春が近づくと毎年
ちょっと切ないというか、苦しいというか
うっすらとそんな気持ちになります。
お別れのシーズンだからという、
そういう感じとはまた違うんですよね。
なんでなのか 今年は考えてみたところ、
どうやら
「もしかしたらもう間に合わない感」と
「まだ間に合うかな感」のあいだを
絶え間なく、小刻みに行ったり来たりしているからのように思うのです。
「もう手遅れだ」とスッパリあきらめられない性格で、
「いやいやそうかもしれないけれど、何か道はあるでしょ」
「いやいやそうかもしれないけれど、代替案でもいいからそれで行こうよ」
などと考えてしまいます。
それはポジティブというよりは
現実逃避かもしれなくて、
現実を認めたくないドリーマーなのかもしれないけれど。
でも、厳密に言うと
どんなにおおらかに 柔軟に考えたところで
実際もう間に合わないこと
時計を巻き戻せるわけもなく選択し直せない過去、
またどうしてもタイムリミットがある事柄
というのは現実には多々あるんですよね。
だからきっと
「間に合わない、手遅れであることはわかっていて、
それでも手放せなくて、違う形になってもいいから実現できないかとひそかに願っている」
そんな気持ちを、
露出オーバー気味の写真のような白っぽい春の景色の中にいると、
なんだかうららかな白昼夢のようで、だからこそ思い出さずにいられない。
そして、この卒業の季節にいまだそんなことを考えている自分の青さに
ちょっとガッカリ?
私にとってはそれが3月の、ハルチカシなのかもしれません。