先日Fire 7を買ったときに一緒にKindle unlimited も契約した。3か月間99円である。2年前にも1か月無料で利用したことがあった。ちょうど仮住まいで頻繁に移動していた時期で、車内で何か読むことができれば、と思ったからだが、思ったほど読みたい本がなかった。なんでもただで読めると思ったら、読める本が結構限られているのだ。
久しぶりに一覧を見る。相変わらずそれほど気を引く本はないが、偶々リストにあがっていたこの本を取り上げてみた。子供向けの本だから、すぐ読めますね。。
子供でも聞いたことのある有名人、偉人たちには、こんな失敗談やヘタレなところがあった、という切り口の本です。コンセプトとしてはありがちですが、人選も意外性があるし、知らなかったことも結構あって、大人でも楽しめました。。って、そういえば野口英世が何を発見した人か、よく知らなかったですね。。小学生の頃、学習雑誌か図書館の本だかで、やけどした左手を「てんぼう」とからかわれたというエピソードを強烈に記憶してますが、その後は「がんばって偉い人になりました」ぐらいしか覚えてない。。
それで、この人がどんな奴だったかというと(^^; 渡航のために渡された支度金を一晩で飲んで使い果たしてしまう、という浪費家だったらしいです。たしかに、そういうことは偉人伝には書いていなかったなあ。
この方は天性の集中力と努力家という評判、実際非常に不幸なことですがやけどによる身体的なハンデ、という面が脚光を浴びがちですが、まあ色々あったようです。なにより、そういう金遣いの荒い人が千円札の肖像になっていることに、いまさら驚いています。。
マッカーサーが「日本人は12歳」と言って、国民の反発を招いたという話も、切り口としては面白い。要は彼は日本の伝統文化を軽視し、明治以来の西洋模倣をしていた日本という側面だけを見て、日本人をバカにした、という見方。マッカーサー、マザコンで他にも色々コンプレックスがあり、ウェスト・ポイントのスーパーエリートだったが人当たりが悪く、軍中枢から煙たがられ、ワシントンにも持て余されて退任を余儀なくされる人物です。ここでは文化の多様性を尊重しましょうね、という点にフォーカスを当てるために引き合いに出されています。
西洋模倣は日本人の、明治維新における大英断だったわけですが、終戦時はまだ開国後80年もたっていなかったわけで、その間の日本人の文明文化吸収は驚異的であると同時に様々な無理や誤解も招き、はたから見れば滑稽に見えることも多かったとは思います。
そうしたニュアンスを今、想像することは難しい。この30年を見ても世界のグローバル化は著しく、もはや今の人が普通に持つ感覚で、80年前の人たちが持っていた世界観は語れなくなっていると思います。
話はそれましたが、本書の意図は意図として、12歳発言というのは、ある種深い含蓄がある言葉だなあ、と思ったりします。
ベートーヴェンは(耳が遠いことを)助けてといえなかった、という紹介ですが、もっと色々なところで変だったことは有名ですよね。。たしか映画があったよな、今度ウェブで探してみよう。
音楽家の変人なら結構知っています。。
チャラいモーツァルト、ロリコンの田舎者ブルックナー、陰険なマーラー、ジャズの人になるとチャーリー・パーカーもバド・パウエルもビル・エヴァンスもみんな薬やっててどっかおかしなことになっているし、ジャズマンにあまり心温まる話は聞かない気がします。クラシック演奏家も相当いますよね。。
のですが、本書の目的は偉い人でも色々ダメなところがあったんだから、くよくよしないで頑張ろう、といいたいわけです。ただ、アマゾンの書評とかを見るとそれでも言い方に配慮が足りないとか、色々言われてしまうのは、やはり現代という時代ですね。。
読みたい本がない、という視点でKindle Unlimitedを見ると厳しい面もありますが、気軽にふだん読まないような本を読んでみる、という点では悪くないかもしれません。。