写真は、天神祭 船能 『猩々』 帝国ホテル
謡曲『松風』 1 (観世流謡曲百番集)を読了。 『堀川波鼓』詠われる『松風』を読む。
観世流謡曲百番集『松風』は解説こそないが、能楽会場へは毎度持参する私にとっては貴重な本。
この本は読みやすい行書の手書きで収められており、能楽を見ながらでも、利用しやすい。
また、書道の文字で記されているので、心が温まり、風邪を肌で感じるような本となっている。
会場で謡をされていらっしゃる男性と話す機会に恵まれることがある。
その多くが、私の『観世流謡曲百番集』『観世流続謡曲百番集』を手にしているのを見て、
「謡をされていらっしゃるのでしょうか?」
と訪ねてこられる。
「いいえ。見に来ているだけです。」
と申しますと、
「この本は、謡仲間でも喉から手が出るくらいに欲しがっている者が多い。この本を買えば、腹をくくって、一生謡を続けるという覚悟を持って購入する本なんですよ。」
とにこやかに笑われる。
そもそも能楽鑑賞を再開し始めた頃、ご年配の女性が教えてくださったことがある。
「『観世流謡曲百番集』は良いわよ。私は『観世流続謡曲百番集』は持ってないんだけどもの、ボロボロの『観世流謡曲百番集』だけなら古本屋さんで、3000円で売っていたのよ。これがあると、便利よ。」
ということで、京都四条通り老舗美術和本専門の古本屋さんに行ったがめだ出るほどお高い。
小心者の真面目な主婦である私は、家に電話をかけたが、夫は仕事で留守。
大学生であった息子がたまたま電話口に出て、力強く一言。
「買い!買いなさい!両方揃ってるんでしょ?絶対に買いや。」
息子の声に勇気付けられ、二冊揃えを購入。
謡をされている男性の
「この本は、謡仲間でも喉から手が出るくらいに欲しがっている者が多い。この本を買えば、腹をくくって、一生謡を続けるという覚悟を持って購入する本なんですよ。」
という言葉を思い出し、ほくそ笑む。
今となっては私の宝本の一つである。
話はそれたが謡曲『松風』を舞台を想像しながら、『観世流謡曲百番集』は二度読んだ。
『松風』は確かに見たことのある演目であることを、本書の図を通して確認した。
しかし、内容までは覚えてなかった。
『松風』を読み、南座と松竹座で合計三度みた歌舞伎『堀川波鼓』の脚本のうまさに驚いた。
歌舞伎『堀川波鼓』は確実に『松風』を引き、事細かに言葉や歌や構成を巧みに取り入れ、うまく組み合わせて筋書きが作られているのだ。
その『松風』も『源氏物語』の「須磨」あたりを引用し作られてうる部分があるというので、いずれ『源氏物語』「須磨」も十来ると読む必要がある。
『観世流謡曲百番集』『松風』を読み、歌舞伎『堀川波鼓』の構成力のすごさに改めて感心した。
片岡仁左衛門丈が受賞された時言われた言葉の
「単に歌舞伎が好きなんです。私は新しいものを追求するのではなく、古典を掘り下げて、皆さんに歌舞伎の良さを知っていただきたい。(要約)」
の重みが、今回 七月大歌舞伎『堀川波鼓』の片岡仁左衛門様(中村勘九郎様代役時も含む)と重厚に演じられた中村扇雀様のお舞台をみて、近松作品を研究なさったおられるであろう、役者の方々の面々が思い浮かびます。
今回のお舞台を拝見させていただき、片岡仁左衛門様と中村扇雀様に対してこみあげるような感謝の念が生じると同時に、歌舞伎舞台は見るだけでも感じるだけでも楽しいが、読み取るものであるのだ、そしてそのように感じさせる舞台こそ、真の古典歌舞伎であると確信した。
片岡片岡仁左衛門様と中村扇雀様の『堀川波鼓』を八月(今月末)をめどに、書物や映像を通してし、私なりに調べてみたい。
そして、続けて、まずは近松全集を中心に片岡仁左衛門様のお舞台を想像しながら、舞台や、近松作品そのもの、また脚本を調べて遊ぼうと思う。
コロナ禍で二年半も歌舞伎鑑賞を諦め、片岡仁左衛門丈のお舞台を見ることができなかった私は、ここにきて、片岡仁左衛門様と中村扇雀様のおかげで、古典歌舞伎や元の作品を読もうと感じさせてくださったお二人には感謝の念でいっぱいである。
片岡仁左衛門様
中村扇雀様
ありがとうございます。
私は高校生も頃から歌舞伎が好きでよかったです。
本日は心にに残る舞台の一つ『葛の葉』(松竹座 中村扇雀)を映像で見たいと思います。
えらく謡曲『松風』(観世流謡曲百番集)読了記録から逸脱した内容を書いておりますことをお許しください。
実は
観世流謡曲百番集、
謡曲集上(日本古典文学大系 岩波 赤)、
謡曲百番集(新日本古典文学大系 岩波 緑)、
能を読む「翁と観阿弥 能の退場」(角川学芸出版)
の四冊で謡曲『松風』を読んで私なりに捉えて見たのですが、それぞれの本の特徴があり、解説も違い、本文を読んでいても、心に残る部分が微妙に違うことを感じ、驚きの発見をいたしました。
『観世流謡曲百番集』での『松風』で感じた心に残る部分を書き写そうかと時は思ったのですが、長くなりすぎますので割愛致すことにしました。
みなさま、拙ブログにお越し下さいましてありがとうございます。
感謝申し上げます。
『堀川波鼓』1 『近松全集』 『名作歌舞伎全集 第一巻』 『近松全集』より
『堀川波鼓』2 片岡仁左衛門 休演>< ご回復を願っております。 感情移入よろしくの、あっぱれ!中村扇雀さん^^v 今回の『堀川波鼓』は良かった。
『堀川波鼓』3 歌舞伎役者 中村扇雀様
『堀川波鼓』4 仁左衛門様と扇雀様の『堀川波の鼓』が続行されている^^v そして、近松の魅力を少々^^
『堀川波鼓』5 『名作歌舞伎全集 第一巻』 『近松全集 第四巻』 『日本古典文学大系 近松浄瑠璃集 上』より『堀川波鼓』を繰り返し読む。
『堀川波鼓』6 『堀川波鼓』下巻大筋 『近松全集 第四巻』『堀川波鼓』横山 正 引用 (片岡仁左衛門様、中村扇雀様へは感謝の気持ちでいっぱい)
謡曲『松風』 1 (観世流謡曲百番集)を読了。 『堀川波鼓』詠われる『松風』を読む。 片岡仁左衛門様と中村扇雀様に感謝する。
在原行平 1 『堀川波鼓』関連する在原行平について調べてみる 謡曲の『松風』は百人一首の行平の和歌や、須磨漂流などを題材としている。
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