W. A. モーツァルト:魔笛 (レヴァイン, 1991年)【全曲・日本語字幕】
Mozart 5 モーツァルト:魔笛 /W. A. モーツァルト:魔笛 (レヴァイン, 1991年)【全曲・日本語字幕】
オペラの内容
魔笛の各所には聴衆を楽しませる大掛かりな見せ場が盛り込まれている。
歌や会話の言語もドイツ語で、レチタティーヴォに代えて台詞で筋を進行する、ジングシュピールの形式を用いた。
物語は王子によるお姫様の救出劇の形で始まるが、途中で善玉と悪玉が入れ替わる。
シカネーダーが台本作成中に他の作品で似た筋書きが発表されたため急いで変更したためであるという説もあるが、単なる意外性を求めたストーリー上の工夫とみなすこともある。
これまでの各種の解釈に対して、夜の女王の国と、ザラストロの国とでは善悪見方が相反するもので、全て相対的な世界であるとすれば筋について問題はないと考えられる。
本作にはフリーメイソンのさまざまなシンボルや教義に基づく歌詞や設定が用いられていることも特徴で、とりわけ各所に象徴的に使っているのが目立つ。
序曲の最初や中間部で鳴り響く和音(同じフレーズが3回演奏される)は、フリーメイソンの儀式で使われるもので、劇中ザラストロの神殿内の場面でも再現されている。
2人の作者がメンバーとしてフリーメイソンの精神をオペラ化したとも、当時皇帝から圧迫を受けつつあったフリーメイソンの宣伝であったなど、教団との関わりを重視する指摘があり、今日の演出にも影響を与えている。現在では否定されているが、モーツァルトの急死はフリーメイソンの教義を漏らしたため、フリーメイソンのメンバーが暗殺したという説さえ見られたほどである。
いずれにせよ、第2幕ではそれまでの救出劇から登場人物の(フリーメイソン的な)修行と試練の内容に変わる。
これと対照的なのがブッファ的・道化的なキャラクターのパパゲーノである。
シカネーダー自身が演じる役なので当然だが、要所要所に登場し、場をもりあげる役割を果たしている。
モーツァルトもこの役に親しみやすく魅力的な音楽を与えており、魔笛を代表するキャラクターとなった。
途中から善悪交代する夜の女王とザラストロはオペラ・セリア的な役柄である。
このオペラの中の最高音と最低音をそれぞれ歌う歌い手でもある。
特に夜の女王の2つのアリア(No4, No,14)は至難なコロラトゥーラの技巧を要求する難曲であり、才能あるソプラノが若いころに歌って注目をあつめることがよくある。
ドイツ圏のソプラノには、若年期に夜の女王を演じた後、娘のパミーナへ役を転じる例も多い。
その一人であるルチア・ポップに至っては、夜の女王の後で三人の童子の一人を演じた記録が残っている。
ザラストロの2曲(No10, No,15)も、低音が豊かなバッソ・プロフォンド歌手にとって重要なレパートリーのひとつでもある。
なお、文豪ヨハン・ヴォルフガング・フォン・ゲーテは、「魔笛」を愛し、その第2部を執筆しようとしたが、多神教的性格を好まなかったためか断念した。
Mozart 1 モーツァルト ピアノ協奏曲 第23番 イ長調 K.488
Mozart 2 モーツァルト 交響曲 第40番 ト短調 k 550
Mozart 3 モーツァルト《ドン・ジョヴァンニ》序曲/全幕
Mozart 4 モーツァルト《ドン・ジョヴァンニ》 オペラ
Mozart 5 モーツァルト:魔笛 /W. A. モーツァルト:魔笛 (レヴァイン, 1991年)【全曲・日本語字幕】
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