そのままVon

おもに31文字の語呂合わせ日記

鑑賞11.主観をどう表現するか

2022年01月31日 | 三十一文字
2022/01/31
「六時間を歩いて帰り来し父は神戸の街の惨を語らず[俵万智][]」
「箪笥の下を必死に抜けし老妻は一瞬笑い次に号泣す[俵万智][]」
「もの言わぬ男の肩の大きくて叩きやすくてときおり叩く[俵万智][]」
「とめどなき遠さにひとは眠りゆく吾を腕カイナのうちに閉ざして[俵万智][]」
「夫の背に馴染みてくぼむ籐椅子にためらふごとく木洩れ日がが来る[俵万智][]」
「サバンナの象のうんこよきいてくれだるいせつないこわいさみしい[俵万智][]」
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鑑賞10.固有名詞の効果

2022年01月31日 | 三十一文字
2022/01/31
「秋の野のまぶしき時はルノアールの『少女』の金髪の流れを思う[佐藤通雅][俵万智]」
「モジリァニの絵の中の女が語りかく秋について愛についてアンニュイについて [築地正子][俵万智]」
「あまりよい比喩ではないが東山・おかでんミュージアム魁夷のやうな山霧は降る[中山明][俵万智]」
「国名がロシアへ戻ればロシアゆえ思いい出せる歌の数々[関根栄子][俵万智]」
「見下ろせば逆巻く怒涛唸りたる愛妻号といふ洗濯機[早野英彦][俵万智]」
「その読みの正確さすら自信なき小紫胡湯をけふも処方す[ 川明][俵万智]」
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鑑賞8:初句のあれこれ

2022年01月31日 | 三十一文字
2022/01/31
「実例:風もなきにざつくりと牡丹くずれたりざつくりくづるる時の至りて[ 岡本かの子][俵万智]」
「先に行くPM3:00 かかわりのない伝言の前を過ぎてく[早坂類][俵万智]」
「(とびなさい)ひとつ折るたび声かけて千代紙のツルが机にならぶ[吉田京子][俵万智]」
「ああ母は突然消えてゆきたれど一生なんて青虫にもある[渡辺松男][俵万智]」
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鑑賞9.いろいろな色、その意味

2022年01月31日 | 三十一文字
2022/01/31
「梨をむくペティナイフしろし沈黙のちがひたのしく夫とわれとゐる[松平盟子][俵万智]」
「娶るとはさびしからむに君はいま白きシャツなどひらひらと着る[松実啓子][俵万智]」
「あっけらかんと妊ミゴモりにけり愚かしきこの肉叢は陽にさらしおく[水原紫苑]俵万智[]」
「喉白く五月のさより食みゐるはわれをこの世に送りし器[水原紫苑][俵万智 ]」
「草わかば色鉛筆の赤き粉のちるがいとしく寝て削るなり[北原白秋][俵万智]」
「白き鯉の過ぎゆく膚にかたはらの鯉の緋色のたまゆら映えつ[田谷鋭][俵万智]」
「うすく濃く樹樹はみどりを競ふかな極相林クライマックスの照葉樹林[][俵万智]」
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15.会話体を活用

2022年01月31日 | 三十一文字
2022/01/31
「口語体短歌ウタに馴染ます策として会話を入れて試行錯誤を[15.会話体を活用][]」
「Q15-1:熱すぎるセリフで胸はもたれるし冷たい態度に揺れたりもする[][]」
「A15-1:『愛してる』なんてセリフはもたれるし『じゃあな』『またな』に揺れたりもする[][]」
「熱すぎる、冷たいなどの正体がわからず明かせ具体的にと[][]」
「Q15-2:『雪が見たい』といったなら『見に来たらいいし』なんて簡単に行かれっこないし[][]」
「電話での会話もこなれず締まりなし定型にしてビシッと歌え[][]」
「A15-2:『雪が見たい』『なら見に来れば』簡単に行かれっこない受話器の向こう[][]」
「Q15-3:『Miss me? 』の答えは短くあいまいで悲しすぎるよ君の『Maybe』[][]」
「A15-3:『Miss me? 』の答えは『Maybe』逆光に輪郭だけの君の横顔[][]」
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