4/30
「歌いおるこの妻事件の鍵なるか未練たっぷり想い出詠う
(或ル本ノ歌ニ曰ク)」
「うつそみと思ひし時に手たづさひ吾が二人見し出立の百枝槻の木
こちごちに枝させるごと春の葉の茂きがごとく思へりし妹にはあれど
恃タノめりし妹にはあれど世の中を背きしえねばかぎろひの燃ゆる荒野に
白布の天領巾隠り鳥じもの朝発ちい行きて入日なす隠りにしかば我妹子が
形見に置ける緑児の乞ひ泣くごとに取り委す物しなければ男じもの
脇ばさみ持ち吾妹子と二人吾が寝し枕付く妻屋のうちに昼はうらさび暮らし
夜は息づき明かし嘆けどもせむすべ知らに恋ふれども逢ふよしをなみ大鳥の
羽易ハカヒの山に汝が恋ふる妹はいますと人の言へば岩根さくみて
なづみ来しよけくもぞなきうつそみと思ひし妹が灰而座者(#2-0213)」
「去年見てし秋の月夜は渡れども相見し妹はいや年離る(短歌#2-0214)」
「衾道を引手の山に妹を置きて山路思ふに生けるともなし(#2-0215)」
「家に来て妻屋を見れば玉床の外に向かひけり妹が木枕(#2-0216)」
「家に来て妻屋の床を眺めれば妻の木枕外を向きおり(謎多い)」
「歌見れば妻は無理矢理つれられて囲いし家はもぬけの殻に()」
「衾道は今は天理の中山とここにかくまう吾妹子は誰()」
「歌いおるこの妻事件の鍵なるか未練たっぷり想い出詠う
(或ル本ノ歌ニ曰ク)」
「うつそみと思ひし時に手たづさひ吾が二人見し出立の百枝槻の木
こちごちに枝させるごと春の葉の茂きがごとく思へりし妹にはあれど
恃タノめりし妹にはあれど世の中を背きしえねばかぎろひの燃ゆる荒野に
白布の天領巾隠り鳥じもの朝発ちい行きて入日なす隠りにしかば我妹子が
形見に置ける緑児の乞ひ泣くごとに取り委す物しなければ男じもの
脇ばさみ持ち吾妹子と二人吾が寝し枕付く妻屋のうちに昼はうらさび暮らし
夜は息づき明かし嘆けどもせむすべ知らに恋ふれども逢ふよしをなみ大鳥の
羽易ハカヒの山に汝が恋ふる妹はいますと人の言へば岩根さくみて
なづみ来しよけくもぞなきうつそみと思ひし妹が灰而座者(#2-0213)」
「去年見てし秋の月夜は渡れども相見し妹はいや年離る(短歌#2-0214)」
「衾道を引手の山に妹を置きて山路思ふに生けるともなし(#2-0215)」
「家に来て妻屋を見れば玉床の外に向かひけり妹が木枕(#2-0216)」
「家に来て妻屋の床を眺めれば妻の木枕外を向きおり(謎多い)」
「歌見れば妻は無理矢理つれられて囲いし家はもぬけの殻に()」
「衾道は今は天理の中山とここにかくまう吾妹子は誰()」