そのままVon

おもに31文字の語呂合わせ日記

松平修文(06/30)

2020年06月30日 | 日めくり帖

2020/06/30
「星暗き夜半に窓をあけこゑをかく 花ばたけをとほる幽霊たちに
 [松平修文/このときの作者の気分が気にかかる窓を開けたら何かが起きる][短歌]」

「眼のない鳥や眼のない魚や眼のない少女が棲むその街は、夜だけの街
 [松平修文/上の句が字余りしたり思いきりないないづくしで夜だけの街][短歌]」

「野の鳥の羽毟りつつ食ひをへて少女あけ方の墓地へ飛び去る
 [松平修文/鳥食らう老婆でなくて少女なりおまけに墓地に飛び立たせたり][短歌]」

「崖顛のやかたに鴉かひならす処女  ふたたび死ぬることなく
 [松平修文/この処女は既に死におり崖の上から飛び降りたかな][短歌]」

「被写体の崖のいただきに現れし少女は投身自殺して見せ
 [松平修文/まえの歌解答なるかこの歌の歌そのものはあまりよくない][短歌]」

「『血の池のほとりで待つ』といふ手紙  今年も届き夏が来ている
 [松平修文/池よりも沼がいいけど血の池が慣用句なり現にあるかな][短歌]」

「向日葵のうしろにさわぐ波にのり空壜が来る水死者が来る
 [松平修文/海辺ならある向日葵の風景もサーファーでなく日壜や水死者 ][短歌]」

「穴のあく葉の裏側に潜む虫を見たし責めたし殺したし
 [松平修文/下の句の『見たし責めたし殺したし』無理して裏など見なけりゃいいが][短歌]」

「死期が来たのかもしれない  黒衣のひとに支へられて、沼へ
 [松平修文/死の儀式想像するは面白き意識を失くし底無し沼も][短歌]」

「われもまた『黒衣のひと』という言葉使った歌を書いて見たきか[][短歌]」
「水無と月の始めに思ったが水に流して巣籠もり緩和[][日記]」
「水無月はしだいに暑く腰据えて巣籠もりできず読書もできず[][読書]」


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福島泰樹(06/29)

2020年06月29日 | 日めくり帖

2020/06/29
「日本の悪霊なれば血糊なす思想の闇を溜めて項垂る
 [福島泰樹/絶叫の短歌提唱する人も字余りになり叫べないかな
 /悪霊が項たれるは血深泥の思想の闇を溜めるからだと
][短歌]」
「思想ゆえに死したる者ら集まりて決起をせぬか茜濃き闇よ
 [福島泰樹/茜色濃くしたならば闇になるいずれそのうち使ってもみむ
 /茜色闇になれれば同士らと集まり決起したい欲望][短歌]」

「頬は溶け鼻は潰れて叫ばんに唇どこにもみあたらなくに
 [福島泰樹/外見は必死さあるも言いたきが伝わらないというもどかしさ][短歌]」

「老いたいまやりたきことは自然にと篩かけられ残るものかな
 [セックス、資金、時間、活動範囲などの色気が取れるので篩落ちたものに注目][短歌]」

「篩から落ちたるものに漫画書き料理を作り著述すること[][短歌]」
「将棋界藤井聡太が17歳で棋聖・王位に挑戦をする[勝てば驚天動地][短歌]」
「王位戦木村一基が受けてたつこのおっちゃんも異色でありし
 [将棋の強いおもしろいおっちゃん][短歌]」


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寺山修司(06/28)

2020年06月28日 | 日めくり帖

2020/06/28
「だれの悪霊なりや吊られし外套の前すぐるときいきなりさむし
 [寺山修司/もの使い寒さで幽気表せる『いきなりさむし』はまた使いたい][短歌]」

「老婆から老婆へ渡す幼な児の脳天ばかり見ゆる麦畑
 [寺山修司/麦畑展開されし光景か老婆脳天衝撃なりし][短歌]」

「いまだ首吊らざりし縄たばねられ背後の壁に古びつつあり
 [寺山修司/首吊りの場面が古くなる話どう解釈をすればいいかと][短歌]」

「音立てて墓穴ふかく父の棺下ろさるる時父目覚めずや
 [寺山修司/衝撃で死人が蘇生する話閃光のごと寒気の走る][短歌]」

「不可解なインドで因果なさぬごと雷落ちて百八人死す[][日記]」
「阪神はまたも出だしに失敗し勝つ気あるのか疑問に思う
 [森ちゃんが借金君を六つ乗せまだこれからと覚悟をするか][短歌]」

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稲葉京子(06/27)

2020年06月27日 | 日めくり帖

2020/06/27
「白髪を梳きながらふと振り向けば小面をつけてゐるかも知れず
 [稲葉京子/白髪を梳きし媼が振り向けばのっぺらぼうであるかも知れず][短歌]」

「担送車にゆれ揃ひつつ行き過ぐるまことに白き死者のあなうら
 [稲葉京子/あなうらは足裏のことで死者のそれまっしろけだと云う歌で][短歌]」

「ひとつの死はその死者の中に棲まひゐし死者をとはに死なしむ
 [稲葉京子/吾アの中に人の死あまたあるけれど身が滅ぶればそれも死なしむ][短歌]」

「凶凶と彼方の屋根に鳴く鴉父母ありし日は心震へき
 [稲葉京子/昔から鴉が鳴くは不吉だと父母ありし日に心配したと
 /わが叔父の逝きし日にも鴉来て鳴きたるといふ二十歳まえなり][短歌]」



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蘆城の駅屋(#8.1530-#8.1531)

2020年06月26日 |  / 万葉集

2020/06/26
「駅家にと誰か送りしあとなのか旅人やいるや委細わからず
 [太宰の諸卿大夫、また官人等が、筑前国蘆城アシキの駅家に宴する歌二首 ][万葉]」

「をみなへし秋萩交じる蘆城の野今日を始めて万代に見む[#8.1530][万葉]」
「女郎花秋萩交じる蘆城の野今日からずっと見ていきましょう[超訳][万葉]」
「玉くしげ蘆城の川を今日見てば万代までに忘らえめやも[#8.1531][万葉]」
「たまくしげ蘆城の川をきょうみたらこれからずっと忘れられない[超訳][万葉]」
「駅屋ある場所が蘆城だと忘れませんともったいつける[右の二首は、作者未詳][万葉]」


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