東京に行った時、
いつもの何倍も歩きました。
東京での、靴の思い出です。
一緒に行った人は
その日おろした新しい靴を履いていました。
「新しい靴、靴ずれとか大丈夫?」
と、たずねると
「ううん、大丈夫だよー」
と言っていました。
でも、ある時から
靴ずれで、たぶん足が痛いんじゃないかな、と感じていました。
時間をあけて何度か聞いてみるのですが
毎回「全然だいじょうぶ」と言います。
時間が許すなら、最後にもう一ヶ所、私が行きたいところがあったのだけれど
とてもじゃないけれど、やめておこうと思いました。
そう言うと「なんで?いいじゃん行こうよ♪」と言います。
私は足が痛そうなことにはふれず
「疲れたから、やっぱり今回はやめておくわー」
と言い、行かないことにしました。
あとでわかるのですが
やはりひどい靴ずれで足がえらいことになってはりました。
京都に戻ってからも
靴ずれのことを決して言わず
知らないうちにこっそり絆創膏を貼っています。
足を見ると、ひどく血がにじんでいます。
私たちはお互いに、ずっと小さな隠し事をしていたのでした。
靴ずれが痛いと決して言わず、
気づいていると決して言わない。
何か口を開けば、ごめんねと言わせてしまう気がして。
似たもの同士、めんどくさい人✖️2です。
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