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2010年度 81冊目
5年後にお金に大差がつく!
『海江田万里の明るい定年レッスン ― 5年後のお金に大差がつく!』
700万人の団塊世代注目!
海江田万里 監修
広済堂ベストムック
廣済堂出版
2007/04
97p 1260円
本日三冊目は 『海江田万里の明るい定年レッスン ― 5年後のお金に大差がつく!』
私は団塊の世代ではないが兄は私より10歳上。
兄はビートルズ世代で、リンゴ(リンゴスター)或は 石坂浩二、田村正和と呼ばれモテテいた。
まだ小学生だったわたしは兄のいただいてくるプレゼントに舌鼓をうって楽しんでいた。
兄の周辺の女の方達には申し訳ないと思う。
兄の時代は私とはずいぶん違ったように思う。
10年をへて生まれたわたしたちは、三無主義の時代と呼ばれていた。
わたしの時代は熱くこみ上げてくるものも少なく、問題意識を持たぬふりをして趣味に走っていた。
『海江田万里の明るい定年レッスン ― 5年後のお金に大差がつく!』はそんな兄達の時代に生きる方達へ向けて書かれたものだそうだ。
出版は2007年。三年前だ。
役に立つものや使える内容がいくつかあった。
老後約に生きるための三ヶ条などもあった。
わたし的には実行している部分も多く、焦るほどのないようではなかった。
この本には大きな問題点があった。
うたい文句には【 700万人の団塊世代注目!】とあるが、三年前に書かれたこの本は団塊の世代の方には間に合わない要素が多く含まれている。
老後約に生きるための三ヶ条などは、まさにそれである。
この本を読む人は時間的にも気持ち的にも余裕のある人だから、問題なしとでも言いたげだ。
せめて後10年の余裕を持って書かれたのなら、貯蓄に励み老後に備えることもできる方も増えるであろう。
だが定年間際の方が読むには、人によっては酷かもしれない。
団塊の世代の方はベビーブームで同年齢の方が多い。
世代の人数が多いからと言って、その年代をターゲットにおき設けるのは余りにも品がない。
絵に描いた餅を見せつけるだけ見せつけるのはどうかとおもうなぁ。
この本は定年までに準備をされた団塊の世代にはいいかもしれない。
今日二冊目、本間義人先生の『居住の貧困』といった論理的に練られた良書を読んだ直後だっただけに、なんだか釈然としない気持ちが大きくふくれあがる。
海江田万里氏は政治云々に関係なく、文筆家として考えた場合、お金儲けの上手い方だ。
この本には恐怖心があおられる部分があった。
今の若者(わたしの子ども世代)は【悟りの世代】と呼ばれている。
苦しい立場におかれ、八方ふさがり。
国の財政難の上に尚借金を重ねる政治。
その借金は今の若者が中心となって返すこととなる。
だが、この本を読むと、子どもに財産を残そうと思わず、自分たちが使うように力説されていた。
ということはどういうことか?
2007年時点で既に
『これから益々国民は痛みをともないますよ。』
と 教えて下さっているのだ。
今回総理も変わる、諸々の増税は真逃れない。
恐ろしい時代到来を暗示する書かれ方だ。
子どもに財産を残そうとは思わないで良い、必要ならば車を手放すといった手も
そういった内容は、これから苦しくなりますと知らしめるための記述に他ならない。
国はこういった所にも自然な形で国の動向を国民に知らせるのだということを知った。
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