息子(もうすぐ5才)がいじめられているのを
目撃してしまった。
(息子には重篤な食物アレルギーがある。
保育園では、夜に保護者会とか
各種委員会が多数開催されるが
その際、こどもたちも居残りし
仕出し屋さんに、みんなでお弁当を注文するのだけれど
息子は
こうした仕出しや市販品で
もしも間違いがあった場合には命に関わるので
毎回、わたしが持参する手作り弁当を食べている。)
「なんでおまえだけ、
お母さんのお弁当やねん」
「なんでみんなとおんなじじゃないねん。
おまえだけ違うねん?」
としつこく何度も、
同じクラスの男子に
囲まれて言われていた。
しかし、ヤツは
そんな時に、泣いたりするタマではない。
私が作ったお弁当の包みを抱え
任侠映画のごとく
「あぁーン?!」というような怖い顔を作り
相手が目をそらすまでにらみ続けていた。
(私がそこにいることに
息子は気づいていない。)
それを見て、なかなかやるじゃんか、
と思うと同時に心配になった。
いつかこのことで
いじめられる時が来るだろうなと
思ってはいたけれど
もうそれは始まっていたんだなと。
帰って、寝る前に
息子に聞いてみた。
「お弁当、みんなと違うでしょ。
何か言われたことってあるの」と
聞いてみた。
すると
「ううん、そんなことは
今までに一度もなかった。」
ときっぱり言い放つ。
からかわれた事を伏せている。
お弁当のこと、
みんなと違うこと、
気にしてないのか
と問えば
「うん、ママのお弁当がすきやから」
などと、あまりにも模範的な答えを返してくるので
いよいよ逆に心配になる。
無理してるんじゃないかと。
すると息子はつづけた
まま、おれが小さい時から言ってたやろ
みんなとおんなじことが
別にいいことじゃないって。
みんなと違うほうがかっこいいこともあるんやで
って、言ってたやろ
大きくなったら、そのほうがモテるって
ママ言ってたやん。
・・・・。
ママ、そんな下世話なこと言っていましたか
すみません
うーん。
ちょっと訂正したほうがよいなぁ。
とにかく、
子供の頃は、そうは思いにくいかもしれないけど、
中学生になったら、人とおんなじじゃなくなりたくて
みんなもがくくらいなんやからさー。
と言っておく。
でも、あまり厳しく育てすぎるのもよくないだろう。
人はひと、自分はじぶん。
大人には当たり前でも、子供には酷だろう。
幼い頃は、まず人と同じで安心し、
そこから成長していくのだろうから
そこを否定しすぎずに
わかってやらないといけない気がする。
だから少しだけ甘やかす。
私はキャラクター物なんてダサイと思うしお弁当箱や水筒もほんとうは
たとえば無印良品みたいな
シンプルなのを買い与えたいのだけれど
実際には妖怪ウオッチとか、戦隊モノなど、
いかにもなキャラもののを買ってやる。
そして仕出し屋のお弁当に嫉妬しないよう
お弁当の蓋の表面に
手描きのメッセージカードをいつもつける。
「かえったら、すごろくやろうね、ままより」とか。
先日、本人に内緒で妖怪ウオッチのお弁当箱を新調してやった。
また陰で子供たちの様子を見ていた。
息子がお弁当の包みを開ける。
また、何か言われるんじゃないかと
すこしだけ周りを気にする息子がそこにはいる。
しかし
「うわぁ、妖怪ウオッチのお弁当箱やん!!」と
今度はいじめられるどころか
みんなに見せて見せてと囲まれる。
そしてその輪の中で
戸惑いながらも、誇らしげ笑っている息子がいる。
その笑ってるのを見たとき
なぜかいじめられてるのを見たときよりなんかよりも
よほどせつなくて、涙が出そうになった。泣いてないけど。