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キェルケゴールがモーツァルトのドン・ジョバンニについて書いている。すべての古典的な作品のうちでモーツァルトの『ドン・ジョバンニ』が第一位に値するということを言いたいらしい。これを言うために新書一冊分を費やしている。読んでみたがうまく読めない。どうも哲学者の話の進め方はくどくて馴染めない。さて、キェルケゴールはデンマークの哲学者で実存主義哲学の先駆けとして有名で『不安の概念』等の著作がある。哲学者としてはカント、ヘーゲルが有名だが、キェルケゴールもそれなりに有名だと思う。名前の音感からくる優しさがあり、個人的には親しみを持った。
キェルケゴールはモーツァルトとは半世紀ぐらい活躍の時期が遅れている。ゲーテは同時代人で、旅の途中にかわいい神童を見て、その後ウオッチングをしていただろうことが頷ける。ゲーテは十八世紀はじめ、モーツァルティアンとして広報の役割を十分に果たしたのであろう。一方キェルケゴールはどのくらいモーツァルトを聞いてドン・ジョバンニをものにしたのか。レコードもCDもない時代である。そんなに頻繁にコンサートがあったわけではない。なにか啓示的なものがあったのか、文学的な背景があったのか、よくわからないが、フィガロよりも魔笛よりもドンジョバンニを上に置いている。
さきを急ぐがキェルケゴールはモーツァルトの幸福を感じたらしい。それに気付いた人達を幸福にしてくれるという。キェルケゴールの時代より、モーツァルトの作品を、ほぼどんな作品もすきなときに好きなだけ聞くことができる。この幸せを満喫しない手はない。死ぬことはモーツァルトを聞けなくなることだ、という言葉は当たっているように思う。
キェルケゴールがモーツァルトのドン・ジョバンニについて書いている。すべての古典的な作品のうちでモーツァルトの『ドン・ジョバンニ』が第一位に値するということを言いたいらしい。これを言うために新書一冊分を費やしている。読んでみたがうまく読めない。どうも哲学者の話の進め方はくどくて馴染めない。さて、キェルケゴールはデンマークの哲学者で実存主義哲学の先駆けとして有名で『不安の概念』等の著作がある。哲学者としてはカント、ヘーゲルが有名だが、キェルケゴールもそれなりに有名だと思う。名前の音感からくる優しさがあり、個人的には親しみを持った。
キェルケゴールはモーツァルトとは半世紀ぐらい活躍の時期が遅れている。ゲーテは同時代人で、旅の途中にかわいい神童を見て、その後ウオッチングをしていただろうことが頷ける。ゲーテは十八世紀はじめ、モーツァルティアンとして広報の役割を十分に果たしたのであろう。一方キェルケゴールはどのくらいモーツァルトを聞いてドン・ジョバンニをものにしたのか。レコードもCDもない時代である。そんなに頻繁にコンサートがあったわけではない。なにか啓示的なものがあったのか、文学的な背景があったのか、よくわからないが、フィガロよりも魔笛よりもドンジョバンニを上に置いている。
さきを急ぐがキェルケゴールはモーツァルトの幸福を感じたらしい。それに気付いた人達を幸福にしてくれるという。キェルケゴールの時代より、モーツァルトの作品を、ほぼどんな作品もすきなときに好きなだけ聞くことができる。この幸せを満喫しない手はない。死ぬことはモーツァルトを聞けなくなることだ、という言葉は当たっているように思う。