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(写真はイランのエスファハーン)
記録だけ 2008年度 13冊目
『恐ろしい話』 ちくま文学の森 7
著者 共著 (下記 記録)
編者 安野光雅
森毅
井上ひさし
池内紀
株 筑摩書房
ちくま文学の森 7
1988年6月29日 第1版
1994年5月25日 第8版
478ページ ?円
1 「出エジプト記」より
2 詩人のナプキン
(アポリネール作・以下作を抜かす)
3 バッソンピエール元帥の回想記から
(ホフマンスタール )
4 蠅
(ピランデルロ )
5 爪
( アイリッシュ)
6 信号手 2
(ディケンズ )
7 「お前が犯人だ」
(ポー )
8 盗賊の花むこ
( グリム )
9 ロカルノの女乞食 4
(クライスト )
10 緑の物怪
(ネルヴァル )
11 竈の中の顔
(田中貢太郎 )
12 剣を鍛える話
(魯迅 )
13 断頭台の秘密
(ヴィリエ・ド・リラダン )
14 剃刀
(志賀直哉 )
15 三浦右衛門の最後
(菊池寛 )
16 利根の渡
(岡本綺堂 )
17 死後の恋
(夢野久作 )
18 網膜脈視症
(木々高太郎 )
19 罪のあがない
(サキ )
20 ひも
(モーパッサン )
21 マウントドレイゴ卿の死
( モーム)
22 ごくつぶし
( ミルボー)
23 貧家の子女がその両親並びに祖国にとっての重荷となることを防止し、かつ社会に対して有用ならしめんとする方法についての私案
(スウィフト )
24 ひかりごけ
(武田泰淳 )
なぜ怖がりたがるのか?
(池内紀 )
先日 安倍主計氏の作品を探していると、安倍主計氏訳(一作品訳)である ちくま文学の森の『恐ろしい話』を掘り当てた。
インターネット検索すると、生憎 近隣図書館(三館全て)にはない。
家族を頼りに・・・や・・・をネット検索。
探してみると、結構人気らしく、今回は子どもに願い出る。
手にした本は思ったよりも厚く、作者、訳者の壮々たるメンバーに驚きを隠しえない。
短編ブラックユーモアのこれらの作品の中には、後にも続けて、他の作品を読んでみたいと思うものも多かった。
『網膜脈視症』の作者、木々高太郎の論理的思考を備えた短編小説に好感を持つ。
また、『貧家の子女がその両親並びに祖国にとっての重荷となることを防止し、かつ社会に対して有用ならしめんとする方法についての私案 』を書いた スウィフトという作家の、風刺作らしき『桶物語』や『書物合戦』なども読みたい。このスウィフト、ご存知のとおり、『ガリヴァー旅行記』の著者であることを付け加えておく。
それにしても 『貧家の子女がその両親並びに祖国にとっての重荷となることを防止し、かつ社会に対して有用ならしめんとする方法についての私案 』という題名は、長いではないか。この題にイメージから、私は欧州絵画のエッチングを思い浮かべ、同時にこの作品から、自分なりの絵画の展開を描き、空想して楽しんでいた。
結構風刺の効いた 面白い作品になると思われるのですが、いかがなものでしょうか・・・。
『恐ろしい話』を読み終えて、私は中学・高校生の頃からとても好きな作家の一人でもある 安部公房氏の『砂の女』を思い浮かべた。
あの作品もある意味、真に迫る迫力があると思うのですが、どうでしょう・・・。精神的に追い詰められ、作品中の男の心理において、スパイラル内にはまり込んだかと思えば、す~~ッと抜けゆく怖さ。
さすがの安部公房先生ですね。
別段、恐ろしい話をテーマにした作品ではないんですけどね・・・。(笑)
チェフェル・ソトゥーン(チェへル・ソトゥーンともいう)宮殿は、1647年、アッバース2世によって建てられたようです。
中には多くの絵が壁に描かれていて、美しい宮殿です。
名高い方々が名を連ねた本で、今は絶版だと思います。たいそうな本ではなく、気楽に楽しめるものです。タイトルは軽いですが、短編純文学で、満足。面白いですよ!
今は絶版だと思いますが、amazonなどでは手に入りそうです。図書館でも借りれ下さるかも。但し16巻、あります(笑)