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「しなが鳥猪名野を来れば有馬山夕霧立ちぬ宿は無くして(摂津の歌1/21首 #7.1140)」
「にお鳥が猪名野を通り有馬山夕霧が立つ宿もないのに()」
「武庫川ムコカワの水脈を速みと赤駒の足掻くたぎちに濡れにけるかも
(摂津の歌2/21首 #7.1141)」
「武庫川の流れ早いと馬の足当たるしぶきに濡れてしまった()」
「命を幸サキくあらむと石走る垂水の水を結びて飲みつ(摂津の歌3/21首 #7.1142)」
「命無事あってほしいと流れたる垂水の水を手で掬いのむ()」
「さ夜更けて堀江榜ぐなる松浦船マツラブネ楫の音ト高し水脈速みかも
(摂津の歌4/21首 #7.1143)」
「夜が更けて堀江を漕げる松浦船楫の音たかい波が速いか()」
「悔しくも満ちぬる潮か住吉スミノエの岸の浦廻よ行かましものを
(摂津の歌5/21首 #7.1144)」
「悔しいな満潮になる住吉の行ければ浦廻したかったけど()」
「妹がため貝を拾ヒリふと茅渟チヌの海に濡れにし袖は干せど乾かず
(摂津の歌6/21首 #7.1145)」
「妻のため貝拾わんと茅渟チヌの海で濡れてしまった袖は乾かず()」
「めづらしき人を我家ワギヘに住吉の岸の埴生ハニフを見むよしもがも
(摂津の歌7/21首 #7.1146)」
「愛すべき人なら共に住吉と岸の埴生ハニフを見たいものだが()」
「しなが鳥猪名野を来れば有馬山夕霧立ちぬ宿は無くして(摂津の歌1/21首 #7.1140)」
「にお鳥が猪名野を通り有馬山夕霧が立つ宿もないのに()」
「武庫川ムコカワの水脈を速みと赤駒の足掻くたぎちに濡れにけるかも
(摂津の歌2/21首 #7.1141)」
「武庫川の流れ早いと馬の足当たるしぶきに濡れてしまった()」
「命を幸サキくあらむと石走る垂水の水を結びて飲みつ(摂津の歌3/21首 #7.1142)」
「命無事あってほしいと流れたる垂水の水を手で掬いのむ()」
「さ夜更けて堀江榜ぐなる松浦船マツラブネ楫の音ト高し水脈速みかも
(摂津の歌4/21首 #7.1143)」
「夜が更けて堀江を漕げる松浦船楫の音たかい波が速いか()」
「悔しくも満ちぬる潮か住吉スミノエの岸の浦廻よ行かましものを
(摂津の歌5/21首 #7.1144)」
「悔しいな満潮になる住吉の行ければ浦廻したかったけど()」
「妹がため貝を拾ヒリふと茅渟チヌの海に濡れにし袖は干せど乾かず
(摂津の歌6/21首 #7.1145)」
「妻のため貝拾わんと茅渟チヌの海で濡れてしまった袖は乾かず()」
「めづらしき人を我家ワギヘに住吉の岸の埴生ハニフを見むよしもがも
(摂津の歌7/21首 #7.1146)」
「愛すべき人なら共に住吉と岸の埴生ハニフを見たいものだが()」