うさぎくん

小鳥の話、読書、カメラ、音楽、まち歩きなどが中心のブログです。

N響 ベートーヴェン第9演奏会 (2024年12月19日)

2024年12月20日 | 音楽

ふええ~ん・時間がなくて(個人用)PCの前にすわれない。

年末はもともと繁忙期なのですが、今年は部下の子が急にやめることになり、今日が最終日でした。
実家の庭木が伸びすぎてたので、不動産屋を通じて職人さんを頼んでたのですが、今週作業というのが急に決まり、仕事日程やりくりしながら立ち会ったりしてました。

とか何とか。
もうちょっとマイペースで行けるかなと思ってて、チケット買っていたのですが。まあ、とにかく行くことができた。


前回第9演奏会を聴いたのは5年前、初台のオペラシティで行われたキエフ国立フィルの演奏でした。あのときは12月半ばに急に行きたくなり、残席のある公演を探して2階席の隅っこから聞いたのですが・。

キエフとかウクライナって、あの頃は・、ホロヴィッツとかキエフの大門、位の印象しかなかったな。演奏は多少粗いがのびのびしていた印象がある。

令和の最初の年の瀬でしたが、あれからいろいろいろいろありましたなあ。


ファビオ・ルイージさんはイタリアのジェノバの出身で、2022年にN響の首席指揮者に就任しました。1959年生まれなので今年65歳、メトロポリタン歌劇場の首席指揮者などを歴任し、現在非常に脂の乗り切った状態にあるといえます。
テレビでよく見かけますが、実演を聞くのは初めてです。


N響第9の、昨年の指揮者は下野 竜也さんだったそうで、ルイージさんが指揮するのは今年が初めてらしいです。

第一印象は「速い」。

第1、第2楽章はさておき、インタビュー(パンフレット記載)でご自身が信じられないような清明さ、とても落ち着いた、無上の美しさがある、とされている第3楽章も、一気呵成に進んでいく。第4楽章はさほど違和感はないのですが。これでも若い頃よりはテンポを落としている(第一楽章)そうです。

絶対的なテンポよりはテンポに揺らぎがないという面が大きいのかな。一息で演奏するみたいな感じです。この解釈は興味深い。

上記インタビューでは第1、第2楽章には(ベートーヴェンの)苦しみが表れている、とルイージさんは言います。望むものを手に入れられないが、何度もトライする、その葛藤が表れている、と。

見方によっては落ち着かないせかせかした感じの演奏ですが、それはルイージさんのそんな解釈から来ているのかもしれません。


うさぎ的にはこの第1、第2楽章は、そういう落ち着かなさが身上だという気がします。演奏会で聞くとこの辺はどこかモコっとしたかんじで、ひじょうに気持ちが良くは聞こえてこない。

個人的なビジュアルイメージは暮れの都会の夜、広い道路脇の歩道を歩いているときのような感じです。始終車の音はするし埃っぽい。店舗の灯りは明るいが道の脇などは薄暗い。風は冷たい。そして自分は疲れているけど寒風のもと眠気ではなくどこか不快、あるいは多少熱っぽいかもしれない。

第3楽章は少し暖かい建物に入って、多少はくつろいだ感じになります。
ただ、まだ眠るという訳にはいかない。

そして、第4楽章。。


今回の演奏、第4楽章は素晴らしかったです。コーラス(新国立劇場合唱団)もとても良かった。ここは非常に落ち着いて聞いていられる感じでした。


カーテンコール撮影可でした。
席が上手の舞台寄りだったのですが、ルイージさんは指揮台よりもうしろであいさつされたので、見えなかったのが残念。ソリストより一歩さがってたのかな。

引退を表明したマロさん(篠崎 史紀 さん)は良く見えました。
これも記念になりました。

この写真がぶれてしまったのは痛恨。。

素人解釈のついでですが、やはり第9が年末に演奏されるのは、この曲が人々に人生を連想させるからですかねえ。

第1第2楽章で色々トライするも満たされず。第3楽章でもう俺これでいいや、となるけど、どこかでいやちょっと待て、という声が。
そのモヤモヤが、第4楽章でついに炸裂・。
O Freunde, nicht diese Töne! 

いやあ、まだ第4楽章来てねえな。

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