990年代。あの時代こそ、あれだな。人生に枝分かれする道がたくさんあって、もしここでこっちを選んでいたら、というのがたくさんあった。まだこの先、どんな未来が訪れるかもわからないし、何が起きてもおかしくないし、ちょっと無理すればどんなこともできそうな気がしていた。

もちろん、もっと若い学生や20代のころのほうが、秘めたる可能性は大きかったとは思うけど、まだ世慣れていないというか、いろいろ否定的な気持ちが強かったし、いろいろなしがらみが強くて自由になれなかった。

世相的には決して明るいものではなかった(それもいま思えばあれですけど)のですが、今思うとねえ。。


慌ただしい日々のなかでも今週はとりわけ色々あって、今は長い夜をこうして過ごしています。

ちょうど1年前のこのブログを見返していると、今頃は「シン・ゴジラ」のDVDを買ったり、家の片づけに追われながら、やはり慌ただしい日々を過ごしていました。もう感覚的には、あのころの自分に戻ることはできなくなっているけど、あれから1年たったという感覚もあまりないな。。

ああ、まだ夜は長い。。

 

コメント
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