2017/01/31
「瓦斯磴や柳につもる夜の雪(M31)」
「シンプルでさすが子規さん瓦雛灯の歴史と場所を知りて味わえ
(雪ふりし頃には柳枯れており)」
「ガス灯と柳といえば銀座らし明治七年日本にはいる()」
「役人が灯をともしたる瓦雛灯に夜の帳がおりる頃には
(昭和の始め頃、京都堀川で瓦雛灯を消す光景を叔父は見た)」
「あなたのため私のためにギョリュウバイ一月尽の花として咲く(鳥海明子)」
「赤い花たくさんつけて華やかにギョリュウバイはニュージーランド産(花言葉:蜜月)」
「一年の最後の候で鶏が春の訪れ感じ産卵(『鶏始めて乳す』)」
「鶏も産卵期あり初春から初夏の間に生んだとふ(品種改良されて通年になったらしい)」
「鶏の夜明けを告げるも元日の第一声を初鶏という()」
2017/01/31
80
「いきいきと三月生まれる雲の奥
(飯田龍太
/三月が雲の奥から生まれるとそんな気にさす雲に会いたい
&詠んだときは二月?)」
81
「いきいきと死んでゐるなり水中花
(櫂未知子
/オクシモロン的わあきれい思いいたれども水中花)」
82
「生きかはり死にかはりして打つ田かな
(村上鬼城
/田植えとは悠久なりて続くもの
&過疎化が田植えも変えた)」
83
「生き堪へて七夕の文字太く書く
(村越化石
/大病に持ちこたえるを生き堪える思い付かない表現なりし
&七夕の文字は短冊の字のこと)」
84
「生きものに眠るあはれや龍の玉
(岡本眸
/生きものが持つあはれさは龍の玉
尾をふることや口聞けぬこと
&生きる切なさ)」
85
「いくたびも月にのけぞる踊かな
(加藤三七子
/月見るをのけぞるというおもしろさ炭鉱節にその節あるや
&盆踊りもあまり知らない)」
86
「いくたびも雪の深さを尋ねけり
(正岡子規
/病床の子規は気になる雪のさま頭のなかで物差しを指す
&やっぱりしつこかったのか)」
87
「幾人をこの火鉢より送りけむ
(加藤楸邨
/櫛の葉が欠けるがごとに火鉢かな
&この光景ありますね)」
88
「幾千代も散るは美し明日は三越
(摂津幸彦
/むつかしいなんのことだかわかりない明日の三越なにがあるのか
&『今日は帝劇明日は三越』というキャッチコピーあり
&無季の俳句で波調、死と生の対比だとか)」
89
「石段をひろがりのぼる遍路かな
(皆吉爽雨
/遍路道寺の石段登りたる人はバラバラ思い思いに
&遍路にも色々)」
2017/01/30
「ほつかりと日のあたりけり霜の塔(M27)」
「畔や田も淡路ぜんぶが霜景色(29日早朝)」
「ポリポリと豆噛むように霜柱()」
「お守りを入れし巾着の形してカルセオラリアふくらみにけり(鳥海明子)」
「別名を巾着草という花は濃い黄色なり斑も含む(花言葉:助け合い)」
「正月が過ぎるを惜しむ風習か陰暦三十日ミソカを団子や餅で(『初三十日』)」
「今日からは大寒末候春間近行く冬惜しみ句をつくらんか()」
2017/01/29
「武蔵野も空も一つに吹雪哉(M31)」
「『の』ではなく『も』にしたるのは広範囲関東一円吹雪くのかしら(武蔵野はぴったり)」
「われの知る武蔵野などと違うかな小金井公園に降る雪思え()」
「いのちなる力はじけてハナアナナス花のひとつの今朝のむらさき(鳥海明子)」
「秋冬にむらさきの花たくえるハナアナナスはパイナップル科と(花言葉:蓄える)」
「末候を過ぎれば次は立春で春思う季語あれやこれやと(『明日の春』)」
「春の季語つかって題詠してみたい『遠からじ』とか『間近』とか
(目白押しの季語:『遠からじ』『近し』『間近』『急ぐ』『隣』『明日は春』)」
「万事は夢今日と暮らして明日の春(天野亅退 ケッタイ)」
ハナアナナス
2017/01/28
「人住まぬ屋敷の池の氷かな(M28)」
「最近は人の住まない家多くつい思いたりもったいないと()」
「家でなく屋敷とあるはそれなりに大きい家で目立ちたるのか()」
「没落の屋敷の軒の忍び草()」
「氷れるや痩せて枯れてもビオトープ()」
「追伸のうれしさに似てエンドウの新しい花今朝も咲きたり(鳥海明子)」
「ばあさんの畑で見たる豌豆の花白色に咲く記憶あり
(白の他赤紫にもなるらしい。花言葉:未来の喜び)」
「旧暦の正月頃に咲く花で別の名前は元日草といふ
(この欄の1月22日に紹介した)」
「時期くれば今か今かと待ちわびるぷっくりとした蕾を見ては()」
「朝に咲き夕方に閉ず福寿草黄の他に白・赤もあり()」
エンドウ豆の花