阪口直人の「心にかける橋」

衆議院議員としての政治活動や、専門分野の平和構築活動、また、趣味や日常生活についてもメッセージを発信します。

国会が議論の場として機能するために

2011年01月29日 23時20分57秒 | 政治

 通常国会が始まり、菅総理の施政方針演説に続き、与野党の代表質問が行われました。

 自身の掲げる国づくりの理念として「平成の開国」「最小不幸社会の実現」「不条理をただす政治」の三つを挙げ、総理としての決意の中身を明らかにした総理に対し、各党の党首クラスが質問をしましたが、残念ながら、野党の方々の質疑には全く迫力がありませんでした。私たちが普段、国民の皆さんから聞く声に比べると、野党の方々の追及には切実さもリアリティーもなかったように思います。野党席にいる議員の方々からも、時おり聞くに堪えないヤジは響いても、一体となって応援するような熱気は全く伝わってきませんでした。私には、質疑の内容以前に、「国会が国会としての機能を果たさない」今の状況に対する複雑な思いがそのような空気を生み出しているように思われてなりません。

 自民党の谷垣総裁は、話し合いに入る条件として「国会を解散して信を問え」と再三要求していましたが、国会の冒頭から話し合いを拒否し、解散を要求するのでは何のための国会なのかわかりません。自民党の小泉進次郎議員は「あまり解散、解散と言うよりも、国民が解散を求めるような状況を作っていくのが、我々の役目」というようなコメントをしていたようですが、彼の印象を多くの野党議員も共有していたのではないでしょうか。「解散」「信を問え」と13回も繰り返した演説は言葉が踊っていただけのような印象を持ちました。

 それにしても、参議院で多数派を占める野党が問責決議案を濫発し、審議拒否を行うことで解散を迫る構図は、国会の在り方の構造的な問題に起因しているように思います。日本の選挙制度においては、衆議院、参議院双方で安定多数を占めるためには、3年ごとに改選される参議院、衆議院、参議院で3連勝する必要がありますが、これは至難の業です。

 民主党が野党の時も、政権交代を実現するために、様々な戦術を駆使しましたから、この点については反省すべき点も沢山あります。しかし、これからは、仮に野党が政権を奪還してもねじれ状態は常態化する可能性が高いのですから、日本が危機にある今こそ、知恵を出し合って「国会が機能する」状況を作り出す必要があります。社会保障と税の問題や外交などの問題は党利党略を超えて議論すべきテーマです。

 私は、二大政党制が実現すれば、主要政党が政策や実行力を競い合い、政治自体がレベルアップできると信じていました。そして政権交代が実現した歴史的意義の大きさを確信していますが、不毛な対立が続く国会の現状を目の当たりにしていると、二大政党制や二院制の在り方、また、首相がより強いリーダーシップを発揮できる選挙制度(具体的には首相公選制)に変えるための議論も必要なのでは、と思うようにさえなってきました。

 とにかく、国会議員が国会での議論を否定するような政治をしていては、今の国家の危機において必要な機能が果たせない政治になってしまいます。そのような状況を避けるために、与野党が党利党略を超えて議論する場やルールを作る。それは、私たち若手議員こそが突破口を作るべきことなのかもしれません。


 写真:先日、「民主スクール」で講師をしてくださったカロリーナさんの家で日本で働く外国人の方々とパーティーをしました。日本の「ねじれ国会」についても質問されましたが、少子高齢化が進む産業先進国の多くで「ねじれ」は常態化しています。国境を超えて知恵を出し合う時代であることを痛感しました。



「スタジオ民主なう」2011年1月18日放送


 
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